傾湫倒嶽たる 5月 上旬 編
5月1日(火) 生徒との距離
もしかしたら今日書く文章はある意味批判と取られるかもしれない。でも最近特に私が感じていることを書いただけで、特に
誰かを非難したりするつもりは毛頭ない。本当に他意はないのでご容赦を。
本日と明日は球技大会。全校生徒が参加して、クラス対抗でバスケ、バレー、サッカーなどが行われる。私もホームページ用の
素材集めということで、情報部長としてはデジカメ片手に、あちこちに出没。生徒からは「先生も好きだねぇ。」と言われつつも
内心『好きなわけねぇだろ。仕事だよ!仕事!』と毒づきながらあちこち回っていました(笑)そんな中、体育館やグランドを
回っていて気が付いこと、先生の数が少ないと...。確かに進行担当の先生と、自分のクラスを応援している先生も
ちらほら..いや自分のクラスが試合をやっていても、応援にいない先生もいる。多分他の競技と重なってしまって応援できない
のだろう...。でもそれにしてもその他の先生たちはどこ?校舎内に戻ると、その姿の見えない先生たちが、仕事をしていた。
(実は私もそのうちのひとり(?))どうやらあまり会場へ足を運んでいない様子。うーん、どうなのかなぁ、こういうのって。
昔を良く言うわけではないけれど、うちみたいな底辺校の先生って、以前はこういう行事になると、必ず生徒の近くにいた。
それは見ていないととんでもないことをやらかすから(^^;)という本当の理由もあったのだが、そうでなくてもみんな日頃勉強では
死んでいる生徒が多いので、こういう身体を動かす行事には、ここぞとばかり輝いている生徒も多く、その瞬間を間近で応援
しよう、そういう先生が多かったように思う。別に担任でなくても授業や何かで接点があれば、一生懸命応援していたように
記憶している。常に先生方もこういう行事は生徒ともにあったように思う。試合がなくても体育館やグランドで、待ち時間を
持て余している生徒と、よくくだらない会話をしながら盛り上がったものだ。それが何かのコミュニケーションとして、生徒との
距離を縮めていたような気がする。単純かもしれないけれど。
でも今日はそういう感じはあまりしなかった。確かに熱心に応援している担任の先生の姿は若干認めるものの、全体的に先生の
姿をあまり見かけなかった。みんな準備室とかにこもって仕事をしていたりするらしい。なんか生徒との距離が少しできてきた
ような気がする。確かに生徒の行事だから、生徒が進行して自分たちで盛り上がればそれでいいのだが、なんか違和感を感じる。
忙しいのはわかるけど、仕事は二の次にしてもっと生徒の様子を見てあげればいいのに...。どうもそういう先生が増えている
ような気がするのは私の思い違いだろうか。そういえばそういう生徒と先生の距離感が変わった、そういうことを感じることが
このところ多い。例えば以前にある成績会議でのこと。テストをして点数が足りないので、ハイ、単位不認定です、っていかにも
ビジネスライクに割り切っている先生がいた。本当は違うのかもしれないけれど、外からはそう見えた。確かに勉強しない生徒が
悪いんだろうけど、その前にじゅうぶん手を尽くしてあげたのだろうか。「きちんと提出物を出すように言ったんですけどねぇ。
でも持って来ませんでしたので。」それはそれで仕方のないことだとわかるが、そこに至るまでに、生徒を頑張らせるように
先生の方から働きかけたのだろうか?何か割り切れないものが残った記憶がある。またこんなこともあった。ある先生が授業中
騒いでいる生徒を怒って、教室を出ていくように言った。そこまではまだいいけど、後できちんと呼んで、なぜ怒られたのか、
なにがいけないのか、きちんと話して指導するのが普通だと思う。ところがその先生は、怒りっぱなしで、担任に報告したのみ。
後のフォローが何もなかったらしい。これってまずくないのか?他人事ながら、その生徒と先生の関係が悪くならないか心配して
しまった。
そんな感じで、何か違うような、割り切れない違和感を感じる出来事がこのところ多い。確かに生徒が良くて、自分たちで考え
自分たちで企画してやる球技大会ならそれもOKだろう。生徒会的な行事として先生たちがノータッチでも、生徒の自主性が
はぐくまれるなら。成績不振の話にしても怒られるにしても、生徒側に自覚があり、よく自分たちの非がわかっているなら
それもOK。特に珍しいことではないのかもしれない。でもまだうちの学校は、というか生徒の意識はそこまでいっていない
んじゃないかなぁ。まだまだ生徒の中に入っていって、言葉は悪いが面倒見てやって、一緒に遊んでやって、様々な場面をともに
共有していかないとだめなような...。それでしかまだまだ信頼関係を築けないような気がするのだが、過保護すぎるだろうか?
何も熱血的にあれもこれもと手出しする必要もないが、もっと昔みたいに生徒と積極的に関わってもいいのではないかと思う。
実はここ数年そういうことを強く感じるのだ。
で、その原因は...こう書くと怒られるかもしれないけれど、あえて誤解を恐れずに言うと、進学校あたりから転任されて来た
先生たちにこういう傾向が強いと思う。その先生たちが昔いた学校は良い学校だから、こちらが何も手助けしなくても自分たちで
やれるし、何かあったとしてもよく自分たちの立場をわかっている。だからそういう接し方というか指導で通用していたんだと思う。
そしてそういう指導の仕方に慣れてしまったため、ついついそういう感じで、うちの学校でもやっているような気がする。もちろん
そうでない先生も多いけれど、どちらかというと私みたいに底辺校を巡っている者としては、『もっと生徒との距離を縮めて
生徒の中へ入ってくれればいいのに。』と感じる人が多い。こういうズレを感じるのは、うちが底辺校から少しずつ変わりつつある
からだろうか。それとも私が手をかけすぎなのか?そんなことを真剣に考えてしまった本日でした。(たまには真面目な
O−TEACHER(笑))
5月2日(水) 球技大会なのさ
球技大会2日目。相変わらずカメラ小僧としてあちこち出没。昨日よりも盛り上がっていた感じで、なかなか楽しそうでした。
特に決勝あたりの3年生は、みんなうまくてとても盛り上がっていました。特に男子は女子の応援が入ると俄然頑張って(笑)
バスケットなど、女子の歓声を一身に集めたいがため、無理に3点シュートをねらう奴もいたりして(^^;)でもこういうところで
クラスの一体感が培われるのですね....。と勝っているクラスはいいけど、早々と負けたクラスの方は、全然盛り上がらず
みんなでぼーっとしているか喋っているだけ。こういう運動系の行事が不得意なメンバーの集まっているクラスは、どうしても
落ち込みがち。まぁ、他で頑張ればいいのだろうけれど、何となく寂しげ。
そんな中、またまた我が副担クラスのひとりが、頑張りすぎて骨折...。担任が医者へ連れて行くために、またまた担任代行。
唯一決勝に残った女子バレーを応援するも、惜しくも負け。残念でした。そんな感じでバタバタ過ごした一日でした。やっと明日から
また連休。やれやれ。
5月7日(月) 柄にもなく
連休明け...死んでます。GWは卒業生とテニス&フリーマーケット冷やかしで過ごしてしまいました。ゆえにまだ疲労が残って
いますが、仕事は待ってくれません。さて本日から平常授業ですが、生徒もこちらも何か今ひとつノリが悪い。生徒もお疲れ
モードなんでしょう。仕事の方は細々としたものがまたいくつか。ひとつは県の教育委員会から仰せつかったHPの素材提出の件。
学校PRやらを教務部のH先生協力の下、とりあえず耳を揃えて無事完了。そしてお次は教科の年間授業計画表。こんなのも
さらっと適当に(笑)書き上げる。その合間合間に教材研究。本当はこれが一番大事なはずなのに、いつも後回し。教員も
年数だけ食うと、同じ教材が出てくることも多く、その今までの蓄積(と言えば聞こえは良いが)で、たいして下準備しなくても
何とかやれてしまう。ひどいときになると、授業で教えながら『あっ!こんなこともあった!』なんて急に思い出して、説明を
付け加えたりして...。今年某進学校に転勤したJ先生によると、そういう学校では先生方は連日教材研究に余念がないそうです。
生徒のレベルも高いから、難しい質問を受けても即答できるように、教員も日々勉強の毎日とか...。うちみたいな学校では
基本というか中学校レベルのことを復習することも多く、私みたいに教材研究がおざなりでも何とかなってしまう現実。
いけないんですけどね。授業以外の仕事が忙しくて、満足にプリントも作れない日々。そういえば前にプリントを作ったのは
いつだろう。
でもまぁ、うちみたいに勉強ができないというか、好きじゃない子が多い学校では、こういう基本の繰り返しというか、丁寧に
基礎から教えることも大事だと思うんですよ。高校といっても、国語の先生は、中学校の漢字から、英語の先生はBe動詞から、
数学の先生は分数どころか割り算から。ずーっと昔につまづいてわからないまま来てしまった子たちに、一から教え直す、
そういうことも大切でしょう。私も古典では文法事項なんて5%もやりません。まずは古典アレルギーを治し、昔の人も今の人も
風習・文化が違うだけで、同じ人間だった。同じようにクソもすれば飯も食う、恋もすれば馬鹿もやる。そういうところを
ただひたすら話しながらやっています。それでいいかどうかはわからないけどね。
最近では学習内容を大幅にカットして、例えば円周率を3.14じゃなくて3で教えるとか、そういうことをして詰め込み学習を
なくしていく方向のようだけど、それもどうかと思いますけどね。けっこうこの件に関してはマスコミのバッシングも強く
「学力低下を懸念する」的論調が目に付くけど、ついこの間までマスコミは、色々な若年層の事件が起きるのは、学力偏重・
偏差値教育の弊害・詰め込み教育が原因なんて書き立てていたけど、今度内容を削減するというと、これだものね。まぁ、
どちらがいいかよくわからないけれど、現場では各々の先生方がみんな工夫を凝らして頑張っていますよ(えっ?私は?(^^;))
何かまたまた真面目なこと書いてしまった。そういうHPじゃないのに...。とりあえずGW疲れということで面白いネタは
ありません(笑)
5月8日(火) 派遣してもねぇ
また私の手元に雑用が回ってきた。それは情報処理技術者派遣事業についての通知だった。これは何かというと、どこの学校でも
やれコンピューター導入しろ、インターネットに接続しろと、県の方では奨励しているが、実際現場の方ではなかなか進まない。
何度も書いているが、現場では、ちょっとコンピューターに詳しい先生方が、思いっ切り自己負担で色々なコンピューター仕事を
やっているのが現状。また学校によっては詳しい人がいないケースもけっこうある。で、そういう状況を少しでもフォロー
しようとして、県の方から、希望校には専門家を短期間派遣するという事業をやっているのだ。民間の情報処理技術者を
学校に派遣して、コンピューターの研修や操作技術の補助や助言などをしてもらうというもの。実は以前うちの学校も来てもらった
ことがある。
しかしこれが結構いろいろあるのだ。例えば人数。希望すれば必ず来てもらえるかというとそういうわけではない。かなりの倍率に
なる。おまけに期間だが5日間。すんげぇ短期。だから来てもらっても情報の授業の補助とか言っても、ほとんど難しい。
うちの場合も、以前来てもらったときは職員の研修でExcelなんかをやってもらったくらい。でもその仕事内容については
アプリケーションソフトの講習会、インストール等の技術支援、ハードウェアの環境作り、ソフトウェア開発等に係わる援助とか
やってもらえるらしい。でもこんなに短い間で何ができるのだろう。ちょっと疑問。で、その派遣されてくる人たちは、
情報処理技術者の資格を持っている人たち...つまりシスアドとか第1種情報処理技術者、ネットワークスペシャリストなど。
じゃ、俺でも多少できるじゃん(笑)でも以前来てもらった人は1種持ってたっけ。
つまりなかなか有効に使いづらい制度なのだ。なるべく多くの学校にという趣旨はわかるが、こんなに短期じゃ、学校の
システムを理解してもらうだけで終わってしまう。その上で問題点を洗い出し、どうすればいいのかアドバイスをもらえれば
一番良いのだが。で、以前来てくれた人に、そういうことを相談したとき言われた言葉。「学校ってこんなに遅れているんですね。
(民間の人だから)先生方もコンピューターをある程度扱えるようにすることと、もっとハードの面を充実させないと、根本的な
解決にはなりませんね。」だから予算も人もいないのよ。つまり現状の改善は無理ってこと?(笑)やれやれ。こういう専門家の
派遣って、とってもありがたいけど、これに使う予算があるなら、各学校にそういう人を一人ずつ配置して欲しいと常々思って
おります。そうすれば私の負担も減るから(^^;)
5月9日(水) 打ち合わせの日
精神的にへこんでいます。少々お疲れモード気味か?さて本日のお仕事日記。授業の方は持ちネタ炸裂でバカ受け。機嫌
良し(ニコニコ)仕事の方は色々あり。まずは同じ情報部のN先生と企画した職員向けコンピュータ講習会の打ち合わせ。
とりあえず先生方に少しでもコンピューターにさわってもらい、我々の負担を軽くしようと(逆にヘルプが多くなり大変かも)
講習会を中間考査の午後にやる予定。「Windows入門」「ワープロ(Word)初級」「表計算(Excel)初級」「インターネット接続&
Eメール」と4講座を予定。希望者対象に企画中。果たしてうまくできるのか?その分担やマニュアル作りの打ち合わせなどをする。
そしてその次に中間考査が近いもので、S先生などとテスト範囲の打ち合わせ。そろそろ試験問題も考えねば...。そして
放課後には連絡調整委員会。やれやれ、今日は打ち合わせづいています。その会議の中で、来年度のことが話し合われた。それは
来年度から週5日制になるということ。今まで通り土曜日などにやっていた行事などでについて、どうやっていくのか、そのまま
平日にずらした場合、かなりの授業がつぶれる。生徒は嬉しいかもしれないが(いや私も嬉しいけど(^^;))それも本末転倒。
そこで全校的な行事等のスリム化を目指して検討していくことになった。我が情報部はまだ全校的な行事に関わりはないけれど
いよいよ学校も節目に来たと実感。今後どうなっていくんでしょうね(>ひとごと)
5月10日(木) テスト作りピンチ!
まだ再来週ではあるが、仕事の早いO−TEACHERとしては(^^;)中間テストの問題作りに取りかかった。というか、うちの
科目の場合、学年共通問題にするため、事前に教えた内容や出題傾向について打ち合わせておく必要がある。そのため早めに
テストを作って、他の担当者に見てもらって、いちおうこんなの出しますよ、っと確認してもらうため早めざるを得ないのだ。
そうしないとテスト直前に出来上がって見てみたら「こんなの教えていない!」状態になって、ある担当者のクラスだけ赤点
ぼろぼろとなってしまうからだ。
で、今回3年の現代文の中間テストを作ることになったのだが....あっ!教科書の本文がない!ということに気づいたのだ。
つまりテスト問題を作るときには教科書の本文が必要。傍線部1の語句について...なんて問題も、当然本文がないと出来るわけ
ない。その教科書の本文は普通フロッピィベースにして、教科書会社がサービスで配ってくれたりする...ところが、今年度のが
ないのだ。いくら探しても見つからない。あったと思ったのに...。で、2時間ぐらい探して見つかったのは、かなり古いやつ。
フロッピィモードがPC98用の3モードだし、内容も改訂前のもので使えない...。おいおい、○○学習社!すぐ持ってきて
くれーっ!テストが作れないーっ!またこういうときに限って、学校周りをしてくる担当者の名刺も見つからなかったりする。
仕方がないので直接メールで依頼してしまいました。うーん、このおかげで大幅に今日の予定が狂う。その他漢字検定の
とりまとめや他の仕事をこなすつもりだったのに出来なくなる。うえーん、急がしいよー!