ロボットたいせんSRCコラム集

『ロボットたいせんSRC』の制作秘話をまとめたものです。ネタバレにご注意ください。

制作談話
各話攻略・裏話
制作後記


制作談話

制作のきっかけは「GSCシナリオグランプリ」に向けて、私も何か一本、話を作ろうと考えたことでした。
グランプリの告知から開始までは数ヶ月だったので、それまでに完成させられる短編を企画。(もっとも結局間に合わずじまいでしたが。完成にはそれから1年を要しました。)
ストーリーは全13話を構想。これはアニメの1クールだからという理由で適当に決めました。

登場するキャラクターは、各作品の2軍パイロットを扱うことにしました。
私はロボダンで散々にエースを動かしていたので、今度は脇役を活躍させる話を作りたかったのです。
それにはまず、彼らが戦わざるを得ない土台がいるだろう。つまりエースが不在になる必要がある…。その理由とは?

そこで白羽の矢が立ったのが、「カツ・コバヤシ」でした。
そうだ!こいつがエースパイロットに毒を飲ませて、彼らを戦闘不能にすれば良いのだ!!
彼なら置かれた状況と性格からして、十分にやりかねないだろう(笑)

ここまで固まれば、あとは全13話という枠組みに物語のピースをはめ込んで行くだけ。ちゃんと各キャラクターに見せ場があるように、
書きたいテーマが収まるように、メモ帳に鉛筆であっちゃこっちゃ線を引きながら、なるべく矛盾がなくなるようにひたすらに整理を繰り返しました。
そこに旧ファンが楽しめるように、『ロボットダンジョンSRC』との関連性を持たせ、この話をロボダンの裏話のような作りにすることに決定。それが「うらっかわ」というわけです。

またSRCには同じようなテーマを扱った『2軍戦隊奮闘記』という名作があります。
これを踏まえつつ、内容が被らないように工夫する必要もありました。特に狙って変えた点は「ブライト艦長が不在であること」です。
そのため私のシナリオでは指揮系統がかなり混沌としており、みんながマッタリしています。

シナリオでは毎回のように強力な味方増援が登場します。
これは常に彼らに頼った戦いを展開できることで、弱い味方も成長できること、次々に新しいキャラクターを登場させることで、プレイヤーを飽きさせないようにすること、
それにやはり、仲間が登場するときが一番ワクワクする瞬間なので、それを連続させれば、きっと楽しいシナリオになるだろうという考えからです。ロボダンもこれに近いですね。

物語上、大きなイベントのあるキャラクターはなるべく強制出撃するようにしています。
これは単純な配慮からです。それにせっかく用意したイベントなのだから、なるべく見てほしいですし。
あとは、やたらとカツが強制出撃します。 もちろん彼の性格や、関連イベントの多さもあるのですが、
一番の理由は、無理矢理にでも出撃させてあげないと、きっと誰も彼を使わないだろう と思ったからです(笑)

基本的に敵を撃墜してもアイテムを落としません。撤退するボスを無理矢理落とすようなやり込みは、こちらでは強制しないということです。

表題の由来は、承知とは思いますが『スーパーロボット大戦』から取りました。私は何事も安直でわかりやすいものが好きなので、「スーパーロボット大戦SRC」とします。
しかし「スーパー」が付くほどの壮大な話でもないので、この単語を削除。「大戦」という文字もニュアンスが重いので、平仮名に変換。
こうしてタイトルは『ロボットたいせんSRC』となりました。ついでに、『ロボットダンジョンSRC』とも韻を踏んでいます。


ストーリー解説

内容はおおまかに4つに分かれています。シナリオ上で特に名言はしていませんが、
章の切り変わりごとに、インターミッションのBGMが変わるようにしています。

<第1部>ロンド・ベル没落編

ロンド・ベル隊が落ちぶれる様と、2軍が奮起するまでの様子を書いた編。


第1話 この星が続くために

いきなり最終決戦のプロローグ回。タイトルは「続くために」となっていて、普通の決まったタイトルのように見えて、全体を総括する伏線になっています。
ちなみにカツが飲ませたのは痺れ薬。さすがに「毒」という表現は自粛しました。

アムロたちの数少ない見せ場になるので、強さを思いっきり堪能することを念頭に置いて制作。また次ステージでのデフレ感を強調させるという副次的な効果も狙っています。
隠し効果として、ウッソでボスを倒すとハロが再動を習得、ショウで倒せばチャムが奇跡を覚えます。普通に進めるとかなり後半で覚えることになるのでお得です。

戦闘は敵一体を倒せば終了。全力で叩きのめしましょう。リリース直後は、「敵がSP使用+途中セーブ不可」という仕様であったため、苦戦の報告もありました。

カツの罪状(反転してください):エースの皆さんに一服盛る。
その報い:
なし。

タイトルの元ネタ:『スーパーロボット大戦α』の楽曲「この星の明日のために」


第2話 ロンド・ベル大地に堕つ

本編開始。
ファとさやかのレベルが異様に高いのは、物語中盤まで、修理機に乗ってエースをサポートをしていたから、というメタな設定です。
ミニフォーの攻撃は、オーラバトラーやヘビーメタルのバリアで弾くことができ、プレイヤーに特殊能力の大切さを気付かせる狙いがあります。

敵のレベルは高いが、ユニットが弱いため楽勝。いい経験値稼ぎになるはずです。
各キャラクターの戦闘前にはセリフイベント発生。作るのが地味に面倒だった覚えが。

カツの罪状:アムロを蹴り落としてトドメを刺す。
その報い:
謎の人物に襲われる。

タイトルの元ネタ:『機動戦士ガンダム』の副題「ガンダム大地に立つ」


第3話 僕たちの小規模な大戦

「スーパーDC」という表現がはじめて登場。ブロッケンが、「ぶっちゃけテキストの無駄使い」などと言いますが、実際はそんなことはありません。
ただの茶番劇のように思えて、実は「聞き込み」というかたちで個別に話をしていくことで、キャラクターの性格や立ち位置がプレイヤーに伝わるようになっています。
それに、話が進むにつれてもっと長い話を書くことにもなりました。この時点では予想だにしませんでしたが。

正しい犯人を指定したかどうかでイベントが変化。
ビーチャは犯人ではありませんが、何かを隠しているようで、彼を犯人にすると詳細が聞けます。おそらく、PCゲームの「空気」とか「団子」とかその辺でしょう。
攻略の視点で言うと、ボスを犯人にしておくと後々楽になるでしょうか。ここでファを犯人呼ばわりすると、レベルがとんでもないことに(笑)。

カツの罪状:なし。ていうか最初から死んでる。
その報い:
一命を取り留めるも、冷たくなるまで放置。

タイトルの元ネタ:エッセイ漫画『僕の小規模な生活』


<第2部>ロンド・ベル拡充編

ロンド・ベル隊の戦力が徐々に充実していく様を書いた編。


第4話 微笑みの爆発

シュラク隊とゴメス艦長登場。当たり前ですが「修羅苦」というのは真っ赤な嘘で、本当は「ひな鳥(もず)」の意味です。
レベルが高くて頼れるお姉さんと見せかけて、死んだら終わりの使い捨ての軍隊。またすぐ傍には黒い3連星がおり、運が悪いと死ねる作りになっています。
展開としては物資を積んだミデアを守ろう、という定番の回。どうやったらスリルを保てるかで、必死に位置調整をした思い出が。

地味に小杉兵が初登場。
オリファーはどうあがいても死にます。しかしここで形見が手に入ることで、シュラク隊撃墜時にボーナスアイテムがあることにプレイヤーは気が付けます。

一般兵を守りきると強化パーツが追加。
ギャブレーはこの時点ではかなり手強い相手ですが、レッシィで会話イベントを起こせば楽に倒せます。
カテジナはかなり運動性が高く攻撃を当てるのが大変。イベント後、一気に弱体化するので、スーパー系の必中で倒しましょう。

カツの罪状:オリファーの機体をかっぱらう。マチルダのくれたアイテムを勝手な理屈で破棄。
その報い:変なスイッチを押してコクピットが大爆発、大火傷を負う。

タイトルの元ネタ:漫画『幽々白書』のアニメOP「微笑みの爆弾」。『キン肉マン』と合わせて少年ジャンプつながり。


第5話 女の戦い

アムとレッシィ、マーベル、シュラク隊と、様々な女性が張り切る回。途中でルーも出現し、これでやっと突っ込み役が現れてくれました。
ここでギリアムが初登場。彼には味方のレベル調整用に手加減を覚えさせています。
オーラバトラー等、戦いにくい敵が多く苦戦しますが、ゲシュペンストの力を借りれば何とかなるでしょう。
ドローメは適当にばら撒いてあるように見えて、ある文字を描いています。

ガラリアはマーベルで説得可能。あえて何が起こったのかわからない作りにしていますが、
「『異世界』にワープしてしまったが、力を合わせて戻ってきた」という設定です。
実はトッドにもフラグがあります。マーベルで戦闘しておくと、後の話で少し説得が楽に。

グレミーはかなり強い。作者泣かせに本気で強い。ルーで戦闘すると、強力なSPがかかる救済要素があります。
しかしここでグレミーを「殺して」しまったのは失敗でした。後々、話作りで苦労するはめになります。
ここまでにボス(マジンガーZ)のレベルが高いと、ゲッターロボに武装が追加されます。

カツの罪状:シュラク隊を騙して爆殺。異変を感付いたルーにいたずら変な暗示をかける。
その報い:自作の爆弾で自滅。その後意識不明になる。

タイトルの元ネタ:『新世紀エヴァンゲリオン』の副題「男の戦い」


第6話 愛・溺れてませんか?

疲れた…。非常に疲れた回です。まさに前半の山場。
ブライトさんの行方、ガンダム強奪、シローと温泉、魔装機出現など、ここで作るべきイベントが盛り沢山で、どう消化していくかで四苦八苦していました。

さらには誰得なのかわからないビルギットまでもが仲間に。初期のプロットではバニング・モンシア・シローも仲間になる予定でしたが、
彼らの参入が他キャラクターの出番や魅力を殺してしまうと考え、ゲストキャラになりました。乗機がやたら弱いのはそのなごりです。
また「謎の人物」が言っていたブライト以外の救った人間とは、エマリーとカツのこと。カツは本当に偶然で助けられた。

ファとジェリドで戦闘イベント。Zガンダムに乗っていると、レベルが大きく上がります。
キースとシーマ、シュラク隊とシーマでもイベントあり。こちらはターン数の問題もあり、発生させるのは難しめです。

ここで試作2号機を持ち逃げされたかどうかで、後の話が変化します。
シローをゲートに陣取るように配置すれば、突破されることはありません。撃墜すると、エピローグでミオが回収してくれます。

カツの罪状:何事もなく復活。調子に乗って敵陣の真ん中に飛び出す。
その報い:核爆発。バニングの撃った拳銃の流れ弾が直撃。

タイトルの元ネタ:『超時空要塞マクロス』の挿入歌「愛・覚えていますか?」


<第3部>ロンド・ベル躍進編

宇宙に飛び立つ準備、カツの別行動、エースの回復を書いた編。


第7話 カツ・バイ・ドリーム

休憩の水着サービス回です。できればもっとエロく書きたかったんですが、私には無理がありました。
弱い敵がたくさん出てくるので、レベル稼ぎにはもってこいのはず。海に強いガッデスを使いたいところですが、イベントの都合で登場が遅い(笑)。
ちなみにカツが海に落ちたのは、泉の精霊が彼の足を掴んで引きずり込んだからです。イメージとしては、『リング』の貞子。
チャムとリリスは、なーんにも悪くありませんよ。

ここできれいなカツが初登場。チャムとリリスが搭乗していて、いつもとは違う感じが楽しめます。
彼も本来はただの一発ネタで終わるはずだったのですが。

ここから事前に用意していたシナリオを大きく練り直しています。
まず、しばらくカツが戦線を離れてしまうので、その代役としてきれいなカツを使い続けることにしました。
またウイング勢も、当初の予定では「本当にスポット参戦でした」が、仲間になるキャラクターを逆算したところ、
ユニット数が規定数()に収まったので、参戦させることに決めました。バニング達がいなくなったおかげですね(笑)
(構想の段階で、ユニット一覧画面で1ページに収まる数を上限に定めていました。)

しかし、その代償として予定していたストーリーが若干変化。以降、リリースが遅れる原因にもなってしまいました。

カツの罪状:毒魚を調達し、追い討ちをしかけることを計画。
その報い:シーラとの格闘の末に捕縛され、ロンド・ベルと逸れてしまう。

タイトルの元ネタ:『ブレンパワード』のOP曲「IN MY DREAM」。カツが倍になる。


第8話 私は涙を流さない

選択肢により次の話のイベントが変化するため、9話と同時にリリースしています。
マジンガーとゲッターの回。関係者がまとめてパワーアップ。マジンガーがボロボロであったのは、当然というか伏線。
シュラク隊がいれば攻略はそこそこ楽です。苦しければギリアムにまかせましょう。マジンカイザーのイベントが起きれば、後はさやかで無双できます。

シュラク隊か、カツを連れていないと、戦闘前にジュンの気力が低下。
「誰もいない→カツがいる→シュラクがいる」の順で発生するイベントが早まります。シュラク隊を選んでいると、ジャックの出現がかなり遅くなります。
さやか復活後にボスが敵と戦闘すると必殺技習得。ジュンがブロッケンと戦闘すると、グレートブースター解禁。発生させなくてもエピローグで覚えます。

カツの罪状:タクシーにタダ乗り。ミネバを利用したハニートラップ。
その報い:小杉兵にフルボッコ。

タイトルの元ネタ:『グレートマジンガー』のOP曲のフレーズ「俺は涙を流さない」


第9話 いますぐ空に届いて

0080回。この辺からララァが電波を飛ばしたり、シュタイナーが何かに気付いていたりと、ストーリーの伏線が多くなってきます。
また6話以上に各種イベントが備わっていて、それが様々に交差しているので、整合性を保つのがとても難しかったです。それでもプロット通りに何とか書ききりました。
シュラク隊が橋を支えるシーンは、原作再現もクロスオーバーもできてお気に入り。でもあしゅら達とはターン制限なしで腰を据えた決着をつけさせてあげたかったですね。

シュラク隊が艦に残っていれば「お墓参り」のイベントが発生。レベルが上がります。またイーノの宝くじも回収。まさか伏線だとは思わなかったのでは。
あと指輪の件でサイズがどうこう言ってますが、私にもサッパリで話も内容も適当です(笑)。

8話で選んだ選択肢によっては、ハロ、チャムがいません。要注意!
10分間凌いでも良いですが、ネームドキャラが多く、レベルと撃墜数の稼ぎどころです。
ガラリアを仲間にしていない場合、ここで説得することもできます。 すでに仲間にしていると、代わりにジェリルが登場。ガラリアとのイベントがあります。
トッドは以前のエピソードでイベントを起こしていると簡単に仲間にできます 。フラグを立てていない場合でも、やや面倒ですが説得可能。
バーニィとシュタイナーでイベント発生。会話や戦闘、クリスがいるかでいろいろ変化。
ミニフォーは気力が150まで上がっていますが、デュオが出現するとやっぱりダウン。

クリア後にアップグレードと強化パーツが追加されて、いろいろできるようになります。
キャオとヌーベルディザードもここで登場する予定だったのですが、話のテンポが悪くなるのでやむ無くカット。出番は以降に持ち越されました。

カツの罪状:勘違いをしたDC兵からMSを強奪。隠れ家までも破壊し、恩を仇で返す。
その報い:きれいなカツに返り討ちに遭う。支えになっていたMSを動かしたことで、崩落に巻き込まれ爆発。

タイトルの元ネタ:『ガンダム0080』のOP曲「いつか空に届いて」


<第4部>ロンド・ベル真相編

宇宙での戦い。そして物語の完結までを書いた編。


第10話 宇宙に咲く幼女

舞台は宇宙に。そしてプルとプルツーの登場です!
2人が現れてダンスを踊るイベントは構想の早い段階で決めていたので。ここまで話を作ることができて、安堵するとともに、本当に嬉しかったです。
ケーキのネタはマクロスのパロディ。ビルギットが死ぬと見せかけて、死ぬのはビルギットにケーキを食べられてしまった、きれいなカツです。
「ソウルスティール・ブレイカー」は、格好良いだけで意味の通らない適当な単語。いわゆる厨二病です。「エターナルフォースブリザード」などと同じですね。

対バグ戦でのビルギットの活躍具合によって、会話イベントが変化。
相変わらずのカテジナさんですが、プルとオデロのイベントで楽に勝てます。

またこの話をリリースする直前に、プルの声優である本多千恵子さんがお亡くなりになりました。何の因果でしょうか。とても悲しく、落ち込みました。。

カツの罪状:ハサウェイを奇襲し、MSを強奪。ジャミングをかけてロンド・ベルのピンチを演出。
その報い:なし。性格が変化してしまった?

タイトルの元ネタ:『ガンダムF−91』の副題「宇宙に咲く妖花」

第11話 ゼダンだもん!

ハマーン様のご登場。会議の様子やここでの伏線のはり方、さらには裏の顔や最後のオチまでも綺麗にまとめることができた、作者のお気に入り回です。
しかし、5話を書いたときに、グレミーがここで出てくることを忘れていたのは痛かったです。その結果、彼はあんな外道に。これはルーに申し訳なかったです。
風呂の描写は倫理的に賛否両論ありそうですが、私が書きたかった世界のひとつでした。

物語は大きな転換点であり、タイトル通りの総力戦。とにかくネームドが多く、出てくる敵キャラも全部ガチ。じっくり攻略しましょう。
ハマーンの強さは尋常ではありませんが、戦わずにしてクリアできます。
また、さりげなく味方の強制出撃がありません。いつもカツが出てくるのに(笑)
その分、イベントのあるキャラクターが出撃直前に喋ってくれるように制作しています。

試作2号機があるかどうかで、ガトーのユニットが変化。実は持ち逃げされているほうが難易度は低いです。
ギャブレーは仲間にすることが可能です。途中のイベントでいなくなってしまうので、狙う場合は急ぎましょう。
今回不思議と物静かなグレミーですが、ルーと戦闘すると驚愕の事実が明らかに…。

カツの罪状:プルとプルツーに卑劣な罠をしかける。
その報い:風呂場で死にかける。

タイトルの元ネタ:『Zガンダム』に登場する敵拠点「ゼダンの門」。また『第3次スーパーロボット大戦』にある副題で、非常に難しいステージとして有名。

第12話 アカつきの決戦!!

シロッコの回。作りも難易度もスパロボの最終ステージを意識しています。マップの構造をどうするかで悩み、メモ帳にデザインをたくさん描いていました。
兵士の名前はDC兵で統一されています。これは最終決戦はギャグなしで決めるという、シロッコの思惑によるもの。
あとは、レコアが出てくるのですが…、こういう話題は書いていていろいろ辛かったです。

硬くて痛いゲストメカが襲い掛かり、敵のMSはスパロボFのごとく魔改造されています。普通に戦うとかなり強いので、ギリアムに援護してもらいましょう。
レコアは意図的に他より弱くなっています。エマと戦闘すると、少しだけパワーアップ。
ファとシロッコでイベントあり。発生させると、他に先立って、カミーユが復活します
基地の壁はKOGのテレポート移動ですり抜けることが可能です。

カツの罪状:ウイング勢に一服盛る。サラを人質に汚いマネ。低レベルなバトルを展開。
その報い:逆に盛られて死にかける。プラトーン。シロッコとともに散る。

タイトルの元ネタ:『第2次スーパーロボット大戦』の副題「暁の決戦」。垢付き(カツがいる)。赤突き(ウェイブライダー突撃)。


第13話 この星が終わるために

ついに迎えた最終回。作るイベントが多いわ、難しい話も多いわで、リリースまでにものすごく時間がかかりました。
ここで全ての伏線を消化しなければならないため、どう書けばテンポがよく、わかりやすくなるかで、前後の文脈を何度も何度も推敲しました。
冒頭のイベントはキースの見せ場作りと、あんなのでも一応伏線だったり。ちなみに有名な邦画のパロディが入ってます。
ユーゼスの登場は本当に唐突であるため、パッと出でも強い印象が残るようにと、あのようなキレぎみの性格にしてみました。

ラスボスのコンセプトは高HPの低装甲で、近年のスパロボのような性能です。
これなら攻撃力の低いリアル系でもダメージを与えられるので、全員で戦うことができます。
味方全員がラスボスとの戦闘前にセリフあり。書くのは大変だったけど、ラストなので頑張った。
毎ターン強力な支援効果が発生するので、きっと勝てる…はずだ!たぶん!!

カツの罪状:ウザい。
その報い:???

タイトルの元ネタ:『ロボットたいせんSRC』第1話


エピローグ

第13話で書くはずだったエピローグです。本来はラスボスを倒した直後にこの話が続く予定でした。
しかし、さすがに話が長くなりすぎて、遊ぶ側もデバッグもきついだろうと思い、こうして分割することになりました。

さて制作の前に全ての話は作っていたのですが、実は終わり方だけは未定のままでした。
ここまでの話を書きながら、彼らをどうするか、最後の最後まで、ずっとずっと考え続けていたのです。
構想では「THE END」まで決まっていて、本当にここで終わるつもりもあったのですが。

そして考えた末に、ついに辿り着いたのがあの結末でした。彼が「騙された」というのも無理はありません。なにせ作者も騙されたんですから。

ああ、ちなみに奴の処遇に関しては、一番最初から決めてましたので変わってませんです、はい。


制作後記

この作品のテーマは「脱却」です。当シナリオは『ロボットダンジョンSRC』への、スピンオフであるとともに、同時にアンチテーゼでもあります。

私は長年ロボダンを作り続ける中で、「無限のダンジョン」というものに次第に疑念を抱くようになりました。
「彼らは何のために戦うのか、彼らの戦いはいつ終わるのか」そんな思いが、日に日に私の頭をよぎるようになっていったのです。
そして、これはロボダンに限った話ではありません。もはや本家スーパーロボット大戦でも、この種のマンネリズムは進行しつつあります。
戦うことをカタルシスとする『者』によって引き起こされる、空虚な終わりなき戦い。それに問いを投げかけることに挑戦する試みが、この『ロボットたいせんSRC』なのです。

また今回私は、全体に渡って過激で露骨、開放的なエロ表現を多く取り入れました。これには不快感を覚えたり、私の品格を疑った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私は、日本の風俗文化はどうも暴力的で背徳的な印象が強いなあと日々感じていたので、もっとストレートにお互いが楽しんでほしい、むしろ楽しんでいいんだよという意を込めて、同人ゲームという位置付けを利用し、実験的にこのような表現をしてみることにいたしました。

確かに登場する人物は、みなギャグキャラクターであり、また大変非道徳的でもあります。しかし彼らの行動は破天荒で掟破りであり、その姿は生き生きとしてはいませんでしょうか。
物語上でのカツ・コバヤシはクズでしょうが、では彼の主義は間違っているかと言うと、私はそうも思えないのです。他を蹴落としてでも自分が前に立ちたい、これは誰しもが持っている人間的な欲求だと感じます。

もちろん、願望を叶えるにはそれだけの努力をすべきです。しかし、努力をすれば人は強くなれるのでしょうか。また努力しなければ人は強くなれないのでしょうか
彼のキャラクター像には、私のそういった葛藤が込められているのです。

私のそんな考えに振り回された登場人物達(特にカツとレッシィ)に、私は心から労をねぎらってあげたいと思います。
また原作及び原作のファン、そしてキャラクター達に、この場で改めて、敬意を表したいと思います。
最後に、当シナリオを遊んで下さった方、感想やバグ報告、ご意見を下さった方に、深く感謝の意を述べたいと思います。

どうもありがとうございました!

なおひら


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