雲煙過眼たる 6月 上旬 編



6月3日(月) 入力しに来い

やっと6月。まだまだ忙しい一学期。本日と明日は中間テストの成績処理日。以前は金曜の午後が空いていたので、その時に処理をしていたのですが、 今年に入って週休二日になり、その処理をする時間がまともに取れない現実。来週から三者面談があるので、それまでに中間テストの順位やらなにやらを 出しておかねばならず、そのためにコンピュータ入力日を今日と明日設定したのです。今年度から情報係と教務部が共同してやる事になり、 我々も色々大変になりました。教員も減ったし教務部の成績担当者が変わったり、そういう諸々の事情も受けて、我が情報係も大忙し。

いつもなら空いているコンピュータ室で一斉入力するのですが、平日入力となると、当然コンピュータ室は授業で使っている。ゆえに情報処理室にある3台の コンピュータを使うことに。というわけで朝から開放して待ち構えていたのですが。出足が悪い。明日の放課後は成績を統合して順位付けとか やらなければならないので、実質今日と明日の6時間目まで。いちおうそういう風に言っていたのですが、なかなか集まって入力してくれない。 どうも暢気な学校だ。それが終わってミスをチェックしたり統合に時間がかなりかかるので、早めにやってほしいのだが...。本日午前中の時点で入力完了率 7.5パーセント!先が思いやられる。おまけに急にフロッピィが昇天するなどトラブルも続き、今日は一日てんてこ舞い。どうしてこういう事務処理が 苦手なというかやりたがらない先生が多いんでしょうか。せっかく図入りのカラーのマニュアルまで作ったのに、全然読んでくれないし...。 不安を残しつつ明日に続く。


6月4日(火) 処理に思う

世間は日本戦で湧いているのでしょうが、私はもっと過酷な一日を過ごしていました。本日も昨日に引き続き、成績コンピュータ入力。腰が重い人は 本当に重くて、なかなか来て入力してくれない。苛立ちながらも授業が目一杯入っているので対応も出来ず。それでも放課後までに何とか人を捕まえたり 脅かしたり呼び出したりして(笑)入力させる。集計する身にもなって欲しい。時々ミスも出て対応に追われる。こういうことをやって気付くのは どうしてもミスが多い人はいつも決まっていると言うこと。根本的に事務処理が不得意というかいい加減な人がいて、そのたった数人の人のせいで 全体の処理が遅れてくる。で、それに気付いていない本人...。まっ、人間だからミスは仕方ないにしても、いつもいつもだと切れますよ。 それでも何とかN本先生の尽力により、一段落。これについてはまた別の機会に書きたいと思います。


6月6日(木) コースは私が決める

昨日は一日おさぼりしました。そして今日はちゃんと働きました。教材研究や自習課題の点検、出張用の資料作成など色々やりました。しかしその中でも メインはコース選択説明。現在の本校の教育課程は、文系、理系、情報と3つのコースに分かれる。さらに文系は3年生になると、文系T、文系U、 文系Vとさらに細かく分かれる。当然コースが違うと選択科目が違うし、進路によってはコースが限定されてくる。それらについて説明しなければならないのだ。

で、今日の5時間目の学年集会の時に説明しようと思ったのだが、頭髪服装検査が延びて結局放課後に。わざわざ3クラスだけ残して私の方から 資料を配って説明。しかし担任ですらよくわかっていないのに生徒なんてましてやちんぷんかんぷん。細かい説明をしたかったのだが、やはり理解不能のようなので(笑) とりあえず希望を書け、親や担任とよく相談しろ、わからないやつは私のところに聞きに来い、相談に乗るからと言う説明のみ。来週から三者面談が始まるので その前に説明しなければならなかったので大忙し。とりあえずまだ一次希望調査なので、とりあえず動向を見る程度。この後細かな調整にはいるのだが 最後に一言言いました。「出さないやつはO−TEACHER一任と受け取る!その場合は私が決めちまう!いいな!」と(笑)それぐらい言わないと まだピンと来ていないので。まっ、確かにもう3年の選択なんて早いと思うかもしれないが、教科書発注や教員の人事、配置、設備の予定とか考えると 仕方がないのだ。これからいよいよ私の作為的な工作活動が始まる(笑)


6月7日(金) 抽象的な話とお上のぐずぐず加減

相変わらず生徒に突っ込ませながら、いや正しくは丁々発止で授業展開中。「山月記」は語句の意味を理解させるのに一苦労。なかなか思うように進みません。 それでも生徒からは「O−TEACHERの授業は、けっこう具体的に説明してくれるからわかりやすい。」と褒められ(?)ちょっと嬉しいが こういう格調高い漢語表現の多い作品をやっていると考えてしまうこともある。それは言葉の意味を具体的に説明することも大切なのだが、そうすると 本来その語句の持っている深遠な意味合いが薄れてしまう。こういう格調高い文章に接することで、そういう文体の良さに触れてほしいのだが 具体的に説明すればするほど、俗な意味に変わって行き、本来こうすべきものではないと思ってしまう。誰かの言葉にあったが 「そういう具体的な話ではなく、もっと抽象的に説明してくれ。」 これこそ蓋し名言かもしれない。世間では具体的にすれば全て良いような風潮なのだが、たまには抽象的で、深い意味合いを感じ取る感性を磨くのも大事だと感じるこの頃。

さてたまにはそんな真面目なことを考えて、一見国語教師らしく見えるが、仕事の内容のほうは何かSEもどき。今日も放課後、校内LANの業者が来て UPS電源のケーブル交換とファイアウォール設定の変更に来た。どうやら県の上のほうから言われて、細かい設定変更に来たらしい。よくよく話を聞くと 上のほうのお馬鹿な対応で四苦八苦しているらしい。以前にも書いたが、校内LANの機器類の担当は、県の教育委員会の施設課の担当だ。こちらは工事と 機械の搬入が担当で、その細かい設定やらそういうのは業者任せだったらしい。業者の方は設定の仕様とかも出してOKをもらっているのだから 当然そのように設置・設定した。ところがいざ運用となると今度は指導課が担当となる。こちらはこちらで、よくわかってもいないらしく、勝手に ソフトは最新版で設定はこれこれこうしろと指示してきたらしい。とは言っても施設課で示されたものと色々違うので、どう対応していいか右往左往しているらしい。 ソフトだって最新バージョン、最新バージョンとうるさく言うらしいが、業者内ではまだ安定性もないしバグも多いので、薦めていなかったのに 指導課が強引に推し進めたらしい。(実はそのせいで前回セキュリティソフトのバグが発見される)おまけに色々設定に関して口出ししてきたものだから 業者は困っているらしい。双方からあれこれ言われて、その度に各校へ行って色々やらされている。可哀想に...。とは言ってもこちらも困っている。 上の方の縄張り争いだかなんだか知らないが、その度に色々対応しなければならなくなったり、業者と折衝して仕様やら設定を相談しなければならなくなっている。 いい加減にして欲しい。業者の方も「もう上の方の言い分を聞いていても埒があかないので、先生方が使いやすいように現場対応しますので...。」と 言っていた。確かに...。

放課後に漢字検定試験をやる。3年生は就職や進学に有利となるため資格を取ろうと意気込んでいるが、果たして結果は?そのための会場準備やら 問題用紙の配分とか郵送とか、色々雑事があってこちらも大変。何か終わりが見えない一学期です。


6月10日(月) データ流出事件

朝会で連絡した。先週末サーバのセキュリティを強化したので、きちんとプロキシ設定をしないとホームページが見られませんよと。金曜日もそういう 設定に変えた途端「O−TEACHER、何かホームページにつながらなくなったんだけど...。」という駆け込み訴えが何件かあった。元々 各先生に渡した設定マニュアルには「プロキシ設定をすること。設定のやり方は...」と細かく載っていたのだが、それをやっていない人が 多かったということが判明。プロキシを通さないと色々セキュリティの面で問題があるので、再度朝連絡したのだ。しかし大部分の先生は「?」でしょう(笑) まっ、いいけどね。後でなんかあっても私は言いましたので、自己責任でお願いします(笑)

さて今日から三者面談。去年までは土曜の午後も使えて、けっこう土日休みの保護者にも対応できたのですが、今年からはそうも行かなくなり お互いスケジュール調整が大変。また授業時数確保というお題目もあるため、昨年よりなお面談期間が短縮され、担任は放課後遅くまで面談の嵐。 こういうところこそ余裕を持ってやりたいと思うのは教員だけ?保護者を交えることによって、じっくりと学校生活や進路について話し合いたいのに それもままならないなんて本末転倒のような気がするのですが。でも私の場合今年も副担任なので、午前中で授業が終わり、午後は今まで溜まっていた仕事が 片付けられるのでちょっと嬉しいかも。すいません、担任の先生方。でも少しは学年のために仕事をしなければいけないと思い立ち、先日あった 学年行事の写真や東京美味しんぼ選手権のレポートなど、保護者の人にも見てもらおうと、放課後学年室の前や廊下に貼りだしました。少しは これで学校の様子がわかってもらえるかな。

そんな仕事をしつつ自室へ戻ろうとした時、A澤先生に呼び止められる。「O−TEACHER、実はちょっとご相談が...。」何かと思いきや どうもA澤先生の名前を語ったホームページを見つけたという。ご自宅でたまたま何気なく子供さんが、自分の名字である「A澤、先生」という キーワードで検索したところ、ご本人の名前が載っているホームページが見つかったという。それならばたまたま同姓同名ということもあり得ると 説明すると、どうやらA澤先生の個人情報が載っているらしい。どの学校から転勤してきて、今のうちの学校に勤めているということなんかも。

「でもその書いてある文章が稚拙なんですよ。『今の学校は遠くて困っちゃう。』みたいなことが書いてあって。」

となると生徒が勝手にA澤先生の名前を語って作った可能性もあるなぁ...。「でも去年、O−TEACHERにホームページ作成の研修していただきましたよね。 あの時練習で個人的なこと書いた記憶もあるので、それって学校のHPに載っているのかなって?思ったんですけど...。」いえいえ、そんな 学校のHPには先生方の名前どころか個人情報なんて載せていませんよ。作っている私が言うんですから本当です。でも可能性としてどこかのパソコンに入っていた 先生方の個人情報が流失したという可能性も...。朝、情報部長自ら「インターネット接続したパソコンに生徒の個人情報など保存しておかないでください!」と 強調したのに、もうすでに流失した後だったのか?セキュリティの強化が遅かったのか?情報部長として青ざめてしまいました。

すかさずA澤先生の名前で検索をかけてみると...あった!確かに...えっ?これって...。

昨年度、学年で作ったホームページの一部じゃないですか!?

それも学年通信として出したもの。 昨年度H井先生が、保護者向けに学年のホームページを作ってくれて、そこに学年の先生の紹介として載せたコメント集だったのです。 「A澤です。××高校から転勤してきました。通勤時間がかかって大変です。今の学校は遠くて困っちゃう。」って 自分で書いて寄せてくれたコメントじゃないですか!それが稚拙って、あなた...。

結局データ流出でもなんでもなく、ただ単に学年通信として載せたコメントが、学年のホームページに転用されていて(もちろん本人の許可を 取ってあったのだが、本人がただ忘れていただけ)それにヒットしただけということ。あまりにお馬鹿なオチに超脱力。いくら一生懸命 学年や学校のホームページを作っても、本人すら見てくれないという現実がわかっただけでした。やれやれ。....ちょっと人騒がせ(爆)


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