雀躍たる 6月 上旬 編



6月1日(木) 除草作業の効用

        本日もタイトなスケジュール。授業をパコパコと2つほどこなし、その後LHR、そして
        除草作業(いわゆる草むしり)そしてとどめの職員会議。本当に忙しすぎ。

        そんな中、今日のネタは除草作業。先々週、雨で順延になって本日。昨日の雨で密かに
        中止も期待したのだが(^^;)そんな生徒と先生の願いも空しくピーカン。うだるような
        暑さの中むしりました(笑)でも思ったより生徒は良くやっていました。以前持っていた
        クラスなんかは日陰で座り込み、動きやしくて怒鳴りまくっていたのに比べると...
        でもまだガングロが現存する昨今、「日サロ(日焼けサロン)行かなくても焼けるね。」と
        言って、日陰でさぼることなく日なたに出てくるのには苦笑してしまいました。
        でも今回の除草作業、ちょっと良かった。普段自分のクラスは当然のごとく毎日顔を
        合わせてはいるのだが、どうも違和感があった。それは女子クラスだからという、
        こちらが勝手に意識していたりすることだったり、はたまたこのクラスは全員一度も
        教えたことがないというコミュニケーション不足だったりと、色々理由はあったのだが
        今ひとつ、担任と生徒の間のコミュニケーションが取れていない感じだった(私個人の
        思い込みというか、意識のし過ぎだとはわかっているけど)中には特定の子たちは、
        親しくというか、あまり違和感なく話してくれていたのだが、まだ全員というわけでは
        なかったのだ。

        それが今日の草むしり。生徒一人一人に指示を出していると、みんなそれなりに
        話しかけてくれた。くだらない話も多かったが、それでもみんな一人一人話してくれた。
        授業とか面談とかだと、お互いに堅苦しくなり、くだけた話というか本心をなかなか
        聞けないけど、こういう行事とかがあると、開放感からかけっこう本音の話をしてくれる。
        ちょこっとうち解けられた感じ?少しだけコミュニケーションが取れたかなって感じ。
        だから私も図に乗ってくだらない話をして盛り上がっていると、他の箇所で真剣に
        草むしりしていた他の子たちも集まってきて、みんなで車座になってワイワイ話して
        しまった。おかげで分担箇所予定通り終わらず(^^;)2ヶ月経ってやっと担任と生徒が
        少し近づいた感じです(笑)

        でもクラスによっては、担任と生徒が反目しあい、全くうまくいっていないケースって
        実は意外に多かったりするんですよ、これが。まっ、そんなことにならなそうで一安心。


6月2日(金) 更新がつらい...

        本日は比較的授業が楽な日だったので、かねてからの懸念であったホームページの更新に
        乗り出した。えっ?このホームページは更新しているじゃないかって?(日記だけですけど)
        違いますよ、学校のホームページ。3月から更新していないんです(^^;)やばいです。

        でも考えてみれば、なぜこの学校のホームページを私が更新しなければならないのだろう。
        確かに昨年度はコンピューター委員会の仕事のひとつとして、前校長からお声がかかり、
        とりあえず立ち上げた。まぁ、こんな学校のホームページなんてあんまり見る人もいないから
        さほど更新しなくてもいいと思っていたのだが...。それにしても3ヶ月も何もせず
        ではねぇ(笑)というより様々なデータが古くなっているのですよ。例えば月間行事予定表は
        3月のままだし、進路状況は昨年2学期時点のままだし、入試案内にいたっては秋以来
        変わってないし、その他様々な行事報告や昨年度と違うシステムになったものなどがあり、
        このままだと全然別の学校のホームページになりつつある(^^;)作った張本人としては
        『やべぇーなぁー。』って思ってはいたんですよ。でも日々の忙しさにかまけて、なるべく
        忘れるように努力してたんです(笑)

        しかしそろそろ限界。というかこのところ、各専門学校や会社の人たちが挨拶回りに学校へ
        来る。是非生徒を送って下さいということで。その進路応接室の入り口に、うちの学校の
        urlがデカデカと書いてあるのだ。おまけに夏にある体験入学の、PR用ポスターにも当然
        アドレスが載せられている。やばいっす。そろそろ各専門学校の先生たちや中学生たちが
        見てしまう。それなのに3月から更新していないなんて...。そういえば4月に入ってから
        アクセスカウンターが少し増えているような気が...。

        しかしながらこのホームページを更新する仕事、実は誰がやるか決まっていないのです。
        ていうか、今年度コンピューター委員会が一度も開かれていない!4月当初に任命されて以来
        教頭が委員長なのだが、まだ一度も開かれていないのだ。だから当然役割分担というか、
        仕事の分担も決まっていない。ホームページの更新も誰がやるか決まっていないのだ!でも
        このままでいいわけはないので、とりあえず昨年度の流れということで仕方なく私が少し
        やることにした(もちろんご奉仕仕事ですよ!)教頭!早く会議を持ってくれ!

        ところが...これがかなりの部分を変更しなければならないことに気づいた。学校行事の
        ページ、進路のページ、PTAのページ、カウンセラーのページ、行事のページ、
        入試案内のページ...と数えていると、約1/3を差し替えなければならないことが判明!
        こりゃ大仕事となった。だいたいこのホームページ分ぐらいはゆうにある(泣)そんなわけで
        本日はひたすら作り直しに明け暮れました。でも4時間やってまだ20%...。今度作る
        ときは更新しないホームページにしよう(笑)


6月3日(土) 反面教師

        今週から国語科に教育実習生が来ている。担当はJ先生。まっ、それなりに頑張ってやっている
        様子だった。自分の教育実習の時を思い出したりもした。で、今朝、その教育実習生のT君から
        「O−TEACHER、今日の1時間目の現代文の授業、見学させて欲しいんですけど。」
        うーむ、困った。いや、べつにいいんだけどね。何の用意もしてないし...まっ、いいか。
        普通こう言われると大概の先生たちは嫌がる。自分の授業を他人に見られるのを極端に嫌がる
        のだ。『こんな稚拙な授業をやっているのか』と思われるのが嫌なのだ。先生って職業は
        一国一城の主みたいなものだから、授業というのは自分のペースというかやりたい放題。特に
        私なんかは授業の内容より無駄話の方が多いと言われるぐらいの人ですから(笑)あまり
        他人様に見せられるような代物じゃあありません。ましてや参考にとか勉強にとか、多分
        全然ならないでしょう。それでも反面教師的な意味ぐらいはあるかと思い直し、OKしました。

        で、少しも飾らない、いつも通りの授業やっちゃいました。まず始めに5分ぐらい勉強させて
        から、漢字の小テスト5分。そしてその後、教科書の朗読で5分。この時点で50分授業の
        うちの15分経過。やっとここから内容だ(笑)まっ、うちのクラスの子たちはそれなりに
        きちんとおとなしく聞いていましたよ。えらい(^^;)それでも20分ぐらいやっていると、
        お互い飽きてくる。そこで本当にいつものように無駄話トーク・タイム。実は生徒からかねて
        リクエストのあった、O−TEACHERの歯医者事件を話してしまった。以前にお隣の
        担任で、仲良しのT先生に話して爆笑をとったことがあるネタなのだが、どうやらそれを
        T先生がうちのクラスで「面白いから是非O−TEACHERに話してもらいなさい。」と
        言ったらしく、この間から「聞かせて!」というリクエストが多かったのだ。でもなぁ、
        教育実習生もいるしなぁ...まっ、いいか。ということで持ちネタを披露して、軽く授業を
        和ます。そして肝心の授業もまとめに入ったが、最後5分ぐらい余ってしまった。仕方が
        ないので、担任として来週から始まる一般常識小テストのことや進路関係の連絡などしてしまい
        タイム・アップ。こんな授業じゃ全然参考にならないよ。マジで。

          「ごめん、ごめん。本当にいつものような授業やっちゃったよ。本当なら導入とか
           展開・まとめとか、きちんと指導案通り(もちろん頭の中だけ(^^;))やれれば
           良かったんだけど...。」
          「いや、本当に大変参考になりました。勉強になります。」
          「どのあたりがこの授業のポイントになったかわかったかな?」
          「はい...。あの無駄話の歯医者事件のあたりですかね?」
          「・・・・」


6月5日(月) 本日の私の仕事模様

        本日も多忙でした。何よりまたまたコンピューターがらみの仕事が山積していて、次から次へと
        押し寄せてくる。まずは懸念の学校のホームページの更新作業。40%終了。まだ先が
        見えず(泣)このスピードでは更新完了が6月下旬か?そして続いて進路関係の仕事。いよいよ
        就職希望者が自分の行きたい会社を選んでいくという作業へ突入。求人票見ながら指導。
        そして午後からは中間考査の成績処理。やっと念願だった成績処理ソフトが稼働の日。感無量。
        足かけ4年ぐらい経ちますかね、話が出始めてから。前任者の私が全然進められなかったのを、
        後任のU先生の尽力によりやっと動き出した。ただ成績をコンピューターで処理するだけなの
        だが、素人にはその専門ソフトをセッティングするだけでも大変。ご苦労様、U先生。その
        本当の大変さがわかっているのは多分私とU先生だけでは?で、全体で入力するときは
        陰ながら少しお手伝い。でも一番始めにホスト・コンピューターを立ち上げるときに、
        いきなりハングアップしたのには驚いた。みんなあたふたする中、色々チェックしてみると、
        単にスカジーのID番号が重複していたことを発見。説明してもあまりわからなそうなので、
        とりあえず説明抜きで起動させる。実はこんなところにシスアドの基礎知識が役立ってたり
        する(笑)その他、コンピューター委員会の事前レジュメ作りとか、三者面談の段取りとか
        やることは色々あった。月曜日にしてもうオーバーワーク...。今週は死ぬぞ(笑)そんな
        疲労困憊の担任をしってか知らずか、うちのクラスのOさん、曰く「O−TEACHER、
        福山雅治の『桜坂』得意なんだって?歌ってーっ!」もう本当に疲れすぎてキレそう(笑)


6月6日(火) 不幸な関係

        先日、空き時間にちょっとダウンロードしたいデータがあって、インターネットに
        つながっている教務室のコンピュータのところへ行ったら、教務の先生が三人で頭を抱えて
        悩んでいた。何かと思ったら、Excelを前に文殊の知恵も出ない様子。どうやらウィンドウ枠
        固定とグラフの項目変更の仕方が分からない様子。大して難しくないのだけど、知らない人
        には難しいこと。そこでサクサクっと教えてあげました。なお、勘違いされると困るので
        敢えて書いておきますが、こんなことはシスアドの力量なんて関係ない、単なる慣れの範疇
        ですよ(笑)するとまるで神をあがめるように(おおげさ)感謝されてしまいました。本当に
        簡単なことなので、かえってこちらが恐縮。それよりもその場で悩んでいた3人のうち2人が
        数学科の先生で、「情報」の科目を教えていることの方が気になりましたが(^^;)

        そういえばこの間、その「情報」を習っている生徒のSと話していて(そいつはけっこう
        出来るヤツで、コンピューターに関するスキルは私と同じくらい。けっこう話が合う)
        そいつがこぼしていた。

         「O−TEACHER、あの数学の先生たち何とかなんない?だって全然コンピュータの
          こと、知らないんだもん。ちょっと先の方までやったりとか、教えているのと違う
          やり方をすると『そんな変なことしたらコンピュータが壊れる!』とか『ウィルスが
          入る!』って激怒するんですよ。たまりませんよ。」

        そりゃちょっとひどいですね。あまりに知らなさすぎ。でも全然コンピュータの基礎知識が
        なくて、いきなり今年から「情報」を教えろと言われれば、こんな混乱もあるでしょう。
        だいたいちゃんとした「情報」という教科を教えるための、段取りも研修もきちんと整備されて
        なくて、突貫工事的にやるなんて無謀すぎる。だから中途半端な知識と、今までの画一的な
        一斉授業を踏襲すると、こういうことが起こるのでしょう。

        うーむ、ある意味、それぞれに同情してしまった。コンピュータなんか得意でもないのに
        無理矢理教えなければならなくなった数学の先生たち。けっこうできるのに、よくわかって
        いない先生に習わされる生徒たち。お互いに不幸。これが現実なのね。良かった国語科で(笑)
        それにしても現場は混乱しているなぁと感じる話でした。
        


6月7日(水) 第1回 コンピュータ委員会

        というわけでやっとこさ今年度初のコンピュータ委員会の会議があった。このところ私的には
        とても忙しくて、結構参っていた。出張を控えているため無理な授業変更、PTA広報の仕事が
        今週中、成績処理が連日、卒業アルバム写真の取り残しが今日、三者面談の段取り...と
        本当に自分でも倒れそうなぐらい働いている。最近うちに帰ってくるとバッタリですけど。
        そんな仕事が立て込んでいる中でも、これだけは誰にも代わりが出来ないもの...。そう、
        学校のホームページの更新!前年度のコンピュータ委員会の継続仕事。もうこれの手直しが
        大変で、早いとこ、新しいコンピュータ委員会を開いてもらい、この仕事のお手伝いしてもらう
        生け贄、いえいえ先生を(笑)決めて欲しかったのだ。そんなわけで教頭に早期開催を頼んで
        いたんだけど、色々会議や行事が立て込んでいてやっと本日の開催となったのでした。

        しかしこの会議のメンバーはいつもあまり代わり映えがしない。まっ、だいたい学校で
        コンピュータに精通している教員なんて決まり切っている。だからメンバーはよっぽど暇な
        人かコンピュータおたく(失礼(^^;))いつもコンピュータ関係の仕事を頼まれて断りきれない
        人たちばかり(笑)でもある意味、うちの学校の電脳化のブレーンではあるのですが...。
        で、この会議の前に教頭が相談しに来た。この会議どういう手順で進めるかとか委員長を
        どうするかということで。どうやら私に白羽の矢が立ったらしいけどもちろん辞退。だって
        担任で忙しいんだもの。でも仕方なく副委員長は引き受けたけど。そして会議の進行とその
        内容、役割分担について相談されたので、たたき台を作って、委員長をやらざるを得ない
        教頭に提示。いつも口うるさいA先生にも相談し、とりあえず根回し終了。

        そして放課後に会議。多少役割分担とかを修正してとりあえず終了。でも私の仕事の負担は
        多分全然かわらず。頼りにするN本先生やS主任はみな忙しすぎるし...。結局やっぱり
        一人でやるのね(泣)本当に仕事のできる人のところには仕事が集まって、みんなくたくた
        なのです。やれやれ。この流れは多分変わらないのでしょう。ちょっとため息混じりの一日
        でした。


6月8日(木) LHRにて

        本日もまたまた多忙なり。とりあえず一番の懸念だった学校のホームページの更新が終わり
        肩の荷が下りた。でも今回の更新には各所にお世話になった。だって昨年度のデータを
        新しいものに置き換えるために、わざわざそのデータを無理矢理強奪しに行ったのです
        から(笑)例えば進路状況はS先生に無理言ってフロッピィデータでもらう。だってこの方が
        加工しやすいから。そして教務部のH先生には体験入学のポスターのデータをもらう上で
        わざわざスキャナーまで持ってきてもらった(学校のは修理中)本当に各方面に感謝。でも
        一番感謝されるべきは自分自身かもしれない。でも誰もその苦労をわかってくれず、誰も
        褒めてくれない。まっ、そんな苦労なんですよ、この仕事は(^^;)でも元々仕事なんて
        褒めてもらうためにやるものじゃないから別にいいけど(^^;)まっ、これで中学生や企業や
        専門学校の担当者に見られても、取り敢えず体裁は取れました。やれやれ。

        本日5時間目のLHRは盛り沢山。まずは席替え(笑)これは毎度毎度「早く早く」と
        うるさいので速攻やる。2週間に一度になってから、あまり席自体にこだわる様子がなく
        なってきた。目論見通り。そしてもうひとつは進路関係作業。まずは面接練習用プリントを
        3枚も配布。これは企業や専門学校、大学などの面接試験で、よく聞かれる質問をまとめた
        もの。例えば「あなたの志望動機を教えて下さい。」とか「最近興味を持ったニュースは
        何ですか?」とかいうやつ。そろそろ就職組は練習をしておかないとまずい時期。だいたい
        面接なんて練習するものか?という疑問があるでしょうが、あるんです(笑)だっていきなり
        やると、うちの生徒なんかは全然答えられない。ただずーっと黙っているか、
        「わかりません。」の連発なもので。だから事前に、こう聞かれたらどう答えようと、その
        質問事項をリストアップして、自分で答えを書き込めるようにしてあるのだ。なんて親切
        なの(笑)そしてもうひとつ、履歴書指導。就職でなくてもいつかは書くことになる履歴書。
        その正しい書き方を練習させる。バイトするときに書いたやつもいるが、本来の正しい
        書き方を知らないやつも多いので、更紙に印刷して書き方の練習。うーむ、こういうひとつ
        ひとつのきめの細かい指導が、うちの学校の良いところなのですね。ただ適当に自分で
        やれと言っても出来ない子が多いですから。何事も慣れ。一度やっておけば自分でやれる
        ようになるものです。

        そんなことをしていると「内科検診の順番でーす。」と呼びに来た。そうそう、本日は
        内科検診でした。

          「じゃあ、順番が来たから保健室へ移動しろー。みんなちゃんとジャージに
           着替えているよな、大丈夫か?よーし、いくぞー!」
          「O−TEACHER!下着はー?つけてていいの?」
          「う、ううん、多分いいんじゃなかったかなぁ...。」
          「ノーブラじゃあ、先生、鼻血もんだもんね。ハハハー。」
          「うるさい。余計なこと言っていないでさっさと移動しろ!早く行くぞ!」
          「えーっ!?先生も来るの?スケベー!セクハラー!」

        本当に疲れますよ、女子クラスは(笑)これを読んで羨ましいと思ったあなた。良かったら
        替わります?ガングロ・シスターズの担任に(笑)


6月9日(金) 猿山の猿

        本日は出張でした。何の出張かというと「情報教育推進連絡協議会」という、なんかよく
        わからないやつ。でも県下の各高校から一人ずつ、情報教育に携わっている人が出席する
        ことになっている。ちなみに私は携わっていないんだけど(^^;)で、この嵐のような
        天気の中、行って参りました。それにしてもその内容というのが...。

        まずあったのは県の指導課の方から、情報教育推進事業についての説明と、自分たちで
        作っているデータベースやホームページの紹介。これがまたつまらない。どう聞いて
        いても、プレゼン下手でつまらない。だってプロジェクターにホームページ出して、
        色々クリックするだけ。そのページについて説明するかと思えば、画面が完全に、読み
        込まれる30秒ぐらいまで何も喋らない。ずっと沈黙。また内容も自分たちの仕事の
        自慢話か、ホームページで使ったJavaかFlashの自慢としか思えない。なんだぁと思って
        しまった。その次は研究指定校の実践報告。光ファイバーを使った校内LANなどの
        様子を説明。ただただ羨ましい(笑)ちなみにこの光ファイバーや通信費など、諸々の
        予算は指定期間の3年間は県の方から出るらしいのだが、その期間が終わると全部自校
        持ちらしい。一度おいしい環境に身を置くと、もう元に戻れないから、その後の維持費
        捻出が大変らしい。そして次は外部講師による、最先端情報テクノロジーの話。この人の
        話だけは今日の中で唯一まともに聞けた。さすが企業人。色々外部でプレゼンしている
        らしく話し上手で飽きさせない。ちょっと煽りすぎだけど、これぐらいの方が面白い。
        やっぱり教員は話し下手だと再認識。自省。そして昼をはさんで、午後は大学教授二人に
        よる講演。「これからの社会と情報教育」という演題だったが、これが最悪。単に自分
        たちの研究発表になってしまっているのだ。OHPなどを使い、飛躍的なインターネット
        人口の伸びを、社会学的に解説したりする。さも得意げにi-modeなどの携帯端末がその
        原動力であると話している。そんなの新聞でも読めば毎日のように書いてある。それを
        教育的視点から何か意味があることを洞察しているかというと、全然そう言うわけでも
        ない。しまいにはyahooや楽天市場の画面を出し、こんな事までできると言い出す始末。
        もう頭が痛くなってしまった。この内容はインターネットを良く知らない、企業の幹部
        向けというかオヤジ向け講義といった雰囲気。みんな呆れていた。だいたいここに
        来ているのは、各学校のコンピューターに精通している人ばかり。ある意味、我が県の
        情報教育推進の原動力となっているブレーン軍団なのです。その人たちに向かって
        yahooのアドレスを得意げに教えているとは...。まるで自分がこんなに
        インターネット社会から乗り遅れているということを、自分から知らしめているようで
        最後の方はちょっと可哀相になった。猿山の猿。こんな話を聞かされている私たちも
        不幸。

        さてこんな出張で何の実りもないかというと、そうでもない。それは各学校の
        コンピューター担当の先生方との情報交換。これが実は一番実りがあったりする。どう
        使っているとか、どこのマシンが使い勝手が良いとか、校内LANを引くのにどう
        管理職を説得したとか(笑)どこの業者が安いとか、あの先生の作ったソフトはいい
        とか...。この方がよっぽど有益。毎度この手の出張に来ていると顔ぶれが同じで
        知り合いになることも多い。その中で特筆すべき事が一つ。それは私がいた前任校で
        一緒に働いていた先生方が、なんとこの出張に8人もいたのだ!もちろんみんな現在は
        転勤したバラバラだけど。各校一人ずつ出席のこの出張、総勢140人ぐらいの中で
        同校出身者が8人もいるなんてすごい。実はこの私がいた前任校、今考えるとすごい
        学校だったのだ。いや別に学校がすごいのではなく、そこにいた人たちの
        コンピュータースキルが異常に高かったのだ。私なんかはその中に入れないぐらい。
        自分でバリバリプログラムを書いてしまう大御所のS崎先生。バンド仲間だった
        えのさん。さすらいのマックユーザーS竹先生。新しもの好きの電脳プロレスラー
        すえぴー。そして私の真の師匠S久間先生等々。今考えるとすごいメンバー。綺羅星の
        ごとくオールスターズが奇跡的に揃っていたのだ。例えるとまさにプロ野球のオール
        スターチームみたいなメンバーが、偶然にも揃っていたのだ。だから今みんな転勤
        しても、各学校でエースで4番として活躍していて、だからこういう会議には必ず
        借り出され、同窓会のように顔を合わせる。そんな中でコンピューターの第一歩を
        歩み始めた私は、実はとても幸運だったのかもしれない。そんな人たちと思い出話を
        咲かせながら、ついついこの出張の愚痴を言ってしまった。

          「それにしてもあの講演ひどいですよね。あんなの聞いて何の役に立つん
           ですかね?もう時間の無駄ですよね。」

        するとやはり達人たちは違う。

          「いや、O−TEACHER。そんなことはないよ。ちゃんと収穫もあるよ。」
          「えっ?あんな話で何かありますか?」
          「うん、ああいう人たちが県へ情報教育の具申をしたり、ああいう大学教授たちが
           知ったかぶりして色々あちこちで話して回ったりしているうちは...」
          「うちは...?」
          「日本の情報教育に未来はないってこと。」

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