燕雀相賀たる 6月 下旬 編



6月21日(木) 才能と協調性

       出張で2日も学校にいないと...案の定仕事がたまっていました(泣)まずは国語科のコンピューターの購入伺いの再提出。
       実はもう2度ほど出したのですが、2機種ともVAIO完売のため、再考してくださいと事務方より連絡。うーん、予算が
       限られているから、上位機種だったり新製品はだめなようで、何度か変更して出したのですが、仲介業者より在庫なしの連絡。
       事務のCさんからも「O−TEACHER、そんなにVAIOじゃなきゃだめですか?」と突っ込まれる。いや、べつに
       どこでもいいんだけど、一台くらいなんか学校っぽくないコンピュータが欲しかったもんで(^^;)でも結局妥協して他社のに。
       だって普段は国語科に置いてあって、私はあまり使わないので、どこのでもいいやって思いましたので(^^;)

       次に教務部より、ホームページに夏の体験入学のページを作ってくれとの依頼。はいはい、こちらも私の仕事。これもスラッと
       適当にわずか10分でタグを打ち、作成。こんな簡単なんでいいのかしら?その他事務的な仕事が数件。こちらもてきとーに
       片付ける。やれやれ、本当に授業やっている方が楽だわさ(この口調は何のキャラクターだったろう?)

       今、古典の授業で「絵仏師良秀」という話をやっているのだが、芥川龍之介の「地獄変」の元ネタとして知っている人も多いと
       思うが、簡単にあらすじを書くと、絵仏師の良秀という男が、自分の家の燃えるのを見て、炎の描き方を体得し、その後
       背後に炎がある不動明王の絵をうまく描けるようになったという話。その話の最後の時に、芸術至上主義というか、芸のため
       なら全てを犠牲にするという生き方、はたまた才能のあるやつとないやつの違い、みんなはある目的のために全てを犠牲に
       できるか?なんて話をした。スポーツ、勉強、歌、ダンスなどに秀でているやつはいるか?自分の遊ぶ時間を犠牲にしてまで
       打ち込めるものがあるか?はたまた彼氏や彼女のために、どこまで自分を犠牲に出来るのか?なんてところまで脱線して
       しまった。でも聞いてみても、そんなものはないという答えばかり。そこまで自分を犠牲にするほどの人に出逢っていないとの
       答えも...。熱中できることがないのは悲しいこと。たとえマニアな趣味でも熱中できるものがあるやつは幸せかもしれない。
       その熱中し続けるということこそ、ある意味才能なのかもしれない。そんなことを考えてしまった。

       M先生のクラスの文化祭の出し物が、どうやらハモネプになりそうだとのこと。知らない人のために言うと、テレビ番組「力の
       限りゴーゴーゴー」というお笑いグループネプチューンがやっている番組がある。その中のコーナーで、高校生によるアカペラ
       グループコンテストみたいな企画をやっている。最近流行のゴスペラーズ系のハーモニー。それをクラスでやるらしい。でも
       それを聞いて思ったのは、けっこう良い企画だなぁということ。お金もかからないし(声だけだし)コーラスだから、自分だけ
       大声を出せばいいと言うわけではない。他の人の声を聞いてうまく合わせる、いわゆる協調性というか気遣いが必要になって
       くる。ただでさえ近頃の子は、仲の良い友達としか付き合わない、人に合わせない、そういう自分は自分的なところが強いから
       コミュニケーション能力育成のためには、とっても良い企画だと思う。そう考えると、文化祭って勉強だけでは測れない、
       その子たちの持つ才能の発露だったり、協調性鍛錬の場だったりするわけなのです。うまくいくといいなぁと思った次第。


6月22日(金) 使い倒す

       本日は午前中とても忙しくてほとんど座る暇がないくらい。午後もまたまた事務仕事をする。例の情報処理技術者の方も本日が
       来校最終日、ご苦労様って感じ。どうやら私がいない間に、数学科の先生方がVisual Basicを習ったようです。でもH先生曰く
       「全然わからかった。」とのこと。そりゃあそんなわずか1時間習ったぐらいじゃあ、わかるわけないって。プログラムなんて
       そんなに甘いものではない!(笑)「で、結局、マクロってどういうもの?」なんて言っている始末。これはまだまだですな(笑)
       情報処理技術者も大変だ。

       そんな矢先の6時間目。生徒指導部長のS先生がやってきた。で、その派遣されてきている情報処理技術者のH谷川さんに、
       「実はこれについて聞きたいんだけど...。」とやって来た。あれ?珍しいこともあるもんだと思って眺めていたら、とん
       でもない難問(?)このS先生、実は高体連のスキー専門部長をやっている。つまり県下のスキー部の代表で、高校のスキーの
       大会を企画運営する大御所なのだ。それでそのスキーの大会ということで、宿泊費やら遠征費、はたまた選手登録などかなりの
       事務的なことをやらなければいけない。それをExcelで処理していたらしいのだが、単なる集計ぐらいにしか使えないらしく
       もっと細かいところ(例えば人数が増えた時など色々変更があった時)をパッと出るようにしたいらしいのだ。しかしそう
       なるとプログラム的なことをしないとやり切れないらしい。当然S先生はそこまでの達人ではない。そこで目を付けたのが
       H谷川さん。ちょうどいいや、今日までうちに来ていてコンピューターに関わる技術指導をしているのだからと、押し掛けて
       きたのだ。で、どうやるか聞くならいいのだが、何とすっかり指示してプログラムを組ませているのだ!ここはこうしたい、
       こういうケースもあるので対応できるようにしてくれ、と、まるでプログラム発注者のように色々希望を言ってやらせていた。
       おいおい、いいのかよ。ほとんどやらせていて自分は見ているだけでした(笑)プログラムを作らせるなんて、なんて
       うらやましい....いやいや強引な(笑)そんなわけで、何とかうまくできたようでS先生はホクホク顔で帰っていきました。
       そうか、こういう使い方をしても良いのか....じゃ、このホームページの手直しなんかも...(笑)


6月25日(月) 佐賀珍道中

       書くことがないのでこの週末の話を。この週末、教え子の結婚式に呼ばれてはるばる佐賀県まで行って参りました。いやー、
       これがすんごい珍道中だったのです!トラブルの嵐。さて事の発端はというと...我が可愛い教え子のA子さんより、是非
       来て欲しいとお願いされ、なおかつ祝辞まで頼まれてしまった。でも慕ってくれた数少ない教え子なので(^^;)快く引き受け
       ました。しかし佐賀までとなると結構大変。式は土曜日だったので、色々飛行機の便やらも考えて、土曜の8:45の飛行機で
       羽田を発ち、一路長崎空港へ。そこからバスと特急を乗り継いで佐賀県鹿島市へ。式は午後2時から。予定では30分前に
       着く予定。そして式出席後、再び特急で長崎に戻り一泊し、日曜日に帰って来るという計画でした。このチケットやら予約も
       インターネットで行い、時刻表なども検索し準備万端だったのだ。

       ところがいきなりのハプニングは羽田へ向かうまでの電車。車両故障で15分の遅れ。飛行機の搭乗手続きまで全然余裕なし。
       慌てて搭乗カウンターまで走る。間一髪セーフ。危うく乗り遅れるところだった。さて次は飛行機。ところが予定時間を
       過ぎても飛び立たない。機内で待つこと30分以上。すると機内放送で機長が「ただいま荷物を載せるところで火災発生
       ランプが点滅中。確認のためもうしばらくお待ちください。」とのこと。おいおい、火災発生だって大丈夫かよ。またしばらく
       待たされた。「ただいま荷物を出して確認していますが、単なる計器の故障と思われます。」なら早く飛んでくれよ。こちとら
       遅れてしまうよ。この時点でもう1時間機内に缶詰。するとまたしばらく立ってから「えぇーっ、機長です。やはり機器の
       故障と思われます。ただいまより交換部品を工場から運び、付け替え作業を行う予定です。希望的に見積もっても、後1時間
       以上はかかると思われます。お急ぎのところ申し訳ございません。」おいおい!マジかよ!もう1時間半も待っているんだぞ!
       どうすんだよ、俺のスピーチ!すると「やはり時間がかかるため、お客様には別の飛行機に乗り換えていただきます。」だって。
       結局1時間半待って、飛行機を降ろされる。そして替えの飛行機が来るまで待機。実はもうこの時点で予定ががたがたで
       あきらめていたのだ。A子には悪いが、ドタキャンかなって思っていたのだ。しかし予想外に替えの飛行機がすぐ用意できて
       結局予定よりは2時間遅れで飛び立てたのだ。

       さて長崎空港に着く。すでに12時半。式開始まであと1時間半。予定ではここからバスで諫早まで40分。そこから特急で
       1時間、という予定だったのだが、インターネットで検索した時刻表が役に立つ。えーと、次のバスは...えっ!13時!
       おまけに乗り継ぎの特急は14時20分!?むっ、むっ、無理だ!間に合わない!ここで大きな誤算は都会と同じに考えて
       いたこと。バスと電車は1時間1本という世界。日曜日の昼間なんてそんなもの。やっ、やられた!仕方ないお金はかかるが
       タクシーか...バス電車で2時間もかかるところまで、いったいいくらかかるのか...(泣)とりあえずタクシーの
       運ちゃんに聞いてみる。するとどうも足下を見られたようで、数万円の要求。却下!ここまでの往復の交通費、宿泊代、
       お祝いを考えたら破産してしまいます。飲まず食わずの1ヶ月になります(泣)そこで再び空港の案内カウンターに泣きついて
       相談する。ここから一番早く佐賀県の鹿島まで着き、なおかつ一番安上がりな行き方...なんて無理な相談(笑)すると
       とりあえず路線バスで大村駅まで出て、ローカル線で諫早へ行き、乗り継ぎ時間わずか3分で特急に乗り換えれば、うまく
       いくと2時40分ぐらいには着く予定。うーん、式に40分遅れか...。でも仕方ない。出られるだけいいか。とりあえず
       式場に電話して、遅れる旨を連絡。悪いが祝辞は飛ばしてくれと。やれやれ。ここからは焦っても仕方ないので、その予定通り
       乗り継ぎ、途中電車のトイレでスーツに着替えたり(泣)して、何とか30分遅れぐらいで無事到着。遠かった〜。何か
       どっかの番組の延々無銭旅行するみたいな長旅でした。

       さて式場について、受付辺りにいた人に「すいません、O−TEACHERと言いますが、遅れて今着きました。席はどの
       へんでしょうか?こっそり入りたいのですが...。」と言うと、その係の人は「あっ!O−TEACHERさんですね?では
       この扉から入ってずーっとまっすぐ前にお向かいください。」「はい、前の方なんですね。やばいなぁ。で、前から何番目
       くらいですか?」「いえ、ですからずーっと前まで、ずーっと前まで行ってください。」と言われるままにこそこそと後ろの
       扉から入る。げげっ!何と縦長テーブルでおよそ230人の招待者!田舎ってすごいのね。とりあえずかがみながら、
       すいません、すいませんと謝りながら前へ進み、自分の席を探す。シーンとしていて、何かとっても目立つ。で、やっと
       見つけた席は、新郎新婦の真ん前で、前から2番目。やれやれ、ここか、と思って席に着こうとしたが、それにしても静か。
       今、一体式はどこまで進行したのだろうと思いながら、椅子を引いた瞬間、「では続きまして、新婦側の主賓よりお祝いの
       言葉を賜りたいと思います。ただいまちょうどお着きになりました、新婦の高校時代の恩師、O−TEACHER様、宜しく
       お願いいたします。」と司会。えっ?ちょうど私の番なの?まだ席にも着いていないのに?もう順番過ぎちゃったんじゃ
       ないの?もう頭の中真っ白。パニック状態のまま、前へ出てマイクを持つ。用意してきた祝辞なんて、全部すっ飛んじゃい
       ましたよ、こんな展開じゃあ。何を言ったか記憶がないまま祝辞終了。すまん、A子よ。大事な晴れの舞台に。元担任として
       深く反省。一緒に呼ばれていた友達で、同じ私のクラスだった子に「O−TEACHER、祝辞、全然だめだったよ。」と
       ダメ出しされる始末。あーあ。

       その後、田舎の結婚式なので、色々都会ではあまり見られない、木遣り、舞、朗吟などがあったりして、興味深かった。でも
       みんな勝手に立ち歩いて、酒をつぎ回っては騒いでいて、全然見てはいないし聞いてもいない。私も色々な人がお酌に来られ
       たが、下戸の上、方言で話されてもいまいちわからず、向こうも話題が続かず「ディズニーランドに近いんだっぺ?(これで
       どこだかばれちゃう?(笑))」「はい...。」「ミッキーマウスってねずみだっぺ?」「はぁ、そうです..ハハハッ。」
       と、まったく弾まない会話が続き疲れました。まっ、それでも何とか義理は果たせてホッとしました。いやー、疲れました。
       でも優しそうな旦那さんなんで、ちょっとホッとしました。みんなからも愛されて信頼されているようだし。やっぱり教え子
       には幸せになって欲しいものです。そんなかんなの佐賀珍道中でした。ちなみに帰りの飛行機も30分遅れました。ANA、
       もう次は使わないぞ!(笑)

幸せそうな二人


6月26日(火) テスト作りの苦労

       昨日今日と激蒸しです。暑くて蒸し暑くて、勤労意欲0です。でもテスト前なので手は抜けず、けっこうスパートかけて
       います(多分(^^;))今度の期末テストは、1年生の古典の方の問題作成の順番なので、2時間ぐらい集中して一気に作り
       上げました。古文なんて、だいたい同じような教材を毎年扱うものですから、問題もそんなに大きく変わらない。で、昔作った
       問題を土台にして作り直そうと思ったら...ない!もうフロッピィにラベルは付けないわ、分類せずにその時その時で保存
       するものだから、どこにいったか見つからない。ただでさえ古典なんて4年ぶりぐらいなのだから、4年前のフロッピィを
       探すのだが、全然見つからない。出てくるのは全然違うファイルばかり。でもそれもきちんとファイル名がついていなくて
       ただ「001-A.txt」なんて書いてあるものだから、開いてみるまでわからない。もう最悪。で、開けてみると「三者面談の
       お知らせ」なんてファイルだったり「漢字小テスト第6回」とか、「遅刻が多い者に対する警告文」なんて、わけの
       わからないものばかり(笑)でもこれがけっこう面白いことが書いてあったり、当時の生徒の名前が出てきたりして懐かし
       がったりで、なんかぼーっと見ていると意外に時間を食ってしまう。これってなんか写真を整理しようと思ってアルバムに
       見入っちゃう人みたい...。で、結局見つからないので一から作りました。やれやれ。

       で、いつも思うんだけど、クラスによって微妙に説明を変えてあったり、板書の内容が違っていたりする。生徒のノートを
       点検するとその辺の違いが一目瞭然なんだけど。で、テストを作るとき、その違いを考えてどういうふうに出題するかが
       悩むところ。『えーっと、こういう設問にすると1組の方がうまく説明してあるから、多分1組の奴らは出来るだろうし、
       こういう聞き方をすると、2組の板書で書いたポイントに近いから2組の方が高得点になるし...。』と考えてしまう。
       ある意味、自分の中で統一した説明をしていないから、こんな悩みが出てきてしまうのだ。客観的なテストを作るっていうのも
       意外と大変なのだ。ましてや他の先生と共通問題で作る場合など、きちんと打ち合わせしておかないと、全然予想外の問題に
       なってしまう。そこ教えてない!なんてのは序の口で、解釈が全然違ったりする場合もある。

        「ここの主人公の心情は、やはり『怒りの中にある、自分自身に対するふがいなさ』ですよね。」
        「えーっ!違うよ、ここの主人公の気持ちは『絶望の中のあきらめ』だろ!?」
        「そうですか?指導書にも『怒り・後悔』って書いてありますよ。」
        「そりゃ指導書が間違いだ。絶対この部分は『諦観』だよ。」

       こんな会話、けっこう国語科ではあったりするんですよね。国語って難しい...。


6月27日(水) 授業の売買

       期末テストまでちょうど1週間。そろそろテスト範囲のために、授業の進度を微調整しなければいけない時期です。まぁ、いつもの
       ことながら、無駄話の多い私は、間際になって無理矢理試験範囲を終わらせることで有名で、ラスト2時間ぐらいは超激速の授業。
       普段がお散歩速度なら、テスト前になるとF1並(当社比)生徒も毎度のことだから『またか。』って思っているでしょう。でも
       その方が、テストに出るところだけ重点的に説明しているので、生徒側としても出題予測がしやすく、お互い様だと思うのですが。

       それでも某1組では(笑)予定外に遅く、また授業時数も他のクラスより若干少な目なので、けっこう飛ばしまくりました。
       生徒も振り切ってぶっちぎりの授業でした(笑)それと反対に某5組は、意外と余裕があって、けっこうだらだらやっていました。
       そんなところへ、同じ5組を教えている古典のK先生より一本の電話。

         「あー、もしもし、O−TEACHER?Kだけど。あのよー、5組の現代文の授業遅れてんだって?生徒から聞いたよ。
          ならよー、古典の方、余ってっから、良かったらあげるよー」

       こういうケースはよくある。とっくに試験範囲終わって余っている教科の先生が、足りない先生に授業を売り込む。そうすればその
       先生は授業がなくなって楽になるし、足りない先生は大助かり。見事ギブ&テイクでお互い助かる、こういう売買がテスト前に
       なるとよくあるのだ(もちろんお金はからみませんよ、念のため(^^;))中にはすっかり余りきってしまって「誰か4組の授業
       いらない?いくつでもあげるよ。なんなら3つぐらいまとめて!」なんてたたき売りする人まで現れたりする。まっ、こんな感じで
       補い合ったりするのです。

       で、その電話だったのだ。でも書いたとおり、5組は別に足りている。ていうか逆に余るくらい。えっ?生徒が言っていた?
       あいつらー!おそらく5組の連中は、ずーっと前に(多分2週間以上も前)「このペースで行くとこの教材終わるかなー」って
       ボソッと言った一言を捉え、K先生に言ったのだろう。「K先生の古典の授業は厳しくて大変だけど、O−TEACHERの
       現代文なら、あいつ、無駄話ばかりして授業も楽だから、古典より現代文の方が楽だぜ。」そういう会話がなされていたので
       しょう。それでK先生に「O−TEACHERが、現代文の授業足りないって言ってました。」と注進に行ったのだろう。また
       K先生は大先輩のため、若輩者の私なんぞが無下に「いやー、足りてるからいりません。」なんて断れないだろうと、そこまで
       予測していたとしたらたいしたものだが、そう世間は甘くない。

         「いや、K先生、現代文の方は全然足りていますからお気遣いなく。それより先生、確か以前、古典の授業1コマ、代わりに
          やりましたよね?良かったら現代文の方、余っているので1時間差し上げますよ。どうですか?」
         「あっ!そうだったっけ...そういゃあ、先月出張の時、代わりにやってもらったっけなぁ...そうか、しかたないなぁ。
          じゃあ、1時間現代文の授業もらって古典やるかなぁ...。」

       フッフッフッ。5組の生徒よ。こちらの方が一枚上手なのだ(笑)


6月28日(木) 無理難題

       先日教務主任から相談を受けた。「情報部長のO−TEACHER、実は相談があるんだけど...」こういう時には頭の中で
       警報ブザーが鳴る(笑)何か?と身構えていると、実は体験入学の件。まぁ、この日記をずーっと前から読んでいる人にはわかるが
       (多分ほんとんどいないと思うけど(泣))うちの学校では夏休みと秋に2回、中学生向けに体験入学をやっている。少しでも
       中学生に本校を知ってもらうために、色々とメニューを取りそろえてやっている。単なる施設見学だけでなく、うちの学校のウリで
       ある図書室AV実習体験とか(AVというのはもちろんAudio Videoですよ(笑))でビデオ視聴したり、はたまた映像凝りまくりの
       学校紹介ビデオを見たりとか、当然コンピュータ実習体験などなど、けっこう色々なメニューが組まれている。近年参加者が多く
       かなりの盛況ぶりなのだ。私が教務部にいたときは、その中学生を引き連れて、色々説明して回ったりするガイド役に奔走した
       ものである。

       でも今年は情報部なので、コンピュータ実習の方のお手伝いになっている。まだ私が携わるずーっと前には、ただBASICのコマンドを
       わけもわからず打たせて、ただ画面に色の付いた円が出て来るという、何の面白味もない体験をさせていて呆れた覚えがある。
       で、その後は私が担当になってから、フリーソフトを使って四択クイズゲームやお絵かきソフト、はたまたタイピングでやる
       シューティングゲームなどをやらせて、けっこう評判が良かった記憶がある。でも一部の先生方からは「ゲームばっかりじゃないか。
       うちの学校では、コンピュータでゲームばっかりやっていると誤解される!全然教育的でない!」と批判されたりもした。でも
       あの当時(と言っても6年ぐらい前)は、まだコンピュータがそんなに普及していない時代だったし、まだうちの学校は底辺校と
       して生徒が集まらない危機的な状況だった。だから少しでもうちの学校に興味を持ってくれれば、コンピュータって面白そうだから
       この学校に入ってやってみたい!という気にさせるためには、けっこう有効だったと思う。そのための体験入学なのだし。
       でもその後、教務部を離れ、体験入学のコンピュータ実習は、あまり代わり映えのしない単なるタイピングとソリティアの
       体験へとなってしまった。

       そこへ教務主任の相談なのだ。教務主任曰く「もう今時の中学生は、中学でコンピュータもバンバン使っているし、
       インターネットも使いこなしている。それなのに高校の体験入学に来てみたら、ソリティアなんて、あまりに情けなすぎる。
       そんなゲームをやらせるんではなく、中学生が『おおっ!すごいなぁ。こんなことやってるの?』と思わせるような体験実習を
       考えてくれないか?」とのこと。えーっ!そんなインパクトのあるデモンストレーションを企画しろって言うの?しかも
       それにはまだまだ付帯条件が付いていた。「中学ではやっていないようなインパクトのある内容で、しかもあまり
       ゲームゲームした感じではなく、保護者にも受けがよい教育的なもので(保護者も毎年何人か来る)、それもただ見るだけでなく
       実際に操作して面白くなるような、中にはあんまりできない子もいるだろうから、操作が簡単にできそうなもので、そうそう
       実習体験の時間は20分ぐらいだから、その時間内でやりきれるもの、そういうものを考えて欲しいんだけど。」

       これってすごすぎない!?そんな企画ってあるのか?コンピュータ実習で使う、インターネットにもつながっていない、あの
       非力なコンピュータで何が出来るって言うの!?こりゃ最高に難しい宿題ですよ。今時の子はけっこうコンピュータなんか
       扱っているから、そんなにインパクトのある企画なんてそうそう思いつきませんよ。こりゃあ、困った。何かありますか?
       もし良い企画があったら是非メールください(笑)

       そして言いたい放題の教務主任の去り際の一言。

         「まぁまぁ、O−TEACHER、そんなに悩まないでじっくり考えてくれればいいよ。まだ夏休みの体験入学まで
          1ヶ月もあるんだから。そうそう、でもあんまり難しそうな内容はやめてね。中学生が勘違いして『この学校に
          入ったらこんな高度なことを学べるのか!』なんて思われても困るから。うちの数学科はそんなに難しいこと
          教えられないから。」

       これぞ無理難題...どうするO−TEACHER!(笑)


6月29日(金) 同和研修会とコンピュータ

       暑くて死にそうです。でもテスト範囲が終わらない私は相変わらず飛ばしまくりで、生徒の非難囂々。でも飛ばしてます。
       スピード違反どころではないくらい。その合間にノートを集めたり点検したり、休み時間なんてないに等しいぐらいです。
       それでも本日は午前中で終了なので、少しは楽...かと思ったら、午後から同和教育の研修会。なんと校長が講師となって
       くそ暑い講義室に閉じこもり1時間の苦行。確かに大事なことだし研修も大事なんだけど、こんな暑い時期に、あんな暑い部屋で
       やらなくても...もう天然ダイエットもいいところ。のぼせまくりでした。で、内容はというと...居眠りしていたので
       よくわかりません(^^;)でも元々うちの校長は行政職出身のため、それも同和教育担当なため、そういう行政からの立場とか
       話が多く、なんかあんまり教育現場における人権問題という論点からはだいぶずれていたようです。まっ、いいけど。

       その後、テスト問題の解答用紙を作ったり、続けてノートの点検などをしたりと、本当に忙しい一日でした。そうそうやっと
       頼んでいた国語科のパソコンが来ました。なんとVAIO!事務室を通して納入業者に発注したところ、品切れと言われ
       泣く泣くメーカーを変えたりした例のやつ。事務の担当の人に「品切れとか言ってるけど、その辺のK電器なんかに行くと 結構
       売ってるけどね。」と言ったら、わざわざうちの出入りの業者じゃなく、他のところに頼んで希望通りのものを入れてもらえ
       ました。うーん、こういうのって全然融通が利かないと思っていた。だって学校とかって、全部定価で買うようになっている。
       コンピュータの実売価格って全然下なのに、定価が原則みたいです。ですから納入業者は大儲けらしい。ところが昨今、
       こういう緊縮財政の折り、納入業者の言い値で買っていたら、それこそパンクしてしまうので、やっと実売ベースというか
       市場価格で買うようになってきた。今までの出入りの業者じゃなくても、安ければそれこそその辺の大型電気店でも買えたりする。
       意外かもしれないけれど、そんなことすら許されていなかったのだ、最近までは。通販のパソコンなんて、それこそ数年前までは
       御法度だったのだ。やっと学校も節約のために、という意識が出てきたのね。そんな事務室に置かれていたVAIOを運ぼうと
       ほくほく顔で台車に積んでいたら「あーあ、またO−TEACHERのおもちゃが増えたよ。」だって(笑)


6月30日(土) 教えるべきかやるべきか

       本日も事務仕事に精を出す一日でした。まずはまたまた古典のテストの手直し。実際自分でやってみると設問の意味がわかり
       づらいものとかがあって、質問の言い方を変えたり、合計してみるとなぜか112点満点だったり(^^;)そういう細かいところを
       手直しして、解答用紙や模範解答などを作成。その合間に、生徒が遅れてノート提出してくるので、小言を言いながら受け取って
       ひとつひとつチェックしたり...。こういう地道な作業が平常点に反映され、勉強自体が出来なくても何とか赤点を取らずに
       済むのです。ていうか済ましているのです。その他またまた飛び込み仕事で総務部お手伝い。総務部主任のM先生が私のところへ
       来て「O−TEACHER、教えてくれる?」と言ってきたので、もちろん二つ返事。私のせいではないけど、総務部で一手に
       電脳仕事を引き受けていたのに、いきなり情報部へ替わってしまったので、今までの仕事は、コンピュータ全く素人のM先生が
       すべてやっている。そういう負い目というかすまない気持ちがあるので、コンピュータに関する質問ぐらい、いつでもどうぞ。
       ...て、見てみると...こりゃあ厄介。何かと思えばPTA関係の保護者に宛てる文書用に宛名ラベルを作りたいらしいのだ。
       昨年度までは私がAccessを使い、Excelで作った名簿をインポートして作っていたものなのだ。でも今からAccessを一から
       教えるとなると...。先ほども書きましたがM先生はコンピュータ初心者。それでも先日まで延べ10時間以上付き合って
       何とかExcelの使い方などを教えたのです。それで何とか少しは使えるようにはなったのですが、その分、私も忙しくて
       教えている間は仕事が出来ませんでした。で、今度はAccess...。ここで頭の中で計算。今これからAccessを一から教えて
       テーブルとかクエリとかレポートなんて概念を教えて、Excelからインポートさせて宛名ウィザードで作らせて...うーん、
       一体何時間かかるのだろう。その間また仕事が出来ないよな...それなら代わりにやってあげれば多分15分で出来るだろう。
       ピコーン!もちろんどっちを選択したか言うまでもありませんね(笑)本当はコンピュータを覚えてもらう啓蒙活動をしなければ
       ならない立場なんだけど、データベースまでやらせるには....。こうやって情報部は雑用請負係と成り下がっていくので
       しょう(泣)

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