跼天蹐地たる 5月 中旬 編



5月12日(月) 悩む頭髪検査

本日6限目に全校集会があり、そこで学年別に分かれて服装頭髪検査があった。これがまるまる1時間以上かかった。さすがに8クラスも あるとけっこう手間がかかる。でも進学校ならそんなに違反者がいなくてすぐ終わるでしょうと思う向きもあるが、逆にこういう検査が 日常化していないので、生徒も職員も段取りが悪くて時間がかかる。私は今回女子のピアス係だったのだが(なんかこんな係があると いうのも情けない)その他、スカート丈、校章、頭髪など結構細かく分かれている。それを各先生方が見ていくのだが、これがどうにも 流れが悪い。クラスを呼び出す人、チェックする人、確認する人など、テキパキ分かれれば良さそうなものだが、それがうまく機能していない。 結論から言ってしまえば、たいした違反者はいないのだから流れ作業のように済むと思う。しかしやはりこのあたりはけっこう 段取りが難しく結局1時間かかってしまった。人数の違いもあるけれど、このあたりは底辺校の方がやり慣れている(^^;)感じが したのだが、それって良いこと?でもよい子ちゃんたちが多いから、かえってちょっと髪の毛の赤い子が目立ってしまう。これくらい (私的には)どうということがないのだが、ここだと突出してしまうのは不思議な感じ。私も自分の頭髪の色や校則に関してのスタンスは、 初めにクラスで話してあったので、さほど問題になる生徒はいなかったが、そこはO−TEACHERのクラス、検査当日だけはそれなりでした。 本当はそれでは困るんですけどね。まっ、色々問題点はありますが、なかなか考えさせられた頭髪検査でした。


5月13日(火) 事務仕事に追われた一日

えーと、昨日の分、UPし忘れました(^^;)こう忙しいとついつい忘れてしまうのですよ。けっして呆けではありませんので念のため。 今日も本当に忙しかったです。まっ、授業が詰まっていたのはいつものことですが、それ以外にも色々ありました。まずは3年次の 選択科目の集計。これは文系理系や受験科目によって色々組み合わせがあるので(といっても比較的わかりやすいが)それを 提出させ、クラス用に集計作業。7:3で文系が多かったです。そして昼休みは自転車点検。こちらはどこの学校でも似たようなもので、 やっぱりどこにでもステッカー貼っていないものは一人二人いて、そんなやつらにいちいち注意するのも、なんか相変わらずです。 そしてその後、テニス部の資料を作ったりと事務仕事が立て込んでいた一日でした。

そして放課後は学年会議。前回の遠足の総括やら、進路ガイダンスのことなどが話し合われる。でもなぜか今日は疲れ気味のため 頭に全然入ってきませんでした。そしていつものようにストレス解消のため部活に出て、ちょっと打つ。連日初心者の1年生に球出ししているが、 少しずつうまくなっていくのを見て、なんか嬉しくなる。こういうのが密かな楽しみだったりするのです、私の。


5月14日(水) あなたは人間を食べられますか

担任稼業は疲れる。自転車点検再検、服装頭髪検査再検、進路ガイダンス分野別アンケート、尿検査二次回収、各委員会の報告等々、 朝の10分足らずのSHRで、すべて行き渡るように連絡・回収なんて全然無理。こちらもいっぱいいっぱいで、漏れまくり落としまくり。 できる担任になるにはほど遠そう。

もちろん相変わらず授業は飛ばしまくりで息が上がっていますが、それでも現文の方は「山月記」なんで、今までの経験があるので 何とかなっています。国語の先生たちはおわかりと思いますが、この話は李徴という人物が虎になる話です。そして人を食べて苦悩 するシーンが出てきます。そこで各クラスでアンケートを取ってみました。「あなたは究極の状態に陥ったときに人間を食べられますか?」 というテーマで。様々なシチュエーションを想像し、究極の状態になったときに、果たして自分はどういう行動を取るだろうか? 本当に追いつめられたとき、自分はどういう気持ちになるだろうか?自分の真の姿に向き合う、そしてその気持ちを自分で分析してみる、 そしてそれをきちんと理由をつけて書いてみる、そういう作業をさせてみました。これがなかなか面白かった。自分の弱さを認識し、 みんながそうするなら多分自分も...とか、人間が人間であるためにはそれだけは...とか、そうまでして生きたいと思うだろうか わからないとか...色々書かれていて面白かった。その理由とかシチュエーションの設定とか、かなり細かく書かれていて、このあたりに 、この学校の生徒の質が見え隠れしていて面白かった。実はこのテーマで、前任校でも書かせた経験がある。このときもなかなか 興味深い答えが書いてあり面白かった。で、こういうことを書くと語弊があるかもしれないが、レベルの差によって何か違いというか 相関があるのかということも探ってみたかったのだ。で、結論で言うと、前任校では「人間を食ってでも生き残る」と「人間は 食べられない。多分餓死を選ぶ。」という正反対の意見に類別すると、4:6くらいだったような気がする。それに対してこの学校では 3:7くらいだった。これをどう評価するかは難しいところだが、前任校の生徒の方がバイタリティというかたくましさがあると 見るべきか、この学校の生徒の方が倫理観が強いと見るべきなのか。でも哲学的なこととか倫理的なこととか、果ては宗教観まで 巻き込んで色々話すテーマが包括していて、自分自身でも考えさせられた。こういう良い教材だと授業も楽しくなるんですけどね。

それに比べて古典は...個人的には嫌いでないのですが、話があまり広がらず、ちょっと煮詰まり気味。とにかく授業に追われているし(^^;) 情報の授業も同じ。ポッと2時間続きの1時間だけ顔を出しているので、流れやどういう説明をしているかがわからず、ただ コンピュータ室に行って「先生!これはどうするの?」と急に聞かれて、いちいちI先生に聞いてから生徒に教えるという有様。 なら事前にきちんと打ち合わせしておけと言うことになるのだが、サブの先生はたくさんの教科に渡っていて、時間も取れないものだから、 結局現場対応にならざるを得ない。こちらも本当に大変です。

なんか愚痴ばかり書いていますが、まだまだ慣れなくて、普通に楽しく学校生活のことを書けるのはいつになるでしょうか...。


5月15日(木) ノートにびっくり

困った...。どうつけていいのか困った。実は今日3年生の古典の授業でノートを提出させてみたのです。まぁ、どの程度書いているか、 どういうふうにノートを作っているのか興味があったもので(笑)もちろん普段みんなそれなりにきちんと板書を写しているようだし、 まだテストまで2週間もあるから特に切羽詰まっていない時期でもあるので、ノート点検をしてみました。一番初めの教材では、前任校の やり方を踏襲して、本文も書いて、文法的なことかも書き込んで、そして口語訳も書いていました。そのせいか進むのが遅く、個人的には 『こんなやり方で良いのだろうか?』と連日自問自答していました。そのせいでK先生に授業見せてもらったりしたのですが。それで 2つ目の教材からは、板書はポイントだけ、訳も口で言うだけ、勝手に聞き取って自分でノートに写せ!そんなやり方でやってみたのです。 それでも生徒は文句も言わずやっていました。おそらく2年次までそんなやり方の先生にも出会っていたからできるのでしょうけども。 しかしながら週4単位、途中から自分に鞭打ってペースをあげ、今日まで、個人的に作ってある指導用ノートで20ページ分くらい 進んでいるのです。生徒もこれを書き写したり聞き取ったりするのも大変なはず...そう思いつつ、どの程度やれているのか、点検のため 回収してみました。

すっ、すごすぎる...もっと先まで予習してある!

これにはけっこう驚愕しました。私が口でちょっと言っただけの、それもわずかに口走ったことまで書いているやつもいる!予習して先の方まで 自分で訳しているやつもいるし、文法事項の補足を自分で書き込んでいるやつもいる。敬語を抜き出しているやつ、品詞分解しているやつ、 もうびっくりです。それがクラスの約1/3にもなるのです!これが驚かずにいられるかって!確かに言いましたよ「予習くらいしておけよ。」って。 でも本当にこんなにいっぱいやっているなんて...絶句。うーん、これが進学校のすごさなのか...。今まで底辺校しか経験がない私としては もう目が点になるどころの騒ぎじゃないです。多分他の先生方には当たり前のことなのだろうが、私にとっては超びっくりです。だって 私だっていちおう進学校の出身者でしたが、予習なんてほとんどしてませんでしたから(^^;)うーん、そういう生徒たちなのかと、改めて 再認識した私でした。

でも、私が「ここのあたりは自分で文法書とか見て自分で見直しておけ!」と軽く言ったことまで書き込まれていて「ここは文法書で確認!」と 記してあり、文法書の記述が丸写してあるのには、もう驚きを通り越してびびりました。こりゃうかつなことは言えないなぁ。前任校みたいに バカキャラ炸裂してくだらない話ばかりしていたら怒られちゃうかも。ていうかそれまでノートに書かれたりして(笑)

でもそんな真面目な先生のふりなんかやっぱりできなくて、6時間目の自分のクラスの授業では、普通に(普通なのか)面白話、 今回は「O−TEACHER、土葬の墓荒らしをするの巻」と「動物虐待はやめよう!猫で、こう遊べ編」を話してしまいました。 全然授業に関係ないけど(爆)


5月16日(金) 金曜日の放課後

ここ連日雨だったりして今ひとつ気分がさえない私です。相変わらず情報の授業はトラブル続き。今日2コマ目へ顔を出すと、I先生が 今頃デスクトップ、マウス、メニューバー、タスクバーなんて説明している...。もうワープロがだいぶ進んでいるのに何を今更って 感じでした。やはり超初心者組が多いクラスでは、再度説明が必要だと感じたのでしょうか。なら一番初めにきっちりやるべきだったのでは? と思いつつも、出来る子たちがいっぱいいて不必要なクラスもあったりして、このあたりなかなか難しいです。で、現在ワープロ強化週間で、 3つほど文書を作成して提出させる予定なのですが、やはり出来る子出来ない子、この差が激しいため、なかなかうまく進んでいません。 書式設定がうまく出来ない子、不用意に上書きモードにしている子、インデントを変に設定してしまった子、サーバからDLした文書に 上書き保存しようとしてフリーズしてしまう子等々、トラブルも千差万別、もうあちこちで手が上がって走り回っています。それにやっぱり 私にも修正の仕方とかトラブルの原因がわからないものもあり、全然役に立っていないケースも多々あります。これはもう一度生徒の 状況を把握して、学習計画を練り直すべきではないかと思っているのですが、でもあくまでサブですから何とも言えません。うーん、 難しい立場...。

放課後クラスにて。うちのクラスの女の子たち数人が「O−TEACHER、先生、他の先生から多分誤解されていると思うよ。」と 言ってきた。何かと思いきや、原因は「毛沢東の胸像の置物」これはこの間の横浜遠足で、各班に珍土産を買ってこいと言って、 買ってきたやつ。今は黒板の上に鎮座してクラスを睥睨しています(笑)まっ、生徒が買ってきたものですから、センスのなさは無視して ただ飾ってあったのです。それを各教科の先生が、我がクラスへ授業に来ると「あれ、何?O−TEACHERの趣味なの?」と生徒に 問いかけることが何度かあったそうです。そこで一言「横浜遠足で私たちが買ってきたもので、クラスに飾っているだけです。」と 言えばいいものを誰も何も言わないそうなのです。そうすると各先生たちは「ふぅーん、新しくいらっしゃったO−TEACHERのことは よく知らないけれど、こういう「毛沢東」とかを飾るような趣味の先生なんですね。」と得心して授業しているそうな。おいおい!勘弁 してくれよ。別に変な中華思想がある訳じゃありませんよ、私は。生徒も一言言えばいいのに、誰もなんにも言わないから、他の先生方から 白眼視されるじゃありませんか。もうまったく...。

放課後仕事をしていると、すでに引退したテニス部の3年生が来て、ぺちゃくちゃ喋っていった。この間の最後の大会で顔を合わせたくらいで、 ここだけの話、名前も顔も一致しないのだが、それでもテニス部のことを心配して色々話しに来たのだ。「どうですか2年生?なんか 強い1年生が入ったと言うんで、みんな心配していたみたいだけれど。」という感じで、後輩のことを心配してサブ顧問である私に それとなく様子を聞きに来たのだ。そんなわけで最近の練習の様子や1年生の有望な子たちのことを話した。逆に私も2年生の選手の子たちの 性格などを聞いた。「あの子たち、良い子なんだけど、もうちょっと覇気が出ればねぇ。先輩なんだからさぁ。」と話していった。 うーん、やっぱり部活を引退してもテニス部が恋しいらしい。そして後輩を気遣う優しい先輩たちなのであった。うーん、こういう 良い上下関係が出来ている部活っていうのは良いことです。ちょっと感激しました。「O−TEACHER、2年生をよろしくお願い します。強くしてあげてください。」はい、わかりました。あなたたちの気持ちを伝えるために頑張ります。そんな放課後のひとときでした。


5月19日(月) 避難訓練を非難する(なんっつって)

週明け雨の月曜日。気分も滅入りがちですな。仕事はぼちぼち頑張っています。相変わらず忙しいけれど。今日の6限目のLHRは 防災訓練でした。この学校の良いところは、色々な学校行事にLHRを当てるということだろう。学校によってはきちんとLHRの 時間を取った上で、7限目あたりにこういう学校行事を持ってくるところも多いらしい。しかしながらLHRの年間計画を見て思ったが、 ほとんど行事や進路関係のことで埋まっていて、クラス裁量の時間があまりないというのも良いような悪いような。例えば文化祭の 出し物を決める時間やら、うちのクラスみたいに2週間ごとに席替えしたりクラスレクをやりたがるクラスには、けっこう時間が 足りないところもある。まっ、余るよりはいいか。

さてその防災訓練なのだが、基本的に避難訓練。火事発生の緊急放送が流れ、ぞろぞろ校庭に逃げ出し点呼を取るというやつ。しかしながら 今日は雨で校庭がぐちゃぐちゃのため、体育館へ避難...っても入り口が狭いために、とてもじゃないがいっぺんに殺到したら大混乱に なる。そこでなぜか廊下へ男女別に並ばせて担任が誘導(^^;)おまけに階段や入り口で混み合っているため、ぺちゃぺちゃお喋りしつつ 体育館入場を待つ。こんなんで避難訓練か?とは言わない約束。いちおう委員長が点呼を取って担任が本部へ報告、そして校長の講評と言うことで お約束通りあっさりと終わる。

そして我がクラスでは第2回席替え。宣言したとおり2週間に一度やるので、早くもシャッフルタイム!しかしながらくじ運の悪いやつは どこにでもいるもので、一番前の席から横へずれただけという不運者若干2名(笑)そうかと思うと最後部席を死守する運の強い者もいて、 悲喜こもごも。どうやらうちのクラスを教えている化学のN先生が超怖いらしく、どうもそれが席替えの一喜一憂につながっているらしい。 まっ、私には関係ないのだけれどもね(笑)


5月20日(火) 色々

今週から時間割が若干変更になりました。Ver4になりました。時間割は一度始めてみて、不都合があれば多少手直しして、だいたい数週間 試行期間があり決定されていくものなのです。私的には多少金曜日が5/6と辛いものでしたが、新参者ですし、まっ、こんなものだろうと 思っていました。ところがVer3に変わるとき、火曜日の午後が埋まってしまったのです。ここを頻繁にお読みの方は知っていると思いますが、 O−TEACHERまだまだ通院中のため、2、3週間に一度、早退して病院へ行かねばならないのです。で、転勤前に教頭には「火曜日か 水曜日の午後、時間割で開けて頂きたい。」とお願いしていたのです。で、こちらへ転勤してきて時間割を見て、火曜日の午後に授業が 入っていなかったのでホッと一安心。配慮してくれたのだな、なら金曜日の強行日程も仕方ないと思っていたのでした。ところがその Ver3の変更で火曜日の午後も埋まってしまっていたのでした。全体的なバランスのため仕方がないとわかっていましたが、ちょっと困って しまいました。その日は週2時間しかない授業のため、2週間ごとに自習にするわけにもいかず、かといって毎度毎度授業変更できるほど、 うまくコマが動かせそうしないし、困ったことになったのです。で、仕方なく時間割を調整していたT先生にご相談。でも私も以前に 時間割を作っていたこともあるので、こういう個人的な要望を聞き出すと際限なく混乱すると知っているので、無理ならいいですと あくまで出来たら...とお願い。そうしたところいちおう考慮して頂いて、火曜日は午後開けて頂きました。多謝! でもそのおかげで...123と連続3時間になりました...。でもこっちの方が全然気が楽なので文句なしです。ちょっときついけど(^^;)

そんなことしていると、1時間目の終了後とある保護者から電話が入る。今朝のSHRで来ていない子の親でした。どうも今朝親子喧嘩したのか 親が学校へ行っていないのではないかと思って心配してかけてきたのだ。確かに朝いませんでしたが、結局は2時間目に間に合うように来ました。 親が心配するほどのことではないと思うのだが、まっ、こういう学校では遅刻がちょっと多いくらいで親は心配してしまうのですね。どうも 前任校DNAが未だに抜けきれないので、これくらいと思ってしまうが、まっ、生活が乱れる前に注意くらいはしましょうか。

放課後は学年会議。修学旅行についての概略の説明があった。しかしどうも係の方がまだ計画というか予定が立っていないので、何を決めて良いのか、 どういうスケジュールでやって良いのか全然わからない。それなのに事前指導の第1弾として6月の頭に学年集会で修学旅行の説明を するということだけは決まっている。うーん、担任として何をしていけばいいのか全然わからず頭を抱えてしまいました。結局会議は踊り、 係で再検討ということになる。ああ、これってけっこう時間の無駄では...。まっ、この学校にはこの学校の時間の流れがあるので、 それをとやかく言うつもりは全然ありませんが、でもそれにしてもこんな感じで良いのでしょうか。ちょっと不安。


BACK