茫漠たる 4月 上旬 編



4月1日(土) 静かな仕事始め

        今年度、私の仕事始めは...日番!(笑)長期の休み中は日番と言って日直みたいなものが
        順番に割り振られるのだが、本日が運悪く私。土曜日だというのにわざわざ往復3時間以上
        かけて戸締まりをしにくるとは...トホホですな。春休み中の学校はひとけがなく静かでした。
        そんなわけで無駄に学校にきても仕方がないので、いちおう仕事をしました。急ぎではないけど
        新学期が始まったら絶対忙しくて出来ない仕事。それは懸念の20周年記念誌編集作業。この
        20周年記念事業というのは、元々学校とPTAなどが協力してやるものであるが、私のいる
        総務部はPTA関連の仕事をしているので、当然お手伝いをするわけだが、この事業の
        取り仕切りは、実は事務長なのである。だから私なんかは、11月にある記念式典当日の
        下働きと、記念誌の一部のページの作成程度が仕事だったのだ。ところがである。なんと今回の
        異動で事務長が転勤してしまったのだ!一人でかなり色々とした準備をして取り仕切っていた
        事務長がいなくなり、新しい事務長に引き継ぐことになったのだ。でも事務部の異動って
        教員と違ってギリギリにならなければわからなくて、内示があり私も知ったのが3/24に
        なってから。とてもじゃないがまともに引継なんてなかなかできない。資料だけ残してあと
        お願い!ってパターン。後の者は右往左往って感じ。それを見越していたせいか、前事務長が

          「おい、O−TEACHER!確か記念誌の編集作業やっているだろう?」
          「ええっ、まぁ。資料編のところだけですけど。全体の1/6ぐらいですかね」
          「じゃあ、これが残りの5/6だ。」

        と言われ、無理矢理フロッピィを渡されてしまったのだ!えーっ!?これ、私が全部編集
        するんですか?と、びっくりしている間に、事務長は他の引継であっという間に走り去って
        しまった。残された私は...。またそのフロッピィが個人用のワープロ専用機の物だから
        これまた大変。いちいちファイルを変換して(この作業に約2時間(泣))とりあえず
        預かっていたのだ。でもこれをそのままにしておくわけにもいかず、しょうがないので
        手直し作業を今日やったのだ。これがえらく大変。ワープロ専用機の特殊機能がうまく
        変換されておらず、それをいちいち直さなければならないのだ。罫線や均等割付など、
        事務長がレイアウトに凝った分だけこちらが大変になる。やれやれ。そんなことをちまちま
        していて、新年度の仕事始めが静かに始まったのです。この後、嵐の一学期が始まるとも
        知らず...きゃあー!縁起でもない(笑)


4月3日(月) 転勤時の心得

        先日、とある先生から電話があった。転勤したばかりの仲良しの先生だった。仕事の話から
        新しい学校の様子などを話した。やはり新しい学校に行くと戸惑うことが多くて、慣れる
        までが大変なようだ。仕事の進め方、人間関係、勢力図(笑)等々。気を使うことが多くて
        前任校が懐かしいとのこと。

        そこで思い出した。私がこの学校へ転勤してきたときのこと。初めての転勤でドキドキ
        し通しだった。お分かりのように小心者な者で...(笑)そう言えば転勤するときに
        前任校の、とある先生からこんなことを言われたのを思い出した。

         「いいか、O−TEACHER。転勤してきていきなり馴れ馴れしく話しかけてくる
          ヤツには気を付けろ。」
         「えっ?どうしてですか。色々教えてもらえるから...。」
         「そういうやつは、その学校で誰からも相手にされないから、新しく来るヤツと友達に
          なろうとするだよ。」
         「へーー。」

        そう言えば転勤して一番始めに馴れ馴れしく話しかけてきたのは...止めて
        おきましょう。問題ありなので(笑)そしてこんな話もある。この話には一理あるので
        拝聴したが、確かにどこにでもあるような話。前任校のとある先生が言うには

         「一番大事なのは力関係だ。誰がその学校を仕切っているかを見極めることだ。校長、
          教頭とは限らない。古株の教員だったりすることも多々ある。教務主任だったり
          学年主任だったり...。とりあえずそれを知ること。そしてその対抗勢力。派閥だな。
          どういうバランスでそうなっているか、誰と誰がどちらの派か。それを知っていれば
          どう立ち回ったらいいか見えてくる。ちょっと政治的で、生臭い話だが、学校と
          言えども組織だ。そういう人間関係の機微を知るのは大事なんだよ。そうすれば
          いじめられず、うまく泳いでいけるってもんだ。どうだ、O−TEACHER、
          ためになっただろう。ガハハハ。」

        この人は前任校で誰からも相手にされていなかったのです(爆)


4月4日(火) 先生の席替え

        席替えがあった。と言っても生徒の話じゃない。先生の方。会議室での席が替わったのだ。
        学校によっていろいろあるのだが、うちの学校の場合、職員室というのがない。各先生は
        準備室とか呼ばれる部屋に各教科毎に、例えば国語の先生は国語科準備室とか、または
        分掌の部屋に、例えば教務室とか、はたまた学年室とか、それぞれの部屋に分駐している。
        そして会議とか朝の打ち合わせの時だけ、会議室と呼ばれる大部屋に一同が集うのだ。
        この形式は進学校に多いと聞く。まっそれは良いとして、その会議室での席が変更に
        なっていた。うちの場合、3つの列があり、それぞれ各学年団が分かれて座るように
        なっている。廊下側が1年、真ん中の列が2年、窓際が3年というように。で、昨年度
        までは2学年所属だったために、真ん中の列に席があったのだが、今年度は3年という
        ことで窓際の列へ変更になっていたのだ。各席にはネームプレートが張ってあり、
        一目瞭然というわけ。

        しかしこの席替えも、実は色々わけあり。というほどではないけど、昨年度は真ん中の
        列の一番前のあたり。校長とか教頭が座る席に最隣接している場所だったのだ。だから
        会議中なんかけっこう大変だった。教頭の議事進行が下手で、会議が進まないときなど
        つい小声で口を滑らせてしまう私だったので、とっても気を使っていたのだ。「あーあ、
        早くまとめてほしいよなぁ。ブツブツ。」なんてついつい言ってしまうことが過去に
        多々あったのだ。その声が聞こえてしまって睨まれてしまったこともある(^^;)だから
        昨年度は失言に気を使っていたのだ。不満があるときは隣のT先生に、筆談で悪口
        なんて書きっこしたことが何度もある。そんなわけで会議室での席も色々気を使う。
        また、ある年は、隣の席の先生が全然机上を片付けない人で、配布されたプリントが
        山のように積まれていたときもあった。そのせいで時々噴火し、土石流のように私の
        机上まで浸食して、とっても迷惑したこともある。たかが会議室の席だけど、生徒と
        同じように、小さな一喜一憂があるのだ。

        さて今年は...特に問題なさそうです。ホッ(笑)


4月5日(水) アイドリングなしのトップギア

        いよいよ今日から仕事始め。生徒は明日からだけど、先生たちは本日から様々な仕事が
        目白押し。始めは新任職員の先生方の紹介。みなさん緊張の面持ち。初めは私もああ
        だったのかなぁと、しばし感慨に耽る...間もなく怒濤の職員会議。年度当初だから、
        呆れるほど連絡事項あり。こっちは春休み中、全然頭を使っていなかったものですから
        何がなにやら全然頭に入ってこない。お休みモードからお仕事モードへの切り替えが
        なかなかできない。色々聞き漏らしていそう。そうそう、年度当初からやっちゃいました。
        昨年度末配布した年間行事予定表がいきなり間違っていた。それも大ミスというか凡ミス。
        来年の2月の予定表が、建国記念の日が日曜とぶつかって、月曜が振替休日になるのに、
        その日しっかりと学校行事が入っていた(^^;)全体に謝り訂正しました。それにしてもこの
        行事予定表、もうすでに何度も改訂して、その度に色々な人にチェックしてもらって
        いるのに、このミスに気づいた人は全校職員約60人の中でたった3人。みんな全然見て
        ないのね(笑)

        そして息つく暇もなく学年会議の連発。明日から始業式で、さっそく学年の仕事が始まる
        ため、色々と打ち合わせ。特にクラス発表、担任発表の段取りなど綿密に打ち合わせる。
        多分生徒がまたまた大騒ぎになるでしょう。友達と一緒になったならないとか、えー、あの
        担任!...とか。そしてその後、生徒の様々な書類の仕分け直し(例えば個人カード・
        名前のゴム印等)これなんかも意外に大変なんです。そしてそれぞれ明日のために、みなさん
        黙々と仕事をしていました。例えば座席表作りとか学級日誌準備とか...。私も2年振りの
        担任なので、すっかりやり方を忘れてしまい、あたふたしまくり。他の先生方のやることを見て
        ひたすら真似しまくっていました。こんなんで大丈夫?まだ自分のクラスの生徒の顔も名前も
        覚えていないし...非常に不安。いよいよ明日からO−TEACHERの壮絶な戦いが始まる
        のです。嵐の前の忙しさ。やれやれ。


4月6日(木) それ誰?

        昨日の夜は全然眠れなかった、緊張して。担任初見参ということで、実は異様に興奮状態だった
        らしい。さて学校に行くと、生徒は新しいクラスと新しい担任が誰かという話題で持ちきり。
        まっ、当然といえば当然。始めは旧クラスで掃除をしたり、下足箱移動をしたりと慌ただしい。
        そしてその後、新クラスを発表!でも事前にコース分けの調整を行っているため、全然驚かない。
        せいぜい何組か?という程度。ちょっと拍子抜け。しかしまだこの時点では担任の発表はなし。
        体育館へ移動して新任式・始業式の後に教頭から発表があったのだ。

         「3年2組担任、O−TEACHER。」
         「それ誰?」

        無理もない。実はこのクラスになった生徒、誰一人として教えていないのだ。昨年度、この学年で
        教えたのは情報コースの組と理系クラスの2クラスのみ。今回3−2は文系のクラスなので全然
        接点がないのだ。というより私も向こうも全然お互いに顔を知らない。だから当然のリアクション
        なのだ。それでも学年の副担任として1年間いたんだから、少しぐらい知っていて欲しかった(泣)
        そしてなによりかにより、もっと重大発表!実は今度私が持つこの3年2組。なんと!
        女子クラスなのだ!選択科目と進路希望の調整上、31名の女子クラスが出来て
        しまったのだ!これだけ聞くと『なんと羨ましい...』という声が聞こえそうだが、断じて違ーう!
        正しく言うと女子高生クラスではなく、「山姥オールスターズ」と言っても過言では
        ない!(かなり過言(^^;))まっ、それほどひどくはないけど、けっこうお姉ちゃん連中が集まって
        いるのです。学年主任に頭を下げられ、泣く泣く引き受けたのです。でも受けたからには全力投球。
        今日から山姥たちと熱きバトルが始まるのであった。負けるな!O−TEACHER!ファイトだ!
        O−TEACHER!(笑)それにしても帰りのSHRでの、31人の女子の『この担任はどんな
        やつ?』という品定めの視線が痛かったこと(笑)さてさてどうなることやら。まっ、この日記の
        ネタは1年間困らないでしょう(笑)


4月7日(金) 桜の中の入学式

        今日は入学式。うちの学校では入学式は新入生のみで、在校生は自宅待機。なもので心置きなく、
        仕事に集中(笑)私は総務部ですから、当然このような式典はすべて管轄。だから今日も朝から
        バタバタ忙しかった。入学式自体は流れが決まっているから、司会補助の私としては、前回の
        卒業式のように、きっかけ出しだったり、準備片付け全般だったりするので、たいして神経は
        使わない。これは超楽勝!...と思っていたらやっちゃいました。それは大したミスではないが、
        というより正確には私のミスではないけど、ちょっとしたトラブル。

        それは保護者代表挨拶でのこと。一通りの入学式式典の後に保護者代表挨拶というのがある。
        私はその仕切りを任されていた。だから新入生代表の保護者を受付からエスコートして、座席の
        場所も確保して、そしてマイクの位置やそこまでいくタイミング等々を、ちゃんと説明し
        準備万々だったのだ。でもその保護者の人は手慣れているらしく「はいはい、わかりました。
        大丈夫ですよ、先生。そんなに心配しなくても大丈夫ですから。はいはい、あそこのセンターの
        位置まで行って、自分でスタンドマイクのスイッチを入れて、校長先生たちの対面に立って読めば
        いいんですよね?で、終わったらその原稿を渡して、司会者の指示で礼をして席に戻ればいいんで
        しょ?」はいはい、おっしゃるとおりです(笑)というわけで、かなり手慣れていそうなので
        すっかり安心しきっていたのだ。

        ところがいざ本番。私がスタンドマイクをセンターまで持っていくとき、そのガタガタする音が
        入ってはいけないのでスイッチを切って持っていった。すると例の保護者代表挨拶のおばさん、
        まだ指示も出してないのに、さっさとマイクのところまで来てしまった。仕方なくマイクを置いて
        さっさとはけた。するとおばさん、スイッチも入れずに話し始めた。おいおい、聞こえないって!
        でも手慣れている人そうだから、すぐ気づいて入れるかと思いきや、あがっているらしく音も入って
        いないマイクの前で、どんどん読み進めている!やばっ!あの人、舞い上がっちゃってスイッチを
        入れ忘れている!ステージ奥の放送室からは、全然見えないため、マイクトラブルだと思い、
        あたふたしている。ちがうちがう、おばさんがスイッチ入れ忘れているだけだって!と言っても
        聞こえないし万事休す。やれやれ。全然聞こえないまま終わってしまいました。とほほ。まっ、
        しょうがないね。べつに大したことでもないし(笑)それよりもなによりも、実はこの後、
        クラス懇談の席で、恐怖の無制限PTA理事決めバトルが起こっていたのだが、それはちょっと
        書けない(笑)


4月10日(月) 委員長は誰だ!?

        本日の日程。1限目LHR。2限目クレペリン検査。3限目学年集会。そして帰り。これだけ書くと
        とても楽そうだが、私にとってはすごーく長い半日でした。まっ、2時間目の進路資料用にやる
        クレペリン検査は、ただひたすら生徒が足し算をやっているのを監督していれば良かったので、
        どうということはなかったのですが、問題は1限目のLHR。びびっていました。金曜日はほとんど
        まともに顔を合わせていないので、本番は今日の1限目というわけ。まずは事務的な仕事をする。
        例えば進路希望調査とか住所録の確認とか。さてここからが真の本番。まずは自己紹介。生徒にも
        やらせようとしたが、みんな顔見知りだということでパス。そこで私だけ自己紹介。いちおう担任と
        してのクラス経営方針の所信表明演説...というほど立派なものじゃないけど、私なりの
        ポリシーというかやり方の説明。特にクラスの中の人間関係(女子だけ31名ですから)とか
        集団で生活する上での最低のマナーとか。その他、出欠についてとか学習、進路全般について話を
        しました。その間ずっと静かだったんだけど、その静かさがかえって不気味。探るような目で、
        以前の担任と比較している様子がありあり。

        そしてその後は恒例のクラス係決め。まずはクラスの頭である委員長から。実は事前情報として
        他の先生方から「この子が良いんじゃない?」という話は聞いていたのだ。やはり委員長はクラスの
        まとめ役として、そこそこリーダーシップが取れる子がいいと思っていたので。それでも強引に
        私が決めても仕方がないので、まず立候補・推薦を募った。しかし案の定誰も出ない。そこで各自
        話し合わせるもなかなか決まらない。そうこうするうちにタイムリミットの時間が迫る。うーむ、
        やはりここはやっぱり強引に担任指名といくか...と腹を決めていたところ、何となく真面目な
        バレー部の生徒のUさんがやってもいいような雰囲気。これ幸いと頼み込むとやってもいいとの
        こと。というわけでUさんにクラスの委員長をやってもらうことになったのだ。やれやれ。良かった。
        信頼が置けそうな子なのでこちらも一安心。さて残りの係だが、黒板に書き出してみたものの、あと
        3分しかない。そこで「後で決めるから、やりたい係のところに勝手に名前を書いておけ。重複した
        ところは話し合いなり、じゃんけんなりで決めるから。」と言ったところでタイムアウト。休み時間に
        なり一旦準備室に戻る。そして2限目のクレペリン検査の準備をして10分後に教室に戻ってみると
        あらびっくり!係が全て決まっている!それも全然重複せずきちんと!「先生、決まったよー!」
        不思議なクラスだ。ちょっとびっくり。

        とここまで書くととーっても良いクラスのようだが、そうは問屋が降ろさない(笑)3時間目の
        学年集会で服装頭髪検査をすると、これがまたボロボロ面白いようにひっかかる。ねっ、言った
        でしょ。山姥オールスターズだって(笑)これからこういう面では手がかかりそうな予感...疲れた。

BACK