報本反始たる 12月 上旬 編



12月1日(水) 試験ロスタイム

待望の12月です。本日はテスト最終日。うーん、これで安息の日は終わるのか...(泣)と言っても今回は採点が意外に大変だったため、 全然余裕がなく、安穏とした午後はありませんでした。さて実は今日テスト監督は1限目の保健室担当だけでした。誰もいないかなぁ、 今日は楽だなぁと思っていたら、急に一人御搬入(泣)仕方なく監督に行きました。この時期インフルエンザが流行っているじゃないですか。 そんな生徒と狭い保健室の密室で監督していたら、ある意味地獄です。でも仕方ありませんよね、仕事だから。とりあえず仕事を持ち込んで、 監督監督。50分するとチャイムが鳴ったので「はい、じゃ解答用紙を出して。じゃ終わっていいですよ。」「あのー...」「体調は 大丈夫ですか。じゃ2年生はこの後学年集会だから、もし大丈夫なら体育館へ行ってください。」「あのー...」「じゃ私はこの 解答用紙を持って行くんで。」と言って、早々とうつされないように退散。回収室である大会議室へ向かいました。そしてしばらくそこで 雑談して大会議室を出たら、その生徒が廊下に。どうしたのかと思っていたら「先生...1時間目の数学テスト、試験時間60分なんですけれど...」 きゃいーーん!やってしまいました。うちの学校は科目によって50分とか60分と違いがあるんですよ。その度にチャイムを鳴らすのですが、 全然気付きませんでした(汗)なら早く言ってよ...と思いましたが、自分がさっさと撤収してきたんだっけ(爆)すぐにもう10分 追加延長してあげました。ごめんね...。

その後、追試予定者が一人いて、その子に試験をさせ、その合間に得点入力やら、明日からの答案返却の段取りなどもし、そしてその後の 授業用のプリントなどを作ったり、まだまだ忙しかったです。おまけに部活も始まったしね。あー、やっぱ忙しいわ(爆)


12月2日(木) 繰り返す人たち

テスト明けですが、本日から普通に6時間授業です。さっそくテスト返却。とは言っても今回は、担当クラスのクラスはどこも ぼちぼちでしたから、いやちょっと現代文が下がり気味ではありましたが、それでも特に最悪なやつは少なく、私的には心穏やかに 返却いたしました。ただ国語という科目は、ある意味最弱で、どの教科とかぶっても負けるように出来ていて、いつも捨てられます。 つまり、テスト期間中、現代文と日本史と英語なんていう組み合わせだと、確実に生徒は英語や日本史を優先し、ほぼ国語は手抜きさせられます。 これが化学や数学と組み合わさろうものなら、確実に完捨(かんすて)です。オールマイティな弱さの教科であります。でもそれだけ やらなくてもなんとなく点数は取れてしまうという教科の特性のせいなのですけれどね。今回もご多分に漏れず、そうでした。

でもやっぱり中には本当に出来ない子もいます。というより活字というものに全く拒否反応を示す奴も。そんなんで生きていけるのかと 思うのですが、字を書くのも読むのも嫌いだというやつがいたりします。当然国語の授業なんて、教科書は開いているものの右から左へ 聞き流し。ノートもちゃんと取らない。当然テストの時なんか、本文が書いてあってもその場で始めて斜め読み。時間は足りないわ、 理解してないわで点数が取れるわけがない。そんなんで毎回赤点。そして毎度私に怒られ改めて何か課題を出される...。でも 懲りずにまた繰り返すというパターン。うーん、こういう子は手がかかります。なだめすかし色々手を尽くしているのですが効果が上がらず、 本当に理解に苦しみます。学習しないというのかやる気が乏しいというのか、そもそも生きるエネルギーに乏しいようで 気を遣います。いるんですよね、そういう生徒。こちらも怒り疲れます。

と愚痴っても仕事は終わりませんので、さっそく授業の準備も同時進行。教材研究は少しはやってありますが、年内の ストックが持つかどうか不安。そのためいちおう受験生用に、センター対策問題集など引っ張り出してきて、それを肴に少しやろうかと プリント作成。うーん、これが意外と印刷に手間暇かかりました。その他事務仕事も色々たまっていて、年末進行は大変です。


12月3日(金) 大学のソムリエ

もう1年ぶりの胃部検診です。なんだかついこの間にやったような気がするのですが、もう1年なんですね。もう面倒臭いので朝から 一日ジャージ姿です。本当は授業の時はきちんとした格好(スーツ姿)でないと嫌なタイプなんですが、もうだんだん面倒になり 『まっ、いいか。』と思うようになってきました。本当はこういうおしゃれ心(というほどでもないが)が失せていった時に、人間って 老いていくのですよね。あー、もうじじい。オシャレよりも寒くない格好とかね。教室もストーブ点けても生徒は「先生、暑いよ!」と 言われるし...。皮下脂肪だけ付いてもダメということか(爆)

1限目に1年生の自習監督&胃部検診、そして2時間目はテスト返し。これで全クラス終了!でも逆に授業が始まると言うことです(泣) 昼休みにまたまた面談。我がクラスの女子が来室。「先生〜、受験校が決まらない〜、おすすめは?」って、俺はソムリエか! おすすめなんてあるかよ!自分の行きたい大学くらい自分で決めろよ。じゃなにか?「はい、こちらワイン(大学)がおすすめでございます。 生産地(所在地)は都内ですので、どなたでもお気軽にお試しできますし、味(勉強内容)は癖もなく万人向きでございますね。 そしてなんと言ってもお値段(偏差値)が50程度と、かなりお手頃になっています。」って言うのか!?もうほとんど大学のソムリエに なりつつあります。はぁっ。

5限目も自習監督。と言っても「自習してろ!」と言いに行くだけなんですけれどね(爆)その5時間目はとある理系クラスへI黒先生の 自習で初めて行きました。しかしなぜか教室へ入るとみんな失笑。なぜ?教えてもいないのに...(泣)どうも私ってそういうキャラのようです。


12月6日(月) マーク記入

授業3コマもやると疲れる...なんて国語科では禁句。殺されます(笑)皆様代替授業で頑張って4コマもやっているのに。口が裂けても 言えません(あっ!ここに書いたら某K先生に言われる!(爆))テスト明けの授業ですが、まずはどどーんとセンター予想問題集より割愛(笑) どこかのぱくりで著作権すれすれですが、センター予想問題を流用しやらせてみました。私も一緒に解いてみました。うーん、思ったよりは わかるが全17問中1問間違えてしまいました(泣)見事な引っかけというか、本文斜め読みのため勘違いで一問落とす(泣)まぁその場で見ても 簡単な解説が出来るくらいの問題だったので、あまり難易度は高くなかったですが、生徒の方は5割程度の出来...。大丈夫なのか?こんなんで!

そういう尻に火がつきつつある受験生達ですが、本日のLHRで、調査書発行台帳(マークシート)&調査書封筒宛名書きがありました。 私も長く教員をやっていますが、初めての経験です。これは生徒が受験する時に、提出書類として普通は願書と調査書があります。 今までも生徒のために調査書は作って出力してきましたが、ここの学校はそれが半端じゃない数になります。今までだと一人一通、あっても 2、3通程度。それこそ大した手間ではありませんでした。ところがこの学校は進学校のため、受験する学校が一人につき平均4〜6校、 多いやつになると10校という猛者もいます。その1校につき調査書1通となると、うちのクラスだけでも200通を優に超えます。 もちろんその一通ごとに宛先が違うのですから、その分の封筒も必要です。ということでそれをシステム化して、マークシートに記入して 出せば、それを読み込んで自動的にデータ管理もして、プリントアウトも楽になるように構築されているわけなのです。なるほどねぇ。 さすが進学校!そりゃそうだよな。うちだけで200通分といったら、8クラスで1600枚以上!出力するだけでも大変な手間ですからね。

そういうことで、それの記入をさせました...ところが、これが大変なんですよ。というのも生徒自身はどこを受けるか、まだ 迷っているから、書くに書けないのです。いちおうほぼ確定はしているのですが、もう1校増やそうか、それともやっぱり行きたくない 学校は減らそうか、いやそれとも滑り止めはここで本当に大丈夫か...もう迷いまくりなわけなのです。今日も朝、昼休みと相談に来て、 決めかねている子はいっぱい。最終的には自分で決断しなければならないのですから、ここでやるしかないわけです。でも揺れる受験生心と しては、不安と希望と周囲の雑音で、もういっぱいいっぱいみたい。確かに1校受けるのに35000円の時代。1校受けるのも 親の経済的負担を考えれば適当というわけにもいかず、悩んでいますね。もう私もひたすらカウンセラー状態です。

生徒の方はひたすらマークカード記入と封筒の宛名書きにあくせくしていますが、それにしても人の話を聞いていない。「先生、これは どこに○するの?」「T期とか書いてあるやつはどこに書くの?」「志願受付日も書くんですか?」もうすべて説明したのに全然聞いて いない。もう何度も同じ事を繰り返させられました。たかが7、8枚のマークカードと封筒書きくらいでヒーヒー言っていて「先生、 もうだめだ。」と根を上げるやつが多数。こんなことでは願書書きが思い遣られる。結局1時間で終わらず放課後までかかっているやつが 何人もいました。こっちだってこれを確認するのかと思うとげっそりします。死ぬだろうなぁ...(泣)


12月7日(火) ミス多し

というわけで昨日の放課後から、ずーっとマークカードの点検をしていました。もう延べ4時間!こんなこと本当は生徒の責任だから しなくていいと思うのですが、それはやっぱり心配だから、確認してしまいました。でも予想通りミス多し。例えば大学、短大とかの 欄で、該当する箇所に○を付けるというやつが、やたら抜けていました。これが膨大な数。それでもそれくらいはいいですが、出願日を 記入する欄が抜けているものもチラホラ。色々な受験雑誌によってはきちんと書いていないものもあり、それをあてにしたせいなのでしょう。 でもそれよりも裏側のマークカードのところの方が問題。性別や区分のマークが抜け落ちているやつがいる。そして最悪なのが きちんとマークが塗られていないやつ。これは最悪です。マークが読み取られません。これは単に杜撰なのか横着なのか、本当に困ります。 ちなみに昨年の3年担当の先生から聞きましたが、昨年も自己採点ではけっこう点数が取れているはずなのに、もっと点数の低い子の 方が受かったそうです。どう考えてもマークの仕方が悪くて読み取れず落ちたらしいとのこと。こういうところにも落とし穴があるんですよね。

そんなわけで全部チェック(と言ってもコード番号までは確認できませんでしたが)して、なんと細かいミスを全て入れたら40箇所以上!! もうあきれ果ててしまいました。すぐ訂正させたりして大変でした。やれやれです。

朝から2年生が大きな荷物を持って続々登校。明後日から修学旅行なのですが、本日荷物の発送らしいです。そういえば1年前は同じように 色々あったなぁと感慨深げ。1年は早い...。


12月8日(水) 特別時間割

修学旅行のため本日から特別時間割。5時間授業♪と言いつつもかなり変則的な組み方をされ、とあるクラスなんて、9日間連続授業が あるんですが!そのことを生徒に言ったら「予習だって間に合わない!」だって。確かに。古典は本文写しと語句の意味調べを予習 させていますからね。でもそれが勉強です。そんなわけでこちらも5時間で終わりだと思うと気が楽で、ちょっとハイテンション! 授業もバシバシ進みます。放課後は2年生がいなくて、1年生が自由にコートを使えるのでテニス部の子たちはおおはしゃぎ。 そんなわけで今日もネタなしです。すいません。


12月9日(木) 蜻蛉日記で

授業ネタを一つ。ただいま古典の授業で「蜻蛉日記」をやりました。内容は「嘆きつつ」というタイトルで、藤原兼家の浮気を作者の 藤原道綱母が嘆くという筋です。内容的には兼家が他の女へ出すラブレターを見つけられたり、浮気の言い訳したりという、今でも ありそうな内容なので大変わかりやすいものです。

それがなぜか脱線し、いきなり授業中に「だから男は...」という話で盛り上がってしまいました。とある女子が「なんで男って 浮気するの?」と投げかけたところから大激論(笑)「いや、女だって」「だってこの兼家って、まだ子供が生まれたばかりでしょ?」 「いややっぱり妊娠中とか子供ばかりにかまっている時期は、ついつい...」などと苦笑してしまうような意見続出。私もついつい 乗ってしまい「この本文のところで『いかに言わむやうにて知らで』とあって、『なんて言ったらいいのかわからない』と訳して もらったけれども、さて女子に質問!あなたの彼氏が浮気しているとわかったらなんて言う?問いつめて怒る?泣いてすがる?冷静に話して 諭す?それとも放置?(笑)」なんて言ったからさあ大変。あちこちで蜂の巣をつついたようなトーク炸裂。絶対怒るとか、いや やめてと言うとか、経験がないのでわかりませんとか(笑)そんなことで大盛り上がりになり、収拾がつかなくなりました(^^;) でもまぁこれはこれで楽しかったので良しとしましょう。古典の恋話で盛り上がれるなんて、それだけでやった価値はありますから。

  「ところでO−TEACHERは浮気して
  こんなふうに言い訳したことあるんですか?」(爆)


12月10日(金) 朝から脱力

まったりしております。なんか知らないけれどやたら欠席多し。もしかして予備校がらみか?まっ、いいけどね。と拗ねてみたりする(笑) 今朝、朝の打ち合わせでいきなり教頭が「えーと、修学旅行先から報告があります。FAXが来たので読み上げます。」と言い出しました。 すわっ、これは何かあったかと、色めきだちました。普通こういう報告は、現地の修学旅行先から「本日××名で無事予定通り行動中。 数名風邪で本部待機。」なんて型通りの連絡があるくらいなのです。いちおう無事着きましたとかそんなことですから、普通は全体の場で 報告することもないくらい。ところがいきなり現地からFAXが届いて読み上げますということは、これは何かあったなぁ!誰か煙草でも 吸ったのが見つかって特別指導がらみか!?なんて、悪いけれども他人事なんでワクワクしてしまいました。

   「学年主任のK林先生からです。読み上げます。
   『美(ちゅ)ら海の 白き浜辺に輝けよ 蒼き波頭と 子どもらの顔』
   だそうです。」

はぁっ?緊急FAXって、短歌ですか!?それも楽しそうな?大会議室にいた職員一同、大ズッコケでしたよ。朝から超脱力してしまいました。 うーん、やるなぁ。なんかいかにも満喫しているようで、ちょっと嫉妬(笑)平和な学校です。はい。


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