一筆啓上たる 9月 下旬 編
9月21日(金) 想像力を働かせよう
本日は授業が目一杯でヘロヘロです。どうも私の授業の場合、生徒に考えさせるというよりは、自分で好き勝手に喋っていると
いう展開が多いため(笑)沢山授業をやると、午後には声がかれていたりする。本日もそれに近い状態。まっ、あれだけ授業が
脱線すればね(^^;)
さて今日は何の話題で脱線したかというと、このところの長雨の話。雨のせいで道が混み、バスが遅れるのはしょうがないが
いつもそれを言い訳に遅刻しているやつが多い。雨が降ればバスが遅れるなんて、もうわかっているのだから、早めに家を出る
ように心がけよという話。平気で遅刻の理由を「バスが遅れたから。」とか「道が混んでいたから。」と悪びれもせずに言う
輩ばかり。そんなことでは社会に出てやっていけませんよ。雨が降る→道が混む→バスが遅れる→だから早めに家を出る、
という簡単な結論が導き出せない(いやわかっているけどわからないフリ)早めに家を出るくらいなら遅刻してもいいや、と
いうやつが多すぎるのだ。そんな話をした。授業中寝る→勉強がわからない→テストで赤点を取る→単位が取れない→留年する
こういう流れも、実は現実にあるのだけれど、どうにもそこまで行くとは深刻に考えない。そこまで行ったら終わりなのに。
こうしたらこうなるという、ほんのわずかな先のことが想像出来ない発想力の貧困さか?そういうやつに限って、にっちも
さっちもいかなくなってから「こんなことになるとは思わなかった。もっと早くから気を付けていれば良かった。」と言う。
怒られるときもそう。なぜこんなことになったのか、どうして怒られるところまでいってしまったのか。自分の気持ちを
前に戻ってよく検証することも大事。そうすれば同じミスは少なくなる。自分の気持ちだけでなく、相手は何を思って
こんなことを言っているのか?そういうことを想像するのも、とても大事なんだぞ。そんな話を延々としていました。想像力を
働かせようという、とてもありがたい話でした(^^;)
「いいか、自分の頭でよーく考えるんだぞ。なぜこの人はこんなことを言っているのかということを。それが国語で
登場人物の心理を考えることと同じなんだから。」
「O−TEACHERは、何でこんな話を今日は長々とするんですか?僕が想像するに、『今日は雨が降って気分が
乗らないし、授業がたくさんあって疲れるから、雑談でお茶を濁そう。』ということだと思うんですけど、僕の
想像力足りないですか?」
ピンポーン!(笑)
9月25日(火) 難しいレポート
3連休明けは辛い。土曜日に「World PC Expo」なんぞに繰り出してアンケートを書きまくったせいか、土日はぐったりして
20時間も爆睡してしまった。いやー、年には勝てません(笑)
さて本日のネタ。ある生徒が大学の情報科学科(?)を受けるらしい。で、そこは最近流行のインターネット入試とかいうものを
やっているらしく、色々と課題を出され、それをレポートにまとめメールで提出するのだそうな。そんなわけで出すレポートの
内容も、かなり専門的なものになっている。例えば第1回目は「自分がやりたい情報分野について、今後それが社会とどう
かかわっていき、どう発展すると思われるか2000字で書け。」なんて感じ。それでも当人はそれなりに書いたらしいのだが
困るのは添削していた担任の先生。本人はCG的なものをやりたいらしく、「ポリゴン」とか「解像度」なんて言葉を使って
書いてきたのだが、担任には理解不能。それで私の方に回ってきました。いやー、こんなこともやるのね、情報部長は(笑)
でまぁ、それなりに添削して提出したようなのですが、本日またまた第2回目のレポートが課されたらしいのです。その内容が
「WWWにおいて情報をブラウザと呼ばれるソフトウェアによって閲覧出来る仕組みについて調査して述べよ。」というもの。
おいおい、これってかなり専門的な話ですよね。私にもその詳しい仕組みなんてわからん。ただwebサーバ上にあるデータへ
アクセスして、その情報をブラウザ上に表示する...じゃいけないの?HTMLで、文字、画像、音声など再生し、Javaや
その他のプラグインによって、より動きがあるものも表示出来る...なんてことぐらいしかわからない。けげっ。これじゃあ
情報部長として添削出来ないよ。
ということでこっちもネットで色々調べてみましたが、これ以上となるとかなり専門的な話ばかりが出てきて全然わからない。
これってサーバ管理から通信系の専門分野に話が行ってしまう勢い。うーむ、大学入試でこんなことまで調べさせるのか?
私にもよくわからないのでお手上げ状態で、適当に添削してしまいました。これで落ちたら私のせいなのか?やっぱりもっと
私も勉強しなければならないのね。やれやれ。
9月26日(水) 臨時職員会議
4時間目の授業も終わり、やれやれ昼飯だとホッとしていると「先生方に連絡します。ただいまより臨時の職員会議を行いますので
大至急会議室にお集まりください。」と校内放送。むむっ、なんじゃあ?こんな晴天じゃあ台風で緊急下校というわけでもないし
これは何か起こったな。最近はこんな昼休みに臨時職員会議なんてなかったが、昔は時々あった。もちろん内容はけっこう大きな
事件・事故が起こったときですが...。以前なら『やべっ、まさかうちのクラスのやつじゃないだろうなぁ...。そういえば
問題児のあいつまだ来ていないけど、まさか外で大事になるようなことを...。』なんて心配したものですが、今は担任じゃ
ないので、ちょっと気が楽(^^;)
さて何事かと思いきや、いや内容はもちろん生徒指導にかかわることだったので、詳しくは書けませんが、ちょっと悪質な
事件(?)まぁ、怪我をさせたとかそういう内容ではないけれど、いたずらというには度が過ぎているケース。でもこんなことを
言うと不謹慎ですけれど、昔に比べればまだまただ(^^;)この程度で緊急招集か?と思うのは古くからいる人だけかも...。
でも鉄は熱いうちに打て、悪いことはその場で注意という鉄則通り、急遽放課後、全校集会をやり注意を促すことになった。
文化祭前で、予定が色々詰まっているクラスも多いのだが仕方がない。こういうほんの一部の不届き者のせいで、学校の評判は
落ちるし、全体に迷惑がかかる。その点を懇々と言わねばならない。生徒は当然ブーブー言うが、仕方ない。というわけで
その事件の概要説明と臨時全校集会をやるという連絡のための招集だったのだ。で、めざとい生徒は敏感に。
「先生、先生、何かあったの?喧嘩?いや、喧嘩ぐらいじゃ臨時職員会議なんてやらないよね。わかった!どっかの
学校に殴り込みに行ったんだ!いや、そんな度胸のあるやついないよな...。わかった!誰かバイクに乗って
事故って死んだんだ!そうでしょ?当たり?当たり?」
ちなみにどれもハズレです(笑)
9月27日(木) 行事のスリム化を実感した日
まずは昨日のネタから。昨日の放課後に連絡調整委員会の会議があった。各部長や学年主任などが集まって行う重役会議(?)
そこで今後の予定やら学校行事に関する様々なことが話し合われた。その時ふと思ったこと。ある先生が、生徒指導部から
出された文化祭の警備計画について、色々質問した。池田小の事件以来、外部からの来校者にかなり過敏になっている
学校関係者。入場規制は?不審者への対応は?緊急時どう連絡するか?等々、かなり細かく質問していた。生徒指導部長の
方も色々答えていたが、色々なケースが考えられ、その全てに対応出来るわけはないので、初めこそ丁寧に答えていたが、
そのうち『そんなこと言われてもその時になってみなきゃわからねぇ!』的な応答になっていった。確かに色々なケースが
想定されるけど、全てを網羅するのは無理。でも質問側も、細かいところこそきちんとしていなければ、不測の事態に対応
出来ないのでは?という老婆心。どちらも正しいのです。校門警備で立ち番をしたり、校内を巡回したり、そういう当番表も
作成されていました。でも担任の先生方は当然クラスの方で忙しく、飲食団体の担当の先生や保健部の先生は調理場の
衛生監督に携わり、他の先生は受付や駐車場担当になったり、今回のように警備にもあたる。はっきり言って人が足りない
のです。生徒の数の減少=先生の数も減る。それでも文化祭の時の仕事は減らない。それどころか昨今の凶悪事件や
O−157などにより、警備強化、衛生管理強化等々、より負担が増える結果となっている。はっきり言ってこういう
行事があると、先生たちの負担が2倍にも3倍にも増え、開催自体が難しくなっている。そんなことが浮き彫りなってきた
会議だった。その他にも来年度の学校行事についても話し合われたが週休2日になることによって、土曜日に開かれていた
PTA関係の行事が大幅に縮小されたり、交通量が少なく生徒の安全面を配慮して土曜日に行われていたマラソン大会など、
色々難しくなってきた。前回の体育祭ではないけれど、子供の数が減るということは、学校の行事や機能そのものにかなりの
影響が出ているという話。まっ、小学校なんか特に顕著なんですけどね。
やっとここからが今日の話題(笑)普通通りの授業でヘロヘロになった後、5時間目はLHR。どこのクラスも来週末に迫った
文化祭の準備に奔走。私も副担任のクラスの準備に借り出される。私の副担クラスは、プリクラ、ボーリング、ストラック
アウトをやるということで、略してPBS(センスなし(笑))昨日もストラックアウトを手作りするグループに設計図を
書いてやり、材木切りなどを見守る。本当はこっちがやった方が手早く、段取りよく、うまく出来るのだが、それは生徒の
文化祭。失敗しつつも色々考えながら改良していく様を見守るのが務め...なんだが、全然ダメ。我慢しきれなくなり口出す
こと多々(笑)それでもストラックアウト組は、バランスを取るため紙ヤスリで修整したりしているのだが、飾り付け部隊の
方がどうにも...。でかい段ボール製の門を作るらしいのだが、それにPRを書き連ねたいのだが、何を書いて良いか皆目
見当が付かないらしい。こういう時こそ生徒の発想力の素晴らしさを再発見する時なのだが、全然思い付かないらしい。男子
なんかは「マジックでPBSって書いときゃいいよ。」おいおい。せっかくこんなに大きな門を作ったのにそれではあまり
にも...。いちおうデザインの案などを出すがダメ出しばかり。なら自分たちで考えろよ。女子も私がメモで書いたデザインを
見て「それでいい。」だと。少しは自分たちで発想しろよ。うーん、こういうときに今時の子の発想力の貧困さを痛感。こんな
オヤヂの20年前の発想をあてにするな!でももう文化祭も本当にそろそろ考え直さねばならない時期かもね。
そうこうしているうちに先週雨天延期になった除草作業。勘弁してくれよ。みんなヘロヘロなのに。みんなそう思っているが
一度決まった行事はやるしかない。教頭も除草担当のM先生も「やりたくない...。」ただでさえ文化祭の準備で生徒を
動かすのに四苦八苦しているのに、この上、喋るだけで手も動かさない除草作業とは...。憤死(笑)えっ?この後
職員会議だって?死んでやる(笑)
9月28日(金) 事故&本日の私
不吉なことを悪寒..いや予感させる一日。だって朝からおかまを掘られた。といってももちろん変な男に××されたという
そのおかまじゃなくて(そりゃあ当然だ)通勤途中、信号待ちしているときに、後ろからコツンって、当たったか当たらないか
気付かないくらいの衝撃。その時車の中で缶コーヒーを飲んでいたので、ちょっとむせたくらい。それでも後ろの車から
おじさんが降りてきて、謝ってきた。幸い車に何の傷もないし、むち打ちにもならないし(ていうか本人がほとんど気付かない
くらいだから(^^;))どうということはないので、ちょっとすごんだだけで済ませてしまった。でもその後、もし後で後遺症が
出たら...もし車の調子がおかしくなったら...と考えると、相手の名前もナンバーも聞いていなかった自分のうかつさに
気付く。生徒には自転車登校時、事故とかにあったら、必ず相手方を確認するようになんてお説教たれているくせに、いざ自分が
となるとこのていたらく。注意出来ませんね。それでも何か不愉快な気分になり、不吉な気配を感じさせる一日のスタートでした。
でもそんな心配も裏腹に、特に何もない平穏な日々でした。杞憂でしたね。たまたま現代文の授業中、どういうときに日本人を
感じるかという話題で盛り上がった。味噌汁を飲むとき、温泉に入るとき、浴衣を着たとき等々。でもHよ、英語が出来ない
ときと言うのは、単にお前が英語が不得意なだけではないか?彼女はいつも英語の時間、日本人としての自覚を新たにして
いるのであろう(笑)とあるクラスでは、立ち上がるときに「どっこいしょ。」って言ってしまう時、というのがあったが
それは日本人というより老化を感じるときだろう?(笑)
さて午後からはまたまた色々な事務仕事をこなしていたが、本日も文化祭近しということで、あちこちから準備の物音が騒々しい。
で、そんな生徒を後目に仕事をしていると「先生ーっ!物差し貸してください!」とか「糊とハサミ、ありませんか?」とか
よく生徒が来る。まぁ、ちゃんと返してくれるならばいいんだけど、概してそのまま行方不明になることが多い。セロハン
テープなんかも、新品の物を渡しても、きれいに芯だけ返ってきたり(笑)自分たちで道具も含めて用意しようという気持ちが
薄いんだよな。とりあえず借りられるなら親でも借り出し、必要ならその辺から何でも持って来ちゃう。文化祭前はそういう
ことが多いです。やれやれ。