傾湫倒嶽たる 5月 中旬 編



5月11日(金) 本当の先生

        このところ2年生の方で、頭髪検査に巡るちょっとした騒ぎが起きている。まぁ、たいしたことはないが、生徒の方から頭髪検査が
        厳しすぎる、茶髪を自由にして欲しい、ということで、一部の生徒らが署名集めをしているらしい。今までだったらそんな積極性が
        なかっただけに、ある意味ではすごいとも思う。でもそうなると校則改正やらで色々と複雑なことになるのだが、どうやらそこまで
        いかないというか、単に一部の生徒の不満が表出したようなことであるらしい。そして今は鎮静化に向かっていると聞いた。まぁ、
        うちの学校の場合、近隣の学校に比べてけっこう厳しくやっている方である。生徒自身も他校と比べて厳しすぎるという実感が
        あるのだろう。でもこういう校則ですとわかって入学してきて、それは嫌だというのもどうかと思うのだが、今回はその茶髪を巡る
        是非についてではなく、違う観点で感じたことを書く。

        実はこの頭髪検査騒動、事の発端の一つに、2年生のある男の先生が、女子の頭髪検査の時に、あまり気遣いもなくぐちゃぐちゃ
        と触って検査したことにある。いや、べつにセクハラ教師とかでなく、ただ昔気質の先生で、今まで通り頭髪検査のために髪の毛を
        いちいち触って確認していたらしい。それがやはり女子の間ではとても嫌で、嫌悪感を感じるものが多かったらしい。まぁ、誰
        だってそうだろう。私だって嫌だ。特に女子高生にとっては不快感きわまりないことだったのだろう。私なんかが女子の頭髪検査を
        するときは「ちょっといい?毛先触るよ。」とか「はい、自分で見せて。」とか言って極力触らないようにしている。自分が嫌
        だからそうするだけだけど。ところがこの先生は、あまりそういうところを気にせず、バサバサ触っていたらしい。まぁ、昔なら
        ともかく今の時代ならやっぱり問題ありかなぁと思う。こういうところに気を遣っていかなければ、これからの教員って(いや、
        昔だってそうだと思うけど)だめなのかとも思う。大きく言えば社会的な意識、セクハラとか人権とか、そういうこととも係わって
        くるのだろう。だからその話を聞いて、ちょっと配慮が足りないかなって気もした。でも私が気になったのは、それではないのだ。
        その先生は確かにそういう気配りに欠けるところはあるものの、実はとても生徒のことを考えて、教育熱心な人なのだ。頭髪検査
        一つにしても、生徒の進路や学校全体のことを考えて、とても熱心にやっているのだ。それが高じて..なんて言うつもりは
        さらさらない。配慮が足りないものの、生徒のことを考えて一生懸命やっているのは、端から見ててよくわかる。でもそれが
        生徒にはなかなか伝わりづらく(ある意味、悪役というか憎まれ役を引き受けているところもあり)逆に私みたいに、生徒の
        人権というか、女子の頭髪を触ることに気遣っていて一見、とても優しいように見えるけれども、実はそんなに真剣に生徒のことを
        考えてやっているわけではない先生の方が問題なのではないだろうか。本音を言うと、頭髪検査なんて面倒だなぁと思いつつやって
        いる。でも生徒の方から見ると、表面的には私の方が、生徒を良く理解してるように見えるらしいのだ。この矛盾...。

        時代とともに教員も、社会のニーズというか、人権も含めて色々なところに配慮しなければならないのは当然で、それこそ変わら
        なきゃいけない時代になっていると思う。でも本当に生徒のことを考えて一生懸命やっているのは誰か?それはとても大切なこと
        だと思う。そういう先生が実はたくさんいることが、生徒の眼から、保護者の眼から、そして社会から見えづらいのは残念なこと
        だと思う。先生も替わらなきゃいけない時代、でも大事なことは忘れたくない。


5月14日(月) 教えているようで

        週明けで疲れてます。週末はちょっと気晴らしに遠出をしたので、かえって疲れてしまいました。でも今週もハードな仕事が山積みで
        四の五の言ってられません(笑)さて本日は漢字検定の申し込みの取りまとめ作業に終始。例年なら20名集めて、学校で受けさせ
        る準会場校となるのもなかなか大変で、昨年度まではかき集めてきて20名確保したのですが、今年はなんということか、52名も
        集まってしまいました!前代未聞!それだけ学習意欲というか資格取得というか、変わってきたねぇと実感する出来事。これも
        ひとえに各国語科の先生たちの勧誘のおかげ。多謝。しかしあまりにも予定外の人数だったため、担当係の私は大慌て。名簿作り
        や集金、申し込みと、授業の合間におおわらわ。ばっといっぺんで受験料も申込書も集まればこっちも楽なんだけど、まだまだそこ
        までは行きません。大事な申込書だというのに、鉛筆書きの奴、お金を忘れる奴、記入を間違えている奴...。そういうのを
        ひとつひとつ訂正させたり確認させたりしているので、なかなか捗りません。こっちですべてやった方が楽なのですが、その場で
        鉛筆を消させてボールペン書きさせて「いいか、こういう大切な書類は普通ペン書きだぞ。」と教えたり、お金を忘れたものには
        「本来なら期限切れで受けられないんだぞ。今回は一日待つけど今度からはだめだぞ。」と注意したり、「ここに『フリガナ』って
        カタカナで書いてある場合は、普通カタカナで書くもんだぞ。ひらがなを消してカタカナで書き直しなさい。」と言ったり...。
        こういうことをひとつひとつ指摘してやっているのです。ふぅーっ。

        でもこういう一般常識(とまではいかないかもしれないけれど)を、今まで知らないで来てしまっている子が多いのです。昨年度も
        内定の決まった就職先へ提出しなければならない書類を送るとき、はたまた大学へ出す願書の封筒も、「行き」のまま出そうとして
        している子が多数。それもひとりひとり「これは消して『御中』って添え書きするんだよ。」と教えましたっけ。そういうことこそ
        大事な勉強なのです。そんなことを考えつつ、漢字検定の申込書集めをしていました。

        でも考えてみると、自分は高校生の時、そんなこと知っていたかなぁ?怪しい...。教員になってからだって、例えば結婚式の
        披露宴の招待状の返信も、こうやって書くもんだよって、その当時の年輩の先生に教わった記憶が..。うーむ、こう考えると
        まだまだ知らない社会常識はいっぱいありそう。生徒に教えながら自分も学ばないとね。


5月15日(火) ひとりでこっそりビデオ視聴(笑)

        来週から中間テストだが、その午後を使って情報部主催の講習会をやることになっている。初心者向けにパソコンの基礎を教え
        ようというのだ。ただでさえ情報部は何やってんの?と思われがちなので、ここはひとつPRもかねて、先生方に是非習熟して
        もらおうと考えたのだ。講師は私とN先生。二人で2日間「Windows基本」「Word初級」「Excel初級」「インターネット&Eメール」を
        やることにした。私の方はExcelとインターネットの方を担当することになった。さてやるというからには、せっかくだから少しでも
        わかってもらいたい。そこでそのために、うちの学校だけでしか通用しないマニュアルを作ることとした(笑)世間一般には色々と
        初心者向けのテキストなどがあるが、所詮一般向け。そこで教員のための、こういう教師仕事の時はこう使え的な、それもうちの
        学校の仕事で使う上で、こういうやり方・使い方がベストみたいな、ある意味他では絶対使えない、セオリー無視の裏マニュアルを
        作ろうと考えた。もちろん今回は初心者向きなので、難しいことは出来ないが、別にたいして意味なんか説明しないで、いっさい
        無駄な機能は省き、こうやれ!そうすれば楽!(笑)これを基本線にして作成することにした。

        さてそこで色々とマニュアル本を漁ってどう作ろうかと、このところ連日考えていたのだ。そういうところは渡りに船で、教務部の
        H先生が良いものを貸してくれた。それは(多分)ケーブルテレビとかでやっている教養番組の中の、パソコンの使い方をやっている
        ケイコとマナブ(?)を録画したビデオだったのだ。H先生曰く「こういうのってけっこうバカにしていたんですよ、たいしたこと
        ないって。ところが見てみるとけっこう良いですよ。予想外にわかりやすくてけっこう使えますよ。良かったら参考にしてみます?
        PhotoshopとかIllustratorなんてとっても参考になりました。」それなら是非。達人のH先生が言うなら見るにしくはない。ちょうど
        悩んでいたところなので、早速お借りした。

        とは言っても忙しくてなかなか見る暇はないが、授業の合間を縫ってどこかで見ようと考えた。ビデオが見られる部屋は、視聴覚室
        をはじめ色々あるが、近いところでは××科教室とかがある。そこで××科のとある先生に「すいません、3時間目××科教室
        空いてますか?」「うん?空いてるけど授業で使うの?」「いえ、ちょっと見たいビデオがあるので...。」「ふっふっふっ、
        O−TEACHERも好きだなぁ、昼間っから。でもボリュームは落としてよ、聞こえるとまずいから。あっ!ダビングするの?俺も
        時々やるんだよ。」違うって、オヤジ!(笑)

        そんなわけで早速お借りした「Excel2000基礎」と「Win98基礎」を一人籠もって見た。うーむ、なるほどよくわかる(笑)なるほどね。
        そうかぁ...。納得納得。だいたいヘビーユーザーになると、自分なりのやり方というものが確立されていて、自分独自のやり方で
        日頃やるもんだけど、実はこういう基礎基本というのがおろそかになっている場合が多い。コピーの仕方一つ取ってみても、様々な
        やり方があるのは知っていたが、こうやれば一番簡単で初心者でもわかりやすいとか、手順が少なくて済む、そういうのが意外に
        知らなかったりする。眼から鱗状態でした。本当によくわかった。また説明の流れも、これを理解したらこれも派生的にわかるし、
        これが理解できたら次のステップに進みやすいなど、体系化やツボを心得た流れに偉く感心した。ほとんどは当然ながら知っている
        ことばかりだが、教え方というかキモというか、このキーワードで説明するとわかりやすい、このたとえで言えば理解しやすい、
        そういうのが随所にあって、ほとほと感心した。うーん、これを元にマニュアルを考えた方がいいかも。またこう説明した方が
        先生たちにもわかるかもなぁと考えさせられ、勉強させてもらいました。侮りがたし、レッスンビデオ!(笑)さてこれを参考に
        マニュアルでも作るか、よしよし。

          「おっ、O−TEACHER、嬉しそうだなぁ、ニコニコして。おっ、そうか、ビデオ見てたんだっけ?満足だったようだね。
           そんなに良かったの?」

        だから違うって!(笑)


5月16日(水) マムシ騒動

        昨日の朝、学校の先生たちの下駄箱でマムシが見つかった。用務員さんが捕まえて瓶へ詰めた。オイオイ、あぶねぇじゃねえか、
        咬まれたらどうすんだよ、って感じ。それでその件に関して教頭から詳しく報告があった。もちろん毒を持っているから生徒に
        気をつけるように、今時の生徒はマムシなんてよく知らないから、からかって咬まれでもしたら大変だから、余計なことはするなと
        連絡してくれとのこと。用務員さんによると、本校は開校20年になるが、その20年前ぐらいには見たことがあったが、ここ
        最近はずーっとマムシなんて見たことがないとのこと。確かにうちの学校は周りが田舎で、近くにこんもりとした森なんかが点在
        しているが、それでもたまーに蛇を見かけることはあっても、まさかマムシが出るとは知らなかった。実はうちの学校のすぐ
        近くに、今度電車が通るため学校のすぐ近くの大きな森を伐採しまくっているのだ。多分その影響で出てきたのだと思われる。
        うーん、自然破壊の思わぬ余波。マムシも住む場所がなくて追い出されて出てきたのでしょう。そして教頭が言うには「で、
        捕まえた場所は職員玄関ですので、いつまたそのあたりに紛れ込むかわかりません。ですから下駄箱を開けるときは注意して
        ください。」おいおい、靴を出すのも命懸けかよ。靴履いた瞬間、靴の中にマムシがいてガブッ!なんて洒落にならないしなぁ。
        そんなことでマムシの話題でひと盛り上がりだったのだ(ある意味のどか?)

        さてその続きとして、本日保健の先生より、マムシ対策について連絡があった。わざわざこんなことを朝会で連絡するというのも
        変だけど仕方がない。「で、マムシですから、当然咬まれたら血清が必要になるわけですが、連絡を取ってみたところ、この近辺の
        病院にはありません!」おいおい。「市の保健所に問い合わせたところ、1本だけあるそうです。」こんな都市部ではマムシなんて
        考えられないのでそんなもんなんだろう。そこで保健の先生は、わざわざ救急処置の本から探し出してきたのだろう、毒蛇に咬ま
        れたときの救急法のコピーが配られた。ところがそれにちょっと待ったがかかった。そのコピーには、毒蛇に咬まれたときの対処と
        して「傷口から口で血を吸い出しすぐ吐き出す、そして毒が回らないように上部を強く縛り...」と書いてあった。これが多少
        問題あり。最近では血液関係の病気が多くなり。むやみに他人の血を吸い出すのはどうかと...。エイズとかもあるし...との
        こと。なるほど。こういう昔の救急法ではまずいケースもあるのではとの指摘。そうかぁ、マムシの毒吸い出しにエイズとは
        結びつきもしなかった。そういうことまで体育の先生は考えるのね。ちょっと感心。とりあえず生徒には「蛇を見たら逃げろ。頭が
        三角形のものは毒蛇の可能性がある。普通の蛇は人間を見たら逃げるけど、こっちをじっと見ていたら毒蛇の可能性あり。
        むやみに近づかずガンつけられたら逃げるべし(笑)」やれやれ、朝からとんだ騒動でした。これも驕れる人間たちの、
        環境破壊への警告でしょう。

        ところで捕まえて瓶に入れられたあのマムシは?K先生曰く「酒入れてマムシ酒にすっぺぇ。旨めぇぞぉ。」おいおい。


5月17日(木) 修学旅行選定

        まだ1年生なのにすでに修学旅行の選定。早いと思われるかもしれないが、200人規模の人間が、大移動してホテルや電車を
        確保し、また何を目的でどこへ行くかということになると、もうすでに候補地を絞って押さえておかないと間に合わないのだ。
        そのために1年次より修学旅行の積み立ても始めるし、その旨も保護者に伝えなければならないので。

        というわけで先日学年会議の中で候補地について話し合われた。うちの学校の場合はスキー修学旅行ということが続いていて、
        その体験学習的なものも好評なので、本学年もスキーということになった。さて問題はどこへ行くかということなのだが、例年
        秋田の田沢湖が多かったのだが、昨年度は北海道の富良野。いちおう当該学年が決めるということになっているので、職員の
        希望というか意向が反映される(^^;)で、学年主任の方から旅行業者に、だいたいの日程とスキーで、という条件を出して
        見積もりも含めて提示させた。そして3つほど候補が絞られた。どれも一長一短ありで決め手には欠けるが、まぁ可もなく
        不可もなくという感じでどこでも一緒のような気がした。ただ唯一心をひかれたのが、ある業者の持ってきた長野方面の
        スキー修学旅行。オプションとして、オリンピックでも使用されたMウェーブでスケートが出来るとか、体験でリュージュとか
        ボブスレーが出来たり、はたまたカーリング大会もできるという、ちょっと面白い企画だったのだ。こういう未体験ものは、
        好奇心旺盛の私としては一度やってみたいと興味をひかれました。でも結局その場では決まらず、いくつかの疑問点を問い
        ただし、同じ人数や行程で揃えてみて、その上で日を改めて検討しようということになったのだ。

        ところが次の日から業者の売り込みが加熱してきた。一部では担当のMさんが、ポカが多いからなぁ、という噂が流れていたが
        すぐ次の日に上司を伴って再度アピールしに来た。窓口は学年主任一本化ということにもかかわらず、形勢不利と見るや、
        1学年の先生全てのところにPR回り。今日び、高校生の数がだんだん減っている昨今、少しでも確保しないと死活問題にも
        関わる修学旅行担当者の面々。まさに日参する勢い。すさまじきは宮仕え...じゃなくて業者なり。

        で、そのとある旅行業者のMさん、というよりM君と呼べるほどの若手。まだまだ営業に世慣れていないのか、わがままな教員
        たちの注文や質問に四苦八苦の様子。他の社のベテランの営業なら、軽く受け流せるようなことも、まだまだ出来ていない。
        例えば冗談で「修学旅行中の教員の食事は、毎日ステーキが良いなぁ。」なんて言うと、もちろん冗談だからベテラン営業マンとも
        なると「いやー、先生方の健康を考えて、バランス良く用意させていただきますよ。」って、サラッと流せるのだが、そのM君、
        そんな冗談でも言おうものなら「はっ、はっ、はい...。ヒレは無理ですけれども...えーと、はい、社に帰って検討させて
        いただきます!」と答える始末。だから冗談だって!今時教員だって、そんな接待とか賄賂とかを求めるような人はいないって。
        それにみんなもう爺なんだから、肉ばっかり食わないって(笑)私なんか口が悪いものだから、また冗談で「バスガイドは若くて
        可愛い子がいいなぁ...えっ?病人が出たときのために無料で看護婦さんをつけてくれるって?じゃあその人の顔写真を見たい
        なぁ...」なんて言おうものなら「至急手配します!!」と言いかねない(もちろんそんなこと冗談だって言いません
        よ(念のため))まだまだ営業畑に慣れていない感じ。でも負けずに頑張れ!M君!

        あれ?話がずれたなぁ(笑)そうそう修学旅行選定の件。そこでまた本日その話し合いのための学年会議があったのだ。その後の
        追加情報などが盛り込まれ、またまたみんなで熟考。そこで話題になったのは、ゲレンデのレイアウトなど。ただ単に滑りやすい
        というだけでなく、初心者コースの多さ、一般客が来る度合い、滑れない生徒への対応、スキーだけでなくその他のオプション
        (絵付けなどの郷土色豊かな体験)そして何よりも掌握のしやすさ。今の学年は生徒200人規模だけど、おそらく引率する教員は
        10名しかいない。以前のように10クラス規模なら、教員も沢山いて、お互いにフォローしあえたが、職員が10人となると
        人手が足りなくなること必須。そこで掌握のしやすさ、教員の配置・分担がしやすいことが大事なことになる。それをふまえた上で
        様々な話し合いの末、多数決で何とか決まる。やれやれ。

        でもその時私はいるんでしょうか、この学校に?(笑)


5月18日(金) 増えた仕事

        世間ではITとは誰も言わなくなってきた今日この頃、当たり前のようにコンピューターが日常生活に氾濫しているが、学校も
        少しずつ電脳仕事が増えている。だからこそ私のような情報部という、まるでKGBのような仕事をやる部署ができるわけだが
        それにしても、こんなにコンピューターで何もかにもやらねば本当にだめなのだろうか?確かに事務処理の効率化って、とっても
        大切で、それに手間取られていた時間を他に回せれば、とっても有効だとは認める。でもなんか最近、コンピューターのせいで
        かえって忙しくなっているような気がするのは私だけか?

        たとえば以前だったら考えられなかったが、毎朝メールの処理の時間に30分ほど取られるようになった。学校のメールアドレスを
        公開しているせいで、色々なところから毎日沢山のメールが来る。ほとんどが教材の売り込みや教育関係の無駄メール、はたまた
        アダルト関係のダイレクトメール(笑)不必要なメールばかりなので、斜め読みして捨てるのだが、時々大事なメールも混じって
        くる。保護者からのメール、他校の先生からの連絡、中学校からの問い合わせ、進路関係の大事な連絡等々。これらをチェックして
        各部署にプリントアウトして届けるのに、意外と時間を取られる。確かにそういう仕事も情報部の仕事だからやぶさかではないが、
        以前なら考えられなかった仕事。

        またテスト作りに関することもそう。昔はコピーして切り張りして手書きで、なんら問題がなかったのに、最近はワープロが主流。
        だから一見楽そうに見えるけど、実はレイアウトなどに手間がかかり、また訂正も楽なため、以前より手直しが多くなった。確かに
        見やすいけど、手書きで作っても、うまい人が作るのとさほど差異は感じないのだが...。それにともなって成績処理も、昔は
        教務手帳(通称:えんま帳)に手書きで点数を書き込んで、電卓で計算していて、それで済んでいたのに、最近はわざわざExcelで
        シートを作り、名前を張り込んで関数入れて、久し振りにやると関数が間違えていたり、はたまた計算範囲が間違えていて数値が
        狂ったままになって気づかなかったり...。かえって手間がかかっていたりする。本当にコンピューター化ってメリットが
        大きいのかなぁ。

        教員の中にはコンピューターを毛嫌いして寄りつかない人も結構いる。情報部長である手前「便利ですよ。簡単ですよ。」と
        言ってはいるが、本当にそう?そういうのが得意な人にまかせてしまって、もっと大事なことに時間を割くべきではないだろうか。
        そんなことも時々思う。コンピューターの前で四苦八苦しているより、放課後生徒と無駄話をしている方が、ある意味大事なような
        気もするのだが...。そういえば昨日、学校における情報教育に関する実態調査という文書がまたまた私に回ってきた。以前は
        FAXで回答し、ここ数年はフロッピィにデータを入力して提出していた。そして今回はとうとうオンラインでやれとの指示。
        ようはホームページ上で入力しろとのこと。こういう感じの簡略化なら楽で良いなぁと思ってやったのだが、よく考えてみると
        コンピューターのできない先生にこの仕事が回ってきたら大変だろうなって思った。コンピューターの使い方、ホームページの見方、
        ID・パスワードといくつもの難関を乗り切り、そしてたどり着いたページでまた色々指示を受けて入力...、うーん、これなら
        手書きでFAXで回答した方が楽だっていう人も結構いるだろうなぁ。そんなことを思った次第。


5月19日(土) PTA総会&学年懇談会

        っうわけで本日はPTA総会&学年懇談会です。例年通り閑散とした出席者ではありましたが(笑)PTAの予算を始め
        様々な学校行事の説明、新旧役員の交替などふつーに進行。昨年度までは総務部で、こういう仕事に携わっていたので、その大変さが
        よくわかる...。総務部も一段と人数も減り、でも仕事の内容は変わらず、主任のM先生がいつ倒れるか心配。

        さてその後、引き続いて学年懇談会が行われた。とは言っても6月に三者面談も予定されており、こちらの方も出席者は各クラス
        10人程度。200人いる学年ですが、出席者は50人にも満たないくらいでした。でもわざわざ来てくれた保護者のために、是非
        学年の様子や学校の様子をわかってもらおうと、色々こちらとしては準備しているわけです。とりあえず学年懇談会では私の司会の
        元(笑)学年主任より学校生活全般について、H先生よりコース選択と学年HPの宣伝(笑)、I先生より校外学習(遠足)に
        ついての話があった。で、無事終了。でも思うに、こういう時にわざわざ学校へ足を運んでくれる保護者はありがたい。それだけ
        学校のことに関心があったり、自分の息子娘のことを気にしているという証拠。でも案外こういうふうに来てくれるとこの子供は
        たいして問題がなかったりする。実は呼んでも来てくれない家庭の方が色々あったりする。これも長く担任をやっての実感。そして
        引き続いてクラス懇談会が催されたが、私は副担任のため出番なし。体育館の椅子片づけなどをするくらいで本日の業務終了。
        でもその裏では担任が、保護者と延々話をされてご苦労様です。新人担任のS先生、大丈夫かな?まっ、親と色々話すのも勉強に
        なりますよ。頑張ってね。

        それにしてもM先生、ごめんなさい。5組だけクラス懇談会の予定がなかったのに、最後に私が「ではこの後、クラス懇談会が
        予定されていますので、4階へ移動してください。」なんて言っちゃったものだから、仕方なく5組もやる羽目に...。
        すいません、ちゃんと説明しなくて。

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