神韻縹渺たる 4月 中旬 編



4月11日(木) 初めての授業

というわけで朝から授業3連発。激疲れ。というか今年度初めての授業だし、初めて行くクラスばかりなのでとても緊張しました。生徒も緊張しているが、実は先生だってとても緊張しているのだ。どんなクラスだろう、雰囲気はどうかな?良く発言してくれる子はいるかな?不安は尽きなかったりする。実は私もこう見えても、うち解けるのに結構時間がかかるタイプなもので(^^;)

で、まずは1時間目。噂の3年某クラスへ。国語表現の授業。こっちはメチャメチャ緊張しているのに、このクラスはクラス替えがなかったせいか、もうすでに元気いっぱい。はじめっから飛ばしていました。とりあえず国語表現って何するの?というところから、個人的なアンケートを取ったりして、3年生のパワーに圧倒されつつ終了。次は2年生の古典。2年生は全クラスクラス替えしたので、どこのクラスへ行ってもまだシーンとしている。お互いまだどんなやつがいるか探っているようで、こそこそ元同じクラスのやつと話していたりする。とりあえず今日は本文写しなどをして終わる。そして3時間目は2年の現国の授業。こちらもシーンとしていて気味が悪い。去年2年生は5クラス中2クラスしか教えていないので、3/5は知らないやつ。だから向こうも「O−TEACHERってどういうやつ?」とジーッと見ている。そんでもってなおさらこちらも緊張感が高まる。何か面白い話でもしようと思って小ネタを話すも、相変わらずシーンとしているので、間が持たなくなって仕方なく授業。あーあ、最初からこんなぴっちり授業なんてしたくなかったのに(泣)
というわけで結構疲れました。こっちもかなり緊張していてハイテンションになったようで、何か肩が凝った。まっ、お互い慣れてくればマイペースで授業も出来るでしょう。

5限目は学年集会で頭髪服装検査。放課後は部活動オリエンテーリング。我が硬式テニス愛好会は、幽霊部員がこの時ばかりは集まって、いちおうテニス何かしている。見学に来た一年生を、てきとーにけむに巻きつつ(笑)いちおう見学証明の判子を押す。今年も誰か入るやつがいるんでしょうか?活動していないのに(^^;)


4月12日(金) 熱い思い

本日は午前中授業の後、午後から離任式。教頭先生を始め、6人の先生が熱く語ってくれました。いつもこういう話を聞くと、どの先生も様々な思いがあったのだなぁと感心します。みんなけっこう話は長いし(笑)中にはサックスまで吹いちゃう人もいるし...(^^;)まっ、なかなか印象に残る離任式でした。私もいつになったらあのステージで熱く語れるのでしょうか(泣)
そんなこととは関係なしに、私は再びカメラ小僧として、せっかく涙を誘う話をしているのに、舞台袖とか正面などにしゃしゃり出てデジカメ撮影。はっきり言って邪魔なやつでした。まっ、とりあえずこのところ連日学校行事をサクサクUPして、いちおう仕事している私なのです。

さて次は夜の部、歓送迎会の乱痴気騒ぎ(笑)これは例年のごとく無礼講の御乱行(笑)ええ、書けませんとも(うそ)その席で色々な先生の実は隠れた真実とか、本音とか、意外な趣味とか聞けてけっこう面白いのです。その転勤される先生方の中にはけっこう仲良しもいて、ちょっと寂しい気分。だから昔話とか聞くと何かちょっと切ないです。来年か再来年には私もあの立場か...と思いつつも、毎年思うのだが『あの人の話は長い。早く飲ませてくれ!』とか『いまいち内輪ネタ過ぎてわからない。』とか『私ならこの話をして職員の爆笑を誘うのに!』なんて
思ってしまう不謹慎な私。自分が転勤の時は、これも話そうあれも話そうと思いつつ9年目突入、いつになるやら。

今回の歓送迎会は社会科が幹事だったのですが、さすが切れ者H井先生とU海先生がいたおかげで、生徒からの転勤される先生方へのメッセージビデオが流され、とても楽しかった。各先生への生徒の感謝の気持ちが伝わってきてとても良かった。でも聞くところによると夜11時までビデオ編集作業にかかったとか...ご苦労様。そんな感じで大変盛り上がったのだが、あちこちへビールつぎに回っていると、何人かの先生から「ホームページ読んでいます。」発言!げっ!そんなマニアックな読者がまだまだ存在したとは...(笑)けっこう最近は面白い話なんかとんと書いていなく、いつもコンピュータの愚痴ばかり書いているので、なんか恐縮してしまった。ここはひとつ心を入れ替えて、面白いネタを発掘して頑張ろうかな?せっかく身内でも読んでくれる人がいるのだから。そのかわり先生方、ネタにさせていただきます(笑)というわけで宴は楽しい雰囲気で過ぎていきました。


4月16日(火) 見た目

昨日は創立記念日で3連休!でもすっかり怠け癖が付いたせいか、今日は辛かった。いやー本当に辛かった。

授業的には3時間でたいしたことないのだが、それでも3連休明けで怠けモードに入っているし、おまけに暑くて湿気が多くて気持ち悪いし、そしてまだクラスが替わってみんな落ち着かないし...。そんなわけで全然授業もノリノリではないのです。

おまけにその他の仕事として、漢字検定の告知プリントを作ったり、総務部部長のM門先生から頼まれたPTA会員名簿の作成でも疲れたし...。ていうかこれは元々総務部の仕事なのですが、過去総務部を足抜けした都合上、手伝わざるを得ないのです。ましてやクラスが替わって、名簿を並び替えたり訂正したり、それをいちいちExcelの起動から教える労力を考えると...自分でやってしまいましょう(泣)そのせいで本日午前中2時間も取られる。やれやれ。

そんなことやら授業に行きたくないなんてことを昼休み、食事をしながら愚痴っていたら、M井先生に「O−TEACHERでも、そんなにやる気が起きないんことがあるんだぁ。」と言われてしまった。
なに?私って日々そんなにやる気を出して、ウキウキ・ウォッチングで授業に行っているように見えるの?
「いや、でも日頃ニコニコして楽しそうに行くじゃないですか。」

そう見えるだけです。心の中では登校拒否ならぬ授業行きたくない病が蔓延しているのです。そういえば離任式の時にN木先生も「よく僕は普段から飄々と何事も苦にしていないように観られていたかもしれませんが、本当は色々気にしたり落ち込んだりすることもたくさんあったのです。」という発言が思い起こされた。 やっぱり人間見た目で判断してはいけない。ニコニコ笑っているようでも実は内心はわからないのだ。

そんな日の、とあるクラスの授業にて。いきなり初めてなのにガヤガヤ騒がしい。お前ら初対面だろ!いい加減にしろ!...と爆発するまでは行かないが、軽く怒った(フリをした)するととある生徒が一言。

        「そういうの先生のキャラクターに似合わないよ。」
        「・・・・」


4月17日(水) そう言われても...

本日も忙しかったです。授業が立て込んでいる上に会議とかもあるし...。まっ、でも仕方がありませんよね、それが仕事ですから。

さて本日のネタ。うちの学校は前から書いていますが情報コースというのがあります。とは言っても内容的にはけっこうお寒い限りなのですが、それでもコンピュータをやってみたいという子たちもそこそこいて 今更ながら数学の先生方を中心にチーム・ティーチングで、コンピュータの基礎からワープロ・表計算、果てはBasicまで教えたりしています。まっ、普通科としてはなかなか頑張っている方でしょう。 ただ設備が古く未だにWindows95を使っていたり、ソフトも古かったり、インターネット環境が整備されていなかったり、そして極めつけは、教えるこちら側にもあまり詳しい人がいないという現状。 だって私みたいな国語の教員で、趣味で遊んでいるやつの方が詳しかったりする。まっ、そういう感じなのです。

ところが今年、希望の星というか、非常勤講師で数学科にコンピュータの専門家が派遣されてきた。数学の先生方は大喜び。今まで自分でも何を教えているのかよくわからず、それこそ教書通り わかることだけをやっていたので、まさに救世主として喜んでいたのです。これで少しは助かると...。<

ところがその新しい講師の先生が、授業の中でホームページ作成の授業をやりたいと言いだしてきたらしい。それを小耳に挟んだ私はちょっと驚き。今年も実は国語の授業の中で取り入れようと思っていたのに それをやられてしまうと年間計画に狂いが出る、どうしよう...でもしょうがないか、などと思っていたのである。

そんな折り、情報処理室で仕事をしていると、いきなり隣のコンピュータ室で授業をやっているはずのK岡先生が来室。「実はO−TEACHER、今度来たM木先生が、何か言っているんだけど、 よくわからないので聞いてくれる?」とのこと。何かと思いきやコンピュータ室のネットワークやらに関しての質問だった。さっきも書いたがうちのコンピュータは古すぎて使い物にならない。 それでも私なんかは騙し騙し何とか工夫してやっている。昨年度までのホームページ作成授業でも、無理矢理ホームページ・○ルダーなどを使い、ホームページなぞを作らせてきた。それでも パソコンの能力やソフト類からするとギリギリのパフォーマンスだったのだ。それをいきなり「ネットワークが調子悪いのですが...ブラウザが立ち上がらないのですが...」とか言ってきたのだ。 それはいちおう普段授業で使っている数学科が中心となって解決して欲しい事柄もけっこうあったのだが、ところが担当のK岡先生とかも「ブラウザって何?」というレベルなのだ!(恐ろしや!) 「えーっと、多分ブラウザが入っていないパソコンもありますね。ネットーワークに入れないのも、いくつかのHUBが調子悪いからだと思います。あと、学校のホームページのサンプルが見られないのは 絶対パスが間違っているからだと思います。」と、わかる範囲で答えた。しかし実際の担当のK岡先生はちんぷんかんぷん。その上、新しく来た講師の先生は、まだ生徒のレベルを把握していないし 機器の貧弱さや不具合の多さも理解していないらしく、けっこう高レベルなやり方とか環境を要求してくるのだ。と言っても私が教えるわけじゃないし、私が機器を整備する財力もないし(笑)

というわけで板挟みになり対応に苦慮。とりあえず数学科に下駄を預けるしかない。もちろん側面からの支援はしますが、もう一度教科で十分練って下さいと言うしかない。 まっ、そういうことも何故か情報部というだけで色々巻き込まれる一日でした。やれやれ。


4月18日(木) 暗唱ラッパー

朝は昇降口指導、そしてもちろん授業。放課後は職員会議。という普通の先生生活の一日でした(笑)

そんな中で今日のネタ。今年も2年生の古典を教えているのだが、今回「方丈記」をやることになった。そこで久々に冒頭の暗唱を、とあるクラスでやらせてみた。最近のブームではないが 声に出して読みたい日本語ということで、年輩の人を中心にけっこう暗唱できる人が多い。学生時代に暗唱させられ覚えたものは、意外と年をとっても身体に染みついていて忘れないものだ。 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり...」とか「春はあけぼの、やうやう..」「つれづれなるままに日暮らし、硯に向かひて..」等々、一度は覚えさせられた経験のある人も 多かろう。というわけで、今更という気がしないでもないが、一般常識の一つとして覚えていても損はないだろうということで、久々にやらせてみた。これが意外に面白かった。

「『方丈記』の冒頭の3行の暗唱テストやるぞ!覚えたものから前に言いに来い。」と言うと、みんなブーブー言いながらもブツブツやりだした。さて誰が一番に来るだろうかと思いきや なんと去年教えた中で、毎回古典で赤点を取っていたS君!?マジかよと思いつつやらせてみると、これが完璧。別に過去にやったことがあるわけでもないということなのだが、わずか 2分ぐらいで覚えてきたのだ。すごい!彼は確かにテストはダメだけども、こういうのはけっこう集中力を発揮してやれるらしい。

そんな彼のスーパー振りにクラスが俄然やる気になって、みんな真剣に覚え始めた。5分過ぎた頃からボチボチ前へ来て、暗唱し始める。みんなスラスラ言えてくる。でもこういうものこそ やっぱり集中力が大切で、今、覚えていたのに、私の前に来ると詰まる子もいて「先生、ちょっと待って!もう一回!」というやつもいる。途中で頭が真っ白になってすっかり忘れるやつ、 そうかと思うと最後の方ばかり暗記して、最初が出てこないやつ様々。でもみんななかなか出来ていた。

中には、とある女子で「よどみに浮かぶうたかた、」「で?」「違う違う、間違えた。たんまたんま(笑)よどみに浮かぶうたかたへー」 「へぇー?」「じゃなくて、うたかたにー?合ってる?」って聞くなよ(笑)(正しくは「うたかた」)いちいち私の反応を見ながら いうやつもいる。

そうかと思うと、とある男子。「ゆく河の...」「うん。」「ハイ来た!流れは...」「うん。」「よしOK!絶えずして...」ともうほとんど5文字ずつ区切ってなかなか終わらない奴もいる(笑)

そして極めつけはラッパー二人組(笑)確かにリズムを付ければ覚えやすいに決まっているのだが、もう一人の合いの手が絶妙で大笑いしてしまった。これ、文字で書くと面白さが伝わりにくいけれど こんな感じ。(ちなみに()の方はもう一人の合いの手君です(笑))

   「ゆく河のー」(Come on!)
   「流れはぁーっ」(Baby!)
   「絶えずしてぇー、し・か・も、元の水にあああああ、あらずぅー」(Yeah!)
   「よどみに!」(よどみに!)
   「浮かぶー!」(浮かぶー!)
   「うったかったはー」(Say Yeah!)
   「かつ消えー、かつ結びてぇー、Yo!久しく、とどまりたるー、ため、ため、ため、ためしなしー(註スクラッチです(笑))」
   「世の中にぃー、あるぅー、人と住みかとぉー、またまた、かくのご、と、しぃー!」(チェケラ!)

最高に笑えました。あっぱれです(笑)


4月19日(金) 書道の自習監督

なんか週休2日の影響が色々出てきています。まっ、確かに今まで土曜日の分を平日に振り替えているので、放課後の慌ただしいこと。今まで放課後には補習やら生徒への対応やら、もちろん部活動やら色々ありましたが それでも比較的何とかなっていました。でも仕事が放課後に集中するようになると、会議やらもどんどん遅くなり、勤務時間過ぎてから当然のように入ったりしてきた。私なんかまだしも お子さんのいるお母さん先生は厳しい状況。それに加えて土曜日にやっていた様々な行事(例えばPTA総会とか)も平日に振り替えられたりするようになり、当然その準備はまたまた平日の 放課後とかになり、余計仕事が詰まってくる。今年あたりは公開授業とタイアップするため、何とか曜日を振り替えて土曜日にPTA総会ができるようになったが、それでもけっこう色々調整が大変だった。 でも土曜日とかにPTA総会が出来なくなってくると、保護者は簡単に平日になんか集まれないだろうに...。それでも行事を土曜日に振り替えるのはダメなんて、上の方も現状をわかっていない。

というわけで前倒しになったPTA総会のために、名簿作りやら学年の資料作りやら色々立て込んできました。その余波で、本日の午後にPTAの理事会が行われている。その担当であるA沢先生は、その理事会に 付き合わねばならない。裏では5,6時間目の授業をやっているのにそれもきちんと出られない先生もいる。それでとりあえず生徒に色々指示を出して半分自習みたいなもの。それでわずかな空き時間がある私に 自習監督のお鉢が回ってきた。色々やることがあって忙しいのだが仕方がないでしょう。でもこういうところに週休2日の影響が出ているのです。

で、今日頼まれたその自習監督というのが...書道!書道教室へ行くとみんなぺちゃくちゃ喋りながらやっていました。どうやら隷書を書いている模様。うーむ、難しそう。私には出来そうにない。なんたって 大学時代、ほとんど完璧にどの授業でも「優」の単位を取った私でも、唯一「可」だったのはこの書道...。「書写技術」という単位だけは「可」でした。教員になるためには是非とも必要な単位だったのですが 追試を重ね何とか取ったという、O−TEACHER唯一のウィークポイントだったのです。今でも板書を含め、字の汚さは人後に落ちず、どうも筆を持つと手がふるえるというトラウマを持つ私です(笑)

でもこういう実技科目の監督をすると、いかに実技教科が大変かよく分かります。やらないで喋っているやつもいるし、ぼーっとしていたり半分眠っていたり様々。こういう芸術教科は怒ってやらせるわけにも いかないし、かといって何でもありというわけにも行かないし、自らやるような環境を作るというか、その気にさせるのがより大切な教科だと思いました。実技教科の先生方に脱帽。

それにしても普段の授業で寝てばかりいるやつが、何か真剣な顔して一心不乱に半紙に向かっている姿を見ると、なんかびっくりする。ちょっとした発見。

  「O−TEACHER、私の書いた作品見てーっ!」
  「おお、日頃寝てるか鏡見ている姿しか知らないお前が、真剣にやっているのを見て驚いたよ。どれどれ見せてくれ。」
  「はい、O−TEACHERの似顔絵!
  「・・・・」

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