大正3年(1913年)に開業、 東海道・東北・中央の各幹線を接続させて
日本における鉄道の 要 として
オランダのアムステルダム中央駅をモデルに
ルネッサンス様式による 赤レンガ造りの駅舎が建設された。
現在の運転本数は、3787本(1994年4月現在)、正確に運行しているのが不思議に思えるほどの数である。
数年前に 東京ステーションギャラリー がオープンし、企画展覧会が行われるようになったので、
一般の人も
内部を見ることが出来るようになった。 昨年(1993年)の暮れにバルチュス展が開かれたとき、初めて駅舎の
内部を見た。赤レンガの壁面をそのまま利用した展示室は他の美術館とは違った独特の雰囲気が漂っていた。
バルチュスもこの雰囲気が気に入って会場に選んだと言われる程である。
この赤レンガの壁面の所々に黒い物がはめ込んである。良く見るとそれは梁に使われていた木材が焼けて炭
の状態になった物だと判る。
東京駅は、悲惨な戦争の傷跡を残す貴重な建物でもあるのだ。
1994年4月