そんなことよりも放課後に重大ミッション!それは指定校選考会議!!!再度書いておきますが、指定校というのは、大学側から高校へ 「おたくの学校はなかなかよろしいから、基準に達していたら書類審査・面接くらいで1名確約します」系の青田刈り推薦のことです。 本当はきちんと受験した方がよろしいのですが、大学側も早めに定員を確保したいし、受験生も早めに決まるなら楽な推薦で!という 思惑が一致して、こういう制度があるのです。うちあたりだと、そのレベルのせいかかなりの数の指定校推薦枠が来ます。それこそ 大学を選ばなければ、3年生分くらい...。しかし当然生徒の行きたいような大学はかち合うわけで、その希望を取って選考するわけです。 で、ほとんどの指定校大学が11月から受付のため、ちょうど前期の成績が出揃ったところで決めるわけですが、その会議が本日ありました。 もう希望している子は戦々恐々、朝から浮き足立っていましたが...。特に、とある女の子が書類を提出したのはいいが、 出願基準に合致しているかどうかいまいち微妙だったため、昼休み呼んで話したら「先生、今更そんなー!」と泣き言&逆ギレ。確かに 当日になってこんなことを言い出すのもどうかと思うのですが、確認作業は怠れませんのでね。そしてもう一人、こちらは相談ですが、 進路を大きく変更したいという希望を言い出し、そちらの相談も。
そしていよいよ運命の会議。実は各担任もここで初めて、他のクラスの希望者を見て、かぶっているかどうか知るわけです。けっこうな 数の生徒が希望を出してきていますが、案の定我がクラスの子たちもかぶりまくり。見た瞬間、うーん、と唸ってしまいました。 もちろん担任は誰でも自分の子が可愛いに決まっていますから、当然なんとかしたいと思うのですが、そこはやはり客観的なデータ(成績や 出欠状況、特別活動の様子など)によって決まっていきます。ただ中には当然甲乙付けがたいものも出てきます。成績も同じ、 両名とも皆勤とかいうようなやつ。そうなると大変。担任からの援護射撃が始まります。いかに良い子かなどを力説したりするシーンが 始まるわけです。でもこれこそ主観的な判断になってしまうし、先生によって印象が違ってきます。なかなか判断が付きかねるのです。 噂に聞くと以前はそれがエスカレートして、対抗馬の生徒を悪く言って揚げ足を取ったりするような発言もあって、とても不愉快な 会議になったこともあったそうです。でもそれをやると本当に泥試合になるので、そこは良識的に止めて、きちんと客観的な数値データにより、 また変な先入観のない進路部長の裁きによって、粛々と進められました。もちろん細かいことは何一つ書けませんが、 とても良識的な公平な会議であったのは間違いありません。約2時間くらいかけて決まっていきました。もう私も緊張の連続でした。
さてなんとか無事決まっていき、我がクラスの希望者もまぁ落ち着くところに落ち着き、ほぼ予定通り。一部悲しい結果もありましたが、 こればかりは仕方ないところ。全体的に見れば、他のクラスより好打率だったので、担任としては文句は言えません。そして会議が 終わるや否や結果を連絡。生徒からの希望でメールにしてくれと言われていたので、即行メール送信!便利な時代です。すぐさまリアクションがあり、 こちらも対応したりしました。これで担任としての肩の荷が少し下りる瞬間でした。これから色々書類作成がありますが、 とりあえず目星が立ったので、次は一般受験組の方でしょうかね。担任は休む暇がない!
その合間に自己推薦の子が作文を持ってきて添削したり、逆に選考から漏れた子と今後の対応を考えたり、はたまた新たに残った 指定校から土壇場で欲目を出すものなど、色々あります。ひとりひとり対応していくと本当に時間がありません。もう3年の担任用に、 毎日20分くらい進路対応時間が欲しいです。
6限終了後、表彰式がありました。この間の体育祭の表彰と、部活の夏の大会などの各種表彰がありました。その中でも特筆すべきは 吹奏楽部の快挙。全国大会レベルで金賞とはすごいこと。ほとんどの子は3年の初めで引退しているのですが、数人だけこの時期の 大会まで残って続けているらしいのですが、その数人のうちの一人が我がクラスにいます。だからなおさら嬉しかったりします。 帰りのSHRで「寄付金ありがとうございました。お土産買ってきました。」とお菓子をみんなに配る気遣い。うーん、こういう ことが出来るのが偉いと感心してしまいました。でもこういう経験は代え難いものですから、良かったのではないでしょうか。
そして本日。不安な気持ちを抱きつつも、仕事は山積み。まずは授業だが、その他にも、希望者がなかった指定校推薦枠に 応募したいという生徒が現れ、その校内締め切りが明日なので、その指示。そして一昨日の選考会議を受けて、昼休みと放課後に分け、 指定校に選ばれた子と担任、及び進路部長で打ち合わせ。指定校用の願書などの書類一式を渡され、今後のスケジュールなどを 説明される。当然担任の方は推薦書書きと調査書の作成がある。早い子は来週にも申し込みがあるのでうかうかしていられない。 なのですぐさま書類作成に取りかかりました。もう本当に空き時間は書類書きに専念しています(泣)もちろん基本的には自分の 願書ですから自分たちで書くのですが、指定校の場合色々ありますので、担任も一緒になって確認。中には膨大な推薦文章を 書かねばならないところもあり泣けてきます。うちのクラスはけっこう指定校推薦通過組がいるので、ちょっと大変です。 でもまぁ嬉しい悲鳴なのかもしれません。だってすでに6人はほぼ合格が決まっているのですからね。
放課後にすぐ病院へ。受付で尋ねると「もう退院しました。」とのこと。えーっ!と思ってメールしてみると「まだいます。507号室!」と 返事。嘘つくな!受付!行ってみると、元気な顔した本人が...友人が3人ほど駆けつけて談笑しているところでしたが、 心配して心配していたので、元気な顔を見て急に脱力感。なんかウルウルしてしまいました(^^;)いちおううちのクラスの 子たちもお見舞いに来たいと言っていましたが、まだ状況がわからないので、とりあえず私が様子を見てくると言ったので、 その代わりみんなの手紙を託されたので、それを手渡す。いちおう親御さんとも話して、今のところ特に何もないようなので、 退院するとのこと。良かったー!もうそれを聞いてちょっと崩れ落ちそうになりました。
私も健康体ではないから、実はこの緊急入院はとてもびっくりしていたのです。特に頭だし...。健康というのは本当に大事。 彼女も指定校合格組ですが、そんなことよりも元気な様子が見られたことの方がどれほど嬉しかったか。やはり健康が一番です。 とりあえずしばらく静養するとのことですが、早く元気に登校して欲しいです。そんな放課後でした。
えーと、明朗快活で、責任感が強くて、行事に積極的に参加し、他の模範となる生徒で...はぁ、こんな文言ばかり永遠と連ねていましたよ。 ある大学の推薦書は、罫線が14本...つまり15行!1行30文字として450字!!それを5人分ですから2250字!!ふぇーん(泣) それもいきなり書けるわけないから、とりあえずコピー取って下書きを書きますから、その考える時間+筆記+推敲などを含めて 倍の時間はかかるわけです。もう一日中小論文のテスト受けていた気分です。もう腕が攣りそうになりました。あんまり何枚も書いているので 誰が誰やら(^^;)というわけで本日はもうチョークも持ちたくありません(泣)
でもそういう私だって、聞かれて大手を振って言えるようなものは読んでいませんね。私の嗜好は偏っていますので、あまり大声では 言えませんが、ミステリーを3冊、ハリーポッター上巻のみ(笑)、ローマ人の物語文庫版、あたりですかね。国語教師のくせに貧相な 読書歴です。とても生徒には言えません。
6限のLHRの時間はアンケート&席替え。これはまぁどうということなし。それよりも卒業アルバム用に業者がスナップを撮りに来たりして、 そちらで盛り上がったり、その後卒業記念品は何をするかちょっと話したり、そんなんで終わってしまいました。その後写真業者と 打ち合わせしたり、推薦組の書類を点検したり、月曜日から働いております。
放課後に最後の推薦選考会議あり。ちょっと色々議論されましたが、まぁ予定通りの進行です。たかが推薦されど推薦。色々ありますね。 詳しくは書けないのですが、今日の選考会議にうちのクラスの一人の女の子が俎上に乗りました。 文系なのですが、ちょっと理系寄りの指定校推薦を希望し、本日無事選考会議を通り、担任としてはホッとしました。 実はこの子に関してはちょっとしたエピソードが。
つい先月末に前期期末試験がありました。その試験期間中の日曜日にいきなりその子から 電話がかかってきました。何かと思ったら、なんと学校に数学の教科書やらを忘れてきてしまったとのこと。明日試験なのだが、勉強 したくても出来ない。だから先生、日曜日なんですけれど学校を開けてくれませんかとのこと。その日はテスト中ということもあり、 部活もなく完全にオフ。久々に休日の朝寝坊を決め込んでいた時だったのです。普通なら「そんなの誰かの教科書でも見せてもらえよ。」と 突き放すところですが、本人の切羽詰まった申し訳なさそうな声を聞いていると、可哀想になってしまいました。結局休日だというのに学校まで 1時間車を走らせ、学校で待ち合わせし、鍵を開けてあげたということがあったのです。まぁ私もつくづくお人好しだとは思いましたが、 可愛い生徒のために、それも勉強のためにと言われたら、やむを得ないと思い、そうしたのです。でもその甲斐あって数学の点数は 良く、成績も落とさずに、良い評定平均がついたのです。で、その子が本日の推薦選考会議で、見事志望校の選考に通ったのです。なんとか(^^;) もしもはないけれど、もしあの時、私が億劫がって行かなかったらどうだったんだろう。もしかしたらそのせいでテスト勉強が出来なくて 成績が落ちていたかもしれない。そうすると評定が落ちて、今回の推薦の規定値に達していなかったかもしない。そうならば 指定校推薦がもらえず一般受験だったかも...。そう考えると、あの時のボランティアが、彼女の進路決定に大きな影響があったのかもしれない。 もちろん私が行かなくたって自分で勉強して良い成績が取れたかもしれない。いや多分そうだと思う。でももしあそこで駆けつけなくて 本当に成績が落ちていたら、今回の推薦はなかったかも...。そう思うと運命を感じてしまいます。私がどうこうということではなく、こういう子は、 頑張ろうと思っている子は、どこかに神様がいて、こういう幸運をもたらしてくれるのかもしれない。ちょっとそんなことを考えて しまいました。私もあそこで面倒くさがっていたら、私自身も後悔したかも。こういうことってあるのですね。そんなことを考えながら 会議をを終えた私でした。
それでも思うのは、それでもいちおう勉強しているという偉さ。元々あまりお勉強が好きでない子たちが通っていた学校ばかりに 勤務していましたから、内職でも受験勉強しようとしている姿勢にある意味驚きます。3年生の自習時間ともなると、もちろん遊んでいる やつもいますが、ほとんどが何となく予習したり受験勉強したりしています。それ自体がすごいことだと感じています。それが 当たり前だと感覚が麻痺しないようにしなければと思う今日この頃。