平成15年10月12日 更新 ここをクリックすると最新のところへジャンプ!
私とテニスの出会いについて書き始めると、かなり長くなってしまうので、これはいつか折を見て暇な時に書きます。ただ簡単に書くと 中学・高校時代は軟式テニス部に所属していました。高校時代は副部長、戦績は県大会でベスト32止まり。まっ、いたって平凡な テニス好き少年でした。その私が教員になって初めて持たされた部活が女子硬式テニス部。初めの頃は軟式と硬式の違いに戸惑いながらも 顧問としての腕を磨き、8年間熱血鬼顧問を務めていました(笑)その間は来る日も来る日もテニスばかり。ほぼ年間330日くらいは テニス漬け。一年中真っ黒でほとんど人種が違う人でした。まっ、この時期はこよなくテニスを愛し、ただただ生徒とコートで汗まみれに なる青春時代だったのです。しかし転勤して行った学校に硬式テニス部はなく、軟式の顧問をちょびっと。でも全然部員もいなく練習も ほとんどやらない。テニスコートは荒れ放題で雑草だらけ。というか部活どころではなく学校自体が忙しくて、部活は永眠状態でした。 途中硬式テニス愛好会なるものを作り、少しは頑張ってみたのですが、ほぼ何も出来ず終わってしまいました。ゆえに9年間のブランクが 出来てしまったのです。
さてそこでまたまた転勤して3校目。すっかりテニス稼業からも足を洗って真人間になった私(笑)入院してから過激な運動を禁止されていたので、 今度は文化部顧問だな...そう思っていたらあにはからんや再びテニス部顧問になっていた(爆)ちょうど私と入れ違いで転勤になった T本先生は、初任校で一緒にテニス部もやっていたことがあり、どうやらその時のイメージのまま、置き土産として「O−TEACHERは テニス部顧問!」と注進されたらしい...。うーん、テニスは嫌いじゃないけれど身体の方が...そう思いつつもサブ顧問ということらしいので、 お引き受けしたのです。
一緒に顧問をやっていただいているのがH部先生。私より2歳ほど年上で、この方もテニス部顧問の経験が長い。これならほとんど顔を 出さずとも、ほとんど裏方で良いだろうと思っていました。それでも顧問ですから、いちおう大会の引率などには行かねばならず、4月の 中旬にあった総体のブロック予選に行ってきました。自分の学校の生徒の名前もわからず、とりあえず見ているだけ。生徒から「こっちの コートで試合をやっているのがうちです。」と教えられる始末(^^;)役に立たない顧問だと思われているだろうなぁと自分で自分を 呆れつつ観戦。.......。......。....なっ、なっ、ナイスショット!ついつい大声で応援している自分がいました(笑) うーん、恐るべしテニスDNA!どんどん試合に引き込まれていって熱くなっている自分がいました。やっぱりどうも根っからのテニス好きらしいと 再確認。で、試合を見ていて自分のところの生徒が負けると、歯がみをしたいくらい悔しくなりました。『なんであの程度の相手に負けるんだよ! もっとこういうボールを打てば簡単に勝てるのに!』昔取った杵柄か、イライラしながら観戦してしまいました。幸いうちの学校はブロックでは 強く無事県大会へ進んだのですが、どうもそれ以来ウズウズする自分を感じていました。
その後、まだ学校に慣れるため放課後も色々仕事をしているのですが、少しでも時間が空けばテニスコートへ顔を出すようになっていました。 生徒の方は『なに?新しい顧問?ふぅーん』という顔つきでした。私も9年間のブランクがあるため、たまに生徒に混じらせもらって打つも、 すべてホームラン、とてもじゃないが技術指導出来るレベルじゃないことが判明。こりゃ顧問復活なんて無理だと実感しました。
それでも5月のGWは全て県大会。まぁ、そこそこの戦績でした。それと前後して新1年の指導をやり始めることとなりました。正顧問の H部先生にレギュラー組はお願いして、新入部員の、特に初心者の面倒を見ることにして、そこで一からテニス部顧問の再スタートに しようと決めました。落ちた技術も少しずつ一緒に取り戻していこうという気で。とりあえず1年生用にトレーニングメニューを作ったり、 1年生のために素振りやボールの扱いを教えたり、そんなことで一から始めております。
5/17(土)にランキング・マッチをやった。6月にT大会という、シングルスだけの地区の交流試合がある。各校12名+αが出られるらしい。 3年生は引退して、2年、1年の新チームになっての初めての試合となる。さて誰を出すか。こういうメンバーというのは普通顧問が 決めるところが多いと思う。でもテニスというのは不思議なスポーツで、練習ではさほどうまくなくても試合になると俄然ねばり強さを 発揮するやつが出てくる。テニスはただ強く打つだけでなく、フットワークを活かして拾いまくる「つなぎ」も重要な能力となりうるのだ。 だからこそメンタル的なスポーツと呼ばれる所以でもある。そのあたりの認識は正顧問のH部先生とも一致していて、「どんなに下手くそでも 試合で勝つやつが強い」という認識の元、初心者にも公平に試合に出るチャンスに与えようということになった。
それでもさすがに1年生の中にいるジュニアテニス出身のTさん、彼女は別格。だって中学時代あまりに強いのでブロック予選免除で いきなり県大会へ出てベスト16に入るくらいだから。そして2年生の中でも4人くらいはけっこううまくほぼレギュラー。問題なのは それ以下である。2年生の下の方4人くらいと1年生の中の経験者組(中学の時から硬式をやっていた。通称:タマ)5人は、ほぼ同格な感じ。 そこでこの辺りも含めて、校内ランキングを決めるため試合をすることとした。テニスの試合の組み合わせというのは、順位が上の者ほど トーナメントの籤が良く、楽に勝ち進めるようになっている。もちろん逆に順位が下の者ほど早く強い人と当たるようになっている。 だから少しでも良い登録順位で申し込んだ方が勝ち上がれるということなのだ。
さて問題は初心者の1年生。各校12名程度というと、普通は出られないらしいのだが、他の学校で部員数が少なく、割当数が余った学校の分、 うちみたいに部員が多いところへ回ってきて、沢山出られるらしいのだ。だから他の学校次第では初心者組(通称:ポチ)にも何人か 出られるかもしれない。そこで下手は下手なりに試合をして順位を決めようということと相成った。
5/17に21名のポチ組を4つのブロックに分け、それぞれ中で総当たり戦。7ポイント先取。そしてその上で各ブロックの1位同士を トーナメントで戦わせ、同じように2位同士も3位同士もやり、21名のランキングを決めたのだ。これが結構面白かった。まだテニスを 初めて1ヶ月足らずの初心者の試合である。サーヴもろくに教えていないルールもほとんどわかっていない。珍プレー続出なのである。 それでも生徒たちはみんな真剣だった。中には自分の凡プレーに笑いながら、ちゃかしているやつもいたが、これもひとつは照れの現れ。 中には負けて本気で悔しがっている子もいたし、負けて急に無口になる子もあり、真剣な勝負が続いた。やっぱり負けたくないという 気持ちがひしひしと感じられ、思わぬ番狂わせもあり大熱戦が続いた。結局こういう向上心というか負けたくないという気持ちが、 大事だとつくづく感じた。ふだんはちゃらちゃら練習している奴らが、試合に負けコートの外で真剣に素振りをしている姿を見て、 ほくそんえんでしまったのは大人気ないだろうか。でもこうして真剣になることから学ばねばね、そう思いつつ見ていました。
最後には初心者の1位の子(T内さん)と、同じ1年、でも経験者のS木さんに試合をさせてみた。するとなんと初心者1位のT内さんが 粘り勝ちしてしまったのだ。こういうことがあるからやってみなければわからないのだ。試合後S木もT内も、また他の負けた子も 練習が終わった後も黙々と練習していた。負けた悔しさ、勝ったけれどもっとうまくなりたいという気持ち。こういうものが芽生えただけでも、 やった意味はあると思った。そんな校内ランキング戦でした。
5/30
今日、総体の県大会団体戦へ引率してきた。これはブロック大会を勝ち抜いた各校がトーナメント方式でやる試合である。3年生にとっては 最後の試合である。団体戦というのはダブルス1つとシングルス2つ。計3試合のうち2つ取れば勝ちというものである。だから一人だけ 強いものがいても勝てず総合力というかメンバーが揃っていないと勝てないのだ。
さてうちの学校のメンバーはというと、実は1、2年が混じっている。3年生としてA藤、M下。この二人はブロック大会でダブルスでも 優勝しているペア。そして2年生I井、M澤、そして1年でエースのT田というメンバーである。T田はジュニアで慣らしていて、前回の 個人戦でもシングルスでベスト16に入る実力の持ち主。当然シングルス1として確定。問題はダブルス。普通テニスの試合はダブルスから 入るので、もしダブルス、シングルス1で2−0となってしまうとシングルス2は出番がない。3年生最後の試合なので、ここはひとつ、 3年生に奮起してもらうということで、ダブルスとして出てもらうことにした。
朝8時に集合して、即試合。1回戦目はC北高校。A藤、M下のダブルスは緊張のためガチガチ。足が動かず凡ミスを繰り返し冷や冷や。 普通にやれば全然楽勝な相手なのに、いつものスロースターターぶりが出る。でも2−2から連取して無事6−2で勝つ。もちろんシングルス1の T田も6−0と圧勝で、無事1回戦突破。
2回戦はF高校。今度は先ほどの失敗を活かし、十分アップして臨んだため6−1でダブルスは完勝。シングルス1も6−1でストレート勝ち。 シングルス2のI井は出番なし。でもこれでベスト16なのだ!ベスト16と簡単に言うが、県下100校以上ある中で、それもジュニア選手が 幅を利かせる中、ここまで勝ち上がるには並大抵のことではないのだ。過去テニス部顧問を長年やって来ただけに、そのすごさがよくわかる。
ところでうちの学校、火曜日から試験なのだ。普通なら進学校の生徒なので勉強をしたいはずなのだが、 なんと!レギュラーでない、すでにブロック予選で敗退して先に引退した3年生8人が、全員応援に来てくれたのだ。それもレギュラーに隠れて 必勝千羽鶴まで作って持ってきてくれた。一同これには大感激。さすがこのチーム。補欠組でも結束力は固く、公欠してまで、テスト前であっても 応援に来てくれたのだ。こういうところがこのチームの素晴らしいところだとちょっと感激。だからみんな奮起していたのでしょう。
そしていよいよ目標だった試合が始まった。ベスト8をかけ第2シードのS幕との決戦。ここは全国レベルの選手がゴロゴロしている。しかも シングルス1には日本一強いジュニアTさんがいる。ここと当たるのが目標だったのだ。ダブルスはボレーのうまさを活かしてM下・I井ペア。 しかし相手も県で準優勝したペア。健闘むなしく0−6で負け。そしてシングルス1同士の対決。相手に不足なし全日本Cチャンピオン。 試合が始まる前にうちのシングルス1のT田に聞いた。「どうだ。Tに勝てそうか?」相手は全日本チャンピオンである。いくらうちのT田は うまいといっても県でベスト16の選手である。「いやー、無理ですよ。」と言うかと思っていたら「7−6で勝ちます。」ときっぱり言い切った。 びっくりした。これがジュニア上がりの選手たちのすごいところだ。たとえどんなに強い相手であっても、勝つつもりでやる。絶対腰が引けない。 自分が勝つことだけを信じて戦う。そういう気迫が感じられた。小さい頃から鍛えられているやつは違うなと感じた一瞬だった。
もちろん試合は完敗0−6であった。レベルが違うというか相手は海外遠征までするプロ予備軍である。こちらのスーパーショットが 、より速いスピードでより鋭いコースで打ち返されてきた。もう会場全体がびっくりだった。おそらく数年後にはこの選手が日本のプロテニス界を 背負って立つのだろうという予言はおそらく間違っていないだろう。そういう選手とやれただけ財産かもしれない。
そしてここで全ての試合が終わった。ベスト16。堂々たる結果である。胸を張って良い。泣くな!最後に3年生から後輩へ、熱い思いが 伝えられた。そして2年生からも先輩へ感謝の気持ちが伝えられた。良いチームであったと実感できる瞬間である。最後に記念写真オンパレードには 辟易したが(笑)そしてここからまた新しいチームが始まる。私もサブ顧問としてお手伝いできることが見えてきた一日だった。 選手諸君、3年生、ご苦労様。そしてありがとう。
6/7
今日は新チームとして初めての試合となりました。この大会はこの地区のテニス振興のためにブロック主任達が企画している、地区の大会なのです。 各学校12名ほどエントリーし、総勢200名以上の選手を元に、各会場に分かれてシングルスの試合をするというものなのです。で、 うちの学校も会場となりましたが、H部先生がコートレフリーとなってくれたので、私は各会場を回り、自分のところの選手の応援に回りました。
2年生8名1年生6名出しました。本日はベスト32まで。まずは本校会場にて。1年生のT内が出場。初心者ながらセンスが良く、実は この子そのうち上手くなるのではないかと期待している選手の一人。相手も同じ初心者の1年生だったので6−0の完勝。また2年生の S口も、打てないながらも懸命につないで6−3と辛勝。まずまずの滑り出し。
次に南部コートという違う会場へ移動。そこには2年生のF野が頑張りを見せ、見事2つ勝ってベスト32進出!なかなか良い試合をしてくれました。 しかし逆に1年生エースのI桁が絶不調。超初心者相手に0−6で負ける。打てない時はこんなものか。ハードヒッターは一度リズムを 狂わすと脆いものと実感。その他O黒、S木、K野なども1回戦は勝ち上がる。このあたりの途中経過を逐一H部先生へメールする。
そして最後の会場のM高校へ。ここには2年のY巻が2回戦でとても強い相手と当たり完敗。これは相手が悪い。クラブテニスのハードヒッターでした。 しかし健闘したのは1年のN村。2回戦で強い2年生相手に粘り勝ち。この粘りがこの子の身上。しかし如何せん小さく体力がないので、 次の3回戦のシードの2年生相手に3−3までは粘るが、その後落として結局3−6で負け。でも1ポイント20ラリー以上続くほどの 熱戦。この子も強くなる素質大。そんなわけで200名以上出ている大会で、ベスト32までに残れたのは今のところ2名だけ。まだ 明日も残りのブロックがあるのでわかりませんが、頑張って欲しいです。顧問としては試合を見ていて、一人一人の課題が見えてきて、 色々な練習メニューを思いついたことが収穫でした。
6/15
6/14にベスト32以上の試合がR高校でありました。残ったのは3人。しかしここから勝ち上がるのが難しい。さすがにベスト32以上とも なるとみんなうまい。おそらく半数以上はクラブテニスあがり。これじゃあ高校からテニス始めても勝てませんよ。まずはF野の試合。相手は たいしたこと無いけれども、こちらも1試合目と言うことで足が動かずもたもたとした試合をする。でも勝つ。こういう勝てる相手にきちんと 勝つことがとても大事だと実感。同じようにキャプテンのM澤も、なんとか勝つ。そして第2シードに入っていたI井はあっさり勝つ。 この子の場合は相手に関係なく、打ち続ける子なんで、勝つ時は打ち切って勝つし負ける時は自滅して負けるという、典型的なわがまま プレーヤー(いや性格はいいですよ(笑))とりあえず全員ベスト16進出!
そして2回戦でF野が第1シードの子に当たる。スコアは1−6で完敗だったが、今までの中では一番良い試合だったと思う。以前は何も出来ず あっさり自滅していた試合が多かったが、この試合に限っては自分できちんと打ちに行って積極的なプレーを心がけていた。如何せん安定性が 足りなかったがそれはこれからの課題。ナイスゲームでした。M澤はあっさり勝つ。しかし次に当たった相手が友達らしく、やりづらそうだった。 こちらも相手がかなりのハードヒッターで1−6負け。でもベスト8進出は立派。問題はI井。ベスト8までは順調に勝ち上がったが、次の相手が 1年生ながらA高校のクラブテニスのナンバー1。おそらくブロック大会でもこれから熱戦が繰り広げられるであろう対戦。競りまくったが 結局5−7で敗退。でも3位決定戦で勝ち、結局3位。
3位に一人、ベスト8とベスト16に一人ずつ。順当な結果だったかも。私はこの日の午後にすぐ学校へ戻り、1年生のランキング戦に 付き合うという多忙振り。1年生の方も熱戦続きで、かなりハードでした。下位のものの成長が著しく番狂わせ多々あり。今後が楽しみです。
7/19
夏休みに入ってすぐの初日、練習試合に行ってきました。練習試合の引率なんてほぼ10年ぶり!どう段取るのかもすっかり忘れていました。 というのも今回の練習試合、そのやりとりはH部先生がすべて仕切ってくれたので、私はよくわからず「この日にこの学校へ練習試合に 行って下さい。お願いします。」と頼まれただけなので。まぁ新チームになって始めての練習試合。うちの選手達のこともよくわかってきたし、 この学校とは次の大会でも勝ち進めば当たるわけだし、敵情視察と言うことで勇んでいきました。
ところが朝から小雨。これは中止かもと?と思いつつ、相手校の顧問の先生の携帯に電話するもずーっと不通。いぶかりながらも到着。すると どうも正顧問の先生が入院されたとかで、私と同じ立場の副顧問の先生が待っていた。それはそれは。向こうの先生も素人らしく「よくやり方が わからないので先生仕切って下さい。」と言われてしまいました。10年前の記憶をたどりながら...あっ!こういう時は礼儀として ニューボールを持参して「試合で使ってください。」って言うんだっけ...。うーん、顧問として錆び付いているなぁ。とりあえず オーダー表くらいは用意していたので、とりあえず団体戦からやる。...うっ、うまい!あっという間に1−2で負ける。シングルス1は 勝ったものの、ダブルスは3−6負、シングルス2に至っては0−6...完敗。その後もダブルスこそ5勝3敗でしたが、シングルスは 6勝8敗の負け越し。もうちょっとやれると思ったけれど甘かった。この学校とは8月の大会で当たる予定なので、これはよっぽど頑張らないと 難しいと反省。
でも練習試合をして、強化すべき点がよーくわかった。うちの選手はボレーが弱く、ことごとくポーチに出られていた。逆に全然出れていない。 フットワークも、コースのねらい方も...。合宿でやるべき事が見えてきた。俄然燃えてきてしまいました(^^;)今日は上位14名の メンバーでしたが、向こうの方が層も厚いとわかりました。実はこの裏で、今頃学校で1年生の初心者組が、また違う学校と練習試合やっているのです。 つまり2人の顧問でダブルヘッダー。ある意味生徒は恵まれている。部員数が多いと練習試合すらまともに出してもらえないところも けっこうあるので。まっ、そんなわけで久々の練習試合でした。
7/26
行ってきました地獄の合宿。生徒よりもある意味、顧問殺しの合宿でもあります。今回は夏休みに入ってすぐ22日から3泊4日で白子という 九十九里海岸沿いのテニス村へ行って来ました。元々前々任校では、山中湖で毎年やっていて、合宿慣れしていた私でしたが、さすがに 10年ぶりともなるとすっかり忘れていて、全ての段取りは正顧問であるH部先生にすべてやっていただきました。多謝。
一口に合宿といっても、これは偉く大変なことなのです。まず宿の手配ですが、これからして大変。テニス部の合宿ですからコートの確保は もちろん、寝泊まりする部屋や食事のこと、雨天時はどこかトレーニングする部屋とか施設があるか、ランニングするコースはあるか(車が びゅんびゅん走っていて、生徒が安全に走れるか)近くに救急の病院はあるか、女子ですので、近くに変な奴らが出没して危険な目に遭わないかなど、 それこそありとあらゆる心配をする宿選び。それに総勢30名だと電車よりバスの方が安くつくのでその手配、学校への合宿届け、保護者への 参加承諾書の配布。もちろん生徒への連絡。そして道具の運搬等々、数え上げたらきりがないくらい準備が大変なのです。はっきり言って 学校で練習した方が何十倍も楽なのです。ならなぜ行くのか?それは合宿をすると見違えるほどうまくなるからなのです。合宿を通して わかるほど生徒が成長するからです。それは何も技術面だけではなく、団体生活をすることによる様々な我慢、今の子たちはほとんど少子化で わがままに育てられているため、自由に自分の思い通りに行動するということに慣れていて、規律や時間に縛られ不自由な生活をするということに 慣れていないのです。理不尽なまでに自由を制限され、そういうことを経験することにより人間的にもとても成長するのです。こう書くと いかにも先生の言いそうなことだと思うかも知れませんが、実際にそうなのです。身近で見ていると、合宿前と後では、顔付きもたくましくなり、 ちょっとだけ大人になって帰っていくのです。そう言った意味で、苦労は多いけれど合宿の効果はそれにかえられないと思うわけなのです。
とは言ってもほとんどH部先生におんぶにだっこだったので、偉そうなことは何も言えません。私はただ練習メニューを考えたくらい。 全然仕事をしていないようなものでした。とりあえずそんなわけで合宿が始まりました。当日学校からバスで出発。H部先生は自分の1BOXカーに ボールやらカートなどを詰め込み出発。私はバスの方に乗り引率。まぁバスの中のうるさいことうるさいこと。女子高生はひっきりなしに 喋って騒いでおります。女3人寄ればかしましいと言いますが、30人集まるとその10倍。バスの中で寝ていこうと思ったけれどとてもじゃないが、 無理でした。心の中で『練習でヒーヒー言わしたる!』と固く誓うO−TEACHERでした。
さて宿について荷ほどき。ここは立派なホテルで合宿にはもったいないくらい。某平和荘に比べると雲泥の差かもしれません。さてここからが 私の出番です。いつもは温厚なO−TEACHERですが、今回の合宿では鬼になり恨まれ役になると決めていましもので。コートまでは 歩いて10分。オムニコート8面という恵まれた環境。30人も部員がいるとふだんはなかなか1年生まで打てません。しかしここに来ると 1コート4人弱。嫌ってほど打てて1年生も大はしゃぎ。とりあえずまずはボレーボレーで練習開始。実はここからが過酷な練習の始まり。 ネットを挟んで2年と1年生でペアを組ませて50球連続ボレーボレー。上手い子と下手な子をわざと組ませました。10分間やらせて 出来ない子たちは全員でスクワット。これがのちのち地獄となるのです。15ペアありましたが初日に出来たペアはわずか5組。20人は 罰ゲームとしてスクワットをしました。その後は普通に夕方まで練習しました。さていよいよ地獄メニュー第2弾5qランニング。たかが 5qなのですが、ふだん走り慣れていない子たちにはきついでしょう。それでもまぁぼちぼち走りきりました。そして時間に追われるように 夕食。けっこう豪華なメニューでした。そして間を1時間置いてミーティング。いちおう合宿の目的や今回の目標などを話して、その後 10人ほど「テニスと私」というタイトルでスピーチさせました。それぞれ合宿への思いやテニスへ取り組む姿勢などが感じられ面白かったです。 そしてあとは自由時間...といっても消灯まで時間が限られているので慌てて入浴。こういうところが普段の生活と大違い。ゆっくり食事をして、 自分のペースでお風呂に入って好きな時間に寝る。そういうことが許されず集団生活で、常に時間に追われ行動せねばならないこと。 自分の思い通りに出来ないこと。そんなことを体感させた一日でした。
2日目。朝6時30分からランニング。さすがに2日連続走ると生徒も疲れ気味。この後、足がパンパンに張って筋肉痛関節痛、膝も曲がらなく なるほど練習がきつくなっていったのです。練習も振り回しというしごきというほどではないですが、野球で言う千本ノックみたいなものも 入ってきたり、ボレーボレーも昨日に引き続き50球連続で出来ないペアはスクワット地獄など、どんどんきつくなっていく。ただでさえ ランニングで足が痛いのに、その上スクワットで、もう生徒はへたり込むやつ多数。それでもまだ梅雨明けせず、ずっと曇りで肌寒い天候だったので、 熱射病などで倒れるやつがいなくて幸いでした。そんな感じで2日目もヘロヘロになりながら無事終了。
3日目。生徒の祈りが通じたのか朝から土砂降りの雨。これでは朝のランニングは中止。生徒は大喜び。しかしそうは問屋が卸しません。 ホテルの6階にコンベンションホールという広い部屋があり、ダンスなどが出来るホールがあるのです。ここを借り受け室内トレーニング地獄。 腕立て・腹筋・背筋は言わずもがな、空気椅子、手押し車、足上げ、ボールつかみなどたっぷり2時間近く筋力トレーニング。ここでも 生徒の恨みを一身に受けました。ただでさえ足が痛くてヒーヒー言っているところへ上半身の筋肉痛をプラス。これでは全身筋肉痛状態です。 その上10時過ぎから急速に晴れ、11時から朝走れなかったランニングを急遽決行。もうボロボロになっていました。午後からは晴れ上がり コートで練習。個人課題練習を入れた後、ダブルスのランキング戦。みんな足を引きづりながら頑張っていました。そしてさすがに頑張ってきた ご褒美にということで、ミーティングを早めに切り上げ、夜の海岸で花火大会。これには生徒も喜んでいました。
そして最終日。最後の朝のランニング後、午前中はシングルスのランキング戦。ミーティングで煽っておいたせいか、みんな真剣な顔付きで ガチンコ勝負。なかなか白熱していました。実はこういう光景を求めていたのです。どうも仲良しのなあなあ部活で、どうも勝負弱く 今ひとつ真剣味というか一生懸命さが足りないと思っていたのです。しかし合宿の苦しい練習を通して、それぞれ「うまくなりたい」 「勝ちたい」という意識が出てきて、顧問としてはとっても満足です。こうでなくてはいけません。そんなわけで午前中の練習も無事終わり、 昼食後、また少し自由時間を取ってあげて海岸へ水遊びへ。生徒はキャーキャー言いながら波と戯れていました。中にはTシャツのまま 軽く泳いでいるものもいましたけれどね(笑)こういう気分転換も必要でしょう。でもあれほどランニングでは足を痛がっていたのに、 海岸では全力で走り回れるとはどういうこと?(爆)その後、再びバスで学校へ。やれやれでした。
でもやっぱり実り多い合宿でした。生徒も向上心を持てるようになれたし、技術的にも格段に進歩。合宿の一日は普段の1週間分の練習に匹敵するとは 本当のこと。明らかに1ヶ月分上手くなってかえってきました。何よりもたくましくなって。この体力や気力を土台に、夏休み、より レベルアップをして欲しいと願う私でした。それにしてもそろそろこういう過酷な合宿は、顧問の方が何倍も辛いって生徒は知っているのかなぁ...。 もう私の方は寿命が4年は縮まったと思いますけど(爆)
8/4
8月の2日・3日にあすなろ大会というミニ大会が行われました。これは普段公式戦になかなか参加できない選手に、少しでも試合する 機会を与えてあげようということで、とある顧問グループが企画運営しているミニ大会です。各学校のコートを寄せ集め、沢山の生徒に 出場機会を与えています。ランクも初心者C、中級者B(前回Cでベスト4以上になるとこちらへ)そして上級者のAと3つへ自由に エントリーできるようにもなっていて、初心者にも勝ち上がる機会があり、また上手い子たちもやりがいのある試合でもあります。 でも特に上へ通じる大会でもなく、気軽に試合経験を積めるお手頃なもので、顧問・選手が目の色を変えて勝ちを目指すものでもなく、 それなりに楽しめるものでもあります。また例えばランクCも県下10会場ほどあり、それぞれ32ドローくらいでやり、そこで 3位以内に入れば盾ももらえ、生徒にとっては励みにもなり、またベスト4に入って次は上のランクで出ようと目標も持てる大会なのです。 年に4回ほど行われ、底辺拡大のためには非常に有意義な大会です(この場を借りて運営に携わっている先生方にお礼申し上げます)
さてうちのテニス部も総勢31名もいると、当然公式戦のブロック大会にすら半分も出られません。もしかすると3年の引退まで 公式戦に参加できない子もいるかもしれません。そう考えるとこの大会に出て勝つことが、初心者組の目標になるので、どの生徒も けっこう意気込んで参加していました。まず2日目のシングルスは5会場に分散してドローが割り振られていました。本校も会場だったのですが、 その試合進行はH部先生にお任せして、私は各校の会場を回って生徒を激励しました。まずはFF高校へ。ここには5人ほど出ていました。 みんな初心者の1年生ばかり。中には緊張のあまり震えている子もいましたが、みんなそれぞれ頑張っていました。ここには30分ほどいて 次のFH高校へ。ここにも6人ほど。初心者組の一人が1回戦を突破してとても喜んでいました。こういう光景が顧問としては 嬉しいものなのです。でも同じ初心者組で負けた子もいて、そちらの方はとても悔しがって落ち込んでいました。こういう悲喜交々が また次へとつながるのです。そして次のR高校へ。ここではランクBとランクCが行われていました。2年生の数人は昨年ランクCで ベスト4に入っていたので、今回はBで出場。少しは勝ち上がっていたかと期待して駆けつけてみると、みんな1回戦敗退。うーん、 ちょっと期待はずれ。逆に1年生のN村がランクCで見事R会場で優勝!この子は経験者ですが、それでもよく頑張りました。そして 最後に本校へとんぼ返り。するとここではランクCの決勝戦がうちの1年生同士!結局1位2位を独占しました。うーん、よく頑張っていました。
そして3日はダブルス。この日はランクAのNC高校へ。うちから2ペア出場。このうち1ペアのT田・I井組は、こんな小さな大会に 出る必要がないくらいの上手い子たちです。ブロックでもダントツ強いので。でもこのうちのT田という子はふだんクラブでばかり 練習してるので、こういう時でないとコンビネーションの練習が出来ないので、無理を言って参加させました。だから他の学校の顧問の 先生から「T田さんが出るんですか!?」なんて驚かれましたが...。おそらくダントツ優勝と思われいた本校期待のペアですが、 やはりそこは高校生、ペアとして一度も練習していないためコンビネーションも悪く、まさかの3回戦負け。これが本番の試合でなくて 良かったです。逆に予想外の頑張りを見せたのがM澤・F野ペア。どの試合も競りつつも何とか勝ち続け、途中タイブレークの10-8なんて のもあり、決勝まで勝ち進みました。1回戦負け濃厚だったペアが決勝まで..。まっ一番驚いたのは私ですけれど(爆)決勝も5−2と リードして優勝も見えていましたが、そこはやっぱり神様が見ていたのか、結局まくられて5−7で負け、2位でした。ちょっと 悔しいけれど、ここまで頑張れたのですから良しとしましょう。
でも試合を見てて思ったのですが、高校生というのは1試合ごとに上手くなっていくものです。高校野球ではないけれど、テニスも同じ。 たった一日で4試合しただけで、格段に上手くなっていました。そんな姿を見られるのも顧問としての至福の時なのですけれどね。 結局シングルスではランクCで優勝がN村、I桁、2位にT内、3位にK謝と、4人の1年生が頑張りました。ダブルスはランクCで S口・I桁が優勝、ランクAB合同でM澤・F野が2位。みんなよく頑張りました。また次の試合でも頑張って欲しいです。
8/10
夏は大会が多い。今回は8/5と8/8に行われた公立校大会の報告を。これは公立高校だけを対象に行われる団体戦で、事前に申し込めば そのまま出られる県大会クラスの試合です。昔顧問をやっていた時はありませんでしたので今回初参加。ある意味新チームになっての初めての 団体戦ですので、けっこう大舞台。おまけにこの戦績が秋の新人戦のシード決定の材料になると聞いては頑張らないわけには行きません。 メンバーは1.I井、2.M澤、3.F野、4.I桁、5.N村の5名。4、5は2年生を差し置いての1年生!本来であればT田という 1年生が最強メンバーとしているのですが、この子は強すぎて全日本ジュニアに参加しているためこちらは不参加。でも逆にこの子が いなくても良い結果が残せれば、さらに良いシード割りがもらえるかもという目論見も...。今回は第6シードでした。
2回戦から。2回戦、対C東高校。さてここからが新顧問の団体ベンチコーチ再デビュー(笑)団体戦というのはダブルス、シングルス1、 シングルス2の順番で3試合やります。そのうち2つ勝てば勝ちというルール。相手によって色々組み合わせを替えて出すことにより、 強豪にも勝てるチャンスがあるので、そのオーダーの組み方、そして監督のベンチでのアドバイスなどによって勝敗が決まるという、 とってもプレッシャーがかかるもの。テニスというのは元々個人スポーツですから、シングルス、ダブルスだけでやるものですが、 この団体戦に限ってはチームの総合力と監督の采配が勝負を決めるものとなるのです。だからどこの監督も目の色が変わっています。
さてオーダーなのだが、本来であれば一番強い子をシングルス1、二番目に強い子をシングルス2、三番手四番手をダブルスというのが 常套なのだが...ここで悩む。本来シングルス2で出るべき二番手のM澤はとても心臓が弱い。つまり気が弱い。ダブルスシングルス1で 1−1で来て、最後の勝負にシングルス2にかかった時、プレッシャーで実力を出し切れなさそう。それに加え先日のあすなろ大会では、 F野と組んで良い結果も出している。ここはダブルスで使おうと言うことで、あえてダブルスM澤・F野で出した。粘りながらなんとか 6−4で勝ち、シングルス1のI井も危なげなく勝ち2−0で勝利。でも初対戦だけは勝負が決まってもシングルス2もやるということで、 I桁を使う。しかしこれは4−6負け。まっ、1年生に勝てという方が無理。でも結果的には2−1で2回戦突破。
3回戦対M国際高校。ここでもあえて同じオーダー。ダブルス、シングルス1の2年生で勝つという算段。ところがダブルスがあっさり 2−6で負けてしまう。ベンチでコートチェンジの度に色々アドバイスするも、全然調子が出ず負けてしまう。この時ほど監督として 落胆することはない。選手は一生懸命やっているのだが、それでもなかなか普段のテニスが出来ず、力を出し切れず(出させてやれず) 負けてしまうのが歯がゆい。ベンチにいて一球ミスするごとに心臓が止まりそうで、監督も楽じゃない。ポーカーフェイスも得意でないので。 シングルス1も途中競られるがなんとか振り切って勝ち、この時点で1−1。シングルス2勝負。こんなところで運命を一年生に託すとは。 しかしここで負けてもI桁を責められない。2年生で勝ってはじめての勝利。ダブルスを落とした時点で負けを覚悟しました。ところが ここで1年のI桁が奮起。なんと見事勝ってくれました。これは思わぬ誤算。I桁に感謝。ここで雷雨のため本日は終了。
8/8。4回戦対FF高校。験を担いで同じオーダー。ここもダブルスは競りつつも見事勝って、シングルス1も危なげなく勝ち、見事 4回戦突破!ここでいちおうシードを守りベスト8。そしていよいよ第3シードのC女子高校と準々決勝。この間の練習試合では五分と五分、 どっちに転んでもおかしくない。うまくやれば勝てるかも...と思っていたら、ダブルスは3−6で負け。シングルス1は練習試合では 6−3で勝っていた相手に、まさかの1−6で負け。0−2で完敗でした。ショック...。
でも考えてみればベスト8というのはすごい成績。県下70校近く出ている中で、これは立派な成績。これにうちの1のT田が出ていたら より上を目指せたはず。そう考えれば上々でしょう。絶対有利と思われたシングルス1が負けたりで、やはり高校生はやってみなければ わからないとも悟ったし、ダブルスの強いペアを作らねば団体で勝ち抜けないとわかったし、またベンチでどういうアドバイスを送るべきか もう一度勉強せねばと、色々考えさせられた公立校大会でした。これを糧にまた次頑張ろうと決意を新たにした大会でした。
9/15
9月の2週目から3週目に渡って行われた新人戦ブロック大会。その経過をレポート。今回から我がテニス部顧問のH部先生がブロック主任と なったため、色々大会運営に従事することが多くなり、その分チームの方は私が面倒見ることが多くなりました。顧問会議での組み合わせなども 約10年ぶりに参加して、昔と色々違うルール変更などがあり面食らっているうちにいよいよ大会になりました。
まずは個人戦ダブルスから。64ペア参加の中、なんとうちの2ペアが第1シードと第2シード!第1シードのT田・I井組はブロックレベルでは 無敵でこれは誰が見ても第1シードとして当然。もちろん楽に勝ち上がりダントツで優勝しました。しかし問題なのは第2シードの M澤・F野ペア。前回のあすなろ大会で良い成績を出したので、他校の顧問たちから推薦され第2シードになったのですが、こちらも 途中までは順調に勝ち上がりました。その他期待していたペアが早々と1、2回戦で負けたりしてがっかりするところもありましたが、 ベスト8にうちのペアが4つ勝ち残ったのだから上出来だという感じ。しかし県大会へ出場できるのはわずか3ペア。つまりベスト4まで 勝ち残ってもまだ県大会へ出場できないのです。3位決定戦に勝って初めて県大会への切符が得られるのです。
さてその第2シードのペア。準決勝までは順調に勝ち上がりいよいよ第3シードと雌雄を決する試合。ここで勝てば2位以上で県大会、 負ければ3位決定戦に回るという試合。何としてでも勝ちたい試合でした。しかし相手のペアはよくつなぐロヴ多用のペア。結局 打ち合いに持ち込めずポーチも出来ず惜敗。うーん、シード守れず。そして問題なのは3位決定戦。こちらはひとりがジュニア上がりで とてもうまいペアでした。これは一進一退でどちらも譲らずついにタイブレーク。ここでもシーソーゲームで6−6ここで、相手のミスにより 7−6とマッチポイントが来ました。そして長いラリーの末、前衛の前にスマッシュの超チャンスボール!誰もがこれで決まったと 思った時、F野がびびって腕が縮こまり、まさかのサイドアウト。観客全員からため息が漏れました。そして結局そこから逆転され 7−9で負けてしまったのです。もうこの時の無念さと言ったら言葉に言い表せません。選手は二人とも号泣。勝てると思った1ポイントが まさかのミスで県大会への切符を逃してしまったのですから。もちろん向こうは大喜び、負けたと思っていたのに勝ったのだから。 あのスマッシュミスは一生トラウマに残るような出来事でした。数日経った今でも私ですら目にちらつくのですから、選手はもっとでしょう。 本当に1球の大切さを痛感しました。そして勝たせてあげられなくて、生徒につらい想いをさせてしまった自分に対して腹が立ちました。 勝負事ですから勝ち負けはありますが、でもあんな負け方は一生悔いが残りそうです。今度こそはと再起を誓うダブルスの試合でした。
そして10日(水)に団体戦がありました。これを勝たせるのが顧問の役目。個人戦は選手本人が頑張ればよいですが、団体戦はチームとしての 総合力が問われるものです。ここのオーダーの組み方が勝敗を決め、県大会への道が開けるのです。つまり顧問としての醍醐味というか、 責任重大なものなのです。団体戦も3校が県大会。女子は8校あるので2つ勝てば出られるのです。しかし1位で抜けなければ県大会でも 良いところへ入れず、2位以下だと強い学校とすぐ当たって勝ち抜けず、1位抜けが絶対条件だったのです。しかし我が校は絶対的bPの T田がいるのである意味安心。彼女は県下でもベスト16以上の実力で、最近のジュニアの全国大会でも16歳以下でベスト16に入るくらいの 強さですから。だから今回は不動のオーダー。ダブルスにM澤・F野、個人戦の雪辱に燃えて。そしてシングルスbPはT田、bQは 個人戦シングルス第2シードのI井。どこの学校からもうらやましがられる鉄壁の布陣です。今まで長く顧問をやっていますが、この メンバーは一、二を争うくらいベストメンバーだと自負していました。
1回戦F佐高校、2回戦H陵高校とも、ダブルス、シングルスbPまでで2−0で決めていきました。そしていよいよ決勝のA孫子高校。 ここでダブルスが競りながら精神力の弱さが出て4−6でまさかの敗戦!個人戦の負けが影響して気弱になり、いつもの積極性が見られず 負けてしまいました。こういう時『どうして開き直れないのだろう。』といつも切歯扼腕するのですが、でもそう思えるのは私が そういう性格だから。生徒で気弱な奴はどんどんマイナス思考になり『またミスしたらどうしよう。』とますます足が動かなくなる。 メンタルな部分の強化の必要性を感じました。それでもbPが同じジュニアの相手のbPにも圧勝し、bQのI井も一時期の不調から 立ち直り6−1で勝ち、何とか2−1で勝ち、優勝しました。ベストメンバーとはいえ、ブロック大会を勝ち抜くのも楽ではないなと 思う試合でした。
そして個人戦シングルス。ここは悲喜こもごも。一番期待していた1年生の1番手のI桁が思わぬ初戦敗退。これにはショック。以前に 負けた時と同じように、コースが狙えずミス連発で自滅。悔しい負け方でした。ここでもこんなに頑張っている子を勝たせてあげられない 自分の不甲斐なさに悔しさが隠し切れませんでした。まだ1年生ですからもっと鍛えて、次こそは勝って泣かせてあげようと思う試合でした。そんな 中でも2年生のS口が、合宿で体得したねばりを見せ、2回戦も勝ち上がり3回戦へ。特に2回戦の相手は他校の1番手で、大殊勲の星。 こういうのがあるから顧問は辞められないのです。いっぱい褒めてあげたい気分でした。ここで日没順延で次回へ持ち越し。
そして続きのシングルスは15日(月)にありました。ここからはもう本当に個人個人の頑張りの世界。言い方は良くないが、やはり 実力通りの勝ち上がりで番狂わせがない。うちの生徒も10名も勝ち残っていましたがバタバタ負けていく。それでも納得できる負け方を しているやつは少数。ほとんどが自分のテニスが出来ないまま自滅していく。特に2年生の中堅どころと1年生の期待の経験者組たち。 2年生達はそれぞれ持ち味を出せず2回戦、3回戦で敗退。1年生に至っては何をしたいのか全くわからず負けていく。試合が終わった後、いつも言うのだが「どういう試合をしようとしたのか?いったい何故負けたのか?自分に何が足りなかったのか?そのためにどうすべきなのか?」という悔しさとともに自己分析、次への向上心と勝ちたいという熱意...それらが大切なのだ。そのあたり2年生は徐々に 芽生え始めているが1年生はどうもまだまだお客さん気分が抜けていない。試合に負けてヘラヘラしているし...。
そんな中でも健闘した子たちはいる。まずは1年生のO原。第1シードの山にいたのだが、見事3回勝って第1シードと当たるところまで勝ち上がった。もちろん1−Eで負けはしたものの堂々のベスト16!校内のランキングでは15番手なので、これは大健闘と言えるでしょう。そしてキャプテンのM澤。彼女も2回戦でA高校の3番手と当たるという難しいドローだったのに。今日は吹っ切れて全て振り切って勝負を賭けていた。そのせいか見事勝ち上がりベスト8まで行った。そしてF野。彼女も2回戦、3回戦、4回戦と、全て他校の エース級の選手と次々ぶち当たるという不運なドローだったのだが、すべて競りながらも撃破。快進撃の勝ち上がり立った。彼女たち二人は、実力がありながら精神的に弱く、いつもつなぐ相手に合わせて自分のテニスが出来ず、自滅して簡単に負けるパターンが多かった。 しかし今日は違った。特にF野は別人のようなハードヒットを繰り返し、それがことごとくコースに決まるという奇跡的なエース連発! いわゆる「今日はあたっている」という言葉が示すように、本当に見事にヒットし、一番厳しい山で、顧問達が「死の山」と呼ばれていた 山を見事勝ち上がって、なんと準決勝まで勝ち進んだのだ!これには本人も回りもびっくり!でもどの試合もF−5、E−4と競り合うので最後は足が動かず限界だったようだ。そりゃ朝から5試合もやって、どの試合も1時間近くやればそうなるでしょう。でも合宿で 走った成果なのか、本人の気力が充実していたせいなのか、最後は第1シードに負けたもののベスト4まで勝ち残れた。これは快挙。 さすがに3位決定戦では(本当はここで勝てば県大会へ行けたのだが)第3シードと競りはしたものの、運は尽き4−Eで惜しくも4位、 県大のキップは逃した。しかし何よりもそれよりも、F野が自分の理想とするテニスをやり切ったことに深い満足感を覚えました。 そして今日一日で、F野が試合をする度に上手になっていくのにとても驚きました。下手な練習よりも濃い試合の方がよほど選手を 成長させる、そんなことを目の当たりにしました。他校の顧問もみな異口同音に「F野さんは一試合ごとに進化していますね。」と。 そして第2シードのI井は危なげなく勝ち進み、最後は第1シードのクラブ上がりの選手に完敗したものの堂々の準優勝で県大会出場。
こうしてブロック大会全てが終わりました。結果だけ見れば、団体は優勝、ダブルスはT田・I井組が優勝、シングルスはI井が準優勝。 すべて県大会へ行けるので上々と言えましょう。しかしあえて苦言を呈する。いや自戒を込めて自分に言わねば。こんな良い選手達を十分勝たせてあげられなかったのは、すべて私の責任だと。彼女たちは私が顧問になってから、本当に よく頑張ってきたと思う。たかが半年足らずだが、よく付いてきたと思う。それなのに勝たせてあげられなかったのは、すべて無能な 私のせいだと思う。ここで選手に謝りたい。変な言い方だが、もっとあの厳しい練習をしていれば...そんなことを試合を見ながら 何度思ったことか...。どうも振り回しやランニング、その他きつい練習を、まだ自分は新米顧問だから...と避けてきたように思う。でもその結果試合で負けて生徒達を泣かせてしまっている。本当なら心を鬼にして厳しい練習をさせ、試合で勝たせて泣かせて あげるのが本当なのだと思う。そこまでやり切れず、かえって悔しい思いをさせてしまっているような気がする。いやだから厳しい 練習をバンバンやればいいのかというとそうではない。でも試合で勝つためにある面ではきつい練習をやり、そしてある面では精神力を 鍛え、ああ、あの練習していればこんなミスはしなかったのに...そう後悔せずに済んだような気がする。すべて私の失点である。 そんな思いで終わったブロック大会でした。許せ生徒よ。
9/22
本当であればこんなことは書きたくなかった。それはテニス部のチームとしてのあり方。まだこの学校へ来て半年足らず、テニス部顧問としては約10年ぶりの現場復帰。確かに以前はバリバリやっていましたが、サブ顧問でもありこの学校に来て新人でもあるので、 どうも様子見しながら顧問をやって来ました。少しずつ生徒と一緒にやるにつれて気になることが出てきた。
それは「チーム」としてのあり方。テニスというのは個人スポーツであるが、また一方で団体戦という試合もあり、チームとしての 総合力が問われるスポーツでもある。確かにレギュラーは試合で勝つことがチームのためになるし、補欠も選手をサポートして 始めて「チームワーク」というものが生まれてくる。だからたとえ球拾いでもコート整備でも、1年生であっても、チームへ貢献すると いう気持ちは常々必要だと思う。だからこその高校の部活動なのだとも思う。もし個人だけでうまくなりたいなら、何も高校の部活へ 入る必要もなく、そのあたりのテニスクラブへでも入ればよい。だから試合に出るやつだけ上手くて勝てばいいと言うものではない。 下の方で頑張っているやつ、裏方として力を尽くしているやつ、そういう人たちの頑張りが「チーム力」となって、良い部活が 出来るのだ。そう思い以前はやって来たし、またそういう意識は先輩から後輩へ受け継がれ、「伝統」として栄光ある実績を 残せたのだと思っている。
しかし。どうも今年の(と書くとずっといるようだが)1年生はそのあたりの意識が薄いような気がする。例えば先輩が球拾いして いても平気で見ているし、コート整備も怒られなければやらない。それも真っ先に動くのはいつも同じやつばかりで、いつも 動かないやつもいる。注意しているのだが、その場は良いがまた同じ事がしばらくすると起こる。そういうのを見ているとイライラして くるのだ。なぜ1年生がこんなに動けないかと。ただ気が利かないだけでなく、どうも部活というかテニスに対する取り組みの 姿勢が中途半端なのだ。2年生も優しくほんとんど注意しないのも原因の一つかも。女子の部活だから先輩と仲良くやるのは大切だと思う(女子の部活は人間関係で揉めること多し)でもそれに甘えてあまりにも後輩としてのやるべき事が出来ていないのに腹が立つ。
その最たるものが、欠席の多さである。1年生は全部で22名もいる。だから一人二人欠けたところで全然支障はないのだが、 土日の練習の時など、常時3、4名休んでいる。たしかによんどころない事情で休まなければならなかったり、体調が悪いことも あろう。でもそれが毎回続き、ただ「用事があるから。」では到底納得できない。ていうか一生懸命休まずに練習に出ているやつが 実力不足から試合に出られず、休みがちだがちょっと上手い子が試合に出る、そんな理不尽なことが出てきているのだ。そして 今回拍車をかけたのが、この前の新人戦のブロック大会の時である。先輩達の試合の応援があるのに、1年生が5人も欠席しているのだ。 これにはさすがの私も頭に来た。というか呆れた。言語道断である。大事な試合の応援にも来ないとは...。もちろん 色々理由はあるだろう。でもそれでも試合である。たとえ自分が出なくてもこんな大事な時にいないなんて、それは部員ではないと 思う。こういう日々のルーズさがこのところ目に余るのだ。
私もサブと言うことで口を挟まずにいたが、さすがに限界で、この間全体に話した。テニスが好きでテニス部に入ったのに、それを きちんと出来ないと言うのはテニス部員失格である。もっときちんとやりなさい、自分の務めを果たしなさいと。なんだかこんなことを わざわざ言わねばならぬこと自体恥ずかしかった。しかしチームを預かる顧問としては詮無いことです。
しかしまたここでひとつの行き違いが。実はそのお説教をした後は少しは良い感じでした。しかし私の真意は伝わっていなかったようです。1年生の真面目な2人が私のところへ話があると来た。それは「他の1年生は何も変わっていない。」ということ。その 2人はとてもテニスに対して真剣で本気で取り組み、率先して何でもやる。テニスも上手いがそれに天狗にならず、下級生としての 責務は申し分なくこなしている。しかし他の子たちは...。その子たちが言うには私のお説教の後も、他のダラダラ1年生達は 全然変わらないそうである。おまけに陰では「なら辞めてやる」発言も出ているそうである。まっ、顧問の悪口なんて私も学生時代 率先して言っていたので全然気にならないが(^^;)可哀想なのはこの2人である。一生懸命やりたいのに、他のやる気のない部員のために 孤立しかかっているのだ。今回も別にチクリに来たわけでなく、もっと真剣にやりたいので、チームとしてどうしたらいいかと 相談に来たのだ。うーん、難しい。やる気がないやつとかいい加減なやつを辞めさせるのは簡単だが、果たしてそれが良い処置か どうか。曲がりなりにも「部活」である。なにもプロを目指しているわけでもなくガンガンやるわけではなし、みんなで楽しくやるのも 大事である。でもこういう真剣にやりたい子が、やる気を無くすようなことだけは避けたい。ここは考えどころかも。
10/5
10/4(土)5(日)の2日間、新人戦の県大会の団体戦が行われました。秋の好天に恵まれすっかり今頃日焼けしてしまいました(^^;) さて本校は組み合わせ会議で第9シードになり、ベスト8を目指し熱戦が繰り広げられました。目標はベスト8!なんとかここまで勝ち上がりたい、 そう切に思っていました。それは何故かというと、この県大会の団体戦、ベスト8まで残ると、実は11月の中旬に関東予選として、再度8校で トーナメントがあるのです。その時は7人制になり、ダブルス2ペア、シングルス3つと、計5本でやることになるのだそうです。他に強い学校は 沢山あるのですが、一部の学校を除いて2、3人はメチャ強いジュニアの選手を擁しています。だから今回みたいなダブルス1組シングルス2本の 試合では無類の強さを発揮します。でも逆にその下の子たちはあまりたいしたことないというのが、強豪校の実態。ジュニアの選手ばかりに 力を注いでいるせいなのかも知れません。しかし7人制となると、それ以下の子たちも出ることになるわけで、層の厚さが重要になってくるわけです。 そうなると無駄に部員数が多い本校は有利になる(爆)いや失言...レギュラー組と準レギュラー組の力の差がないうちとしては、俄然チャンスが 出てくるわけです。だから是が非でもベスト8に残り関東予選の7人制大会へ出たいのです。その上ベスト8に残ればブロック予選免除という ボーナスも付くのです。だから今回の団体戦の目標はベスト8でした。
さていよいよ試合当日。うちはいちおうシードのため2回戦から。そのためとても待たされ、朝8時に会場に集合して試合に入ったのは13時半という 超待ちぼうけ状態でした。しかしこれはある意味、とても幸運だったのです。実は本校のエースの1年生が、ちょっとした都合で午後からしか 出られないかも...という事になっていたのです。まぁこの選手抜きで戦うつもりでいたので、それも致し方ないと思っていたのですが、間に合って シングルスbPで出てくれれば、まずよっぽどの強豪校の有名選手でない限り負けない、絶対的エースなのです。その子がいるといないとでは 心理的にプレッシャーが違います。だから試合が遅れてくれれば遅れてくれるほど間に合う確率が高く=勝てる確率も上がるのです。ですから 私としてはギリギリまでオーダー提出を待ち、本人の到着を待ちました。おかげで代理で出るかも知れない5番手のIさんには気が気でない時間を 過ごさせてしまいました。ごめんね。
そんなわけでしたがオーダー提出15分前に無事T田選手到着。途中メールで逐一向かっている様子を報告してきましたが、冷や冷やものでした。 そしてまずは初対戦の市立C校戦。ダブルスE−3で勝ち、シングルスbPのT田もE−3で勝ち、見事2−0で初戦突破!3回戦進出しました。 でも結局この日はここで日没、1試合やっただけでひたすら待ち続けた一日目でした。
そして2日目。3回戦にして、ここでいよいよベスト8を賭けて第8シードのM総合高校戦。ここが正念場です。相手とは実力伯仲でガチンコ勝負に なりました。ダブルスは競りながらも3−Eで負け、後がなくなりました。このダブルスにはうちのキャブテンのM澤を使っているのですが、どうも彼女は 精神的に弱く、ミスし出すとどんどん悪い方に考えてしまい落ち込むタイプ。実力もそこそこあるし良い時はガンガンやれるのですが、ダメな時は とことん落ち込むタイプ。今日もそういうモードになってしまい、要のダブルスを落としてしまいました。シングルスbPのT田は問題なくE−0で圧勝。 1−1となり、勝負はシングルスbQのI井にかかってきました。彼女は逆にあまり悩まずガシガシ打つタイプ。でも当たれば強いけれど調子悪いと ヘボい相手にもコロッと負けるところもある、なかなか難しいタイプ。深く考えすぎないと言えば聞こえは良いが、能天気というか、まぁあっさりタイプなのです。 その相手はつなぎまくる嫌な相手。たいがいこういうしつこい相手にいつもなら、無理に強打を繰り返し自滅するパターンが多かったため、とても 心配してみていました。ところが...この日のI井はとても落ち着いていて、とても良いテニスをしてくれて、安定感があり、つなぎ合いにもめげずE−2で 快勝!見事ベスト8になりました!やったーーーー!
もうここまでが顧問の仕事。ベンチでコートチェンジの度にアドバイスを送りますが、目標だったベスト8に残り、マジでベンチに崩れ落ちそうになりました。 一球ごとに一喜一憂して、ゲームを取られるごとに心臓がバクバクいい、監督というのは早死にする職業だと実感した時間でした。さてここから先は おまけみたいなもの。次の4回戦は第1シードのSM高校。相手校はスーパージュニア(全国レベル)の選手を数人抱える、全国でも有数の超強豪校。 どう逆立ちしても勝てないチーム...のはずだったのですが、メンバー登録表を見て『?』という感じ。2番手以下の3人ほどが登録されていない...。 実はこのスーパージュニアの選手達、こんな高校の県大会レベルの試合をパスして、まさにスーパージュニア選手権という、プロに近い大きな大会に エントリーしていて、こちらの方は始めから登録していないのだ。でも1番強いT選手は名を連ねていたが...。これではどうあがいてもやっぱり無理か... と思ったら、この1番手のT選手(この子は全国でも5本の指に入る)も途中で棄権し、やはりそのスーパージュニア選手権の方へ行ってしまったのだ! なんという超ラッキー!これでなんとか戦えるかも...そういう状況になったのです。しかしその強い4人が抜けても、残っている4人くらいはうちの選手と がっぷり四つ。多少うちの方が分が悪いくらい。でも試合にはなるという程度で、勝つ確率は20%くらいだったのです。
まずはダブルス。試合が始まるが...うっ、うっ、うまい!2軍たって、うちの選手より格段にうまい...。こりゃ無理だと思いつつあっさり1−Eで負ける。 さすが全国レベルの学校は違うなぁと呆然としていました。ダブルスと同時進行でシングルスbPが入っていました。こちらはうちのT田と互角の勝負。 隣のコートから見ていましたが、一進一退の白熱戦。途中5−6とリードされていたようですが、ここは彼女を信じて私はシングルスbQのベンチコーチへ。 こちらは5−2とリードしているところからまくられ、5−5まで挽回される嫌なパターン。そうこうもつれているうちにシングルスbPの試合が終わり、なんと T田がタイブレークの7−5で逆転勝ち!すごすぎる!あんなに追いつめられていたのに...。これがジュニアとしての経験なのか...。ということは 1−1で再びこのシングルスbQの試合に全てがかかってくる。しかし形勢は極めて不利。相手に追い上げられて完全に相手のペース。流れは相手に 移り、今までのI井の試合で、こういう展開になったらほぼ自滅して負けるパターン。万事休す。良いところまでいったのに...。そう思っていました。 ところが...ここから彼女がすごい集中力を見せ始め、なんとラスト2ゲーム、超気合いが入りまくって取ってしまった!F−5で見事に勝ち、2軍とはいえ 第1シードのSM高校に勝ってしまった!奇跡が起こってしまった!もう優勝したような騒ぎ!私も喜ぶより呆然としてしまうほどの幕切れでした。 うーん、信じられない。もうびっくりです。確かに試合にはなるとは思いましたが、まさか勝てるとは...。
でもよく考えてみると確かにその要素はあったのです。もちろん相手のチームがすべて2軍という幸運。でもそれだけでは勝てなかったはず。それでも相手の方が 実力は上のはず。それでも勝てたことのひとつの要因はシングルスbPのT田への信頼。彼女はどんな逆境でも(追いつめられても、マッチポイントを 取られていようとも)常に勝つことを信じている強い精神力がある。これだけは性格的なもので、多分教えられることではない。持って生まれた「本物」の 強い選手の特性だと思う。そして2つ目はシングルスbQのI井の、今日一日での成長。苦しい試合をやるうちに、1ゲームごと1ポイントごとに確実に 上手くなっていった。これは驚くべきこと。よく一試合ごとに上手くなるなんて、高校野球では言うが、まさにそれのテニス版。彼女も確実に成長しました。 コートチェンジでベンチへ戻ってきた時、アドバイスしながら話した時「相手がうまいのでテニスが楽しい。良い球を打ってくるので気持ちいい。だから私も それにつられて良い球を打とうとしていたら、打てるようになっちゃいました。」と言う。うーん、高校生って怖い。1ヶ月練習してもなかなかこんなふうには ならないものなのに、わずか2試合くらいで、それも今日一日で急に上手くなるなんて...。良い試合は選手を育てるとは箴言。そして3つ目はもちろん 応援。もちろんうちの生徒達は声を嗄らして応援していましたが、それだけではなく、同じブロックの他校の選手が懸命に応援してくれました。同じ ブロックを共に戦ったという連帯感なのか、とてもありがたかったです。昨日の敵は今日の味方。R高校のみんな、ありがとうございました。
そんなわけで第1シードを破ってしまってなんと奇跡のベスト4進出!本校女子テニス部始まって以来の快挙!(多分)会場全体がどよめくというのは 初めての経験でした。そしてなんと準決勝となってしまったのです。相手はY高校。ここも強い選手がいますが、まだ25%くらいの勝機あり。 さてダブルス....。だいぶ開きなおって良いプレーも出てきたのですが、4−Eで惜敗。やはりダブルスが取れないのが痛い。団体戦はダブルスが命と 痛感。そしてシングルスbP。これは6:4で勝てるかもという相手だったのですが、うちのエースT田が4−0からまくられて、まさかの4−E負け...。 さっき相手の方がよほど強かったのに、なぜこの相手に...。でも試合なんてそんなものです。勝てそうだという相手にこそ落とし穴がある。今まで 彼女のおかげで勝ち上がってきたんですから、ここで責めるわけには行きません。この時点で0−2で完敗し終了しました。実はこの準決勝、3面展開で すべて同時進行だったので、2試合負けた時点でシングルスbQが打ち切りになってしまったのです。このシングルスbQのI井の相手も強くて、おそらく 全然かなわないだろうと思っていたのですが、本日の成長株I井は、なんと打ち切りになるまで、1−5で負けていて、あと1ゲームで終わるところから 驚異の粘りを見せ、なんと6−5とまくり上げていたのです!試合に「もし…」はないですが、もしシングルスbPのT田が勝っていたら、この展開だと シングルスbQが競り勝ち、逆に2−1で勝っていたかも...そうすると準優勝していたかも...。しかし試合に「もし…」はありません。ここまで幸運が 続いたのですから、欲をかいては罰が当たります。
堂々のベスト4、つまり3位なのです!本当に選手達はよくやってくれました。 顧問として本当に感謝したい気持ちでいっぱいです。良い夢を見させてもらいました。目標ベスト8が3位ですから立派なものです。素晴らしい 選手に恵まれてありがたいです。そしてまた頑張ろうと強く思った次第です。しかし残念なのは、相変わらず大事な試合だというのに1年生が揃わないこと。 体調不良が多いようですが、なんとも釈然としません。やっぱりここらで一度きちんとけじめを付けないといけないかも。せっかく頑張っている選手達が 可哀想です。まっ、そんなわけで色々ありましたが、顧問としての責務は無事果たせほっと一息、来週の個人戦に続きます。
10/12
今週末は個人戦でした。これはあくまで個人の戦いなので、監督としては全然気が楽でした。個人の勝ち負けですし、団体戦と違いベンチに入る必要もないし、
ある意味部外者として冷静に見られました。さてまずはシングルス。こちらはうちのエースの1年生が第7シードでストレートインしています。そしてもうひとり。
2年生のI井がブロックを2位で勝ち抜き県大会へ出ています。しかしドローを見て驚くこと驚くこと。ほとんどがジュニア上がりの選手ばかり。それもかなりの実力者揃い。うーん、こんな中でどうやって勝てと言うのか。もう高校からテニスを始めて、練習量を誇って県大会へ出て勝つ時代は終わりましたね。ほとんどが中学時代
ジュニアで活躍し、その実績でストレートインし、その子たちが2回戦からどんどん当たるというものばかり。こうなると素人組は1回戦勝てばよし、2回勝てば
かなりの大活躍、3回勝つなんてほぼ無理という世界。もう努力が報われる時代は終わったかも。当然ジュニアでも上には上がいるわけで、私から見たら
十分上手い選手も、より上手いジュニアに手も足も出ずコロコロとラヴゲームで負けていく...。うーん、弱肉強食のシングルス戦国時代。こりゃたたき上げ組の
はい上がるスペースはありません(泣)
というわけで2年のI井は1回戦は同じような(おそらく)たたき上げの選手とやって、見事E−2で勝つ。うん、よくやった。1つ勝つだけで十分です。続く2回戦は
いきなりシード選手で0(ラヴ)で負けました。相手はベスト8の選手ですから仕方ありません。そして1年生のT田ですが、1回戦こそE−0で勝ちましたが、
続く2回戦はE−4ときわどい勝利。昨日の体育祭の疲れが残っているのか、どうもいつもの覇気が見られず終始テンションが下がったままで凡ミス連発。
ちょっとむらっ気があるのがタマに瑕。でも二つ勝ったのでベスト16進出。これで次の総体はブロック大会免除で、県大会へストレートイン。ホッとしました。
彼女あたりがブロックから出ると、それだけ枠が狭くなり、他の子たちが県大会へ出るチャンスがなくなりますので...。続く3回戦は第9シードの選手。とある
有名校の1番手。実力伯仲の勝負となりました。しかしここでも調子が出ず、いきなり3ゲーム取られ、終始劣勢なのを挽回する展開。しかし一度もリードできず
結局5−Fで負けてしまいました。うーん、普通の調子なら競り勝てる相手なのだけれどなぁ...。どうもリターンが悪く、相変わらず大事なところで
ミス連発。でもこれが実力。相手だって同じ条件ですから。ましてや1年生。これからに期待かも。
話は変わりますが、よく見させてもらっている「桜桃雪花」さんに、先週の団体戦の試合の写真を載せてもらいました。嬉しくてついお願いして写真を分けてもらいました(私も写っていたりします(^^;))こうやって頑張っている生徒の様子が記録に残っていくのは嬉しいものです。ありがとうございました。
そんなわけでこの日は、午後の1時過ぎには全て敗退して終わってしまったのです。さて撤収しようかと思っていたら、なんと今日の最後に団体戦の表彰を
やるので残ってくれと言われました。うーん...でも仕方ありません。せっかく団体で3位になったのですから、栄誉ある表彰式を待つことにしました。そうこうして
いるうちに試合が進み4時過ぎた頃「あのー、今日は試合がギリギリまでかかりそうなので表彰は明日にします。」とのこと。えーーーっ!ずっと待っていたのに!
生徒も私も超激怒。でも仕方ありません、試合進行の都合ですからね。生徒も私も無駄な3時間を過ごしてしまいました。仕方なく決勝まで見ていきましたけれどね(泣)
さて次の日はダブルス戦。昨夜からの雨が朝になっても降り続き開催が危ぶまれましたが9時頃にはやみ、無事進行しました。さすがオムニコートは
すごい(笑)さて本日はダブルスの2回戦からだったのでトントンと進みました。こう書くと語弊がありますが、シングルスもダブルスも
1回戦はやたら時間がかかります。実力が伯仲していると言えば聞こえは良いですが、しこり合いが多く長くかかることが多く試合進行が
遅れます。でも昨日1回戦をやってしまっていたので、それなりに上手いペアが残りバシバシ打つ展開が多いので、本当に速い速い。
うちからは1ペアだけ。T田・I井ペア。2回戦からです。相手はMK高校の1年ペア。それがバシバシと打ってあっという間に勝利。
これはちょっと実力差がありました。なんと試合時間20分。井の一番で勝ちました。しかし問題は3回戦。ここですでに強いペアと
当たるのです。相手はT高校。ポーチが上手くポンポン決められ、これもたいして良いところなく3−Eで負けてしまいました。本当は
これに勝ちベスト8に残るとストレートインだったのですが、結局ベスト16止まりでまたブロック大会からです...。でも試合を
見て思ったのは、うちのペアはポーチに全然出られないと言うこと。相手はチャンスがあれば決めにかかるのですが、うちの方はラリーを
するのみで決めパターンがない。でもこれも仕方ないかも知れない。T田は元々シングルスの選手でボレーはさほどうまいとは思えない。
その上普段はクラブで練習するばかりで、部活にほとんど出てこないので、I井とのコンビネーションなど全然出来ていない。ブロックまでは
ストロークのうまさで勝ち上がって来られたが、さすがに県大会の3回戦ともなるとそうも行かない。コンビネーション、ポーチ、ボレーの反応等々
様々なテクニックがないと勝てないと痛感した。しかしこれから先も一緒に練習する機会はあまりないだろうし....難しい課題かも。
実はこれで終わりではなく、実はもう一仕事。それは審判!実は再来年の国体に向け、審判がきちんと出来る生徒を育てなければ
ならないことになっているのだ。というわけでさっそく今大会、シングルス、ダブルスとも、4人制審判を準決勝から採用。その割り当てに
本日当たっていたのだ。1年生の中の4人を選び、少し練習させいよいよ本日が本番。女子ダブルスの準決勝、決勝のラインズマンを
させることになった。担当に当たった4人は選手よりも緊張していました。でもいざ試合が始まるとそれなりに無難にこなしうまくいきました。
実はこっちの方がホッとしたりしました(笑)今後こういう国体がらみの仕事が増えてくる感じです。
最後の最後に表彰式があり、団体戦3位の賞状をもらいました。私も長年顧問をやっていますが、こんな県大会の最後に表彰される
ところまで残ったのは初めての経験。良い思いをさせてもらいました。ありがとう選手達よ。さて次は選抜予選か?
すべて「桜桃雪花」様から転載させていただきました。