よく教師をやっていると「いいなぁ、先生は夏休みが長くて。40日も休みなんだもんな。」と言われることが多い。これはもちろん大間違い。 生徒は休みでも先生は違う。補習、部活、進路指導、出張等々、けっこうやることがあるのだ。前任校にいた時なぞは、朝から晩までテニス部指導。 練習試合に夏季大会、合宿やら、もう本当に休みなんて無かった。もちろん補習もあったし3年の担任の時は、就職組が連日会社選びや面接に行ったり 本当に忙しかった。小学校の先生なんかはプール指導なんかもあったりする。だからお盆休みで5日程度休めるかどうかだったのだ。私は。
しかしこれが全員の先生かというとちょっと違う。運動系などの忙しい部活を持っていない先生、担任でない先生、補習しない先生、進路関係で ない先生、そういう先生はどうかというと、実はちゃっかり長々と自宅研修を取る先生もいるのだ。自宅研修とは文字通り、自宅で色々 勉強したりして今後の生徒の指導に生かせるような研修をするというもの。これがけっこう認められているのだ。長い人になるとそれこそ 丸々40日近く取る人もいる(もちろん制限はあるけれど)だから「先生は夏休みがいっぱいあって良いなぁ。」という先生も確かに存在するのだ。 しかしこの自己研修が悪いと言っているのではない。それこそ急にバスケ部顧問をやれと言われ、指導が出来ないでは困る。こういう時に スポーツの一つも嗜んでおく、理科の先生なら実験に励む、社会の先生なら見聞を深めるために海外旅行に行く、国語なら本を読む、こういう のも研修といえば研修なのである。しかしここの線引きが難しくて、一歩間違えばやっぱり遊びというか娯楽になりかねない。ただ教員というのは 色々な研究と修養を修める必要があるのは確かである。長くやっていると特に感じる。もっと勉強しなければとか、もっと色々なことを 学ばねばと。だからこそこういうまとまって時間の取れる時は貴重ではある。で、この研修だが、昨年度までは、土曜日も勤務のために その補完というわけではないが、夏休みにまとめ取りすることが暗黙の了解だったのである。まっ、私なんかはあんまり使わなかったけど。
ところが今年度からそれはダメだと文部科学省の方からお達しがあったのだ。週休2日になったため、夏休みに今まで通りの休みまとめ取りの 補完はしては行けない。その口実とされていた自己研修も大幅に制限する。もし自己研修するなら、その申請を出し、計画書を出し、管理職から きちんと承認をもらい、その内容というか成果を形にして(レポートなど)報告を義務づけたのだ。今まではいちおう申請だけで内容審査は されなかったし、ましてや具体的な研修レポーなんて報告義務はなかったのだ。これには反対する教員も多い。だって今まで認められていた 自己研修(いやいまだって認められているけれど)を、校務にきちんと還元できないものは認めない、その内容が授業に反映されないものは 却下、そして詳しい研修結果(例えば授業で使えるプリントを10枚作るとか)を求められるなんて。けっこう厳しい内容なのである。つまり 自己研修がかなり難しくなっているのだ。つまり毎日仕事しに来いということらしい。
確かに一般の人に比べて優遇されているとは個人的に思うが、教員として生徒を指導していく上で、こういう研修は必要不可欠だと思う。 私だって本をたくさん読んだり、海外旅行に行ったりすることはもちろん趣味というか娯楽的な部分は多い。でもそこから得た体験や価値観は 有形無形で授業に活かされている。普段の国語の授業で、色々な人間の心理を考えさせる上で、そういう私自身の体験がとても大きく 説得力を持つのだ。そういうところでの必要性はとても感じる。しかし一方で、そういうこととは関係なくただ休みたがるためだけに 反対する先生もいることは事実。今までの既得権と言うだけで、部活指導に熱心でもなく、かといって授業に熱心でもなく、ただただ 仕事をあまりせずに休みを欲しがるグータラ教員もいることはいるのだ。そういうのを見ると、社会の一般常識からいって、これぐらい 規制するのは当然だとも思える。とても難しい問題である。
しかしそのせいで、実はお盆休みも一切なくなった。普通の地方公務員は、例えば市役所やら図書館やらと同じように、お盆も休みが無くなったのだ。 先日登校して、夏休みの動静表という予定表を見てびっくりした。つまり夏休み無し。うーん、こうなるとけっこう厳しいですね。お盆時期も 登校して仕事か...。かえって普通の会社より厳しくなったかもしれない。生ぬるさに浸りすぎていたツケなのか?まっ、私は今までの 入院分を取り戻すべく、連日学校へ行くつもりだったから、あまり関係はないのですが...。でも少しは静養も続けなければいけない身でが。 でもほとんどの先生方はみんな忙しく連日遅くまで働いている。少しはその当たりのことも勘案しても良いのではないかと思う今日この頃。 皆さんどう思います?
まずはすっかりぶっ飛んでいた学校の流れを把握することから始める。そうか、今日は防災訓練の日だったのか...。でもその前にお世話になった先生に 色々お礼回りし、国語の先生方からは授業の代行、テスト作成、採点、成績処理などをしてもらったので、その引継。もう申し訳なくて足を向けて寝られません。 このご恩は身体で返し...いらないですかそうですか。とりあえず成績やら出欠を自分のえんま帳へ転記し、それを自分のファイルへ入力する。 これをしないと後々困るので...。そして次に色々溜まっていた書類の整理。これがまた沢山ある。つい1週間前に来て整理したはずなのに 会議室の私の机の上に山となっている。ペーパレス時代はほど遠い。ただ闇雲に捨て去る。そして学校のホームページの更新。日付を見ると6月...。 とりあえず体験入学の案内やら進路便りなどを更新。本当は野球部の快進撃の様子(今日の時点で3回戦進出の快挙!)なども載せたかったのですが、 そういうところをデジカメあたりで撮っている人がいませんでしたので載せられず。無念。
防災訓練後のLHRで、とりあえず2−2へ復帰のご挨拶へ伺う。恥ずかしくて一言言って退散。本当はみんなに会えてとても嬉しかったのだが どうにも照れくさくて。その後清掃などして生徒部分は終わり。やっぱり生徒と一緒にいると疲れますね。自重自重。でも会う会う先生に、 「大丈夫?」と聞かれるのもけっこう疲れます。神妙にお礼など言い回るだけでまた疲労。
午後から学年会議。明日の成績判定会議のために学年の成績や、生徒の1学期の生活状況などを報告。自分では成績を付けていないので全然 わからず蚊帳の外。本来ならばこういう成績処理やらコース選択も全部私の仕事だったのに申し訳ない気持ちで消え入りそう。でも忙しいながらも、担任の先生方の 充実感に満ちた顔はちょっと羨ましい気もした。確かに問題を抱えている子も沢山いて、青息吐息なのだが、一生懸命生徒にかかわっているという 情熱というか、仕事に対する熱意が感じられた。私みたいにしばらくリタイアしていた身には、何か眩しくて、羨ましくて、ちょっと疎外感。 まっ、それも連日仕事をするようになると感じなくなるのかも。でも私はしばらくは、そういうハードワーク&パッションとは、一歩置いて接する ことになりそう。それが残念と言えば残念。
実はこの時点でけっこうきていたのですが、まだまだ仕事は続いてく。初日から飛ばしすぎだとは思うが、仕事は待ってくれない。待っていると 夏休みになってしまう。成績処理の後処理やらコンピュータの修理から、赤点者への課題準備やら...。そしてとどめは連絡調整委員会。 情報部長として、校内セキュリティについて議案提出があるので、パスしたかったが出席。でも会議に出て、しばらく学校を留守にしていた間の 学校の流れが見えました。やれやれこれでほぼ一日の業務終了。いやー、やっぱり先生は大変だ(笑)これじゃ身体も壊すわ(^^;)本当はまだ リハビリ期間なので無理は禁物だが、やらねばならぬ事が多くてなかなかそうもいかない。この辺の兼ね合いが難しいっす。まっ、それでもあと2日だから なんとかなるでしょう。復帰第1日目はヘロヘロでした。
さてその後LHRがあり生徒は放課。つまり下校。今日は野球部が奇跡の連勝をしているため、有志応援に行く者もいる。うちの場合、学校応援という形は とっていないので、こういう形態になる。一部の有志を募って数人の先生方が引率していくという形。かつては万年1回戦負けの本校、それでも2年前は 初めて3回戦まで行き、今までとは違う何かを感じさせてくれた野球部。奇跡は続くもので本日も勝ち、なんと4回戦進出の快挙。すごいなぁ。
と言っている間に、本日は成績職員会議。成績の方は意外とあっさりと終わったのですが、その後の色々な審議事項が時間がかかりました。私も 情報係として、校内情報ネットワークのガイドライン(案)などを提案したりして、色々大変でした。13時半から始まって16時までの長丁場。 やれやれです。しかし本当に長かったのはここからでした。実は例の第2コンピュータ室の設置の件で、色々とトラブル発生。いきなり電器業者が来て すぐにでも電源工事を始めたいとのこと。おそらく7/31の体験入学までに間に合わせたいという事務の意向なのだが、そのせいで今まで 使われていた社会科教室の移動とか、そういうことが急にやらねばならなくなった。とは言っても明日は終業式で明後日から夏休み。そんなこと 言われても急には出来ない。その上、職員会議でも、来年度の情報クラスの編成で、第2コンピュータをかなり当てにされている発言もあり、 そうなると今みたいな付け焼き刃的な設置はどうも問題がある。話があちこちで進んで、どうも私がいない間の根回しというか調整が出来なかったので、 それぞれの先生方が考えている第2コンピュータ室像が大分違うとわかってきた。ある先生は今あるコンピュータ室と同じように、きちんと クーラーも付いてサーバもあって、授業展開に堪えうると思っているかと思うと、ある先生はノートパソコンなんだから普段は閉まっておいて、 いつもは補習や委員会の集まりなどに使えると思っていたり、またまたある先生は、普段はあまり使っていないので、貸し出しも自由だと 思っていたり...と様々なのだ。工事業者は工事業者で、机を動かないようにねじ止めするっていうし...。もう全然私が考えていた 予備的なコンピュータ室とは違うのだ。本来であればきちんとした設置計画やら議論などをして、また調整などをするはずだったのだが、どうも その辺があまりやらず、一部の教員だけで先走ったために、角は立つわ、勘違いされているやらと、大変な混乱になってしまったのだ。とりあえず 工事の方は延期してもらい、再度きちんと話し合いの場を持って、具体的な第2コンピュータ室の設置図やら運用の雛形を示した上で、 取りかかることにした。どうにもこうにもあちこちで色々好き勝手な事を言われて、係としては右往左往するばかりなのだ。本当はその当たりを 入院している間に調整すべきだったのだが、今となっては仕方がない。進みが逆行するがそうでもしないと収まりがつきそうにもない。そんなことを 関係部署に話していて、またまた本日もストレスがたまりまくり遅くなってしまった。あーあ、まだ復帰して2日目なので、まだまだ身体を 休めねばならぬ時なのに...(泣)マジでまた入院しそう。
さてここからが格闘編。まず赤点の奴らに課題を用意しなければならない。といってもついこの間まで入院していたので、厳密に言うと赤点を つけたのは私ではなく、替わりに授業、テスト、採点をやっていただいた先生方なのだが、やはりというか当然というか、いかにも私がやって いたとしても赤点が付いていた奴らばかり。誰がやっても同じだということ。まずそいつらを呼び出し、多少お小言言って夏休みの宿題を 慎んで謹呈する(笑)そして次に、例の夏休みの動静表。研修をどうするか非常に悩む。ほとんどは学校へ来て仕事をするつもりなのだが、 それでもお盆の一時期くらいは、まだ病み上がりでもあるし多少は休みたい。それでも年休とかを使うと、2週間ごとの検査で休まねば ならなくなるので、あまり使いたくない。そこで仕方がないから自宅研修を入れることにした。しかしこの書式というか申請書がまた 超面倒臭くなった。細かい内容やどんな内容を具体的にやるのか、またどういう活用をするのか、具体的な研修の結果(つまり教材化したプリントなど)が 求められるのだ。後で夏休み明けに報告書とともにそれも出さねばならないらしい。もう七面倒くさいったらありゃしない。それでも 身体のためには書類の多発ぐらいやむを得ないと思い、ひたすら書く。気が付いたら研修の報告書まで書いてしまった(笑)
その後、今頃頼まれたメール設定の依頼とか、パソコンの使い方でわからないから来てくれとか、病み上がりだけれども頼まれ仕事を数件こなす。
やれやれです。でもこれで何とか今日の仕事はめどが付いた。夏休みに入ったらすぐ体験入学の下準備を始めねばならないが、とりあえず
今日のところはこれでいいでしょう。昨日まで連日ストレスが溜まるようなイライラすることばかりだったので、今日ぐらいは自分を褒めて
ゆっくりしましょう。ああ、夏休み(by TUBE)