諸説紛々たる 1月 下旬 編
1月21日(月) 色んな仕事
寒い一日でした。3年生は今週末から学年末テストがあるので、そろそろ追い込み。私も何とかテストを作り上げ、最後の
まとめに入っています。しかしそれと同時に来週推薦入試があるので、その準備もしなければいけない。願書受付が木曜日から
あるのでその手配も...。これぐらいの仕事のダブりは日常茶飯事。掛け持ちが3つ程度なら良しとしなければ。2年の
先生なんかは来月早々に修学旅行なので、その準備も重なったりして大変なのです。私もとりあえず校内LAN関係の、
配線工事だけは終わったので、この後のサーバ搬入やら動作テスト等々のスケジュールを立てねばなりません。色々な先生に
「大変だね。そんなの教員の仕事じゃないよね。」と同情だか憐憫の言葉をかけられますが、教員には色んな仕事があると
はんばあきらめています。でもこういう授業以外で、色々な先生が色々な仕事をして、始めて学校が成り立っているのも事実。
例えば今日のこの寒い冬空にM井先生はカーテンの洗濯をしていました。もうすぐ入試なのでカーテンが汚くては受験生が
可哀想。クリーニングにでも出せば良さそうなものですが、経費削減の折り体育館裏の外にある洗濯機でカーテンをガラガラ
回していました。ご苦労様。
そうそう、今日私の手元に一通の文書が回ってきた。何かと思えば「学校ホームページに置ける音楽利用の著作権手続きに
ついて」というもの。見てみると教育機関のHPで、どの程度音楽が利用されているかというアンケート結果が数ページ出ている。
そういえばだいぶ前にそんなアンケートに答えたことがあったかも...。見てみると小中高のHPで校歌を紹介していたり
なかにはオリジナル作品を発表したり、文化祭・学芸会等で演奏される音楽だったり、はまたま運動会などの催しの背景で
流されていたりと色々多岐にわたっていた。中には児童会の歌とか生徒会の歌、応援歌とかもあった。なるほどHP上の音楽
とは言っても色々あるなぁと思っていた。そして一番最後のページまで見てみると...えっ!?何これ?教育機関の行う
インタラクティブ配信の取り扱い?えーと何々、教育の一環として著作物を利用する場合の使用料は、次により算出した金額と
する!えーっ!お金取るの?教育利用でも?確かに著作権は保護されるべきものだけれども、学校のHPで流している校歌って
著作権料って発生するの?どうなの?よくわからないなぁ。でもこの文書によるとダウンロード形式、ストリーム形式どちらに
しろ10曲まで年額20000円とするとか出ている。もしこれにかかわってくるなら校歌の掲載を止めねばならなくなるかも...。
マジっすか?おまけに、なお本取り扱いは7月に遡って適用するものとするとか出ている。そういえば色々なところで音楽の
配信止めたところもこのところ多かったような...。うーむ、せっかく頑張ってバラエティ豊かな学校のHPにしたのに
これでは校歌も流さないようにしなければならないかも...。なかなか難しい問題ですね。
1月22日(火) HP追い込み
金曜日から3年生は最後の学年末テストなのだが、私が教えている3クラス中2クラスは、テストをやらずHPを作成して
個人的に提出して、それを評価するという形にしている。つまりテストなし。ある意味楽なんだけど、逆に完成させなければ
点数なしという、Dead or Alive な展開にしている(笑)それでもいちおう規定があり、全4ページ分作ることになっている。
そのうち目次であるトップページと2ページ目の自己紹介のページは、すでに2学期後半で作り終えているので、実質的には
残り2ページ分。メイン1とメイン2。つまり自分の作りたい内容(趣味、友人、家族等々)のページなのです。これもただ
作ればいいというわけではなくて、メイン1の方は文章中心に800字以上の説明が必要。メイン2の方は写真やイラストなどを
4枚以上貼り付ける、そういうハードルにしました。中にはとてもマニアックな内容を書き込むものあり、延々とオタク道
突っ走るものありと(笑)なかなか凝ったものになっています。で、メイン2の方の写真やイラストなのですが、自分で
描いても良し、何かの切り抜きでも良し、その場合はスキャナで読み込んであげるからと言っていました。もちろん趣味の範囲
なんであまり著作権的なことはうるさく言わずに...。最初のうちはテキスト中心でみんなひたすら打ち込んでいたのですが
このところになって「先生!この画像取り込んで!」「O−TEACHER、これとこれとこれと...」「これは大きく、
こっちは小さめに!」「これはアニメーションに使うからgifで取り込んで!jpgじゃなくて!」とリクエストが多く殺到して
いる。元々コンピュータ室にあったスキャナが調子悪く、隣の情報処理室のスキャナを使ってひっきりなしに取り込んでいる。
何かそれ専門の業者みたいに(泣)自分で指示したとはいえ、生徒の熱心さに押され気味。中にはあまりに沢山取り込もうとして
フロッピィに保存できなくなる輩も...。そして挙げ句にフロッピィが自爆して呆然とするものも...。そんな感じで
休み時間、昼休み、放課後と生徒にこき使われまくっている私です。
1月23日(水) 多忙's
昨日に引き続き本日も生徒のホームページ作りの指導。ほとんどスキャナ取り込み職人となり、範囲指定の微妙な技まで会得
できている感触。こんなことがうまくなっても...(泣)でも着々と個性的なホームページが出来つつあって見るのが楽しみ。
その裏ではテスト作り、プリント作り、明日の推薦入試の受付準備、教頭から頼まれた県報告文書メールのチェック、学校
ホームページ移転のためのデータ保存...これらをこなしております。全然暇がありません。ゆえに本日も日記簡略ご容赦。
1月24日(木) まだ続く
本日も忙しすぎ。テスト問題を印刷したりもちろん授業をしたり、その上今日は、推薦入試の受付だったので、受験生の名前や
住所を空き時間にひたすら入力作業。もう5分と空きはありませんでした。でも大事な受験生のためですから仕方がありません。
相変わらず人の名前が一番難しく、読み方、旧字、慣用字など頻出で、なかなか捗らず。合わせて相変わらずスキャナ三昧。でも
どうにか生徒の方もHPを完成させた感じ。でもこれをまた細かく見るのも一苦労。でも生徒の力作揃いなので見るのも楽しみ。
このところ忙しくてあまりこの日記も書けないが、来週ぐらいからはペースが戻る予定。その時まで勘弁ご容赦。
1月25日(金) うおーん!
本日から3年生の学年末考査が始まる。でも1、2年生は普通に6時間授業。でも3年生のテスト時制に合わせて3時間目までやり
昼休み、そして4限目から午後という日課が組まれている。私も片やテスト監督、そして午後から授業と、テストで楽なんだか
それとも平常通りなんだかよくわからない。おまけにその他に推薦入試受付の名簿入力読み合わせ、訂正などが続き、相変わらず
暇がない。ちょっと空きがあると、昨日までに提出された生徒のホームページ作成済みフロッピィを確認する作業に追われています。
とりあえずまだまだ日記も書ける間もなし。
1月28日(月) そんな日
このホームページの原稿が入っていたフロッピィが逝ってしまった(泣)そんなことはさておいて、本日も1年の古典の授業と
3年の現代文のテストの採点と大忙し。テスト中の質問を受け付けるために、現代文のテストの時に教えているクラスを回ったが
その時「早めに解答を書き終わって時間に余裕がある人は、今年一年間のO−TEACHERの現代文の授業の感想なんかを
解答用紙の裏に書いて下さい。」と言ったところ、色々書いてあった。おおむね楽しかったと好評。良かった(^^;)その中に
「問題の選択肢にギャグを入れないで下さい。試験中おかしくてシーンとしている中、吹き出しそうになってしまいました。」と
書いてあった。してやったり(ニヤリ)実は今回の現代文の試験の問題にこんなのがあった。次の語句の意味を次の中から選び
記号で答えよというもの。そのひとつに「安住」という語句があった。この選択肢に、ア 快適な住まい イ その状態が
居心地良いこと ウ その状態に満足していること エ TBSのアナウンサー と入れておいたのだ。この選択肢がうけた
らしい。まっ、そんなところにほくそ笑みながら採点採点。
そして放課後は推薦入試のための職員会議。推薦入試要項いわゆるマニュアルの読み合わせ。年々教員の数も減ってきて、色々と
分担も増えていく。まぁ仕方ないことですね。でもその中で一部揉めたのが会場設営について。例年特に不可がなければあまり
うるさくなかったのだが、今回は完璧な会場が要求され、そのことで不満を言う人も...。特に今まで問題なかったから
いいだろうと言う人もいて、ちょっと議論。会場に当たった先生が2年生の担任で、おまけに推薦入試のすぐ後に修学旅行が
控えているから、とてもじゃないがやりきれないと不満炸裂。でもまぁ仕方ないことなのかも...。今までがけっこう大雑把
すぎたからねぇ、うちの学校。その他細かいことにいちいち不満を言う人もいるが、教務部の係の方は、色々な方面を調整した上で
こういう形にしたということが、以前やっていた私としてはよーくわかっているので何も不満なし。そういう自分の都合だけで
文句を言っていては、なかなかこういうのは調整しきれないと思うのだが...。そういう細かい調整した経緯まで話し始めたら
それこそ1時間では終わらないと思うし...。まっ、こういうのも季節の風物詩として受け止めましょう。
1月29日(火) 公共心の欠如
最近とみに感じることがある。それは公共心の欠如。あちこちで若者のマナーの悪さが取り沙汰されているが、学校という場でこそ
そういうものを感じる機会が多い。今年私は学校の4階のトイレ掃除監督なのだが、その汚さに辟易する。トイレだから汚れるのは
当たり前だが、そういう汚し方ではないのだ。男子はまだいいが女子トイレの悲惨さたるや息をのむ様相である。一歩掃除のために
踏み入れると、そこにはトイレットペーパーが散乱し、流しにはトイレットペーパーがつまって流れなくなっていて、汚物入れは
あふれかえり、化粧の後とおぼしき綿棒(おそらくマスカラ、アイシャドー?)や黒染めスプレーの痕跡等々。とてもじゃないが
掃除監督でなかったら手を付けたくないスラム状態である。こういうのが週に一度ペースである。どうしてみんなが使うところだから
きれいに使おうと思えないのか。自分たちだけの場所と勘違いして好き勝手に使っている。当然トイレ用にとトイレットペーパー
未使用のものを鏡の前に並べておくのだが、それをトイレ用に使うのではなく、化粧用もしくは手ふき用に使うのだ。いつも行くと
洗面所の前に形はそのままだが、表面が濡れて使えないペーパーが2、3個置いてある。何だろうと不思議に思っていたのだが
実はその形のままで手を拭いていたのだ。でも当然そうやって使われたペーパーはもう使えない。たった数回の手ふきのために
まるまる一本のトイレットペーパーが使えなくなるのだ。なんたる無駄。またそのトイレットペーパーで化粧の後始末もするもの
だからあっという間にトイレットペーパーがなくなる。そうると本来の意味で必要ペーパーが足りなくて、驚くほど補充しないと
持たないのだ。そういうことをしているのは一部の奴らだけで、ほとんどはきちんとした使い方をしているのだが、その状況が
あまりにひどいので、一度全体に注意を促したことがある。その時はしばらく良かったのだが、またしばらくすると同じ状態になる。
ゴミはあふれかえりペーパーは無駄遣いされている...。嘆かわしや公共心のなさ。ほんの一部のものの無軌道ぶりなのだが
それにしても腹が立つ。かと言ってふだんの時ズカズカ女子トイレには行って注意するわけにも行かず、また女の先生に注意して
もらってもその時だけ。昨日の職員会議でも、他のトイレでも壁に穴が開けられていたり、補修されていたテープがはがされて
いたり、どこかの隙間にガムや紙くずが詰め込んであったりと色々あったそうだ。どうもこのところそういう公共心の欠如が
突如として多くなったような気がして仕方がない。成人式も荒れるわけだ。みなさん、そんな気がしません?
1月30日(水) 再読文字
今日は色々書きましょう(笑)まずは授業の話。1年生で現在漢文を教えているのだが、これがなかなか苦労している。なかなか
訓点に従って書き下し文にするという作業がなかなかうまくいかない。ただレ点とか一・二点だけなら良いが、置き字(例えば「而」)は
使わないとか、助動詞は平仮名にするとか(例えば「不可」は「べからず」)そういう例外的なことがポンポン出てくるので
混乱している。そして本日は再読文字の箇所でつっかえた。「留学三年未業成」というやつで、「未」を「未だ〜ず」と書き下すと
いうことがなかなかわからない。「なんで『未』だけ二度も読むの?」「そりゃあ再読文字だからだ(説明になってない)いいか
詳しく説明すると余計わからなくなるから、とりあえず再読文字は決まったパターンがあるから、それをとりあえず覚えろ。『未』は
1回目は訓点に関係なく読んで書き下す時は漢字を使う。2回目の時は訓点に従って平仮名で記す。わかった?」
一同「わかんなーーい!」そりゃあ、わからんわな。私も高校時代よくわかってなかったもん。
「先生、何で二度も繰り返すの?」
「歌だってそうだろ?カラオケで歌うとAメロ、Bメロ、そしてサビ。2番を唄って最後にまたサビを繰り返すだろ?」
もちろんこんな説明はジョークですけど(笑)そんな話を同じ国語科の他の先生にしたら「そんな無茶な。」と笑われた。
でもS谷先生だって再読文字の「未」を教えた時は「未亡人」なんて、かなりマニアな言葉で教えてましたけど(^^;)
さて本日は3時間で終わってその後は大掃除。明日推薦入試なので大片付けなのでございます。昨日あんなに苦言を呈したのに
今日のトイレ掃除はよくやってくれました。やっぱりほんの一部の心ないやつらが汚すし片付けない、そういうことなのです。
とりあえずその後も色々と関わりあるところなどの掃除に馳せ参じる。付添人控え室とか...。そしてその合間に明日の
作文の試験の打ち合わせなどちゃっちゃっとやる。片や3年生に課していた提出物などの点検と、相変わらず大忙しでごじゃる。
そして何とか3年生の成績なんかを付けたりする。推薦入試準備、3年生の成績付け、そして学年の仕事と、やることは
相変わらずたくさんあるが、これもこの時期の仕事なので文句を言わずやりましょう。やれやれ。
1月31日(木) なので
本日は推薦入試でした。作文と面接。私は作文の試験監督と、その後すぐ作文の採点。まずは作文試験の監督でしたが、あの
咳一つしても響くぐらいの重い沈黙はすごい。重力Gがいきなりここだけ違うような重苦しさの試験教室。入室して試験開始の
鐘が鳴るまで5分ぐらいあるのですが、それまでは物音一つ立てずジッとしている中学生。この静けさが入学した途端(^^;)いちおう
こちらも試験監督ですから、いかめしい顔つきでにらみを利かせたりする(笑)机間巡視をしていると...あれ?この子、
上履きを履いていない!おそらく持参するべき上履きを忘れてしまい、そのまま受付を通り体育館で説明を受け、靴下のまま
この作文試験教室に来たのでしょう。あとでスリッパを渡す。おそらくかなり動揺していたのでしょうなぁ。みんなカリカリ
よく書いていました。
さて試験が終わり続いて面接。今回私は面接試験をやっている裏で作文の採点となりました。これも国語科の宿命。内容については
もちろん言えませんが、沢山の作文を読んでいて気付いたことが一つ。「なので」という言葉がとても多い!接続詞として
かなりの生徒が多用していた。「〜だと思います。なので私は××を〜」という感じで使っている。これってちょっとおかしい。
「だから」とか「それで」ならまだいいけど「なので」というのを、接続詞として使うのは、作文の表記上、違和感が強い。
話し言葉と書き言葉の区別が付いていないケース(例えば「〜だけれども」が正しいのだが「〜だけど」と書く子はとても多い)は
意外に沢山いるのだが、今回採点していて「なので」接続詞がやたら頻出した。推薦で作文試験があるとわかっているので、
大多数の中学校ではかなりの作文の練習をしてきている。中にはそのまま中学校の先生が書いた模範解答を丸覚えして書いてくる
子もいる。でも大抵はかなり中学校の先生に添削してもらって練習しているはずなのだが、この「なので」は異様に目に付いた。
すごーく良い文章を書いている子で、いかにも手直し済みの文章を書いているのに「なので」だけ直っていない。中学校の先生も
気付かなかったのだろうか。採点していてとても気になった。まっ、そんなかんなで他の先生たちと色々議論して、沢山の作文を
読みこなした次第...。あとは面接の結果や内申書などが加味され、明日合否判定会議がある。色々大変なのです。