先生を長くやっていると、こういうケースに遭遇することも多い。でも祖父母の場合はある意味、年齢的なものもあるので、それほどでもない。 しかし今回みたいに父親だとなると、なんとなく心が落ち着かない。彼らの父親となるとほぼ私と同年代なのだ。覚えている人も いるかもしれないが、4月当初、つまり入学式直後に、やはり同じように我がクラスの女生徒の父親がお亡くなりになった。こちらも 若すぎる死である。こんなに早く父親を亡くすなんて、とても切ない。そりゃ人間だからいつかは死ぬわけだが、たかが2ヶ月足らずで、 自分のクラスの生徒の父親が二人も亡くなるなんて、ちょっとショックだ。担任としてかけてやる言葉も見つからない。そんなことを 考えた朝。
1時間目国語の授業に変更して、教育実習生のYさんにLHR用としてお任せする。教科が音楽だからクラス全体を教えることがなく、 なかなか朝と帰りだけではコミュニケーションが図れないし、少しでも良い経験をさせてあげようとの配慮。でももしかして負担だったかな? とりあえず好きなように使って良いよ、と言い、まぁ軽いレクとお話でもしてあげてとアドバイスする。そこで様子をうかがっていたら、 まずは定番のなんでもバスケット(爆)でもまぁ生徒の方はよくやっていました。ある意味協力的(笑)二度鬼になると罰ゲームで、 何か教習生に質問することになっているのだが、あまり無礼な質問もなく和気藹々と進む。最後の20分くらいでお話タイムになったのだが、 本人的にはいっぱいいっぱいで大変そうだった。高校時代の話、大学の話などするが、間が持たない。生徒はシーンと聞いているが 本人はけっこう詰まっている。唯一盛り上がって聞いていたのは、音大なだけに、ミュージックステーションの弦楽ストリングスの バイトに借り出されたり、Field Of Viewというバンドの(生徒はほとんど知らない)ツアーにバックバンドとして参加したり、 TUBEのレコーディングに参加したという話が出た時。うーん、こういう飛びきりのネタがあるなら、そういうのをうまく使って 話をすればいいのに。でもまぁそういうのを余裕を持って話せるようになるのは、かなりの経験が必要なんですけれどね。まっ、良い経験に なったでしょう。
その後すぐ情報の授業、国語総合の授業、自習監督など、午前中はひとつの空きもなく過ごす(泣)そして午後からは、陸上部で インターハイへ出場を決めた子がいるので、すぐさま学校HPへアップ。その他書類仕事も3つほど立て続けにこなす。うーん、 大変。そして放課後は学年会議と、やっぱ先生って大変。なるもんじゃないわ(爆)
「個人情報等については、施錠できる場所に保管し、外部に持ち出さないこと。」
「パソコンのアップデートは必ず実施すること。」
「パソコンは退庁時には施錠できる場所に保管すること。」
「電子メールを使用している場合は業務の停滞を招かないために、少なくとも1時間に1回程度メーラーを起動し、
新着メールを確認すること。」
「はがきに書かないような情報はメールに書かないこと。」
もう噴飯物である。だってこれって当たり前のことと現実的に無理なことが混在しているのだ。もちろん学校というところも ご多分に漏れず個人情報満載の職場である。生徒の個人データは成績から住所まで、そりゃあちこちに溢れかえっている。 というより散乱している(爆)外部に持ち出さないというお題目はわかるが、実際自宅に持ち帰って仕事をしている人も 多いと思うのだが。でもここまではまぁよい。アップデートに関しては、ウィルス対策ソフトも満足に配布していないし、 パソコンの管理に至っては、デスクトップの場合はどうするんですか!?学校のロッカーや準備室の鍵なんて、ちゃちで あっという間に開けられますよ。それより1時間に1回メールチェックしろなんて、授業が続いていたら出来るわけないし、 最後のやつなんかは意図すら不明(笑)まぁいつもの適当な上からの指示ですな。個人情報保護法案の影響で慌てて作った 通達でしょう。しかしあまりに不備なのでかえって物笑いの種だと思いますが…。私の相方の会社なんて、もうそれこそ ひとつひとつのファイルに番号を振って、パスワード振って、誰がアクセスしたかわかるようにして、一人一人に念書(?) を書かせて(「絶対個人情報を持ち出しません。やった場合は首になっても仕方ありません等」)までしているらしい。 どこかの国では大量に流出しているようなご時世ですから、過敏になりすぎるのもどうかと思うけれども、これほど 安易なA4一枚の指示だけで済ます職場というのもどうかと…。まっ、色々煩雑に規制がかけられても仕事しづらくなるので 良いんですけれどもね。
しかしそれにしても本日は忙しい。 忙しい日にはまとめて色々な仕事がある。本日はそういう特異日。授業が詰まっているのはいつものことだが、その合間合間の 空き時間も仕事尽くし。まずは3時間目の私の授業の裏で、うちのクラスに来ている教育実習生のY川先生の研究授業があった。 私もちょっぴり抜け出して参観してきました。音楽の授業を見るなんて何年振りだろう。ほとんど朝と帰りのSHR時しか かかわっていないので、どんな感じでやっているのだろうと興味津々でのぞいてきました。緊張しながらも一生懸命 マンドリンとリコーダーの合奏の授業をやっていました。こういう実技教科はどう指導すればよいかわからないけれど、 やっぱり声の小ささが気になりました。教員のまず一番目の大事なスキルは、生徒に負けない大きな声を出すと言うこと。 でもまぁ無難にこなしておりました。あとちょっとですから頑張って下さい。
そして本日の私的メインは4限目。本来は総合学習の時間なのですが、小体育館に1学年すべて集めて来年度のコース選択の説明会。 私はこの係なので、全体的な説明をしました。うーん、学年集会で話をするなんて何年振りだろう。学年主任なんてやったことがないから、 そういう意味では、離任式などで全校に話した時以来かも。いや別に緊張はしませんでしたけれどね(笑)それより事前に同じ係の N己先生に「O−TEACHER、真面目に話してよ。」と言われたんですが、私ってそんなに信用ないの?こんな場でふざけた 話なんてしないって!いちおう全体の流れを説明しました。まぁ詳しいことは配布プリントに書いてあるので、全般的な話をしました。 文系か理系かという括りはあまり大切ではない。現実には「情報コミュニケーション学科」などは経済と統計(数学)が必要になったりも している。「好き」と「得意」はイコールではないし、「嫌い」と「不得意」も同じ。出来ないから避けていると、どんどん限定されてしまう。 逆の発想で、これをやればより自分の進路選択の幅が広がる、というふうにプラス思考で考えるべき。そして最後に決めるべきは自分自身、 先輩の感想や親の意見に左右されすぎないということも付け加えました。
その後、選択科目の担当者から科目の説明があり、日程まで説明して無事終了。まだ入学して2ヶ月ですが、 もう2年次のことや進路のことを考えねばならないなんて、大変です。でもそういうもんですけれどね。でも終わってから色々な先生や 生徒に「O−TEACHERも真面目な話するんですね。」と言われ、やっぱり私の評価はそうだったのかと悟り…_| ̄|○
6時間目の自分のクラスの授業で、様々な連絡をする。今、実習生に朝と帰りのSHRはやってもらっているが、やっぱり痒いところに 手は届かない。まぁ2週間足らずのお客様ですから当たり前といえば当たり前ですけれど。例えば文化祭企画書の二次提出のことについて、 文化祭係に指示したり、コース選択のより細かい注意をしたり、球技祭のメンバー決めの進捗状況を体育委員に確認したり、三者面談の 変更について話したり…。こういうふうに先のこと先のことを色々考えて動かねばならないのが担任ですから、実習生にすべて お任せするのは無理がある。フォローしつつ、せいぜい「先生」というお仕事の20%くらいを体験していただくというくらい。 実際の先生稼業は、この日記に書いてあるとおり、複数の仕事や行事が重なって同時進行で進んでいるわけですから、気が抜けないのです。 文化祭の企画もやり、球技祭もあり、面談の準備もし、コース選択もやり、生徒の動向にも気を付け、そして当然のごとく 抜かりなく授業をする。プリント作ったり部活をやったり会議をこなしたり…。こういう全てのことを体験したら、教員という仕事の厳しさも 体験できるでしょうね。朝練から放課後まで、土日も部活をこなし働く…。それが私の日常なんですけれどね。やっぱり先生って 今更ながらハードワーク!
放課後部活が終わった後、お通夜に行って来ました。うちのクラスの男子の親のお通夜。こういう席に参列するとつくづく人生の 無常感を感じます。本人は気丈に振る舞っていましたが、それがなおさら痛々しかったです。こういう家庭訪問だけは行きたくないものです。
でも実はけっこうこう見えても気を遣う私なので(爆)わざわざ花束を注文。私がいなくても委員長に最後きちんと渡せるように手配。 いちおう生徒達も色紙なんて書いて、段取りだけはしておきました。あとは最後に色紙と花束渡して感涙の別れ…だったはず(爆)
不運にもこんな時に限って出張ですから(泣)インターハイの会議。実は明日も午後あったりします。うーん、もう大変。 というわけでちょっと倒れそうなので本日はここまで。
月曜日はいつも仕事が立て込みます。まずは金・土・日とインターハイ絡みの出張&試合だったため、その復命書書き、自習監督の プリント確認など、事後処理に追われる。そして次に三者面談が金曜日から始まるので、その日程調整をして、再配布用に印刷。 そしてその面談の時に配る成績資料データを作成。これは例年のごとくくまぷー先生のやつをお借りしております。これで小一時間。 その後コース選択の全学年データを集計するために、入力用ファイルを作る。これもけっこう手間がかかりました。
こんな暑くては何もやる気が起きません。LHRの時間は聴力検査後、放置。特にやることがなく、いや文化祭のこともあったのですが、 まだシナリオが出来ないと進めませんので、今日は何もなしでした。
あー、こんなふうに7月に突入するのですね。
今日コース選択予備調査の締切だった。2年次から文系と理系に分かれるのだが、その希望と選択科目の調査を提出することになっている。 しかしこれがまたけっこう「?」なものが多い。いちおう中に大学か短大か専門学校か、希望のところに○を付ける欄がある。 そこでは専門学校に○をつけているのに、将来就きたい職業欄には「中学校教諭」とか書いてある。 ていうか専門学校卒では中学校の先生にはなれません!そういう基本的なこともわかっていなくて困ります。また理科の選択に関しては、 異様に生物選択が多い。確かに例年生物の方が人気なのだが、地学がほとんどいないのかも変。すると生徒が「だって地学って N先生が教えるんでしょ!?」違うって!たまたま説明したのがN先生だけれど、担当は違う理科の先生ですよ。どうやら生徒達は 超怖いN先生が地学を教えると思い、みんなで回避したらしい。やれやれ。
6時間目の授業の時、隣のクラスが教育実習生の研究授業だった。そのため校長を始め多くの先生が大挙して参観していた。そのため いつものようにうるさい授業はできない。そこでいつもよりはテンションを下げて静かめにやったつもりなのだが、そうでもなかったらしい。 「隣からO−TEACERワールドが聞こえて、ついつい聞き耳立てちゃったよ。」ととある先生に言われてしまいました(^^;)
放課後は学年会議で、総合学習の話。色々あってけっこう疲れてしまいました。あー、本当に蒸し暑くてばてた一日でした。
梅雨らしい天気。しかしながら学校は湿度がうなぎのぼりの高温多湿状態です。もうここは日本ではないですね。3年生たちは 自衛のために教室の前後のドアを取っ払って、少しでも風通しを良くしようとしています。そうでもしないと本当に熱気が籠もって しまいますからね。でもそのドアが無造作に放置されて危ないので「××室へ移動してください。」という連絡があると 「そもそも勝手にドアとか取り外しても良いのか?」という疑問が提示され、まぁ3年の一部の教室だけ風通しが悪い部分が あるので、そこだけ例外的に認めるなんて発言があったりします。なんだか3年生あたりは勝手に扇風機を自宅から運んでいるとかないとか。 色々ありますね。
空き時間はコース選択の予備調査をひたすら入力。いちおう全クラスの文系か理系、大学か短大か専門学校か、そして希望学部や専攻、 将来希望する職業などを打ち込みまくり。しかしそれにしてもよくわからないのが相変わらず多いです。将来の職業…ウグイス嬢、 犬に触れる仕事(?)、マスコミに会える仕事(?)、獣医もしくは保育士(←共通点は何?)まだこんなもんなんですかね高一って。 入力しながら脱力していましたよ。まだまだ4クラス分ですが、これからこれが続きそうです。
3時間目の空き時間に、またまた実習生の研究授業をのぞきに行きました。今回は美術。補色の説明があり、それらを実際に配色していくというやつ。 こういうのは大好きで自分自身が興味津々で聞いてしまいました。こういう実技科目は一生懸命やるやつとさぼってぼーっとしているか、 喋っているかというやつに分かれます。それをどう捌いていくかを見ていましたが、まぁねぇ(笑)なかなか難しいですね。あとでコメントを 求められましたが、いちおう軽いアドバイスを偉そうにしたりして(笑)その後色々仕事して本日は終了。やれやれ。
朝忙しくコース選択のデータを入力していると、家庭科のH先生が急襲。「O−TEACHER、5分で良いからパソコン教えて!」と 懇願してくる。こう言われて5分で終わった試しはないし、最終的には私がやることになるといういつものパターンなため 「今、忙しいんです!見てわかりませんか?」と冷たくあしらうも「えーと、ノートパソコンどこ?そこで口で言うだけで良いから。」と 言い、片付けてあるノートPCを取り出す。しばらく無視しているが、「あー!」とか「うぇー!」とか変な奇声を横で発するので、 仕方なく「何が困っているんですか?」と聞くと、待っていましたとばかり目を光らせて「これこれ、ちょっと見てくれるだけで いいんだから。」と画面を向けてくる(泣)
見てみると家庭科の授業の指導案でした。前にも書きましたが再来週指導主事訪問というのがあります。県のお偉方が学校へ視察に来て、 授業を見学するらしいのです。で、そのために全員指導案を書かねばならなくて、その締切が本日だったのです。私は適当にさっさと 出していたのですが、H先生は土壇場で焦っていたらしい。そしてもうひとりの家庭科の先生のO山先生に頼み込んで、O山先生の 指導案を借り受け、自分用に手直ししようと思ったのがうまくいかず困っていたらしい。それで私に泣きついてきたわけです。 なら、手書きで書けば?と思うのですが、そうも行かないこのご時世。PC音痴の教員には辛い世の中です。
でもH先生もワープロくらいなら打てるはずなのに、何をそんなに困っているの?と見てみたら、Excelで作ってある指導案でした。 それも途中にテキストボックスを沢山使い、おまけにフローチャートまで入り、オートシェイプも多用してプログラムのフローチャートのように、 矢印など使ってYes or Noみたいにして、かなり手が込んでいる作りになっているのです。これでは初心者にはお手上げですね。 あっちこっちテキストボックスの重なりで字が消えたり、フローチャートの矢印が届いていなかったり、わかっていないのにいじくり回した ものだから、もう収拾つかないくらいレイアウトが崩れていました。これならワープロで打ち直した方が早いとは思いましたが、 そこはいつもお世話になっている先輩でもありますから、仕方なく預かって4時間目の空き時間に作り直しました。でも やりながら『なんで家庭科の指導案を私が作っているんだろう…』と涙が出そうでした(泣)まっ、いつもこういうポジションなんですけれどね。
別ネタ。同じ国語科のハマー先生が「この学校で一番格好いい男の先生は誰か?」と言い出しました。何かと思ったら、本日の 職員研修の講師の女性に花束を渡す役を物色していたらしい。まぁ格好いい男性教諭から花束もらえば気持ちがいいだろうということなのですが、 これってセクハラじゃないですかね。以前なんかの冊子に「女性に花束などを渡させるのはセクハラ。」と書いてあったような気が…。 まっ、それはそれとして、国語科女性職員がああだこうだ激論して、結論は「いない。」そうです(爆)諸女史曰わく「オヤヂばかりだ!」 だそうです。でもとりあえずホスト顔のN原教諭が任命されました(笑)他はよりダメだそうですから(笑)これも若い教員が いないというオジ捨て山状態だからでしょうね。でも「あーあ、若い男、いないかなぁー」と言う発言はいかがなものかと(爆)
でもって放課後その研修会がありました。いちおう数々の不謹慎発言はありましたが「人権委員会」主催です(笑)2年前に来ていただいた 国連難民高等弁務官事務所で働いていた方に来ていただきお話を聞きました。前回の難民の話も興味深かったけれど、今回も自由と責任という 言葉の本質的な意味、freedomとresponsibilityの話がとても感銘を受けました。うーん、やっぱり現場の人の話はとても面白い。 その中で印象に残っていた話。緒方貞子さんが国連の難民高等弁務官トップに立ったときの話。広告塔として危険なところへ自ら行き、 その現状をマスコミにアピールするところ。「トップが動かなければ変わらない。」と言ったということ。うーん、誰かに聞かせてあげたいです。 無駄だと思って何もしなければ何も変わらないが、とりあえず燃えているところに水をかける。焼け石に水だけれど、自分の出来る responsibilityをするというのが、とても共感できました。当たり前の話なんだけれど、真実を見た人の話は重みがある。なかなか 勉強になりました。ただひとつだけ不満が。それは目の前に校長が座っていたことです!(爆)