抜山蓋世たる 10月 下旬 編



1月12日(月) 名簿の訂正


10月21日(木) 教育目標

台風が去っても寒い一日。私もいまいち乗り切れません。やっぱり寒いのは嫌だなぁ。午前中は授業が詰まっていたため、ほとんど 暇なく過ごし喉もガラガラ。そして昼休みはまた進路相談。みんななかなか悩める小羊です。そりゃあ、いざ受験する学校を 決めるとなると悩みますものね。世間の皆様は知っているかどうか知りませんが、今時私立一校受けるのに、受験料が35000円 ですから。つまり3校も受ければ10万円超えますからね。親も大変です。今後ますますこういう 相談が増えていくでしょう。また進路関係では、指定校組の校長面接の連絡、願書確認、小論文添削、個人面接設定などなど、 もう怒濤のごとくあふれかえっています。どうにもこうにも我が身一つでは足りない感じ。副担任の先生に手伝ってもらえば...と いう意見もありますが、やはり日頃身近で接している担任でなければ話せないこともあるし、わからない事情もあります。 こればかりは仕方ないかと。

放課後はC期指定校選考に残った生徒への説明と職員会議。その会議であったネタを一つ。会議の席上、校長の方から連絡の一つとして、 あるプリントが配布された。よく見ると本校の目標やら指導目標などが書いてある。どうも上の方からお達しがあり、校長が作成した 学校経営方針的な内容。それならば学校要覧等にも書いてあるのだが、こちらはより具体的なことが書かれている。それは「指導目標」 つまり具体的にどれほどの成果を上げるべく努力するかということ。どうやらこういう具体値を載せたものの提出を上から 求められたらしい。昨年度も似たようなものを出したと言っていたが、ここまでちゃんとした数字が出ているのを初めて見ました。 例えば「進路未決定者を20%以内に収め、大学進学者の現役合格率を上げる。」なんて出ている。これって私達が達成すべき目標なんですか? 校長曰わく「昨年とあまり替えずに、でも少し細かくして作り直した、私の考えを入れた学校経営方針です。」とか。うーん、こういう 具体的な数値を盛り込むのはどうなんでしょう。その中でも一番気になったのは「国立大学への進学者数を2桁にする」という文言。 こういうことは一言も職員に相談もなく勝手に校長の一存で決めるべき事なんでしょうか?案の定、何人かの先生達が食いついていました。 元々どういう学校にすべきかという話し合いもなく、校長の考えで目標値が決められ、それが出来なかった場合はどうなるんでしょう。 まさに人事考課に使われるのでしょうか?進路部長自ら「なぜ国立大学なのか?私立有名大ではダメなのか?それよりも進路は生徒が 努力した成果で残るものであり、我々が数値設定すべきものではない!」とおっしゃっていましたが、私もそう感じました。

確かに進学校ですから、こういうデータはある程度基準にはなるでしょう。学校の評判を高めるためには有効かもしれません。でも それが本当にみんなで考え抜かれた学校の目標ならいざ知らず、我々の知らないところで、校長の学校経営方針として、すでに提出して しまわれているなんて...。ちょっと唖然としてしまいました。私みたいに底辺校から来たものは、学校って勉強だけではない、 もっと色々なことがあって、それ以外のところの方が、例えば行事とか部活とか友達とか、そういうものが人間的な成長を高めるんだと、 大げさだけれども、それが教育だと思って今まで頑張ってきたつもりなんですが、間違っていますかね?どうもこんなふうに国立大学 合格者数という、ある一つの物差しだけで評価されるなんて、悲しいんですけれど。確かにプリントには「思いやりのある社会性に富んだ…」 なんて目標もあるのだけれど、具体的に数値には表していないし(もちろん表せないけれど)そのあたりはけっこう空疎な感じがしました。 まぁこんなものは紙切れですから、別に良いのですが、こういうものが強制力を持ったり、はたまた我々の教育活動の足枷に ならないことを願うばかりです。そういえば教員免許も更新制度が導入されるらしいしね。

私は現場で生徒共に一生懸命やるだけです。一緒に進路相談に乗って、行事にも一緒に燃えて、部活で共に汗を流して、 一緒に笑って怒って泣いて...それしか出来ないダメ教員ですからね。でもそうやっていつも生徒共にあるのが、私自身の教育目標ですけれどね。


10月22日(金) 私が担任でなかったなら

時々国語研究室で話される馬鹿話の中で「去年卒業したあのクラスは大変だったけれどパワーがあったよなぁ。」とか「×組は 文化祭ですごかったよね。」という回想話。担任をやっていると色々なクラスに出会うもので、それこそクラスによって千差万別 色々なタイプのクラスがあります。うるさいクラス、手がかかるクラス、おとなしいクラス...でも担任をやっていればそれだけ 思い入れが強く、深く胸に刻まれるものです。当然そういう話は良く出るものです。「あのクラスは...」という枕詞は、 ある意味担任にとって勲章(?)のようなものかもしれません。

しかし中にはそうでない人もいます。どうも嫌な思い出があるのか「昔、先生が持っていたあのクラスは...」と振ると、露骨に 嫌な顔される方もおります。担任とクラスというのも相性があり、妙に波長が合うクラスもあれば、もう生理的に相容れないところも あります。おそらくそういう不運な出会いをしたからなのでしょう。でも教師たるものプロですから、そんなことは言っていられませんけれどね。 時々考えるのですが『このクラスの担任が自分でなく他の先生だったらどうなっていただろう。』ということ。おそらくあまり 代わり映えはしないと思うけれど、もう少しきちんとしたけじめのあるクラスになったかもなぁ、いやもっと活発なクラスだったかも... そんな夢想をしてしまいます。これも一期一会の出会い。縁ですよね。

そんなことを考えつつ、昼休みは小論文指導、放課後はアルバム委員会の仕事。いよいよクラスページ作りの最終段階。業者に 説明してもらい、色々とレクチャー。これが1時間強かかり、放課後までヘロヘロ。でもまだ来週に引き続くので終わりません。 本当に誰かみたいに一杯ひっかけないとやってられませんね(笑)


10月25日(月) 忙しい中にも小ネタ

いつも忙しい忙しいと書いていますが、訂正します。あれは予測できる忙しさです。今日も予測できる忙しさでしたが、ほぼノイローゼに なるくらいの多忙さです。気が滅入るので書きたくないのですが、今日の私のスケジュールを書いてみましょう。朝昨日の試合でヘロヘロでしたが、 まず朝から書類の整理。自習監督の手配も入る。そして朝のSHRで死ぬほど配布物。1時間目に5分も食い込む。そして1時間目授業。 休み時間にアルバム委員を6人呼び出し、行事の写真選定の指示。2時間目の空き時間はいきなり持ってこられた 小論文2本添削。3時間目4時間目授業連発。ただし4時間目の我がクラスの時は進路アンケート&調査書発行数予備調査の説明もする。 そして昼休みは専門学校合格の子の書類確認、そして指定校の子の袋詰めがあったのですが、書類点検していたら印鑑が押してないことが 判明し、明日に持ち越し(泣)そして生徒会誌に載せるクラスページ用アンケートを頼まれ印刷。ここで速攻早食い昼食。5時間目は自習監督。 すぐとって返し、テニスの書類作成、6時間目のLHRは卒業アルバム用学年全体集合写真撮影。私が担当なので業者とセッティング そして撮影。その後LHRで卒業記念品決めと、アンケート。終わるや否やワックスがけ。そしてそれが終わった後、クラスの子の 進路相談(?)そして部活...。血尿ものですな。自分でも予測しきれない忙しさで、ちょっと午後目眩がしました。先生ってどれほど 忙しいの?って感じです。これでも模試結果確認や推薦書書きや、部活予定表作成なんて含まれていないんですからね。

とは言ってももっと忙しい先生はいくらでもいます。私が一番なんて言う気はさらさらないし、もっとこまめに授業のプリントを 沢山作成していたり、教科によっては持ち時間が多かったり準備片付けに取られたりする科目もあります。それに比べれば文句は 言っていられません。生徒に手がかからないだけ幸福なのですよね。

と言いつつ、今日の出来事をプレイバック(笑)朝、以前の模試を返したのですが、間違って某N君とFさんのを取り違えてしまいました。 「うぇ、やべぇ36点だよー、まじぃよぉー」といつものごとく自分の成績を大声で話していたのですが、「あれ?これFさんのやつだ。 ごめん返すわ。間違っちゃった…」Fさん、成績をばらされて半泣き(笑)すまん...。

卒業アルバム用の学年集合全体写真の時の話。校舎の3階から全体を撮るため、上の方から業者が指示。「はーい、林側の人、もう少し 前へ来てくださーい!」「こちら側、もう少し右へ。」とバランスを取るため色々注文がつく。でも生徒はなかなか動いてくれなくて N倉先生など「てめぇーら、こっち来いって言ってんだろ!」と怒り口調。まぁまぁ卒業アルバム用ですから笑顔がこわばるような 口調は(^^;)私も「はーい、このあたりに女子も揃ってー!可愛く写るから。」「キャー!」「ってそんなわけないじゃん!そりゃ 可愛い子はそう写るけれど、それなりの人はそれなりにしか写らないよ。」「ひどーい!」と言われてしまいました。果たして生徒の 笑顔を凍らせているのはどっちでしょう(笑)

放課後のワックスがけの時の話。「さっ、じゃあ、ここからは床を磨くぞ。」「えー、去年F先生は『お前達は帰って良いぞ。あとは 私一人でやる。』って言ってくれましたよ。」それじゃあワックスがけと言うより先生のボランティアじゃないか!確かにF先生は そうだったかもしれないけれど、私はそんなに甘くないぞ!さあ、やれ!と言うと「やっぱり(先生の)器の違いだね。」だって。 違うだろー!(爆)

放課後、クラスの子と進路相談を二人っきりでしていたら、某クラスの男子が「あれ?こんなところで二人っきりで援交ですか!?」 なわけないだろ!!志望校選びの相談受けていただけじゃい!(笑)

とまぁ、こんなふうに毎日小さいネタはあるのですよ。忘れて書けないだけでね(健忘症促進中)


10月26日(火) 熱でも奮闘中

やっぱり風邪が抜けてません。本日も微熱状態。本当は早退しようと思ったんですが、やっぱり担任しているとそうもいきません。 今日は合間合間に面談日和。休み時間に小論文添削で一人。昼休みに飛び込みで志望校相談一人、昨日の指定校封入れが一人、 放課後にまたまた作文添削一人。本当に行列の出来る担任ですな(爆)それでも頼まれて予定している面談者がまだ数人順番待ちです。 そんなにいちいち担任に相談することもないのに...と思っていると、生徒同士の会話「あの願書の記入欄にある短所のところって 『やる気がない』っていうのはまずいかな。」まずいです!そんなことマジで書く気ですか!?来年から指定校が来なくなります。 「えー、じゃあ『心配性』っていうのは?」まぁそれはギリですね。こういうことがあるから目を通さないと不安なので、余計 手間暇かかってしまうのですよ。そんなわけで熱も上昇中。あー、しんどい(泣)


10月28日(木) ダウンダウン

やっぱり、案の定、当然のごとく...倒れました。昨日は熱が上昇してあえなくダウン。なんか自分で『あっ、そろそろやばいな。』と 思っていたラインを超えたので、そのまま動けませんでした。本日も熱のためまだダメなんですが、少し動けそうなので出勤。 しかしこれが過信でした。1時間目の授業中クラッと来て『あっ、やっぱだめだ。』と覚りました。座っていればまだしも、立って 声を張り上げているとやはりだめですね。結局細々と仕事しつつも、本日は午前中に授業が集中していたため、それだけ済まして さっさと早退しました。うーん、鬼の霍乱はまだ続くのか...。生徒に「体調悪いので残りの時間は自習。」というと、 心ある生徒は「先生、大丈夫ですか?無理しないでください。」と言ってくれますが、中には、よーし、ラッキー!受験勉強しようと 喜んでいるやつもいて(でもそれはそれで良いんですが)色々です。とりあえず日頃の健康管理がなっていない私ですから、 早々に退却。そんなわけで今日もネタなしです。また後日。


10月29日(金) また熱が上がる難題

本日も今ひとつな体調です。昔から熱が出ると唇のところに熱の吹き出物(?)が出て、腫れ上がってしまいました。うーん、醜い。 女生徒ファンが離れる...(>いません)でも外見が不細工なのは今に始まったことではないので、気にせずきしむ身体をおして登校です。 実は同じ国語科は私だけでなく、Y倉先生も体調を崩していて、同じように不調です。でも空き時間にしていた自らの昔の恋話で大いに 盛り上がり、元気を取り戻していたようです。でもくれぐれも授業中に壊れないように(笑)

さて私も何となくけだるく授業。そういう様子は生徒に伝わるのか、生徒の方もリアクションが薄いです。無駄に盛り上げようと 面白話をするも、こういうふうに力ずくで笑わそうとすると、逆に寒い結果に...。お笑いは難しい(>ってお笑いじゃないし)

本日の私の仕事は...とうとう、というかやっとというか、肩を押されてしまいました。そうです。学校のHP全面リニューアル! 朝、情報部長のI越先生より言われました。「O−TEACHER、校長から言われたんだけれどもさ。うちのHP、やっぱりあれじゃあ、 いくらなんでもみすぼらしいって。中学校を回った時も色々言われたらしくてさ。O−TEACHERが担当なんでよろしくお願いしますよ。」 そうなんですよ。私が担当なんです。実は学校HP、ほぼ2年前から放置プレイです(笑)いや、転勤した時は直す気満々だったんです。 でもいざやろうとした時、変な横槍が色々入り、文句が入るくらいなら止めたと、放り投げたままだったのです。しかしさすがに あれではまずいと、上の方も思ったのでしょう。なのでこういう指令が下りてきたのです。本当はうちの学校は、載せるべきネタには 困らないくらい色々あります。吹奏楽部やサッカー部の活躍、行事の盛り上がり、等々。それこそネタには困らないくらい色々あります。 けれども、やれと言う割には何の保証もなく(コンピュータ一台支給するわけでもなくHP作成ソフトを買ってくれるわけでもなし) また以前は「あんまり生徒の写真を載せると肖像権とか、保護者がうるさいので、やるな!」ということまで言われたのです。これでは せっかくやろうと思っても、何の協力もなく文句ばかりでは、やる気がそがれます。そういう経緯があるわけです。

でもまぁとりあえず上の方からやれと言われれば、やらざるを得ないのが下々の役目。そんなわけでこのHP同様、メモ帳でタグを打ちつつ、 作ることを決意。とりあえずHPの構成を考え、材料集めをする手順を考え始めました。学校案内、進路関係、PTA、行事、入試関係と 考えれば考えるほど、改変するよりは一から作り直すことが近道と思い直し、あれこれ思案していました。前任校のHPもすべて 自分で一から作り、月2回ペースで更新していた実力を見せる時か!...と考えていましたが、あの時は情報部長で担任でもないし、 持ち時間も少なかったし、部活顧問も名前だけだったし...。そういう時間を掛けられる余裕があったとふと気付きました。今は とてもじゃないがそんな時間はないし...。そう考えつつ、どうすればあまり手間暇かけずにそれなりに出来るかと、また沈思黙考...。 するとそれを見た生徒が「先生、やっぱりまだ風邪の具合が悪そうですね。」

がっくし
まぁ頭が痛いのは同じなんですけれどね(笑)

そんなわけで手抜き学校HPリニューアル計画スタート!完成予定来年!(いいのか?)はたして出来るのか?刮目して待て!


10月30日(土) 30周年記念式典

本日は30周年記念式典でした。こういう周年式典は前任校でも体験して2度目なので不思議な感じ。しかし実はこれも色々訳ありでした。 というのもそもそも、30周年記念式典って、やらなければいけないもの?そういう発想があるわけです。10周年、50周年なら まだしも中途半端な30周年って...。まぁそこは100歩譲って、あちこち統廃合が取り沙汰されている昨今ですから、30年も 無事生き残ったことを祝ってと言うのであれば、それもまたよいでしょう。でもなぜ土曜日に?しかもわざわざ市民会館を借りてまで? こちらは大いに疑問。なぜ普段の日じゃダメなんですかね。まぁ色々来賓を呼ぶ都合というのもわかりますが、本校の発展に尽力してくれた のは教育委員会のお偉いさん方なの?歴代校長くらいなら平日でも可のような...。それに無事30周年を迎えたというのであれば、 この学校の様子を見てもらうことこそ大事なのに、わざわざ高いお金を出して市民会館を借り受けるとは...。お金の出所が違うと 言えども、けっこうな額がかかっているはず。これもPTA費ですからね。

とまぁ文句は色々ありますが、それはこの仕事に尽力している人達もいますので、そこは大人ですから笑顔で参加(爆)ただ職員は なんで普通に学校9時集合なんだ!会館集合12時まで何してろっていうんだ!仕方ないので部活なんてしちゃいました。さて 集合点呼してみたのですが...全然来ていない(泣)我がクラスの出席率の低さは呆れるばかり。サッカー部などの公欠はしょうがないにしても、 おそらく「かったるいから行っていられないよ。」やら「予備校があるから。」と言う理由でさぼっているやつが多数。ちょっと 悲しくなりました。他のクラスも似たようなものだけれども、それにしても半数しかいないなんて...。

さて式典ですが、初めは挨拶、式辞、感謝状贈呈など40分ほど。こちらは欠伸が止まらなくなるほど。そしてその後は記念音楽会と 称して、合唱部の歌、OBでプロもどきのピアノ独奏、独唱2名、バイオリン独奏がありました。みんな音大などに行っている本格的な人ばかりで、 けっこう素晴らしく感動してしまいました。実は専門家である悪友S宮先生に、各人の評価を聞いたりして、それも笑いましたが。 そしてその後、ついこの間東日本全国大会で金賞4位の吹奏楽部の演奏がありました。これがさすがと唸らせるほどうまくて、ちょっと 感動。最後は全員で大地讃頌を歌って終了。後半の音楽会はけっこう聴き応えがあり個人的には堪能しました。本当は撮影係として デジカメで撮らねばならないのですが、暗いし距離があったのであまりうまく写らず、途中から放棄。

しかし何と言ってもこの記念式典で一番の話題はN村先生のドレス姿での司会でしょう。ある意味一番目立っていて、N村先生在任10周年 記念式典のようでした(笑)


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