連綿たる 5月 上旬 編
5月1日(月) 女だらけの球技大会(1)
今日、明日と2日間使って球技大会が催される。こんなGWの狭間で、生徒も教員も授業なんか
やっていられない(^^;)ということで毎年この時期にやっている。でもとぼけた生徒は7連休と
しゃれこんでさぼっている奴らもちらほら。まっ、ありがちなことですが。今回、我が
女子クラスは、女子サッカーにA、B、2チーム。バスケットボールにもA、B、2チームが
参加した。担任としては多少気合いが入っていたのだが...
現実はとても悲しかった。というか全然試合になっていないのだ。まず始めにサッカーの応援に
行ったのだが、まともにルールを理解していないため、無惨な試合。ミニサッカーで、狭い
ところでやるのだが、全然ボールがつながらない。小学校低学年のサッカーのように、全員
ボールに集まってしまい、ただただ混戦模様。まっすぐ蹴れないので、すぐボールがデッドして
しまうし、スローインやコーナーキック、ゴールキックも全てちゃんとできない。スローイン
なんて半スローどころか、下から投げるんだもの...。おまけに女子だからヘッドなんて
絶対やらない。髪が汚れるから(^^;)というわけで見ていても全然盛り上がらず、ただ、
きゃーきゃー言いながらボールを追う始末。それでも一生懸命追っているやつはまだまし。中には
全然やる気がなくて追おうともしないやつもチラホラ。やれやれ。だから一人ぐらい運動神経の
良い子がいると、いきなりワンサイドゲームになってしまうのだ。それでもサッカーの方は
6チーム総当たりで、2チーム通算3勝1敗でぼちぼち。明日も多少期待できる。ところがバスケ。
相手チームにバスケ部がいることは差し引いても8−44とは、ちと悲し。担任の声援が空しく
響いてしまった。やっぱりこういう球技大会は、差別するわけじゃないけど、男子が真剣になって
勝負しているのを見る方が熱くなりますね。女子クラス、球技大会盛り上がらず(泣)
「O−TEACHER、球技大会楽しいねぇ。」
「そうか?だってうちのクラス、もうみんな負けちゃったじゃないか。」
「そんなのはどうでもいいの!6組の××君、超かっこよかった!もう私、
写真いっぱい撮っちゃった!」
「・・・・・」
5月2日(火) 女だらけの球技大会(2)
本日2日目の球技大会。遅刻しながらでも全員揃い、まぁ、良しとしよう。昔のことを考えたら
うちの学校もだいぶ良くなったと実感。だってこういう球技大会なんかがちゃんと成り立つもの。
まだ私がまだ着任したての頃は、こういう球技大会とかをやっても、クラスの1/3近くが欠席で
メンバーが足りなくて不戦敗なんてことが度々あった。かったるいからさぼる、なんてことが
以前はよくあったのである。近年はみんなそれなりに一生懸命やっていて、なんか学校みたい
です(^^;)
さて本日の我が女子クラスの戦績なんですが、バスケの方は昨日2チームとも初戦敗退したため
敗者戦のみ。それもうちのクラス同士...まるで消化試合。体育の授業中のようでした。
しかし!なんと!女子サッカーBチームが見事優勝!すごーい!えらーい!担任として気分は
悪くないですね。でも優勝がかかった試合で「先生、優勝したらおごってね。去年の担任の
先生たちはみんなおごってくれたよ!」と言われた。うーむ、悪しき風習だ(笑)仕方ないので
購買でジュースをクラス人数分買いましたよ(泣)えーい!大盤振る舞いだ!もってけ泥棒!
自棄のやんぱちだ!なに?パンも付けてくれ?ふざけるなー!(なんて怒るほどの出費でも
ないけど(^^;)これって公費にならないの?(笑))それでもおごる前にちょっと渋って見せた
のです。癪だから。こっちだって週末お金を使ってしまったし、これからGWもあるしさぁ...
と言い訳していると、クラス委員長のUさんが一言。
「O−TEACHER、自分の女にばっかりお金使ってないで、こっちの女にもお金
使って下さいよ。」(爆)

5月6日(土) 饒舌と沈黙
こんなGWの谷間であっても学校は営業中(泣)おまけに私の仕事は本日、とてもハード。それは
第1回のPTA理事会があったからなのだ。前年度も総務部だったのだが、PTA関係とは
ほとんど無関係な仕事をしていた。それが今年度からは、しっかりお母様方付き(笑)大変です。
うちの学校はPTA関係の行事が多く、とても大変。それも生徒相手ではないから、より気を使う。
お母様方の機嫌を損ねると、うまく進むものも進まなくなる。だから気苦労が多い仕事なのだ。
自分の女子クラスから、上はPTAのお母様方まで、今年の私は幅広い女性を相手にしている(^^;)
女難の相がでているのか?(笑)
さて今日は午前中めいっぱいの日程。まず運営委員会という、PTA会長を中心とした執行部に
よる、本日の段取りの打ち合わせが30分。引き続き学年委員会という、各学年主任を交えた
学年毎の話し合い。主にその学年の近況報告や様々な行事についての話し合いがもたれる。私は
本来3学年なのだが、人手不足のため2学年委員会へ。そこで新しい学年委員会の委員長やら
副委員長やら書記が決められた。私は全然面識もないのでただぼーっと見ていたが、けっこう
すごいものがあった。始めに委員選出の時だが、あるお母さんが延々と自分の家の家庭状況の
ことを語りだしたのだ。とてもプライベートなことで、それもけっこうきわどい話だったが
なんと10分近くも独演会。趣旨としては、こういう状況だから、役付きの件は...という
もの。なにもそこまで話さなくても...という感じだったが、この長い語りには本当に驚いて
しまった。いつ終わるか、何が言いたいのかわからなくなるほどの独り舞台。余程家庭での
ストレスが...なんて邪推してしまうほど。それでも学年委員長と副委員長は何とか
決まったのだが、今度は書記が決まらない。書記なんて実はほとんどやることがなくて、別に
置かなくてもいいのだが、いちおう形式的には決めることになっている。ところがである。
今度は誰もやるとか、やってもいいとか言い出さず、延々決まらないのだ。それも先ほどの
長話とは逆に全然誰も話さないのだ。まるで喋ったその人が書記になってしまうとでも
言わんばかりに、誰も口を利かずうつむいている。この無言の時間がまた延々続いたのだ。
なんだ!これは?沈黙が耐えきれないぐらいに煮詰まったところで、何とか一人の人が口を
利いて、永遠の沈黙が終わった。すごく重苦しい会議だった。もうこの時点でどっと疲れた。
生徒なら口を挟めるが、保護者相手ではねぇ。
そのあとも、専門委員会ということで、私は今年、広報委員会(いわゆるPTA新聞作り)
担当なので、それにも出席。でもほとんどPTA新聞といいながら、教員任せだったらしい。
どうやら私が一人で作るはめになりそうな...(泣)それがまた1時間。そして全体会で
再び1時間と、本日の土曜日は9時から1時まで、ずっとPTA関係の会議の連発で、もう
ヘロヘロ。後かたづけをやりながら、余程生徒相手の方が楽と痛感。あーあ、これから
月1、2回ペースであるかと思うと、もうぐったりです。やれやれ。
5月8日(月) 面接ビデオの子は可愛かった(笑)
本当に休み明けはつらい。生徒も死んでるけどこちらもお疲れ気味。私の場合、週末にまた
体調が悪かったもので尚更。声もかれるし...やっぱり久々に大声出すと疲れる(^^;)さて
そんなことはさておき、本日放課後、面接ビデオの視聴があった。全員強制で。就職対策用と
してのものだけど、進学者にしたっていづれ必要になるもの。全く礼儀というものを
知らない彼女たちには大変参考になったはず...かな?建前だけでもきちんと「フリ」が
出来るというのも必要なわけですよ。付け焼き刃だろうが、それすらも出来ない子が多い
昨今ですから。それにしても、どうしてああいう模範ビデオって白々しいんでしょう。普通
そんなふうには言わないって!という突っ込みを入れたくなる箇所もしばしば。それでも
どういう感じで行われるか、どういう受け答えが好感が持てるのか、そういうことが少し
でもわかったようで、まぁ良しとしましょう。生徒にとっても私にとっても、長い休み明けの
月曜日でした。(体調不良のため、たいしたネタなし。(笑))
5月9日(火) 忙しさの理由
忙しさのわけは沢山あるのだが、もちろん担任としての仕事の忙しさは言わずもがなだが、
でもそれは当たり前の仕事だから愚痴ってもしょうがない。それよりもPTA関係の仕事の
大変さの方がこたえている。前回も書いたが、うちの学校のPTA活動は近隣に比べてもけっこう
活発である。しかし実はその内幕は教員主導というものなのだ。一見するととても色々やって
いるようだが、その裏で教員たちがかなり下働きをしている。今までは『総務部の人たちは
大変だなぁ。』と対岸の火事で感心していたのだが、昨年度から総務部に入って、多忙の毎日に
驚いた。以前総務部にいた一部の先生が、とても熱心な人たちで、その活動内容をどんどん
拡充し仕事内容を増やしていった経緯があるらしいのだが、現在人が入れ替わり、その人たちは
いない。代わりに入った私たちは、もうパニック。だってたった5人しかいないのに、仕事の量は
12人を要する教務部と同じくらいの量があるのだもの。かといって急に色々な仕事を減らす
わけにもいかず、多少整理したが、それでも優に10人分ぐらいの仕事はある。それでも
昨年度まではベテランの先生が2人もいたので、かなり助かっていた。ところがその先生が
二人とも転勤してしまい、私にその仕事が回ってきたのだ。もう大変の3乗ぐらいである。
で、その大変な仕事というのは、私が担当している広報である。いわゆるPTA新聞。これって
勝手に父兄が作っているのかと思いきや、ほとんど前任者の手作りということが判明!広報係の
父兄たちは、せいぜい載せる写真を選んだり、ちょっとしたコメントを書くぐらい。レイアウト・
記事内容・原稿依頼・校正・印刷業者発注まで、ほとんどすべてこちらの仕事らしいのだ。
これには本当に愕然とした。でも考えてみれば、このPTA新聞、各学期の終わりに発行して
いるのだが、その担当の広報部の父兄たちの集まりは、1学期に2回だけ。それも先週の
土曜日は顔合わせだけで、残す集まりは6月に1回だけ...。そんなんで出来るわけがない。
ならもっと頻繁に集まればと言うが、みんな仕事をしている父兄も多く、無理をお願いして
係りになってもらっている。だからこの程度が精一杯なのだ。なら止めてしまえば良さそうな
ものだが、さすがにもう43号も発行していて、今年から止めますとはなかなか出来そうにない。
というわけで必然的に私が一人で作り上げていくことになりそうなのだ。やれやれ。まだ
学期末の発行までにはだいぶ間があるのだが、この後の自分の予定を考えると...中間考査、
学年行事(遠足)、三者面談、進路関係諸行事、期末考査...と考えると、やる暇が全然ない!
というわけで、こんなに早くからあくせく頑張っているのだ。DTPソフトでもあれば、適当に
作り上げてしまうのだが、(って使ったことないけど(^^;))でもまたそれをやると、なおさら
私一人がやらねばならなくなるし、引継もできなくなる。忙しさの悪循環が巡ってくる。
というわけで、ひたすら予定表やら原稿やらを切り張りし続けた一日でした。ふぅーっ。
ところで校長先生、来週までにPTA新聞用の原稿として「1学期を終えて」というタイトルで
書いてくれませんかね(笑)
5月10日(水) お毒味役
4時間目の授業を終えて部屋へ戻ろうとすると「O−TEACHER!」と呼びかける若い
女の声(笑)はて?と振り向くと、そこには我が女子クラスのF山とK谷が待ち受けていた。
このところ昼休みになると「早退したい。」と言ってはふけようとする奴らがいて、
うんざりしていたのだ。『またか?』と思いつつも、二人とも真面目な子なので、何用かと
近づいてみると
「O−TEACHER、今日の調理実習で作ったの!自信作だから食べてみてね!」
と差し出されたものは...肉じゃがだった。それもけっこうてんこ盛り。そうか、今日の
3・4時間目は食物だったっけ...。うちのクラスは週に2時間、食物という選択授業が
あるのだ。そこで本日の調理実習でどうやら肉じゃがを作ったらしい。それを担任にも
おすそ分けということで、わざわざ持ってきてくれたのだ。感涙....って、ちょっと
待てよ。そう言えば昨年のこんなシーンを思い出した。国語科準備室で食事をしていると、
J先生のクラスの生徒がやはり同じように、調理実習で作った物を持ってきたのだ。生徒が
置いていった後も、なかなかJ先生は箸をつけようとしない。
「どうしたんですか、J先生。せっかくクラスの子たちが作ってきてくれたのに
食べないんですか?」
「うーん、だからなんだよ。」
「えっ?何がですか?」
「この中に何が入っているか怖くてためらっちゃうんだよ。」
「どういうことですか?」
「いたずらで、雑巾の絞り汁とか入っていて、後で笑い者にしようとかさぁ...。」
「そんなひどいことしますか?」
「悪気がなくてもさぁ、ちょっとしたいたずら心でさぁ、あるかもしれないじゃん。」
「うーむ...」
という会話があったのだ。まさかそんなことが...と思うかもしれないが、高校時代の自分を
思い出してみると、たまにそんないたずらをやっていた奴がいたような気も...。だから
日頃生徒から恨まれていると自認している先生は絶対食べないそうだ。恨み辛みで何が入って
いるかわからないそうだから。人が良いJ先生ですら、このためらい...。さて私は
どうしたかというと...もちろん、きちんと全部いただきました。ハイ(笑)とても
おいしかったです。おにぎりもセットになっていて、すっかり平らげてしまいました。多分
まだそんなに恨まれていないだろうし(笑)べつに丈夫なお腹もしてますし、一食浮くから(^^;)
そして何よりも渡されたときに言われた一言も効いてますしね。
「先生、ちゃんと後で感想教えてね、100字以内で。」(by 前回の国語の問題より(笑))