驕慢たる 7月 上旬 編
7月1日(土) 牛丼屋のネーミング
文化祭のことについて、クラスの執行部と話し合った。委員長のU家が色々考えてくれて
結局牛丼屋に決まった。私イチオシの劇は、クラス全員の反対にあって却下されて
しまった(笑)実は2年前の副担任の時に、牛丼屋をやっているので、だいたいのやり方は
分かっているのだが、まだまだ細かいことが詰めていない。いちおう飲食店団体は、校内で
5団体と決まっているのだが(重複しすぎて売り上げが落ちるため)現在、生徒会の審査に
通ったのは7団体。10月の文化祭だが、クラスによっては夏休みに準備にはいるところも
あり、1学期中に出し物を決めなければならない。我がクラスも、7団体出ている飲食店
出店希望クラスの中から、最後の5団体に勝ち残らなければ出来ない。その選考は企画書
なのだ。いかに詳しく内容の濃い企画書を生徒会に提出するか、これが成否に関わってくる
のだ。予算計画・仕入れ計画・予定販売食数・食材や器などの調達場所・仕入れ価格・
仕事分担・内装など販売場所の見取り図...もう実は決めることがたくさんあるのだ。でも
これをいちいちクラスのみんなに図っていたら、とてもじゃないけど最終提出日の月曜日に
間に合わない。だから委員長や文化委員の子たちと素案を作っていたのだ。
で、一番決まらなかったのはお店の名前。私が出張でいないときに「牛ちゃん屋」という
なんのセンスもひねりもない名前に決めたらしいのだが、これではやはりインパクトに欠けると
いうことで再考したのだ。しかしなかなか良いネーミングが出てこない。みんなに聞いても
何も出てこない。私的にはやっぱり「うしたろう」がいいのだが(笑)それを漢字にして
「牛太郎」しかし生徒からは「先生、寒すぎる。」とのリアクション。えーい、それじゃあ
クラス30名の女子を参考に「30人のモー(牛)娘屋」でどうだ!全員牛柄のエプロンで
ユニフォーム統一だ!お揃いのエプロンやTシャツでどう?...それでも生徒はいまいち
らしい。うーむ、担任がこんなに斬新なアイディアを出しているのに(?)お前たちは否定
するだけで何も出さないで。ぷんぷん(笑)そんな感じでなかなか決まらない今日の午後でした。
7月3日(月) その前にその前に
本日は3時間授業。明日から期末テストのため(^^;)というわけでこういう午後が空いてる日に
こそ、たまっていた仕事を(えっ?まだあったの?(笑))バーッと片付けてしまおうと
またまた考えていました。で、今日の目玉仕事は(笑)ズバリ、調査書!これは就職希望の
子たちのもの。いよいよ7月1日から求人票受付が開始され、テストが終わるやいなや、すぐ
志望会社を決定しなければならない。校内選考が終わるとすぐに会社へ連絡してアポ取り。
夏休みにはいるとすぐ会社訪問。その時点で当然のごとく面接やら何やらをして、運が
良ければ内内定をもらい、無事就職決定の運びとなる。その会社訪問の時に、その子の身上書
代わりに、この調査書、世間で言うところの内申書を持っていくのだ。これには成績、欠席数と
その理由、身長体重視力などの健康欄、部活動や委員会活動、そしてその子の性格や特性、
推薦理由などが載っているのだ。うちのクラスは、現時点で就職希望者が7人。これを全部
書いておかなければならない。当然ミスがあっては困るので、点検してもらう期間も必要なので
こんな早い時期から取りかからねばならないのだ。で、これを今日の午後の空き時間にやろうと
おもったわけ。
ところがこの調査書、今書いたように、実は様々なデータが全部載っている、かなり盛り沢山な
内容なのだ。だから当然書くときには、それぞれのデータが必要になる。だから書く前にまず
データ集め!まず氏名欄だけど、中には旧字体の子とかもいる。例えばいつもは略して「滝」と
書いているけど、本当は「瀧」とか。その確認のために、戸籍謄本からきちんと書いてもらった
入学時に書いてもらった個人データカードが必要。というわけでまず個人データカードの用意。
えーと、どこにしまったかな...あったあった。次は住所。これも1−2−205って略す
わけにはいかないから、正しく「1丁目2番地マンション××205号室」ってやらなければ
いけないから、その正しい住所が載ったものは...えーと、この住所録じゃダメか...じゃ
指導要録だな。よしよし教務室の金庫から借りてきて、これなせ生年月日も載っているし。
欠席数は教務データから書けばいいけど、この指導要録にもあるし...あっ、でも3年の
1学期の欠席数はまだ集計していないから、まず集計が必要。そのためには出席簿を持ってきて
電卓で合計して...。次に身体データ。これは保健室に行って保健調査票を借りてきて..
あれ?養護の先生はどこに?...とバタバタ探し回りやっとゲット。部活はわかっているけど
キャプテンや副部長とかの詳しいデータがわからなくて、わざわざ顧問に聞いて回る。ふーっ。
委員会は1、2年次のものが要録にあるからこれで良し。成績も要録で...あれ?この要録、
ここの部分間違っている!J先生、正しく訂正してよーっ!.....ふーっ、と書き始める
前に資料集めと、その確認だけで半日終わってしまいました。やれやれ。
7月4日(火) 本人の長所と推薦事由
やっとのことで本日から期末テスト。暑い中汗をダラダラかきながらテストに向かう生徒たち。
ご苦労様。そんな生徒を後目にまたまた昨日の仕事の続き。調査書書き。とりあえず個人の
データはなんとか書き込んでいったのですが、一番問題なのが「本人の長所・推薦事由等」の欄。
まぁ、就職するときに一番問題になるのは実際の面接ですが、やはりこの調査書もかなりの
ウェイトを占める。その中でも欠席数や成績はとても大事だが、もうひとつ、この長所・推薦事由の
箇所も重要である。この部分を見て、各会社の担当者たちは色々判断したり、面接の質問事項と
するのだ。当然生徒の不利になるようなことは書けず、良いことばかり書く欄ではあるのだが。
しかしこれがけっこう頭を悩ます。本当のことを書けないやつもいるし、かと言って嘘も書けず
その上、分量も6行ほど。字数でいうと200字前後。けっこう褒めまくらなければならないのだ。
それでも日頃から真面目で、仕事もよくやり、部活にでも入っていて、日頃から頑張っている
生徒はそれほど悩まない。例えば「明朗・快活、行動的で積極性のある人物である。友人
からの信望も厚く、3年間よく委員会活動の中心として、その職責を十分果たした。また
バスケットボール部の副部長として、部内をよくまとめ、各大会に出場し活躍した。
目的意識を持っており今後の活躍が期待できる。」とかね。まぁ、みんなこんな優等生なら
お約束の例文は決まっているものなのです。
ところがそうじゃないやつもいるから困る。欠席は膨大な数、委員会の仕事はほとんどやらない、
成績は赤点ギリギリ、部活は1年の時に早々と辞めちゃった...。こうなると何を書いていいか
非常に悩む。「明朗活発で(元気だけが取り柄)友人も多く(友達とつるんでばかりいて)
前向きに仕事に取り組む時もあり(気が向くときだけ)、クラスのムードメーカーとして(授業中
うるさくて)活躍した。またしっかりとした自分の意志を持ち(先生のいうことは聞かない)
自主的に行動できる(自分勝手)性格である。」実はこういう裏の意味があったりして...(笑)
7月5日(水) 国語表現の採点
期末テスト2日目。本日は私が担当している国語表現のテストがありました。前回も書いたように
国語表現とは表現と銘打っているわけですから、今回の期末テストもズバリ作文。まだ小論文という
にはほど遠いもので。つまり試験時間50分の中で原稿用紙を配り、書き上げるというもの。でも
うちの生徒の場合、いきなりそう言われても書けないやつもけっこういるので、実はお題は予め指示
してあった。「私の趣味」か「私の夢」。このタイトルで400字以上600字以内で書く。だから
事前に書く内容を自分なりに考えているはず...。だから本番ではスラスラ書けるはず...。
しかし現実はなかなかそういかないのです。予定しておいたにもかかわらず書けないものもいる。
うーん、確かに作文苦手というやつは意外に多いけど、それにしても2、3行しか書けないというのは
ちょっと...。まぁ、それはそれとしてこのテストの採点、実はけっこう難しい。
だいたい作文を点数化するというのはとても難しいのだ。多分これは芸術科目の作品や家庭科や
実技科目にも共通することだと思う。作文の出来不出来というのは、意外と読んでみた感覚だったり
する。日頃の簡易な提出物の作文なら、AとかBとかだいたいで評価できるけど、いざ、このテスト
での作文の評価となると、きちんとした客観的な尺度の評価及び点数化が必要になる。単なる私の
好みとか嗜好という観点ではなく、誰が見ても納得できる評価。難しい。でも実際入試とかの作文も
これと同じである。でも入試の場合多くの先生たちと見比べて、よく話し合って点数を出すので
ある程度客観性が出る。でも今回のテストは私一人が担当だから、なるべく主観を排除するように
気を遣うのだ。例えば、字数不足やら字数オーバー、そしてあらかじめ指示してある段落わけを
3つ以上、こういう条件については、あっていないものは−10点とか減点法を採用できる。でも
例えば、あまりに平仮名ばっかりで書いてある、話し言葉が多すぎる、なんていうのはけっこう
悩む。こんな簡単な字を平仮名で書いてあるから、1つの平仮名につき−1点...なんていうのは
やりづらい。もしかして意図的に平仮名表記した場合もある。話し言葉も、会話文に使う分には
問題ないけど、「すごく感動した。」とかは、正しくは「とても感動した。」。でもどちらが
リアル感があるかというと、もちろん前者。でも作文という前提においては書き言葉を優先する
わけだし...うーむ、難しい。結局のところ、やはりある程度私の主観で評価するしかないのね。
7月6日(木) 採点してただけの、特に何もない日
期末テスト3日目。本日は私の担当の3年の現代文のテストあり。今回は一緒に教えている
J先生の問題。実はこのJ先生の問題、意外と難しい(と生徒は言う)でも本音を言えばこれぐらいが
普通のレベルの問題。うちの生徒のレベルにしてはちょっと難しいけど、けっこう極々平均的な
難易度だと思うのだ。それでも生徒の方は先入観もあり「J先生のやつは難しすぎて、勉強しても
無駄だ!」と端から諦めているやつもいる。だから余計平均点が落ちる。
まっ、そんなこともありつつの○つけを午後やっていた。でもここに来てけっこう明暗を分けてきた。
なんとか推薦を取るために気合いを入れて勉強してきた者、もういいや夏休みももうすぐで、遊びの
ことしか頭にないから全然やっていない者。点数がとっても良い者と超悪い者。でも平均すると
並の点(笑)まっ、いいか(^^;)このあと平常点やら提出点やら色々換算して、ひとりExcelと格闘する
私でした。
7月7日(金) アルバム撮影(クラス集合写真編)
本日は悲しくも期末テスト最終日。安穏とした日々が終わり(泣)ところが本日テスト終了後に
卒業アルバム用の写真撮影が予定されていたのだ。それは学年全体写真とクラス集合写真。
学年全体写真の方は、全体が中庭に集まって、屋上からカメラマンが取るというもの。そして
クラス集合写真は昇降口前に集まって、当然のようにクラスごとに撮る。こういう日に休んじゃうと
はじっこの方に縁取った一人の写真が載ったりする、あれである。特にうちのクラスなんかは
女子クラスだから、写真となると...化粧に余念がない(泣)お前たちいい加減にしろー!って
感じ。
ところがである。今日は我が地方、朝から雲行きが怪しい。台風が近づいているのだ。予報では
午後から風雨が強まるとのこと。でも朝の時点では降っていないため予定通り。写真撮影
予定時刻はだいたい11時頃...。うーむ、微妙な時間帯。果たして無事出来るのだろうか..と
悩んでいるうちに、時間が来た。曇天だがなんとかなりそう。係りとしては延期になると、また
色々セッティングするのが大変なのでホッとする。まずは中庭にて全体写真。これはどうという
こともなく終わる。そして次はクラス集合写真。こちらはなかなか大変。みんな後ろの方で
写りたがるのだ。別に前だって良いじゃないかと思うのだが、彼女らはそうではないらしい。
誰が前の方でしゃがむのかが重要な問題らしい。なかなか位置決めが決まらず、いらいらして
「可愛い子から前に並べ!」と叫ぶと、渋々最前列決まる(笑)お前たちパンツが写らないように
スカートの裾気を付けろよ、などの指示も飛ばす。1枚目は普通。2枚目は何かポーズをという
ので、適当に何かしろと言うと、全員でパラパラのポーズ...(笑)はーっ、担任疲れます。
「でもいいじゃん。先生は女30人の中の、一人だけ男だったんだから。ハーレムでしょ!」
ヤマンバ・ハーレムはいらない(笑)