祈り            油彩F30号   
         
(2009年6月第29回日本画廊協会展に出品)

 京都大原三千院♪境内の苔むした庭で、この小さな石仏になぜ惹き付けられたのか。2000年に亡くなった父の余命が永くない事を亡くなる2年程前に実家の兄から知らされた。その頃丁度厄年で肉体的にも精神的にも曲がり角にきていた為であろうか、これまで、お盆には帰省し墓参りをして、死んだらお寺のお墓に入ると言う様な漠然とした感覚はあったものの、祈りや宗教心のような物には無縁だった私が、その夏の旅でこの石仏に出会った時、安らかな『祈りの心』を感じて描いた。その後父が死に、心の求めに応じ般若心経を覚えた。先人が残したすばらしき智慧の結晶だと感じている。そして、その頃完成したパズル作問研究と般若心経がコラボして2005年9月に『漢字パズル般若心経』を出版した。その表紙には私の心に『祈り』と『先人の智慧』を与えてくれるきっかけになった作品としてこの絵を使った。2005年1月に亡くなった母には出版の報告だけは間に合った。
 安らかに。合掌
2009.6.1
    菅野正人


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