漂泊たる 12月 下旬 編



12月21日(木) 学期末はこんなふう

        昨日の電話攻勢が功を奏したか、本日の欠席は5名止まり。尻に火がついた奴らもきちんと
        登校。それぞれ現況を説明し皆一様に顔面蒼白...。びびるくらいならちゃんとやってくれ。
        自分の今までのていたらくを棚に上げ、文句を言うやつもいたが、すべて自分のまいた種、
        高校生なら自分のことはきちんと自分で責任取りましょう。というわけで卒業が危ういヤツは
        各自、各教科担当の先生を巡って、きちんと反省して今後どうすればいいか指導を乞うように
        指示。やれやれ。

        で、本当は今日は大掃除でした(笑)日頃まともに掃除していないので、いつもよりちょっと
        丁寧にやっただけで何かやった気になる(^^;)まさに自己満足。こういう日頃の手抜きが、
        クラスのだらしなさに反映されているとは重々承知。猛省。だから掃除の時間が50分も
        あるのに、わずか30分程度で終わってしまった。逆に生徒から「先生、他にやることは?」
        と聞かれ「別に(もうじゅうぶんじゃない?)」と答えると「いいかげ〜ん。」と言われる。
        「じゃあ、窓でも拭いてよ。」というと黙々とやる数人。偉い!生徒の鑑!(笑)

        そして生徒を帰した後、成績会議。2学期の成績や出欠状況を振り返って、各学年からの
        状況報告。特に今回、3学年は色々問題があったので、担任団はご迷惑をかけましたと
        みんな小さくなっていました(^^;)その他様々な連絡等があり、とりあえず無事終了。さて
        これで終業式が迎えられるかというと、まだまだ仕事。まずは通知票の記入。
        コンピューター化して手書きでなくなったのは良かったが、赤点やら所見は書き込まなくては
        ならない。ひとりひとり点検しながら記入。これが済むと、昨日も書いた成績不振者・
        生活状況が悪かった者(欠席遅刻が多かった者)への、保護者へ郵送する文書を仕上げる。
        それに付随して、文書連絡より口頭で話しておいた方が良い場合もあるので、該当する生徒の
        家へ電話して、保護者と色々話す。親も耳が痛いでしょうね。そして出来上がってきた
        PTA新聞を配布して、とりあえず終了。やれやれ、やっとここまでやってきて終業式が
        見えてきた。でも明日も、わけあり生徒の保護者と面談もあるしなぁ...まだ終われない
        なぁ...。


12月22日(金) 2学期も暮れていく

        本日はとっても嬉しい終業式♪なんて浮かれている場合ではない。朝から遅刻が4名(怒)
        終業式では校長先生と生徒指導部長から、有り難いお話をのたまわり、いよいよラストの
        LHR。もちろん通知票渡し。でもその前に....長々とお説教!2学期を振り返って、
        あまりの出欠状況の悪さ、生活の乱れ、頭髪服装の注意等々についてお小言の嵐。でも
        どれほど伝わっているのかしら。まぁ、いちおう神妙に聞いていたので良しとするか
        (甘い担任)それでも文化祭の頑張りとか成績については(学年でクラス平均トップタイ!)
        褒めましたよ。まぁ、良いところ悪いところありということですかね。生徒の方も通過儀礼
        だと思ってきちんと聞いてはいましたが、果たして何人わかったことか。ちゃんと聞いてる
        ヤツこそ、言う必要がないヤツで、お前に向かって言ってるんだぞ!というヤツほど
        ぼーっと聞いてますけどね(^^;)

        そしてその後恒例の(?)通知票配り。相変わらず悲喜こもごも、きゃーきゃー言いながら
        見せあいっこ。中には通知票見ながら固まっているヤツもいた(^^;)とりあえず3学期は心を
        入れ替えるように指示して全体的には終わり。その後、問題ありなやつを個別に呼んで話を
        する。欠席が多くて卒業の見込みが立たないやつ、赤点が連続していてピンチな人、特定の
        教科担当の先生から呼び出しをうけている者...やれやれ、全くこれでは二者面談ですよ。

        ところがこれだけで終わりではない。まだ午後に保護者共々呼び出した者もいて、学年主任を
        交えて四者会談(泣)2学期の生活状況について猛省を促す。この面談の前に、事務室へ
        行って応接室の予約をしに行ったら、びっくり!何と数日前から30分刻みで埋まっている!
        そうか、各担任みんな親も召還して面談しているのね。私なんか遅すぎる。ある先生なんかは
        9人も呼び出していて、まるっきり面談週間(笑)なんと30日まで、親と会う約束が詰まって
        いるそうです。ご苦労様です。その後自宅へ帰って、夜でなければ連絡が取れない親と、
        夜遅くにお話しする。ふーっ。学校の先生にはまだまだ冬休みは来ません(泣)

        でもとりあえず私の場合は、今日でほとんど仕事は終了。残りの仕事は自宅でやります。
        登校しなくて済みそうな感じです。えっ?自宅で仕事って何をやるかって?クラスの
        卒業文集の編集作業です(^^;)やれやれ。


12月25日(月) 聖なる夜に想う

        そりゃあ、クリスマスだからクリスマスネタにしたいけど、今まであまり良い思い出がない
        もので書けません(泣)だいたい毎年クリスマスパーティーを企画して、みんなを盛り
        上げるというのが例年の役回り(泣)以前は受けねらいのためにトナカイの着ぐるみを
        着たこともあり(笑)

        ということで本日からは冬休みバージョン、O−TEACHERの言いたい放題になります。
        ていうか自宅研修なんで学校ネタがあまりないので(^^;)さて先日、「先生の独り言」という
        ホームページで、作者の先生も書いておられたが(なんか変な感じ(笑))教員を長くやって
        いると、思い出に残るクラスとか生徒というのが存在する。毎年300人近くの生徒を教えて
        それを15年近くもやっていれば、教え子だけで3000人は軽く超える。その一人一人を
        覚えているかと言われれば、そんなことは当然ない。でも自分が担任をやったクラスとか
        すごーく特徴があって覚えている生徒というのは、確実に存在する。もちろん良い意味でも
        悪い意味でも。その中でもとりわけ若いときに持ったクラスや生徒というのは、実はとても
        印象深かったりする。それは自分が若いだけに、今考えればかなり無茶していたところが
        いっぱいあって、赤面の至りなのだが、私も身体ごと生徒にぶつかり、生徒も本気で
        ぶつかってきて、ある意味学園ドラマのような、熱い青春をともに過ごした瞬間があった
        からなのだ。そういう時のクラスとか生徒は、ほとんど覚えている。ある意味、学校という
        戦場で共に戦った戦友のような一体感があるからなのだ。そして何よりも私を一人前の
        教師にしてくれた人たちなのだ。

        私にとっての思い出の生徒はたくさんいる。書き出したらきりがないから、またいずれ別の
        機会に書くが、今のところ一番印象に残っているクラスというのは、あのクラスだ。それは
        教員になって6年目になって持ったクラスである。そのころの私は、やっと教員として少しずつ
        周りが見えてきて、教科指導も自分なりのスタイルができ、クラス担任も一回り(3年間)して
        教師という仕事になれてきたときだった。そのとき持ったクラスはかなり変則だった。男子
        13名女子32名という、かなり中途半端なクラスだった。そのためみんながうち解けるのに
        かなり時間がかかった。しかし3年間持ち上がりでクラス替えもないということで、最終的には
        とてもまとまりのあるクラスになった。体育祭や文化祭など行事にはとても真剣に取り組み
        そういった意味では良いクラスだった。しかしふだんは、いろいろな出来事が起こり、てこづら
        せるメンバーもたくさんいた。でもそういうやつらと真剣にぶつかり、ある時は本気で怒り
        本気で嘆き、喜怒哀楽というものがみっちり凝縮された3年間を過ごした。そしてその3年間を
        通して、自分なりに、教員のあるべき姿というか、自分なりの教師像というか、そういうものを
        模索できた時期だったように思う。そして何よりもわがままな自分が、人間的に成長したと
        実感できた時期だった。その後の教員人生の核となるような3年間だったのだ。

        教員には誰でもそういうクラスというか生徒がいる。その一期一会が、実は今の私を作って
        くれたと感謝している。そういう出会いを配してくれた神に感謝である(おおっ!クリスマス
        ネタになっている!)先日の私の誕生日にも、そのときのクラスの子が、わざわざ電話を
        くれた。誰にも祝ってもらえない私としては(^^;)嬉しい限りである。卒業して7年もたつのに、
        まだつながりがあるという、そのことが嬉しいのだ。ちなみにこのクラスのクラス会が3月に
        あるが、もちろん参加の予定(笑)そしてそのとき、また思うであろう、こういう(まだまだ
        中途半端で発展途上の半人前だが)教師を作ってくれた、思い出のクラスに感謝していると。
        さて今の女子クラスは、私にどんな記憶を残してくれるのだろうか。あと卒業までわずかだが、
        密かに期待しよう・・・・聖なる夜に願いを込めて。


12月26日(火) 男性依存症

        ある女子生徒がいた。とても真面目でよく勉強もでき、文化祭などではリーダーシッをとって
        とてもよく頑張る子だった。ところが2学期途中から途端に崩れ始めた。いわゆる高校デビュー
        というやつだ。遅刻・欠席が多くなり、化粧をしてくるようになり、見る見る間に変貌して
        いった(よくなんかの教育関係のものを読むと、「生徒からのサイン」ってやつですね)日頃
        真面目だっただけに、こうなるとその変化の度合いは早い。加速度的に外見が変わって
        いった。言い方は良くないが、中学時代からデビューしている子は、その限度というのを
        わかっているやつもいるので、ある程度のところまでしか行かないが、こういう今まで
        真面目で、急に目覚めてしまった子は(^^;)歯止めが利かないことが多いので、行くとこまで
        行ってしまうケースもある。そして当然のお約束のように欠席が続くようになっていった。

        さてそのまま放置というわけには当然行かないので、本人と話したり親と面談したりと、色々
        対応したのだが、そこである一つの問題点というか、原因が分かってきた。それは...男。
        やはり...女の子が崩れる原因の一つに男あり。いや、もちろんすべてのケースではないの
        だけれど、往々にしてありがちなことなのです。そして色々聞いていくと、相手の彼氏という
        のが、けっこうな半端者。というか本当に子供っぽいやつ。自分の思い通りにならないと
        暴力を振るったり、自分の都合だけで彼女(この場合うちの女生徒)を呼びつけたりしている
        らしい。そんなに横暴な彼氏なら、さっさと別れればいいのにそうできない。いわゆる
        男性依存症というか、ちょっと前に流行った恋愛症候群というやつだ。少しの間は
        優しいけれど、大部分はわがままで乱暴でどうしようもないやつなのに、そういう男から
        離れられないでいる。テレビドラマにあるような話。でもこういう男に引っかかって
        しまったのだ。聞いているとほとんどの時間、その男に尽くしていて学校を休んでいる
        らしい(相手の同い年の男は高校を中退ししているらしい)

        常識的に考えれば、そんなひもみたいな男とさっさと別れて、自分を取り戻してほしいのだが
        それができずにズルズルと来ている。しまいには相手の彼氏が浮気までしているのに、泣き
        ながら耐えて「でも私がいないとあの人はだめだから。」とまで言う。なぜここまであんな
        男にのめり込むのだろう。わからない。確かに恋愛は理屈じゃないけど、自ら望んで苦しんで
        堕落して行ってるとしか思えない。そんなケースが以前あった。

        こういう話は、女子にありがちで、いわゆる男依存症的なケース。彼氏にべったりで、自分の
        生活をすべて一変させてしまう。それに比べると逆のケースはあまり多くないような気が
        するが...。女の一生は男で決まるとは、もちろん言えないが、こういう生徒を見るたびに
        考えさせられてしまう。もっと男を見る目を養えと。ヤンキーになる子たちの一部、家庭的な
        愛情が薄かったため、その反動として様々な問題行動を起こすとも聞く。親からの愛情が
        少なかった分だけ、その裏返しとして愛情の希求の度合いが強くて、若いうちから家庭的な
        ものを求めて、恋愛依存症になるという話も聞く。ヤンママというのもその一端かもしれない。

        なんか真面目なことばかり書いてしまって恐縮ですが、女子クラスを持ってつくづく思うのは
        「良い男を見分ける目」というものを、もっと持ってほしい
        言うこと。私を含め、どうしようもない男というのは、いっぱいいますから(^^;)変な男に
        引っかからない選球眼ならぬ選男眼を身につけてほしい。
        そんなことを考えた一日でした。


12月27日(水) ITがやって来た

        学校ネタを一つ。終業式も終わり、やっとこれで一通り終わったと、自分の普段いる
        情報処理室の大掃除をしていたときのことだった。「O−TEACHER、ちょっと
        いいかなぁ。」と悪魔の囁き。教頭が手招きをしている。長年の経験でもうわかってしまった。
        だいたい教頭がこういう猫なで声を出しているときは、コンピューター関係の煩わしい
        仕事を押しつけるときのお約束なのだ。しかししがない宮仕え、はいはい、何でしょう(泣)

        で、手渡されたのが、とある書類。内容は「情報通信技術(IT)講習会推進特例交付金事業に
        係わる講習会の実施について」の依頼文書だった。なんだかずいぶん長ったらしい
        タイトルだなぁと思いつつ、8ページあまりの文書を読んでいくと、なるほど例のアレねと
        納得がいった。実はこれ、例の森首相がぶちあげていた、IT戦略の一つで、IT立国を目指し
        全国民がインターネットを使えるようにするというやつ。そのために学校や各公共施設で、
        コンピューターの講習会を開いてくれというものだった。へぇー、これってニュースでやって
        いたのは知っていたけど、こんなに早く下りてきたんだぁ。国のやることにしては珍しく早い
        ねぇ。しかしどうしてこうお上から下りてくる文書って、こういろいろわかりにくいんでしょ。
        目的やら趣旨やら役割など、長々と色々書いてありました。でも要するに一般市民向けに
        コンピューター講習会をやってくれというだけでしょ。で、その内容なんだけど、パソコンの
        基本操作、ワープロ文書の作成、インターネットの利用、電子メールの送受信となっている。
        ふーん、でもこれでIT立国になれるんだ(笑)以前市民向けにこういう講習会をやったことが
        あるからだいたいわかりますけどね。それにしてもこの対象者ってところがどうなんでしょ。
        20歳以上、特に高齢者、主婦、農業従事者、商店主など普段パソコンと接する機会の
        少ない者って書いてあるけど、これってけっこう馬鹿にしているような気が...。今時
        インターネットの利用者って、こういう人が増えているような気がするのですが。

        つまりこういう講習会がやれるかどうかというアンケートだったわけなのですが、答えはNo..
        だって実施条件のところに20人以上の機器があって、インターネットに接続できる環境にある
        ことって書いてある。これでだめ。今現在、うちの学校は、一部の教員のマシンではできるけど
        コンピューター室にある生徒のコンピューターは、まだインターネット接続できない。というか
        そんな予算はない。多分多くの学校はそうだと思うのだけれど...。学校ってハード的な予算
        (コンピューターとか)はそこそこ融通が利いてきて、以前に比べると買ってもらえることが
        多い。ところがソフトとか通信費の予算って全然つかないのだ。それは学校独自で捻出しろ
        っていうのが普通みたい。だから機械はあっても電話代がかかるから、接続はダメ!なんて
        学校はけっこうある。フレッツなどの定額制ですら厳しい。うちなんか月々の
        通信費(電話代)は1000円以下に抑えて...なんて一般家庭よりすごいことを言われ
        たりする。だからインターネット接続を自由にできる学校って、そう多くないかと思うから、
        こういう講習会の依頼って、かなり無理があるんじゃないかなぁ。講習会はやってくれ
        ったって、今までそのための予算出さなかったくせに...。

        と思いつつ読み進めていくと、変なところは律儀。講師の謝金、講習に係わる高熱水料費
        等は予算に計上して良いとのこと。そして最近のソフト不正使用を懸念してか、パソコンソフト
        使用制限の契約変更のための経費も計上しても良しとのこと。これは学校のパソコンソフト
        って、児童・生徒が使用する場合のみ、アカデミック・ライセンス契約OKという場合を
        考えてのことでしょう。まぁ、こういう細かいところに気が回るのはいいことですが、こう
        いう講習会にかかる予算はどのくらいつくのかなぁ...と思って、実際やれないけど
        読み進めていくうちに...げっ!1会場あたり350万!すっ、すごい。確かにのべ
        400人で、12時間もやったら大変だけど、このお金があったら、もっと学校の
        コンピューター環境も良くなるのに...うーむ、ちょっと心が動いてしまった(笑)でも
        実際やるとなると、準備やら企画やら色々大変なんだけどね。でもこれだけの予算が付けば
        けっこうきちんとしたことが出来るのになぁと思った次第。こうして末端までIT戦略の
        余波が押し寄せてきた年の瀬でした。


12月28日(木) 無事生き延びる

        新聞を読んでいると、処分された教師の数が、前年度に比べて大幅に増えていると出ていた。
        またその中でも性犯罪的ことに関して、急増しているとも書かれていた。そして論調はどれも
        だいたい同じ。児童・生徒を教える教師たる者が、その生徒に手を出したりするなんて...
        ごもっともである。でもこういう記事を読んでいていつも思うのだが、べつに教師じゃなく
        たって、やっちゃいけないことはやっちゃいけない。たまたま教師というだけで、特にこの手
        のことは、過大に取り上げられているような気がするのは私だけだろうか。別にその手の
        教員や事件を擁護するつもりはさらさらないが、どうもそんな気がする。

        多分未成年とそういうことをしているのは、圧倒的に普通の社会人が多いはずだ。教員は
        その中の数%にしか過ぎないと思う。でも同じ悪いことをして、マスコミに報道されるのは
        教員の場合が多い。それはやはり公務員だから?同じような例は警官もそう。普通の
        サラリーマンがやっても、たいしたことにならないようなことでも、警官がやると大問題に
        なり、辞職までさせられたりする。これはどうしてなんだろう。

        多分やはり人々の中に、教員=聖職、その教員がこんな事を...とか、普段権力を持って
        いる警官があんな事をしでかすとは...というまるで鬼の首を取ったような判官贔屓の
        現れなのか。教員とか警官は、やっぱり清く正しく生きねば、すぐバッシングされる、
        そんな世の中なのだなぁと、改めて感じた。

        でも書きたかったのはそのことではない(笑)実は処分された教員の数ではなく、病休の
        教員の数の数の多さである。そしてその中で、かなり多くの数を占めるであろう精神的疾患
        の数。教員という仕事はストレスが多い。もちろんどの仕事にだってつきものなのはわかっ
        ている。しかしことさら、対生徒に関しては、日々戦いみたいなものだから、ストレスを
        感じない時なんてない。私みたいにのほほんとしたダメ教員ですら、つねにそうなのだから
        真面目な先生ほど、ふだんの教育活動に過重なストレスにさらされている。ある先生は
        自分の限界を感じ、ある先生は自分の不甲斐なさを嘆き、ある先生は理想と現実の狭間に
        苦しみ、みんな自分を責め続けて倒れていく。ただでさえ学校という閉鎖社会の中で、
        社会という荒波で揉まれたことのない温室育ちの、優等生で良い学校を卒業してきた、
        勉強ができるエリートの先生が、今時の高校生にまともに立ち向かえるだろうか?
        もちろんノーである。でもそんな中からほとんどの先生は、新しいやり方を模索して
        生徒に向き合っている。当然様々な葛藤があり、ストレスもすごいものである。そして
        その中で、やはり適応できなかったり、自己改革をできない先生たちが倒れていく。
        あえて誤解を恐れずにいうと、進学校ばかり巡ってきた先生などが、特にうちのように
        底辺校にくると、そのカルチャーギャップで身体をこわすことが多い。でもこれって
        他人事ではないんですよねぇ。特に教員って、自我が強かったり、担任なんて一国一城の
        主ですから、一人で問題を抱え込むことが多い。学級崩壊なんて、そういうパターンが
        多いです。その上、仕事量も年々増え、なおかつ社会的注目度も高く、バッシングされ
        やすい...気が抜けない仕事であることには変わらない。だから冗談抜きで、今年
        一年、なんとか倒れずにやってこれたっていうことは幸せなことでしょう。来年も
        倒れずに一年過ごしたい。教員の平均寿命は短いとも聞きますから(^^;)そんな暗い
        ことばかり考える私...。


12月29日(金) 本屋で研修

        世間では、「先生、もう冬休み?」と言われますが、いちおう今は研修期間ということ
        なので(笑)それなりに研修しています(笑)まぁ、少しは個人的な勉強にも充てたり
        しているわけです。で、本屋とかに行くと商売柄ついつい買い込んでしまう私。特に
        今年あたり、授業で国語表現という科目を持っているためか、何か生徒に書かせる題材の
        ネタ探しにいつも苦労している。だから本屋とかへ行くと自然とそういう本を探して
        しまうのだ。最近の大学の入試は小論文が重視され、さまざまなジャンルの内容が問わ
        れる。特に社会的関心の高いテーマははずせない。IT、医療制度、高齢化、ペイオフ、
        環境問題、リサイクル、ゴミ問題、、福祉等々、あらゆる分野の問題が出される。
        当然それに対応するために、こちらもそれなりの予備知識が必要となるが、そんないくら
        先生ったって、そんなあらゆる分野に精通しているわけでしない。そこで少しでも
        一般常識的に、それらの問題について知っておかねばならないことが多々ある。そこで
        本屋へ行き、サルでもわかる的な本を物色したりするのである。まぁ、お約束的な
        「imidas」とか「知恵蔵」なんてのは定番中の定番で、重いし高いから(笑)学校で
        買ってもらい、「日本の論点」なんて本も、意外に重宝したりする。とまぁ、休みと
        いっても、仕事のアンテナを張りつつ、本屋探索していたりするわけですよ。

          「あれ?O−TEACHERじゃないですか、どうもこんにちは。」
             近所のおじさんと本屋でばったり。
          「もう冬休みですか。はははっ、いいですなぁ、先生は冬休みがあって。」
             (自分だってこんな昼間から仕事をさぼって本屋にいるくせに)
          「いやー、ははははっ。」
          「国語の先生だけに、やはり本屋で勉強ですか。いやーたいしたものですな。
           はははっ。」

        その時、私が手にしていたのは、あるゲームの攻略本でした(^^;)


12月30日(土) 副担症候群

        担任とそうでない先生を比べると、明らかに担任の先生のほうが忙しい。もちろん
        主任の先生や特定の部署についている人など例外はあるが、それでも私の少ない経験上
        明らかに担任の先生の方が忙しい。そりゃあ、当然自分のクラスを受け持っているわけ
        だから、それにかかわる様々な仕事が倍加される。ちょっとした朝と帰りのSHRや
        LHRだけでなく、色々な行事に参加するために骨を折ったり(我がO−TEACHERの
        体育祭や文化祭の苦労を思い出そう(笑))はたまたふだんの生活状況の監督、いわゆる
        出欠や生活指導全般、その上3年生ともなれば進路指導。それだけなら普通だが、その上に
        成績の心配や人間関係の心配、不登校やいじめや様々な悩みを持つ生徒との
        コミュニケーション...。それらは当然のごとく、担任の先生が引き受けていくわけだ。
        まぁ、それが仕事だと言ってしまえばそれだけだが、担任の先生とそうでない先生との
        仕事量は、明らかに違う。

        えっ?先生ってみんな担任じゃないの?って、昔聞かれたことがあったが、もちろん違う。
        よくわからないけど、担任じゃない先生の方が、同じ学校の中で担任より約1.2倍ぐらい
        いるんじゃないかなぁ(単なる憶測)同じ給料もらっていて(場合によってはもっと
        もらっていて)担任より仕事が楽というのは解せない...なんて言う気は更々ない。
        忙しい分だけ、その満足感や充実感もあるのだから...。でももちろんきれいごとだけ
        では済まなくて、大変なことも多いから、なるべく担任を回避して楽したいというのが人情。
        でもある程度は順番的なこともあるから、やらざるを得ないという場合も多い(今年の私は
        そのパターン)

        しかしである。その大変な担任稼業から、ことごとくエスケープする人もいるのだ。昔は
        若い教員も多かったから、担任は若い人、年配者は主任クラス...なんてのが普通だった。
        それこそ前任校では、若い人が多かったため、逆に担任をやりたくても順番待ちなんて
        今考えると笑っちゃうようなこともあった。しかし今は、若い先生もほとんどいなくなり
        みんなある程度経験のある人ばかり。だから誰でも担任はできるし、そうなるとやはりある
        程度、負担分担というわけで、3年担任やったら1回休みみたいなものが、うちの学校では
        ある。ところがそのルールに乗っていない場合もあるのだ。要するに副担症候群というか、
        大変な担任はやりたくない、ずーっと副担任でいたい、というわがままを通す(としか私
        には思えないのだが)人たち。特にうちの学校みたいに大変な学校は、3年も担任やると
        かなり疲弊する。ストレスもたまり身体もボロボロになる。当然メンバーチェンジのはず
        なのだ。でもなんだかんだ理由を付けて、絶対担任をやらない人もいたりする。すんごい
        不公平のような気がする!だからいつも気が弱くて善人の人が、担任をやらされていたり
        する現実。そりゃあ、みんな楽したいけど、これはあまりにもひどい。そんなことが昔は
        よくあった。今はだいぶ是正されてきたけど、まだまだそういう風潮はある。そろそろ
        来年度の人事に管理職が動き出す時期。こういう不公平感が、実は教員のやる気をなくし
        学校全体の活気のなさにつながっていると思えてならないんだけど...。まっ、どこの
        職場でも人事の不満というのはありますけどね。さて来年はどうなることやら。


12月31日(日) 20世紀も暮れていく

        大晦日といっても特に何もなし(^^;)特に変わったことをするわけでもなく、普通の休みの
        ように暮れていく。まっ、紅白でも見るぐらいですかね。今年一年はいろいろあった
        O−TEACHERでした。でも振り返ってみても、ただの教員の戯れ言ばかり。たいして
        中身のない一年だったでしょう。来年こそは...なんて意気込みとか計画性には無縁な
        性格のため(笑)何も計画しないし何も意気込まない。その時その時で、感じたままに
        フツーに頑張る。あまり気張らない。これが私です。のほほんとして、それなりにやって
        いこうと思う次第。でもこのホームページに来てくれる人たちには、等しく感謝しています。
        こんな私の愚痴愚痴ホームページ、日記に付き合っていただき、本当にありがとうござい
        ました。来年も変わらず、脱力系(^^;)で続けていきます。呆れずにお付き合いのほど
        よしなに。良いお年を。

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