蒼々たる 1月 中旬 編



1月11日(木) 教師よ、熱く語れ!

        とにもかくにも忙しい。授業の合間に頼まれ仕事。やれ他校からメールが入っているはずだから
        プリントアウトしておいてとか、やれ来年度研修講座の申し込みの取りまとめとか...。
        まともに授業できず(^^;)おまけにさらに風邪が悪化し、今日はほとんど気分悪し。吐き気が
        続いている。熱があるのか?まぁ、何とか頑張りましょう。

        5時間目の学年集会時に服装頭髪検査があった。もうとってもアメリカンスクールになっていて
        茶髪大増殖。もう嫌になりました。その時に、若手のS先生が吼えた。あまりのだらしなさに
        切れていた。「お前たちは学年主任のS先生や他の先生たちの顔に泥を塗っている。せっかく
        お前たちの自主性を尊重して、うるさく言わないのになんだ!その有様は!少しは自分たちで
        考えろ!」と。そしてその後もどんどんヒートアップしていった。しかしあまりの熱さに生徒も
        引き気味。その青春バイタリティ溢れる問いかけに、中には失笑する生徒もいた。しかしそれが
        より火に油を注ぎ、より激しい口調に変わった。「わかっているのか!?お前ら、俺が土下座
        しなければわからないのか?土下座しようか?それで済むなら!!」そんな一幕があった。

        うーむ、若いって素晴らしい。こんな熱いときが私にもあったのだろうか。一部の生徒には
        きちんと届いたように思う。しかし中には、へっと思って『なに一人で熱くなってんの、バカ
        じゃない。』と思っているやつもいた。いやもしかしたらこういう生徒の方が多いかもしれない。
        こういう真剣なメッセージが心に響かない生徒が多くなってきたことの悲しさ。教師が頑張って
        も、ひとり空回りしてしまう。金八先生のやり方は難しくなってきた。いくらこちらが熱く
        叫んでも背を向ける人たち。でもS先生の見せてくれた熱意は、昔を思い出させてくれた。
        多分私はああいうやり方はできないだろうけど、また別に違ったやり方で、同じような熱さを
        生徒に伝えていきたいと思った。ちょっと考えさせられた一日。


1月12日(金) 卒業文集→アルバム

        空き時間に、クラスの卒業文集の仕事をした。先生方に依頼した卒業コメントに比べ、生徒の
        あまりな貧弱な文章に頭を痛める。授業でお世話になった先生方に、女子クラスへ向けて
        コメントをお願いしたのだが、それよりも生徒の方の文章が短いなんて...(泣)このままでは
        文集どころかプリントになってしまう。そこで以前から撮り貯めていたクラス写真を合間に
        バンバン挟むことにした。暇を見ては行事ごとにデジカメで撮り散らかしていたので、素材
        そのものは沢山あるのだ。しかしその写真たちが、あっちこっちに保存してあるために、
        探すのに一苦労。文化祭関係はこのMO、体育祭はこのCD−R...と見つけるだけで
        2時間もかかってしまった。おまけにデジカメの写真だから、ファイル名がPa100001とか
        書いてあって、何がどの写真か開いてみるまでさっぱりわからん。あるフリーソフトを使って
        サムネイル表示するのも、異常に時間がかかって大変だった。それでもなんとかひとつの
        フォルダに集めて、後でわかるようにファイル名の付け直し作業をやった。例えばPa10001と
        いう文化祭の準備の時の写真を、「文・準備01」というふうに。これでまた1時間半もかかる。
        こんなに苦労して作っても果たして生徒は喜ぶのだろうか。何か不安になってきた。それよりも
        これからの時代、この画像をどっかのフリースペースにアップして、卒業時にurlだけ
        教えて「ここにあるから、いつの日かインターネットが出来るようになったら見ろ。」って
        言おうかな(笑)そんなことを考えつつ作業していました。でもやればやるほど、卒業文集では
        なくて、クラス卒業アルバムになる気配...(^^;)


1月15日(月) 自分の名前ぐらい

        呆れてしまった、マジで。

        もう3年生もいよいよラストスパート。来週の木曜から早々と学年末考査が始まり、授業も
        残すところあとわずか。それとともにしばらく学校に来なくなるので、すでに卒業に向けての
        様々な作業も同時進行。例えば卒業記念品の選考とか、生徒会記念誌の原稿書きなど。それだけ
        でなく、同窓会幹事を決めたり、まぁ、やることは様々目白押し。その中のひとつが、卒業証書
        がらみの作業。卒業式で配る卒業証書の氏名なのだが、うちの学校の場合、一人一人わざわざ
        書道のT先生が書いてくださる。しかしたくさんの卒業生の氏名をたったひとりで書くため
        今からもう書き始めるらしい。ご苦労様。そのためには正しい氏名がわからないといけないと
        いうわけで、生徒に自分の名前を改めて卒業証書用に書かせたのだ。

        最近学校というところもワープロが普及し(コンピュータではない!(笑))生徒の名簿なんかも
        ほとんどテキスト化されている(ってほとんど私がしているんですけどね)それでも本当のところ
        ワープロで出ない旧字や特殊な字のやつはたくさんいる。でも普段の名簿等は、本人の了解を
        取って略字で使用していることが多い。でもさすがに卒業証書は公式なものだから、略字はまずい
        ので、当然正式な字で書く。例えばワープロでも、斉藤の「齋」とか渡辺の「邊」などは、
        ちゃんと出るけど、

土

        こんな字は変換できないものも多い。だから普通の名簿を見て卒業証書を書くと、けっこう正しく
        なく、以前も戸籍の字と違うということで、就職した会社から指摘を受け、わざわざ書き直した
        ことも数度あるらしい。だから今更ながら、生徒に正しい本当の自分の氏名を戸籍通り書かせた
        のだ。

        ところが...「えーっ?先生、私、知らなーい。」「多分、本当はこういう字だと..思う。」
        おいおい、勘弁してくれよ、自分の名前だろ?確かにほとんどのやつは何の心配もないのだが
        一部のやつは「本当は『』かもしれない...。」「『真』は『眞』かも...。」「先生、
        私の『沢』って、難しいやつだと思うんだけど、どう書くの?」「この『瀧』っていう字の、
        右下の所にチョンが入るらしいけど、よくわかんない...。」お前たち、いったい何年その
        名前を書いてきたんだ...。正しい自分の字ぐらい知っておけ。あまりの混乱ぶりに、家へ
        帰って親に確認してくるように指示。やれやれ。


1月16日(火) 舞姫は舞わず

        わずか2週間しかなくて、すぐ学年末考査のため、授業の回数はわずか6回(3単位)それで
        100点分のテストを作るわけだから、その教材に苦慮している。おまけに今回の現代文は
        J先生の強い要望(こだわり(笑))により、森鴎外の「舞姫」をやることになった。これは
        国語の先生ならわかると思うが、すんごく無謀な試み。だいたい鴎外の「舞姫」は現代文と言い
        ながら文語文。今時の生徒にとっては全くの古典。おまけにページ数も20ページ近くあり
        普通にやったら絶対終わらない分量。まず訳させて(現代文に)内容把握して、そしてやっと
        その上で主人公とかの心情を推し量る...。普通の進学校でもゆうに10時間分の内容。それを
        うちの学校で本当にやろうと思ったら、ひと学期丸々かかるかもしれない教材なのだ。それをこの
        底辺校で(笑)、しかもこの時期にたった6時間でやるなんて、例えれば、ジョギングもサボり
        がちのO−TEACHERが、高橋尚子にフルマラソンで勝てというようなものだ(爆)
        そんな無謀を知ってか知らずか、必死の説得も無駄に終わり、とうとうやることになった。
        単なる教員の自己満足という感じもするが、それでも授業は進んだ。

        しかし案の定、難しすぎて生徒はついて来ず。わざわざ現代語訳したプリントまで配るも、その
        分量の多さで辟易している。いちおう打ち合わせでは最初と最後だけやることになっていたのだが
        これでは主人公の太田豊太郎がドイツへ留学するところまでと、帰国するところだけしかできない。
        一番メインのエリスとの恋の話がほとんど抜けてしまう。これじゃあ何がなんだかわからない。
        「舞姫」って何?って感じ。学習計画の全くの失敗である。すまん生徒よ。後で大人になってから
        この文学作品の素晴らしさを味わい直してくれ(笑)


1月17日(水) 学校のIT化

        推薦入試の受付名簿係の打ち合わせをした。もう教務部を離れて早2年。しかしこういう
        入試作業でコンピューターに関わる仕事にかり出されるのはいつものこと。今回も受付のところで、
        願書を片っ端から入力するという、相変わらずの担当です。例年ほとんど一人でやっているの
        ですが、今回は他2名の助っ人を得て、やる予定。と言っても約120名ほどの氏名や住所を
        入力するぐらいなのでたいしたことはないでしょう。それに今回はもっと気が楽。それは今年
        転勤してきて、すでに教務部の大黒柱になっているH先生のおかげ。なぜならH先生は
        こういうデータの扱いについて、よくわかってくれるから。

        例えば一口にただ受験生の名前を打つだけと言っても、色々気を遣うことがある。名字と
        名前の間は半角スペース?全角スペース?何文字分のスペースをとっておくべき?フリガナは
        半角?住所は県だけ別項目にする?アパートとかは半角カタカナ?数字も?でも後でラベル
        作るとき半角で打つと、縦書きに印刷したとき見栄えが悪くなる?生年月日は年と月と日を、
        全て別項目に分けた方が、後で成績処理システムに読み込ませるときに楽?保護者名は、
        離婚とかして名字が別な場合はどう入力する?郵便番号のハイフンはかえってない方が処理
        しやすい?後で名簿とか作るときや住所録を考えたとき、また様々なデータ活用を考えたとき、
        ここが一番始めのところなので、どういう形式やフォーマットにしたらいいか、どうやったら
        後々使いやすいか、実は一番気を遣うところなのだ。始めが適当だと、後でいちいち加工し
        直さなければならなくてとても面倒なことになる。

        で、今まではほとんど私一人に任せていたので、ある意味O−TEACHERフォーマット
        形式で(笑)通してきたのだ。それが今回、強者のH先生がよく見えている人なので、
        こういう私の気苦労をわかってくれる。だから今日のちょっとした打ち合わせも、ここは
        こういう書式でした方がとか、あれは後でああ使うからこの形式にしたら、と話がスムーズに
        進んで大いに助かっている。いつも一人で毎回困っていたので感謝。やはりこういう、ある
        程度精通してくれる人がいることは大切。学校のIT化は、こういうできる人材がいて、
        はじめて進むのですよ。ありがたい。

        午後教頭が話しに来た。身構えるO−TEACHER(笑)実は情報部の件。以前私が進言した
        情報部という新しい分掌を作る話についてだった。このところ学校関係のIT化が急ピッチで
        進み、どうにもこうにも、きちんとした窓口がないと困るようになってきた。今までは
        頼まれて、私が何とかその都度対応してきたが、来年度から校内LAN計画、ホームページの
        充実、色々な県からの連絡・報告にメールを有効活用するようになるらしい計画、教員向けの
        校内研修を、年間で計画し報告することなど、かなり本格的な仕事が山のように降ってくる気配。
        そこで音を上げて(というか個人的危機感で)教頭に専門部署を作るように打診したのだ。
        それについての相談。要はいつものようにお役所的に、来年度は現行のままでという、あまりな
        お言葉。せいぜい教務部内に担当係を作るというもの。それで手が回らなくて
        コンピューター委員会を作ったのに、かえって後退してるじゃん!でも教員の人数が削減
        されているおり、新たな分掌を作るのは他の分掌から反対が多くて無理との御答弁。やれやれ。
        これだから何も進展しないのですよ。これから一気に新しい仕事が降りてくるというのに、
        その大変さ重要性をほとんど認識されていない。だからこそ英断を求めて直言したのに。
        やはり無理なのですね。言いたかないけど、自分の任期だけとりあえず波風立てずに済めば
        なんて思っていないでしょうね。邪推したくなります。やれやれ。これで来年度も自分の仕事
        +山ほどのコンピューターがらみの仕事を背負わされるのでしょう(泣)

からあげ
調理実習の貢ぎ物(笑)


1月18日(木) 忘れてました(^^;)

        推薦入試の受験生のデータベースを作るためにファィルを作った。まぁ、ただ氏名や中学校名や
        性別などを入れるだけの、ただのファイル。でも推薦の場合、願書受付から試験日まで期間が
        極端に短い。そのためすぐに入力して各部署へそのファイルを配布しまくらねばならないため
        迅速な入力が求められる。ったってたかだか120名程度のデータですからたいしたことは
        ないのですが、それでも入力は極力楽な方がいいに決まっている。おまけに今まではほとんど
        一人でやっていたのだが、今回はK、N両先生も入力するということで、いつものように
        自分しかできない変則入力仕様ではまずい(笑)そこで初心者の方でも入力しやすい入力
        フォームを作らねばならなくなった。確かにデータベースソフトのAccessあたりだと、細かい
        色々なことができるけど、後々のデータの使い回しや、他の人たちの使いやすさも考えて
        Excelで作ることにした。

        さてそこで今回初めて、郵便番号から住所に変換して入力できるという辞書機能を使えるように
        なった。今まで聞いたことはあったが、実際に自分で使ったことはなかったのだ。しかし噂には
        聞いていたが、どう設定するのか全然分からなかった。そこで色々Excelのメニューをひっくり
        返したり、ヘルプを見たりしたが分からなかった。そして悩み調べまくること1時間、そうか
        辞書の方にあったのか...ってなかなか気付かない私って...。郵便番号を入れて変換
        すると住所が出る。よしよし。こういう機能って、ふだん年賀状ソフトなんかでは気軽に
        お世話になっているけど、いざ自分が他のソフトで設定しようとすると、なかなか分かりづらい。
        『なるほど。IMEのプロパティから郵便番号辞書というやつを選んで、この補助辞書という
        ところに設定して、変換するときにF3を使って...フムフム。』こうやってひとつひとつ、
        自分で苦心して見つけた機能は、意外と身に付くものなのです。

          「あっ!S先生、知ってました?郵便番号を入れると住所が出てくる辞書の設定の仕方?」
          「えっ、それって2年ぐらい前に教えてあげたじゃない。」

        教訓:自分で苦労しないとすぐ忘れる(笑)


1月20日(土) 土曜は一日勤務

        昨日はおさぼり(^^;)私用で休みました。さて本日は昨日の分も含めて山のような仕事が待ち
        受けていました。まずメインはPTA理事会。特に広報関係で、3学期に出す冊子の打ち
        合わせ&来年度の委員長決め。その後なぜか3学年の父兄に混じって、卒業記念品やら
        謝恩会の打ち合わせ。そして全体会等々。

        とまぁここまでなら通常半日業務。ここからが本格的な仕事。まずは生徒が残って
        ホームページ作りをしたいというので、様々なアドバイスをしたり、スキャナで画像を
        取り込んであげたり...。それと並行して、頼まれ仕事3件。メール受信がひとつと
        またまたコンピューター調査。いったいなぜこんなに何度も、やれおたくの学校の
        コンピューターは何台?でOSは何?使っているソフトは何で?それはプレインストールか
        アカデミックパックか?その結果を至急ファックスで送れ...こんな調査がまたまた
        来ている。もうどこの部署からの依頼か知らないが、こんなことって、同じ内容が年に
        3度はある。いい加減上の方も省庁再編したのだから、もっと横のつながりを持って、
        資料の再利用をやって欲しいものだ。こっちも毎度同じことを返答しているので、いい加減
        嫌になってくる。なら同じものを送れば良さそうだが、これが微妙に違うから厄介。
        そしてもうひとつはやっとフレッツISDNになりそうなのだが、その契約についての
        細々とした契約事項の確認(学校などお役所はこういう事務手続きが面倒)おまけに
        情報処理室のモニタは壊れて映らないし...。もうやってられない。あーあ、先生って
        授業だけしていればいいと思っていたのに、それ以外の仕事がもっと多いとはね...。
        こうして仕事は夜まで続くのであった。

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