博引旁証たる 11月 上旬 編



11月4日(火) 連休明けでも

いよいよ11月突入。暮れのお片づけはお済みですか?ってやっているやつはいるわけないと思うけれど(^^;) 3連休はテニス部の試合と練習でモロ潰れで、かえってこんなに連休が続くと疲れが溜まるという逆現象を起こしている O-TEACHERです。

本日は業者模試がありました。以前にも書きましたが、本校はたまに授業を潰してこういう模試を全校規模でやるのです。 ただ3年生だけは通常授業のため、模試の時間と微妙に交錯していてなんかリズムがつかめません。私は2コマ目の試験監督をし (試験時間が80分だったり100分だったりするので、途中で監督者が入れ替わるというシステム)その後3年生の古典の授業、 そして午後から1年生のクラスへ模試監督と、色々ありました。でも模試の監督というのはある意味楽です。だってカンニングとか ないから。いや普段だってないですが、どんな問題が出るか誰ひとり予測できないですから、カンニングもできるわけないし、 生徒は長い試験時間なので、ほとんど虚脱状態で、おまけに成績に響くわけでもないので、みんな気楽な感じ。だから私も目を 光らせるわけでもなく、のほほんと考え事三昧で惚けていました。

しかし放課後、志望大学の判定をしてもらうためのマークシート用紙を回収したのですが、もう誤記・記入漏れ連発。仕方なく 一つ一つ確認して手直し。マークシートくらいまともに記入できないで、大学入試なんて受けられるのか!と心の中で叫んだりしていました。

放課後、お約束の学年会議。修学旅行の詰めが進みつつあるのですが、担当の先生が不在で「業者と確認する予定ですが...」と いう感じで、こちらは進まず。それとは逆に、3年次の教科選択の方はずんずん進んでいて、理系から文系への変更希望者集計も 終わり、次に希望者が多くてパンクしそうな生物希望者へ、他の教科へ変更を促す説明会の段取り。さっそく明日あります。また 希望しながらも希望人数が集まらず、開講できない科目もいくつかあり、そこを選んでいた生徒の再選択の連絡もありました。 うーん、うちのクラスはそれらに該当者が多く、これから色々大変そう。また相談に乗らねばね。その他、今月下旬にある学年懇談会の 打ち合わせなどもあり、まぁ相変わらずまったりと盛り沢山。先生というのは教科指導以外にもたくさんお仕事があるなぁという一日でした。


11月5日(水) HPの功罪

何かあると言われるのだが、こうやって高校教師がHPなどやっていると、その功罪について尋ねられることが多い。まぁそりゃ色々 あるが、はっきり言って何かの役に立とうとか、高校の現場を糾弾(もしくは暴露?)しようなんて気持ちはさらさらない。ただ単に 自分の備忘録というか生きてきた証というか(大げさだなぁ)まぁストレス発散の場でしかないと思っている。もちろん読んでくれている 人たちには申し訳ないが、これが私の全てではないし、また現場の全てでもない。たまに色々物議を醸し出して顰蹙を買っているが、 これは虚構の一部でしかない。しかしそれをわかってくれていない人もけっこう多い。たまに勘違いして、真剣にここに書かれたことを あれこれ言う人もいるらしい。まぁそれはそれで私の責任でもあるのだが、ただの馬鹿教師の戯れ言だと一笑に付してくれれば 幸いである。

この間ニュースを見ていたら、大学生と女子高生のカップルが自分たちの両親を殺害したというやつを見た。正確には男子大学生の 親だけなのだが、かなり衝撃的な事件ではあった。でも二人だけのパラダイスのために、他を(親までも)全て排除したいという 発想は、不思議なことだが、ある意味理解できるような気もした。恋人というのは自分たちだけの世界を作りたがるものだから。 もちろんそれで親を殺すという発想は短絡的だけれど。

しかし私が書きたいのはその若者の背景ではなく、その女生徒がHPを作っていて、そこへその手の発言を書いていたと言うことなのだ。 HPという場が個人の発言の場を広げたというのは、まさにその通りだろう。私みたいな一介のアホ教師ですら駄弁を書いているのだから。 しかしそれはほとんど妄想の世界だったり、愚痴だったりして、あまり読んでも楽しくない個人の幻想だったりするケースがほとんどだ。 しかしこういう事件が起こるとやれ「犯行予告があった」とか「病的な一面」だとか「若者の暴走」などと取り上げられたりする。 これがけっこう迷惑だったりする。そりゃ確かに妄言虚言のHPだが、それを作っている輩まで変人扱いされたりするのだ(いや 確かに変人だけど(^^;))そのうち高校教師でも事件を起こした人が、変なHPでも作っていたら、絶対こちらまでとばっちり受けること 必須である。やれやれ。


11月6日(木) 担任稼業も楽じゃない

雨のち晴れの一日でやんす。このところの気候の変化と部活ばっかりやっていて、ほぼ2ヶ月ほど休みなく働いているせいか(だって試合ばかり あるんだもん(泣))ほとんど限界に来ています。風邪気味、頭痛、寝不足など疲労が溜まりつつあるので、このままでは今月末の 試験、及び来月の修学旅行にも響きそうなので、敢えて自主的に休まねばと決意した次第。もう絶対休んでやる!...と言うそばから 色々あるわけで、思うように年休の消化もままならない私です。

まっ、授業もそうなんですが、やっぱり気になるのはクラスのこと。いや担任なんて不在だって生徒は困らないと重々承知しているのですが、 やれ誰かが自転車でこけて怪我した(Mさん、あなたです!)やれ選択科目のことで悩んでいる、やれ修学旅行のことで相談したいと、 色々あるものですから、それにひとつひとつ対応していると...担任なんてエンドレスで仕事が続くわけです。でもやっぱり生徒のこととなると、 むげにも拒めず、やっぱり付き合ってしまうんだな、これが。でもって土日はテニス部の試合がどんどん入ってきて、こちらも顧問不在と いうわけにもいかないから、やっぱり引率せざるを得ない。悪循環ですね。まっ、そういう商売と諦めるしかありませんね。すいません、 同業者の方々、単なるO-TEACHERの愚痴ですから。

我がクラスのおちゃらけ女子二人組が「先生!ディズニー映画の『ファイティング・ニモ』って知っています?」と廊下で話しかけてきた。 「知っているよ。今、テレビで結構CMやっている、魚のアニメでしょ?」「じゃこれ見てください。ニモりの顔マネ!」と言って、 二人で目をむいていました。あのー女子高生の考えていることはよくわからないんですけれど(笑)なにが楽しくて担任にヘン顔見せに 来るんでしょうか...意味不明(爆)

そんな悩みがないやつらがいるかと思うと、とあることで真剣に悩んでいる女子もいる。昼休みにちょっと面談しちゃいました。もちろん ここでは書けませんが、本人のつらさを考えるとこちらまで苦しくなりました。なかなか解決策も見つからず一時保留。うまくカウンセリング できなくて(もちろん素人ですが)自己嫌悪。ああ難しい担任稼業。

そんな鬱憤を晴らすがごとく授業でははじけて、放課後にはテニス部のミーティングでまた話をして、本当に一日が長い本日でした。


11月7日(金) 優柔不断

たまにやるのだが、授業のラスト10分位をかけて、その日の授業内容に即した一言コメントを書かせることがある。例えば今日などは 教材の中で優柔不断で煮え切らない態度の登場人物が出てきたので「自分が優柔不断だなと感じる時」と言うテーマで書かせた。内容は どうでもいいのである。大事なのは書くこと、きちんと自分の言葉で説明すること、それが大事なのだ。きちんと自分の過去を振り返り、 そんなことあったかなぁ...と自己分析し、第三者に(この場合は私だけれども)わかるように客観的に書く癖を付けるためにやっている、 いわば小論文の初歩の初歩なのだ。始めは全然書けない子でも、何度かやっていると、少しずつ長く書け、少しずつわかりやすくなり、 面白く表現できるようになる。何事も反復が大事だから、時たまやるように心がけている(本当は毎時間やりたいのだが)

だから今回のテーマも、ただ「服を買う時、優柔不断。」と、本当にこれしか書けない子もいる。逆に「この前の日曜日、妹と洋服を買いに いった時、赤い色の物を買おうと思って行ったのに、店員さんや妹に『こっちのブルーの方が似合う!』と言われると、途端に迷いだして 3軒も4軒もはしごして、結局何にも買わなかった私って...。」なんて書いてくる子もいる。同じような内容なんだけれど、どちらが 本人の性格がよく現れているかというと一目瞭然。この程度の積み重ねが、実はけっこう作文嫌いをなくしていくと思っているのだが、 安易だろうか。

今日は、他のクラスで「ついついてしまった小さな嘘」なんてテーマで書かせたら、けっこう笑えるものもあって思わず後で笑い転げて しまいました。こんなところにこそその生徒の個性が出てきて、ふだんおとなしくて目立たない子でも、意外と文才があったり、おもしろいこと 書いてきたりして、違う意味で再発見が出来たりもします。そんな中、こんな一言コメントがありました。

   「O-TEACHERは黒板に書く時、時々『あっ、こう書くよりこういう書き方をした方がわかりやすいかな?
    ごめん、ここの部分、書き直すね。』と言っては、よく書き直してますが、先生も優柔不断なんですか?」
(爆)


11月10日(月) 当選確実

今日はめちゃ寒かったです。おかげで風邪気味。なんか最近こんなことばかり書いているなぁ。休むほどではないけれど、いまいちすぐれず ぐたぐた授業しております。今日の6限目はLHRでしたが、珍しくやることがありませんでした。この学校は次から次へとLHRで やることがあり、逆に担任は悩むことがなく、そういうものをこなしていれば時間が潰れたりするのです。ところが今日は珍しく何もなく 手持ち無沙汰。ここはひとつ担任からありがたいお話でもするかな...なんて思っていたのですが、風邪気味でもあり、いまいち気が乗らず、 とりあえず明日予定の自転車点検を無理矢理済ませ、あとは放し飼いにしました。生徒はクラスレクとして体育館で遊びたがりましたが、 先約もあったらしく、仕方なしにクラスで無駄話に花を咲かせていました。

そんな折り、この間生徒会誌に載せるクラスページ用に採ったアンケートを集計している女の子の一団がいました。以前にも書きましたが、 クラスのかっこいい男子とか頭良さそうなやつとか、そういうアンケートです。それを「先生、何もやることがないなら前の黒板、使わせて もらっていいですか?」と言うので、別に構わないよ、やることがないから、ということで、数人でやり始めたのです。「えーと、じゃ 33番の項目、やるよ。A君一票、Bさん一票...」と黒板に名前を書き連ねながら集計していました。他のやつらは喋っていたり、 ぼやぼやしていたのですが、その集計が進むにつれクラスがざわざわしてきました。いったいこの項目はなんなんだ?と気になりだしたのです。 当人たちは外野のざわめきに関係なく「えーと次は34番のやつね。I君、I君、I君、S君...」と続けています。だんだん静かになり、 私もぼーっと一緒に見ていたら「先生、34番の項目って何ですか?係の人に聞いてきてくださいよ。」とI君。そこで黒板のところで 集計している女子に聞こうとすると「ダメ!これは秘密です!できた時のお楽しみです!」秘密って言うならこんな大声で、それもこんな 公衆の面前でやるなよ、みんな気もそぞろで落ち着かなくなるじゃないか。そうこうしているうちに「はい、じゃこれで終わり。この項目は Sさんが当選ね。」だって...。そんなわけで本日は我がクラスでも闇選挙集計作業が行われていました、みんな何の項目に当選確実なのか 疑心暗鬼の時間でした(笑)


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