2018年のスギ・ヒノキ花粉
(2018.07.01 掲載)


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 2018年の東京のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況がまとめられ,2018年5月23日,東京都福祉保健局から報道発表されました。
 千代田は 11465個/㎠(ただし,5月13日まで)で,観測場所の変更がありましたが,これまで最も多かった2005年の10625個/㎠を上回る数値となっています。
 西日本や東海地方でも,晴れれば,梅雨明けの発表となるのではないでしょうか。
 2004年と2017年の夏(6~8月)の全天日射量と,2005年,2018年の2~5月の気温の経過から,大量の飛散について探ってみました。

◇前年夏の全天日射量
 夏(6~8月)の全天日射量(の一日当たりの量)は,3か月にわたり平年より晴れることの多かった2004年が18.0MJ/㎡で,2017年は7月の終りから晴れる日が少なく,15.8MJ/㎡となりました。
 経過を比較してみます。第1図は6月1日から8月31日まで,日々の全天日射量を積算したものです。この図から,7月の中旬までは2004年と2017年の全天日射量は同程度で,7月下旬,8月の天候(晴天)の違いから,6~8月の3か月に差の生じたことがわかります。

solar radiatio

第1図 全天日射量の積算値(6月1日~8月31日)
緑:2004年 橙:2017年


 6,7月の全天日射量の多寡が花芽の形成に寄与しているように感じられますが,花粉飛散量との相関をとると,月ごとより2か月,2か月より3か月の全天日射量との相関が大きくなっています(第1表)。そう単純なことではなさそうで,軽々に物事をいうわけにはいきません。

第1表 花粉飛散量と前年の全天日射量との相関(1993~2015年)

6月 7月 8月 6,7月 7,8月 6~8月
相関係数 0.55 0.75 0.56 0.82 0.84 0.85


◇春の気温と花粉の飛散
 スギ・ヒノキの飛散には春の天候も関わりますので,2005年と2018年の気温,スギ・ヒノキ花粉飛散量の経過をみてみます。
 スギ・ヒノキ花粉は,暖かな日には,遠くまで飛散することが知られています。晴れて暖かな日には,地表が温められ,弱い上昇流が生ずるなど,大気の流れに乱れが生じます。このことで花粉が舞い上がるなど,遠くまで飛散する,ということのようです。
 2月1日から5月15日までの,5日移動平均した平均気温とスギ・ヒノキ花粉飛散量を見てみました(第2図)。3~4月を中心に,気温が上がると花粉飛散量が増え,気温が下がると飛散量も減る,ということが見てとれます。

Temp. Kafun

第2図 平均気温とスギ・ヒノキ花粉飛散量の経過
2月1日~5月15日 5日移動平均
上:2018年 下:2005年


 2018年は,2月の終りから3月の初め,平均気温が10.0℃越えるころに花粉飛散量にピークがあり,その後気温の低下とともに飛散量も減るものの,3月半ばに再び平均気温が10.0℃越えるころに2回目のピークが見られます。さらに3月の終りから4月の初めに,平均気温が15.0℃を上回るころに,飛散量の多い状況が見られます。
 他方,2005年では,3月初め,半ばの平均気温が10.0℃越えるころに花粉飛散量にピークが見られます。その後4月初めに平均気温が15.0℃を越えるころに花粉飛散量のピークがあります。
 とくに飛散量の多かった3月の終りから4月の半ばにかけて,
 2018年は,5日移動平均気温が15.0℃を越える期間が10日あまり継続
 気温に対応するように,花粉飛散量も,10日あまり継続して5日移動平均で400個/㎠以上
 2005年は,5日移動平均気温が15.0℃を越える期間の継続は4日
 5日移動平均の花粉飛散量400個/㎠以上が継続したのも4日
でした。


◇まとめ
 2018年にスギ・ヒノキ花粉の飛散量が多かったかったことについて,これまで飛散量の最多であった2005年と比較しました。
 夏の全天日射量について,2004年は6~8月を通して多買ったのに対し,2017年は8月が少なく,3か月でも2004年より少なくなりました。しかし,6,7月の2か月の全天日射量は,2017年も2004年と同程度に多くなっています。
 花粉飛散時期の気温は,2018年は,3月終りから4月初めにかけ,5日移動平均気温の15.0℃を越える日が10日ほど継続し,(気温に対応するように)この期間,スギ・ヒノキ花粉の5日移動平均飛散量は400個/㎠を越える状況が続きました。
 2005年は,4月初めに,5日移動平均気温が15.0℃を越えましたが,4日しか続かず,スギ・ヒノキ花粉の5日移動平均飛散量も,400個/㎠を越えが続いたのは4日でした。

 2018年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量が多かったことには,2017年6,7月の晴天(全天日射量)と,2018年3月終りから4月初めにかけて,気温の高い状況が続いたことが関わっているのではないか,と思います。





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