蹇蹇匪躬たる 7月 中旬 編



7月11日(金) 声が出なくなった日

本日は球技祭2日目。勝ち残りと敗者復活に燃えました。ドッジボールは見事敵をすべて当て念願の1勝。「先生ー!勝ったよー! 敵を殲滅したよー!」のかけ声に、ドッジボールの監督をしていた盟友のS宮先生がゲラゲラ笑っていた。「さすがO−TEACHERの クラスですね。『殲滅』とか言ってますもんね。日頃の薫陶が行き届いていますね。」と言われてしまった。確かに...。でもその後 「他の担任の先生はみんなアイスとか奢ってくれているんですよ。先生も全員にハーゲンダッツとか買ってきてくださいよ。」と無理な 注文。確かにでもどのクラスの担任もポケットマネーを出しているので...そんな話を昨日耳にしたので事前にジュースを買っておきま したよ!痛い出費(泣)これって経費とか生徒への接待費で落とせませんか?(落とせません)

男子サッカーも女子バレーも勝ち上がったのですが、ここで係の仕事が入ってしまいました。12時から1年女子キックベースの監督。 おかげで準決勝が見られずじまい。女子は相手もバレー部をそろえた三年生に惜敗。男子は決勝で宿敵2−1と当たるも0−2でこちらも 惜敗。でも準優勝なのでよく頑張った方では?前任校に比べとても盛んだったため、ちょっと気圧され気味の私でした。

さてここからが今日は長かった。クラスへ戻りくたくたの生徒を集め、文化祭の劇役割分担決め。とりあえず出演者を決めないことには 話にならないので、ここで時間を取ったのだ。ところがこれが全然決まらない。あれほど煽ったのに自分は出たくないと言うやつが多数。 それでも数人の元気の良い女子は脇役として立候補してくれたのだが、男子がへたれ気味。いくら話し合ってもなかなか決まらない。 推薦やら説得やら色々するも結局決まらない。当日は部活の方で参加するものもあり(吹奏楽や合唱)また当日大会とぶつかる運動系部活の やつもいて、なかなか決まらない。とうとう最後はじゃんけんも含め、2時間以上もかかってしまった。最後の方はさすがの私も切れそうに なりましたが...(^^;)しかしここで私が強制的にやらせてもうまく行かないと思い、忍の一字。疲れまくりました。それでもとりあえず なんとなく決まりホッ。

3時前に5分で昼飯を食い、即三者面談へ突入。本日は7人ほどやりました。中には親子喧嘩するものあり、いきなり成績不振で親に 説教喰らうものあり、色々です。でもこういう三者面談をしていると、どんな親子関係か見えてきてなかなか興味深いです。子供を信頼している親、 口うるさく子離れしていない親、子供の方がしっかりしていて、親の方がけっこう極楽とんぼなところなど、様々です。私も一日、 応援で声を嗄らし、文化祭の係決めで大声を出し、そして3時間強の面談で話し続け、今日は本当に疲れました。やれやれ。


7月14日(月) 愚痴やら担任の思惑

2日間風邪でダウンしていました。この時期は先生方も1学期の疲れが溜まり、期末テストも終わり半日で生徒が帰り、もちろん成績処理など 忙しいけれども、少しは余裕を持って身体をいたわりながら夏休みまで持たすという時期なのですが、うちの場合授業目一杯、おまけに 三者面談という、ある意味一年の中で一番ハードな時期かもしれません。暑い上に球技祭やら面談やら、おまけに夏休み明けにすぐ 文化祭なので、それで決めることもたくさんあるし、我が学年は修学旅行の決めごとも多数。もう本当に担任として青息吐息です。 もちろん部活の方も夏休みに入ってすぐ合宿もあるし、練習試合や大会も目白押し。そういう調整もあって、結局身体が追いつかず 風邪を引いてしまいました。本当は土曜日部活の練習が入っていましたが、曇りがちなので雨が降ると見越して、パスして寝てました (生徒よ、すまん、顧問の怠慢だ。許せ。)しかし悲しいかな平日になると、出勤できるくらいには回復してしまう教員の性(SAGA)

しかし本日もまだ今ひとつ不調。しかし休むわけにはいきません。LHRで修学旅行のクラス別コースを決めたり、もちろん三者面談も 放課後ありますので、倒れるわけにはいかない。ある知り合いの会社員が言っていましたが「うちの会社の上司に、新人の時に言われたけど『社会人たるもの、 熱が出たくらいで会社を休むな!39度までは動ける。40度超えたら始めて休め!』だって。それが本当の社会人だってさ。」うーん、 サラリーマンも過酷ですよね。でもある程度の年齢になって責任のある仕事を任されると、なまじ簡単には休めませんよ。それなりに 周りに迷惑がかかるし、後のフォローのこと考えるとね。リストラもあるこの頃、自己管理も出来ないと思われてもねぇ。

  「つまり先生は風邪を引いたけど頑張っているって、同情して欲しいわけ?」

違うっつうのー! 6限目のLHRは修学旅行のクラス別コース決めをしました。その中で3日目のコース、1.凧作り 2.ぺーロン(カヌーみたいなやつ)漕ぎ 3.イルカウォッチングの 中から一つを選ぶというもの。個人的にイルカウォッチングはグァムでしたし、船酔いがひどいので、なんとかぺーロンへさせようと必死に 説得。さすがに女子はイルカ、イルカと騒いでいましたが、男子に「球技祭で2−1に負けたから、ぺーロン漕ぎ競争で2−1へ挑戦状を たたきつけ雪辱しよう。」とたきつけ、結局担任の思惑通りになりました。そして4日目のコースも、太宰府天満宮をただ見学するよりも、 有田焼のろくろ回しになるように誘導(^^;)悪い担任です。

放課後はまたまた面談。今日は4人ほどでしたが、授業後なんでちょっと疲れました。まだ1/4しか終わってません(泣)


7月15日(火) いろんな親子関係

本来ならば今日からが正式な面談週間がスタートです。私の場合だいぶ先走っていますが(^^;)ゆえに今日からやっとさ3時間授業です。 遅すぎ!もう普通の学校はとっくに半日になっているのにね。おまけに本日の日程は火曜授業の123限。私の火曜の持ち駒は123限。 モロ当たってます(泣)授業3連発やって、即面談8人なんて、正気の沙汰ではないですね。はい。

今日は12時30分から6人続けて入っていました。よって3時半くらいまで休憩無し。いやー疲れますね。また今日は元気なお母さんもいて、 妙に話が盛り上がっちゃったりしたところもあり、なんか違う疲れもあったり...。その中であった、こんなケース。要するにお母さんが 「うちの息子、全然学校のこと話してくれないんですよ。いちいち聞くとうるさそうな顔するし...先生からも何か言ってくださいよ。」と 心配するケース。うーん、これって...ある意味親が干渉しすぎるというか、子離れできていないケースでもある。ていうか今時高校2年生にも なって、母親とべったりで、小学生の時並に、学校のことをいちいち報告する男子高校生というのも、それはそれでちょっと...と 思うのですが、どうも母親はそれがご不満の様子。過保護というか心配性というか、色々ですね。三者面談というのは、複雑な親子関係を 垣間見る不思議な瞬間とも言えます。放任主義であったり過保護気味であったり、友達親子であったり、全く無関心であったり。現代の 親子関係の側面は、こういう時にこそ体感できたりします。まっ、そんな冷静なこと考えている余裕は全然ないんですけどね。

 「ねぇねぇ、先生、何言うの?何言うの?変なこと言わないでね。赤点のこと言わないでね。うちの親、心臓が悪いから強いショック
  与えちゃダメなんだから。」

脅迫か!なら赤点なんか取らず親に心配かけるな(笑)


7月16日(水) 恨まれ役

悶死。連続11人三者面談。5分の空きもなく喋りまくり。ああ、喉が痛い。今回面談にはくまぷー先生の面談資料を作って親に手渡しつつ、 話をしたのだが、生徒にはえらい不評。なんたって自分のテストの点と平均がグラフによって一目瞭然でわかるのだから。親の方は点数は なんとなく知っていても、グラフで見ると我が子の様子が一目でわかるのだから、一挙にヒートアップ。おかげで面談時に親からお小言も 増えた様子。ゆえに生徒の方は「O−TEACHERのやろう、余計な資料作りやがって。グラフなんか付いているから、すぐ(点数が) 悪いってばれたじゃねぇか。」と文句たらたら。どおりで面談が始まってから生徒がよそよそしいわけだ(爆)今日も11人の生徒の家で、 壮絶な親子喧嘩が繰り広げられているだろうことは想像に難くない。許せ生徒よ。これも私の仕事なのだ。


7月17日(木) 面談終わる

やっと授業が完了。本日1時間目で終わりです。明後日から夏休みだというのに今日まで授業があるとは...。でも生徒に言わせると 最終日まで4時間あったから今年は楽、とのこと。ひぇ...。その上、今年は涼しいからまだちょっと楽。それで2限目からは安全講話と いうことで、外部から人を招いてお話を聞きました。その合間にH部先生とテニス部の夏休みの練習の打ち合わせ。練習試合、合宿、大会と 本当に休みがなさそう(泣)

文化祭が夏休み明けにすぐあるので、連日その連絡が多数。例えば予算のこと、パンフレットに載せる原稿、Tシャツコンテストのこと(そういうのが あるらしい)垂れ幕作成の依頼等々。もちろんクラスでも夏休み中に集まって色々準備するらしいのだが、生徒はこそこそ話しているが、 あまりこちらまで伝わってこない。こんなに任せっきりでいいのでしょうか?まっ、やるのは本人たちだからいいとは思うのですが、 もし夏休みに準備するとなると、担任として付いていなければいけないこともあるので...。とりあえず部活で来ていることが多いから いいんですけどね。

そして本日ラストの三者面談。ラスト6。まぁ相変わらずの口八丁のトークで無事終了。やれやれです。よく頑張った自分に偉いと言いたい。 しかし面談でこんなに大学受験の話ばかりしたのは始めて。やっぱり学校が変わると話す内容も変わるのですね。もちろん成績不振の子に 関してはお得意でしたけれど(^^;)やっとこれで夏休みが見えてきた感じ。


7月18日(金) こんな感じで終わっても良いの?

終わったー!夏休みが来たー!やっとですけど。世間一般の皆さんすいません。でもここまでくるのに本当に大変でした。本日は最終日なので 授業はさすがになし。まずは大掃除。ところがこの学校、着替えるわけでもなく時間も20分ほど。これじゃ前の学校なら中清掃程度。 でも指示すればそれなりによくやるし楽勝。でも学校自体が古くてあちこち痛んでいるので、やってもやっても綺麗にならずやる気半減。 そのあと、終業式ではなく(まだ前期の途中なので)全校集会。ここで部活の大会の表彰。これがすんごい数。50人くらいありました。 どこの部活もそれなりに強く、ブロック大会くらいは楽勝らしい。もちろん女子テニス部もありましたよ。その後、校長の話、指導部長の話、 防災講話...1時間以上やっていました。生徒もこちらも疲れ気味。そしてやっとこさ締めのLHR。まずは5月にあった模試の結果が 帰ってきているので、それを進路カードへ記入させる。このあたりは初めての経験で、どこをどう書かせればいいのか戸惑ってしまいました。 その後、夏休み中の文化祭の準備のために集まる日を係りごとに相談させたり、先走って席替えしたり(爆)いちおう宿題の指示やらも しましたが、どうも通知票も配らない夏休み前の最後のLHRは変な感じで、だらだら終わってしまいました。

その後、テニス部のミーティングをする。夏休みの予定や練習試合、合宿のことなど色々伝達。いよいよ夏モード突入。そしていざ部活へ...と 思ったら、クラスの委員長の女の子から「O−TEACHER、Tシャツコンテスト用に○ニクロへTシャツ買いに行きたいんですけれど、 車で連れてってくれませんか?」と言われる。何かと思いきや、この学校は文化祭時、参加団体によるオリジナルTシャツコンテストが あるらしい。それをどのクラスも自前で作ったり、業者に発注したりするらしい。そう言えばこの前から教室の後ろの黒板に「Tシャツ代 1000円持ってきて!」と書かれてあった。話を詳しく聞くと、白のTシャツを買ってきて、自分たちで染めて、クラスのみんなの 名前を入れたりデザインしたりするとのこと。前任校でも私がパソコンでやったりしていたやつですね(^^;)そんなわけで近くの○ニクロまで、 うちのクラスの2人の女の子と買い物へ。色々見回って3枚1280円の白いTシャツを41枚Get!でもこんなちょっとした買い物なのに、 クラスのみんなの嗜好を鑑みたり、その後の手間暇を考慮して材質を考えたり、携帯でお金の計算をぱぱっとしたり、なかなかの有能振りを 発揮していました。こういうところでも頭の良さを感じてしまいました。

再び学校へ戻ってきて、やっと部活へ。ここのところ涼しいのでとっても快適。というか夏という感じがしない。ただでさえ面談があったり、 終業式がなかったり文化祭の準備したりで、どうも実感が湧かない。それでも本日は暮れていきました。だから自分で自分に言いましょう。 「1学期ご苦労様。」

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