八ヶ岳の赤岳登山 1968年(昭和43年) 勤務工場の夏休み、同僚の男性一人と上高地、松本、霧ケ峰等を訪問予定の旅に出かけた。旅装束はリックサック、キャラバンシューズのハイキングスタイルで、交通機関はまだ自家用車を持っていなかったので、国鉄列車、バスやタクシー利用の旅であった。上高地のキャンプ場で一泊し、タクシーで松本に移動、松本城等を訪問後、松本から茅野(ちの)に向かった。列車内のトイレに行く途中、大学時代の女性知人二人に偶然出会った。 登山の当初メンバーは7人で、男性4人と女性が3人。その中で一組は夫婦であった。日没前に卓球を山荘の主人とともに興じた後、夕食を食べ、翌日の登山に備え、就寝した。翌朝早く山荘を出発し、男性リーダーのガイドで赤岳を目指した。メンバーに3人の女性がいたのであまりきつい行程ではなかったが、途中鎖場があったり、固定梯子があったり、急峻な場所もあった。赤岳頂上には大きな山小屋があり、登山疲れを癒やすことが出来た。 翌朝は御来光を拝むと言うので早起きした。夜中、風が強かったが、朝は快晴で北アルプス、中央アルプス、南アルプスや浅間山、富士山などが運良く眺められた。 元々のメンバーは、引き続き八ヶ岳縦走の予定だったようだが、地図も持っていない我々二人だけで清里に下山させたら道に迷うおそれありとリーダーが判断したらしく、9人全員で清里方面に下山した。清里のロッジに到着後、休憩をとり、我々二人は清里駅から春日井への帰路についた。 【あとがき】 赤岳が標高2899mの高山であるとも知らないで、すなわち予備知識ゼロなのに、中央線列車内で偶然遭遇した知人女性陣に誘われたので、嬉しさ半分で同行したのはやや軽率であったと後悔したものだ。当初の6人のメンバーのリーダーも、準備段階から参加していない我々2人を何故誘ったのだと女性陣を陰で叱ったのではないだろうか。 ともあれ若気の至りのハプニング登山であった。 |
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赤岳 写真:全日本山岳写真協会 |