墨痕淋漓たる 10月 下旬 編
10月22日(月) テスト前のある日
今ひとつ風邪抜け切れず。昨日は爆睡も爆睡、14時間ぐらいは寝ていたはずなのに、未だ回復率70%足らず。年のせいとは
言わないようにしよう(認めたくない年頃)
明日から中間テストなのだが、今回1年生の古典は、どっぷりと古典文法が試験範囲である。その名も「動詞の活用スペシャル」
(勝手に命名)こういう文法事項というのは好き嫌いがあって、というかほとんどのやつが嫌いで、何を隠そう私も高校時代
大の苦手だった。点数もすんごく悪かった。意味もわからず丸暗記していただけだった。それがいざ自分が教える方になると
なぜ、どこがわからないということが手に取るようにわかる。じゃあ、その体験を活かしてわかるように教えられるかというと
必ずしもそうではない。今にして思えば高校時代の古典の先生が「ここは丸暗記しろ!理由なんか考えるな。」と言った意味が
よくわかる。私も同じようについ言ってしまった。いや、理由というか説明はできるのだが、たぶんのそのせいでかえって
混乱することが目に見えるからである。そのせいで余計わからなくなって、何一つ覚えられず全滅という可能性もあるからだ。
だから正攻法ではないけれど、「とりあえずここだけは暗記して、ここの部分はこうやるというやり方だけ覚えろ。」という
パターンでやって来た。生徒にとってはつまらないかもしれないけれど。
しかし今日、古典の授業中、自習にしながら何人かの生徒の質問に答えていた。このクラスは比較的勉強が出来て、けっこうよく
理解している。ちょっとヒントを教えるとスラスラできるやつもけっこういる。なかなか優秀。教え方が良いのか?(爆)でも
これってクラスの雰囲気に関係している。このクラスは勉強が出来ないやつもいるのだが、それでも比較的クラス全体が、
やろうという雰囲気があるので、お互い教えあったりしてなかなか良いのだ。つまりみんなで教えあおうオーラが出ている。
「自習しろ。」と言っても、みんなノートをまとめたり、お互いで問題を出し合ったり、よく勉強をしている。それに比べて
また他のクラスは全く逆。そういう雰囲気が全くないのだ。「自習時間にするから各自勉強しろ。」と言うと「やったー!」と
叫び、あちこちでひたすら喋りまくっている。勉強する気配がない。しているやつもいるのだがほんの少数派。遊び時間だと
勘違いしている。勉強しようよオーラがまるでないのだ。かといってわかっているわけでは無論なく、おそらくテストの点数は
火を見るよりも明らかだろう。こういうクラスの雰囲気の差ってどこから来るのでしょうね。あーあ、テストが怖い。
その空き時間に、またテスト問題などを色々考えていると、再び教頭登場。実は金曜日にまたまた頼まれごとをした。何かと
いうと、メールを送って欲しいとのこと。今時管理職もメールぐらい送れるようになってよ、高校生だってできるんだからさ、
という心の声は抑えて、たいしたこともないので引き受けました。どうやら添付ファイルをつけたいらしいので、それで
とまどっているらしい。まっ、それなら仕方がないか、ハイハイ、で?すると教頭が差し出したメールアドレスが
「xXX.AAAAA@NIFTY」となっている。「教頭、これってあってます?普通メールアドレスって小文字が多いし、それに多分
NIFTYで終わりじゃなくて、nifty.comとかnifty.co.jpとかだと思うんですけれども...。」「いや、でも本人が書いてきた
やつだから正しいだろう。これで送ってくれ。」まぁ、多分届かないと思うけど、仕方ないので言われた通りのアドレスで
送りましたよ。そしたら案の定、エラーで戻ってきた。その旨を教頭に伝えるも「おかしいなぁ、本人が書いてくれたやつ
なんだけどなぁ。」とうそぶく。
で、今日再び私のところへ来て「いやー、O−TEACHER、やっぱり間違っていたってよ、メールアドレス。これこれ、
これが正しいの。電話して聞いてみたら、全部小文字だって言うし、最後もピリオドとcomが付くってさ。はははっ。私も
そうじゃないかと思ったんだよ。」うそつけ。土曜日は信じていたくせに(笑)今度はきちんと送れたようだった。でも
わざわざ電話して確認するぐらいなら、電話で用件を済ませばいいのに...あっ、そうか添付ファイルがあったもんね。
急ぎなら仕方ないか。「いや、別にたいして急ぎのメールでもなかったんだけどね。」「へっ?」上の方の人、管理職講習会に
コンピュータ実習を早く入れてください。仕事が進みません(爆)
10月23日(火) 裏切られた
本日からいよいよ2学期の中間テスト。1時間目は1年生のとあるクラスへ試験監督。このクラスは教えていないので、初めて
見る顔ばかりだが、いやー、いるわいるわギャルが(笑)こういうクラスだったのね、と一人納得。おまけに試験科目が数学だった
ためか、試験開始15分で、ギャル軍団は撃沈。枝毛を見ているか解答用紙にいたずら書きしているか、スリープモードに入って
いました(笑)
そして2時間目は私が担当している3年生の現代文のテスト。今回はスーパーマジシャンS先生が作ってくれた共通問題だったの
ですが、事前に余り打ち合わせていなかった割には、意外と質問するところが私のツボと同じだったので、これなら授業中話した
ところばかり出ているから、まぁまぁ点数が良いだろうとたかをくくっていた。ところが...いざ採点し始めて
ギッチョンチョン(なんだ?この古い擬音は!)すんげぇーできてねぇ。死ぬほど。なんで?ほとんど授業でやったことばかり
じゃん。どうやら生徒の方は2学期は進路の方に向いていて、学校のテストなんか捨てている感じ。就職試験やら専門学校の試験
やらがあったせいか、ほとんど全滅。中にはすでに決まったやつもいるから、そいつらなんかなおさら手を抜いている。して
やられたり。久々に平均点がガクーンと悪かったです。こりゃあ、中間テスト後の授業は、びしびしやらねばと心に誓う
O−TEACHERであった。
そして採点後は、ちょびっとこのHPのためのネタ探しに校舎内を徘徊。だってテスト監督しているときに暇で暇で、こんなこと
思い付いたんだもん。この内容は近々UP。
10月24日(水) その道の専門家たち
学校というところは知識の宝庫だ。そんなことを実感した話を一つ。先生たちと雑談していたときに、例の同時多発テロとか
炭疽菌の話題になった。私が「そもそも炭疽菌ってどういうもんなんですかね?」と言うと、たまたま一緒にいた理科の先生が
「炭疽菌というのは本来...で、人体への影響は...。」と細かく説明してくれた。「やっぱりテロと関係あるんですかね。
でもイスラム世界とかパレスチナ紛争とか言っても、いまいちよくわかんないですよね。」と言うと、今度は社会の先生が「元々
アラブ社会というのは...」と話してくれた。これがまたみんな学校の先生なんで、生徒に話すようにとてもわかりやすく
話してくれる。「テレビで武器持って匍匐前進している映像を見ましたけど、あんなんで敵へ接近していくんですかね。」すると
今度は体育の先生が「だいたいああいう運動は肘と背筋だけ鍛えてあれば、50Mは軽い。」とか言い出す。そうかと思えば
米軍のピンポイント爆撃には、数学のなんたらかんたらの公式やら、物理のなんたらの法則が応用されているとかという話にまで
なった。それが何かえらくためになるというか、学校の先生の集まりというのは、こういう各分野の専門家の集まりなので
ふだん疑問に思っていることをわかりやすく説明してくれるので、本当にためになるのだ。先生たちってすごい。
そんなことを、とある先生に言うと「でも結局先生たちって専門バカだからね。他の分野のことはなんにもわかっちゃいない
どころか、一般常識だってわかっちゃいない(笑)それにO−TEACHERだって専門家なんだから、当然その分野は詳しい
じゃない。」「いや、でも文学とか古典文法わかっていても、たいして役に立たないですからねぇ。国語科なんて。」
「えっ?O−TEACHERって国語だったっけ?コンピュータの専門家じゃあ...。」
おいおい。
10月25日(木) 職員向けコンピュータ研修
テスト3日目。しかし私の本日のメインの仕事は、職員向けコンピュータ研修。今回は1学期に引き続き中級編!前回はあまり
参加者がなかったので、今回も...と思いきや総勢8人ほど。まずまずでした。午前中に必死にマニュアルを作ったかいが
あったというものです。13:00からワープロ中級編。カラフルな年賀状を作ろうというタイトルで、一太郎やWordで、はがきの
書式設定をしたり、文字装飾(フォントエフェクトやワードアート)や画像の貼り込みなどを教えました。でもコンピュータ室に
入っているソフトのバージョンが古くて、こちらが意図していたやり方とは全然違ってしまい四苦八苦。画像もあまりないし
説明に苦労してしまいました(泣)結論としては、一太郎なんかで作るよりも、年賀状は専用ソフトで作るべし(笑)
そして引き続きExcel中級編。VLOOKUPを使って100点法を10段階に直そう!こちらもたかだか1時間で、初心者に関数を
教えるなんて無謀の極み。ほとんど駆け足状態の説明。多分何もわかっていないでしょう。かえって混乱のうちに終了。すいません
みなさん。情報部長の力不足でご迷惑かけました。でも最終的には関数なんて、使わないと身に付きませんので、習うより
慣れてください(言い訳)もっとわかりやすく教えるつもりだったのが、なんか消化不良で反省の研修講座でした。ふぅっ。
10月26日(金) 今年はどうなる
昨日の朝にとうとう赤紙が配られた。いや白紙でした(笑)でも個人的には召集令状的な紙...。そう、今年も来ました人事異動
個人調査票。毎年書き続け哀願し続けていますが、8年しても転勤なし(泣)今年はどうなるか。
もう一度おさらいしておくと、本県の高校教員の人事異動というのはこんなふうになっている。初任校は5年、2校目からは10年まで、
そこまでは最長その学校にいられる。また最低転勤してから3年はその学校にいなければいけない。だいたいこれが原則ルール。
でもけっこう原則無視も多いのですが(^^;)これがとても居心地の良い学校になったりすると、先生たちも転勤希望を出さず、ずーっと
居続けて、ギリギリの10年になるまで居座ったりする。逆に大変な学校の先生は、早く転勤したいから3年経つとすぐ異動希望を
出す。でも当然出る人と入る人の数は同じだから、困難校の先生はなかなか転勤出来ないと言う図式になる。おまけに良い学校に
いた先生が、次の学校もまた良い学校に転勤になったり、逆に大変な学校の先生がやっと転勤出来たかと思えば、次も大変な学校
だったりするケースがけっこうある。いわゆる等高線人事というやつ。不公平極まりないのだが。
で、実は私もそうだったりする。前任校が初任校で8年いたが(当時は初任校8年、2校目15年が限度というルールでした)そこも
初めは大変な学校でした。でも少しずつ建て直り、転勤する間際の8年目ぐらいは、底辺校から中の下ぐらいまで上がってきたところ
でした。そして次が今の学校。ここは転勤時当時は県下ワースト2。1年間で1クラス15人ぐらいは辞めていくという荒れ放題の
超教育困難校でした。だから当初は授業になんかなんないぐらいスクールウォーズ状態でした。でも年々良くなってきて、8年経った
今では下の上ぐらいまで来ているのです。
それでもねぇ、長い教員生活、一度ぐらいはもっと違うレベルの学校で教えてみたいです。いつも底辺校ばかりではなく。いちおう
以前は県の方も、良い学校と底辺校で入れ替える人事異動を積極的に行ってきたようですが、あんまり効果なしかな?とりあえず
そろそろこの学校にも飽きてきたので、当然私も転勤希望を出しますよ。それに来年度、うちの学校はクラス減になることになり
そのため、当然教員も余るから、その余剰教員を転勤させねばならない。チャンスなわけです。順番から言って、今年当たり
確実に転勤該当者になりそうな人は1、2名。とは言っても毎年6〜8名ぐらいの規模では転勤しているわけですから、枠はあと
4〜6名はある。私も最長勤務年まであと2年あるものの、年数が長い人から言えば、この第2グループの4〜6名のに該当する。
というわけで期待大なのだ。わくわく。でも毎年そんなこと言って転勤出来ないのですけどね。今年もあまり期待しないでいましょう。
そんなことを考えつつ、希望票を書いていたら、グッドタイミングで電話あり。誰かと思えば、前任校で仲良しだった、とある
女の先生より。このH女史は現在転勤して、いわゆる良い学校にいらっしゃる家庭科の先生です。まっ、独身時代からの悪友の
ひとりです(笑)そのH女史から電話で何かと思いきや、まさに転勤話の件。彼女のいる良い学校で、ちょうど国語の先生が2人も
転勤する予定とか。だからうちの学校に来ないかというお誘い。まさに渡りに船、願ったりかなったり。是非ともそちらの学校へ
行きたいですよ。おまけにちょうどそちらの学校では、来年度から情報部ができるそうで、その手の人材も探している由。まさに
適任ですな(笑)是非とも...って当人同士の話でいけるわけないって。それならみんな自由に好きなところへ転勤
出来るっつうの!でも行きたい学校というか、ここの学校へ行きたいと、校長へその希望を言うことは出来るのですよ、いちおう。
そのうち校長との面接もあるので、そのH女史のいる学校へ行きたいと、言うことは出来ますが、これがそのまま県の人事担当者の
耳まで届き、その通り行くかどうかなんて、ほとんど五里霧中。希望通りに行かないのが普通でしょう。でもなぁ、せっかく
そういう空きがあって適材適所の人材がいるのに(自分で言うか)そうならないことの方が圧倒的に多い。だから人事が停滞するの
だろうなぁ。まっ、なるようにしかならないけどね。
えっ?今日はなにかって?中間テスト最終日です(笑)
10月27日(土) 強歩大会
第4土曜日ですが行事です。そうです、今年も来ました強歩大会。川縁を25キロも歩くという行事。季候も良く秋晴れで、さぞかし
気持ちよいことでしょう...って、この年齢になるとそう思うのであって、高校生の頃は「なんで歩かなきゃいけないの?」と
不満タラタラだったでしょう。ハイ、やっぱり生徒もそう言っていました(笑)私の今年の係は記録!つまりデジカメで
あちこち回って、生徒の様子を撮りまくる。そしてすかさず学校のHPに載せるというお仕事。昨年までは途中のチェック
ポイントなどに立っていましたが、今回は巡回係のようなもの。気が楽なようで、あちこち移動するのでちょっと大変でした。
まずは第1関門(3キロ地点)へ。まだまだほんの序盤なのですが、早くも弱音を吐く生徒が多数。それを励ましつつ激写。
続いてすぐに第2関門へ車で移動。ここは9キロ地点なので、そこそこ疲れてくる。でもさすがに3年生ともなると、過去
2回歩いているので、この行事の怖さをよくわかっている。始めのうちにペースをあげてどんどん行かないと、後で疲れがたまって
本当に苦しくなっているということを。だからここの関門でチェックの様子を見ていたのだが、来る生徒は3年生と2年生ばかり。
1年生はダラダラ歩いていて全然来ない。ペース配分がわかっていないのだ。私も歩いたことがあるからよくわかるのだが、ダラダラ
歩くと本当にラスト5キロぐらいが辛い。さすが上級生は経験上速い。1年生は大丈夫でしょうか。ちょっと心配。さて私は
今度は第4関門の昼食ポイントへ。いちおうどこで昼食を取っても良いのだが、ここがちょうどお昼時ぐらいにたどり着くところで
回りに花畑や風車などがあり、とてもきれいな公園があるのだ。約20キロ地点。そこへGO!みんなへばった顔をしてお昼を
食べていました。足にマメが出来て半泣き状態のやつも。頑張れと心の中でつぶやきつつも激写。生徒からは「先生は歩かなくて
良いからずるい!」と非難囂々。俺だって昔歩いたさ。さてここからはラスト5キロなのだが、ここからが本当の苦行。マメは
潰れるは足はけいれんするわで、本当に大変。おまけにタイムリミットがあって、予定時間までゴールしないと、追歩といって
もう一度歩かされるのだ。地獄です。その死にかけて俯いて歩く姿をまたまた激写。そしてゴールするとPTAの人たちが
用意してくれていた手作りの豚汁を振る舞ってくれる。本当にお疲れさまでした。でも生徒よ。ただ一日中立っている先生方だって
大変なんだぞ。そこをわかってくれぃ。でもやっぱり歩く方が何倍も大変か(笑)そんな一日でした。

10月30日(火) 仕事の配分
昨日は強歩大会の代休でお休みでした。ゆえに今週は4日間!とは言ってもまだまだ2学期後半に入ったばかり、仕事は続くよ
どこまでも。それでも担任団としては大きな行事がほぼ完了したのでホッとしている様子。3年の担任だけは、進路関係の仕事が
続いて忙しそうですが、もう一息でしょう。
さて本日授業があったクラスはテスト返却。いやー、今回私が持っているクラスは軒並み悪かった。なんでこんなに勉強しないの?
というくらい。そりゃあ今回はそこそこ難しかったけど、それでも全然勉強していないのがバレバレ。「ここはやっておけよ!」=
出るぞ!という暗黙の了解も通じず、玉砕するもの多し。これはノート、教科書すら開かなかった証拠。それでテストに臨むとは
いい度胸だ!赤点つけまくっちゃる!でも生徒は特に落ち込むわけでもなく「はははっ、俺、20点だった。赤点だー!お前何点?
えっ?18点?馬鹿じゃねぇー」目くそ鼻くそ状態でした。
その他の仕事としては、自習監督したりテストの点の調整したりと、比較的穏やかな仕事の流れでした。でもふと考えてみると
私はこのホームページに忙しい忙しいと書きまくっている。確かに忙しいときは仕事が立て込んで、本当に飯を食う暇もないのだが
トータルでいうとどうなのだろうと考えた。忙しいのはどこの学校でも同じだと思いがちだが、これがけっこう学校格差がある。
その内容や量に。例えばうちみたいな底辺校は、はっきりいって教員の労力の80%ぐらいが生徒指導に当てられる。とかく問題を
起こす生徒がいるので、その対応に日々追われることが多いのだ。それはそれとして大変なのだが、でも逆に行事(例えば文化祭)
とかに力を入れまくっているかというとそうでもない。それでも今年あたりはけっこう見るべき文化祭になってきたが、例年は
ここまで盛んでなかった。それは担任とかが、生徒の個々の対応に手一杯で、そこまで手が回らないのだ。不登校の生徒、停学中の
生徒、問題を抱えている生徒、そういうのに手をかけていて、文化祭までは手が回らず、それこそおざなりのものであっても、
仕方ないという教員同士の暗黙の了解があるのだ。ましてや学習面に関しても。信じられないだろうが、小学4年生程度の漢字が
書けないやつとか、分数計算どころか九九も完全ではない生徒たちが入ってきていたのだ。だから勉強に関しては、それこそ
あまり期待していない。とりあえず中学ぐらいの復習からみっちりやって、そういうレベルなのだ。ある進学校から転勤した先生が、
いきなり1年生の数学の授業で、ある公式の展開式を書いたら、ほとんどの生徒が理解出来なかったらしい。そりゃあそうでしょ、
割り算がまともに出来ない生徒も意外に多いのに。だからうちの場合、教員の力配分が、80%生徒指導、10%学級経営、
10%学習やら行事...なんて割合なのだ。それでも近年は少しずつレベルが上がってきて、文化祭も盛んになったし、何より
古典で文法を教えられるようになったこと(泣)これは嬉しい。
これが進学校になるとまた全然違う。行ったことがないのでよくわからないが、おそらく生徒指導5%、学級経営10%、残り
学習なのではないか?そして一番問題なのは中堅校。この間の学校。この手の学校はどこにも力を入れている。問題のある生徒も
そこそこいるから生徒指導もばっちりやっているし、文化祭とかが盛んで学級経営も大変。補習やらなんやらの学習面にも
力を入れて、挙げ句の果てに部活指導も大変ときている。おそらく120%ぐらいになってしまうのではないか?
そう考えると一番大変なのはどの階層かということになる。不幸にして底辺校しか知らない私は、まぁ、生徒指導に関しては
精神的に色々大変だが、ある種の諦めというか、妥協というか、職員同士も、この程度は仕方がないという共通理解が得られやすい
部分も多い。だからある面に関しては非常にドライなので楽だったりする。それが良しとはしないが。そんなことを考えつつ
今後どうなるのだろう?なんてことをつれづれに考える午後。
10月31日(水) シミュレーション・ゲーム
このところ体調の良い日と悪い日が交互に来る。これはどんな予兆なのだ?体調が良いのか悪いのかいまいちよくわからない
この頃。でも本日は快調の方。仕事もそれなりにサクサク進む。
私のゲーム好きは有名だが、最近また久々にやりだした。それはGBA(ゲームボーイアドバンス)の「タクティクスオウガ外伝」と
いうやつである。シミュレーションRPGと呼ばれる分野のものである。元々やるのはRPG専門で、それも大作(DQとかFF)
ばかりで、最近は忙しいせいもあってなかなかやれないでいた。そんな中、以前例外的にやったシミュレーションRPGの
「伝説のオウガバトル」というソフトが、なかなかストーリー的に凝っていて、まるで大叙情詩的な趣があり、人間関係なども
かなり複雑で、とても面白かった記憶があったのだ。このオウガシリーズというのは、どうやら大ストーリーで、以前やったのは
全8章の中の第5章の部分だけで、過去第6章のところなどが、一部ゲーム化されたらしい(以上マニアのホームページよりのネタ)
その時面白かったなぁという記憶だけが残っていたので、久々に手を出してみたのだ。わざわざGBAまで買って(^^;)
いわゆる戦略ものとか育成もの、その他、三国志的な、古くは「信長の野望」みたいなものは、面倒であまりやったことがないのだが
これはストーリー的にも面白いので食指が動いたのだ。まだ始めて15分なので、何とも言えないが、まっ、しばらくはやって
いそうな気配。
そこで考えたことがひとつ。こういうシミュレーションゲームって、けっこう人を選ぶなぁということ。例えば戦国武将ものの
ゲームなんかやると、やることが色々あって本当に悩んでしまう。耕地しないと石高が上がらずお金が貯まらないし、軍事ばかりに
専念すると民衆が暴動起こすし、治水しないと天災によって田畑がダメになるし、人材も育てないと国力が上がらないし、外交を
うまくやらないと攻め込まれて領地が減るし...。と内政や外交、軍事、税金などなど、様々なことを勘案してバランス良く
やらないと領土なんて広がっていかない。そういうことを考えつつやるゲームって、ある程度スキルがないとうまくできないの
ではないか。ただ軍事だけを増強しても内乱が起こるだけだし、内政だけでも外部から攻め込まれるし、いわゆるバランスを
うまーく取っていかないとだめな分野のゲームだと思う。
で、こういうゲームをうまくやれる奴っていうのは、ある意味頭がいいし、バランス感覚も優れている証拠だと思う。つまり
親とか先生とか友達とか、自分の気持ちとか人の気持ちとか、または現実とか夢とか、そういうもののバランスがうまく取れ
ないやつが多い中、こういうシミュレーションゲームこそが、そういうものを解くカギになるのではないかと思った。ゲーマーと
いうと内向的でコミュニケーションがうまく取れない奴の代名詞みたいにいわれるが、こういうシミュレーションゲームが
うまいやつは、意外とバランス感覚に富んでいるのではないかと思う。もちろん全てではないが。試しにやらせてみといい。
うまく出来るやつと出来ない奴の差がこれほど顕著に出るゲームはないから。
えっ?O−TEACHERはシミュレーションゲーム得意かって?だから下手だからあまりやらないって言ってるじゃん(笑)