委曲求全たる 10月 下旬 編



10月21日(金) 一番遠い仕事

授業変更のせいで、なんと本日は午前中授業がありませんでした。でも午後2つあったけれど…orz。だから本当は午前中 休んでも良かったのですが、なんか午後から学校来るのも億劫になりそうだし、持ち前の勤勉性が芽を出し、きちんと出勤。 本当はゆっくりと休むべきだとわかっているのですが貧乏性かなぁ。でもこういう連続して空き時間がある時にしか 出来ない仕事もあるので、ついついハードワーク。

でもこうやってまとまって時間が取れると、逆にやりたくなくなるんですよね。天の邪鬼だから。なんか切羽詰まらないと やらない性格なんで(^^;)で、何を思ったかこんなことを考えていました。『今これは最優先の仕事だけれど、一番やりたくない仕事だ。 でも今日は時間があるから、まだ後ででも間に合う。』→『じゃ逆に一番最優先ではない仕事って何だ?一番遠い仕事は?』と 愚にもつかぬ事を考えてしまい、やった仕事は要録の所見書き!これって年度の最後にやる仕事です。つまり3月終わりの仕事(爆) もちろん下書きなんですが、そんなことをやろうとしました。それを見られて、国語科の他の先生方から非難囂々でしたけどね(笑) 「忙しいと言っているくせに、そんなことないじゃん!」(ハマー先生)「えー!信じられない。燃やしてやるー!」(F川先生) 「そんなのやっていると本当に倒れるわよ。ふふっ」(Y倉先生)等々。でもいざやり始めると、本当に無駄なことだとわかり、すぐ沈没。 こんなこと考える時点で、疲れている証拠かも。へそ曲がり一級です(笑)

とは言っても午後2コマ授業やったらけっこうヘロヘロ。やっぱり午前中空いていても、疲れるものです。でも今週はこれで無事 終了。やれやれ。


10月24日(月) 授業評価

久々に晴れ間の月曜日のような気がします。かといってやる気はないのだが…。今日から教材が新しいところに入り、少しだけ 「表現」の内容をやろうと計画。元々文章を書くのが嫌いな子も多いので、まずは言葉遊び的なトレーニングからと思い、色々 準備したのだ。1時間目のクラスはけっこう盛り上がり、喜んでみんな書いていた。よしよし、こういう展開で行けばいいな、と 考え2時間目に向かう。そしていざやり始めたら「先生、前やっていた小説、あれで終わりですか?」と質問される。へっ?と 思って確認してみると、まだその小説が終わっていなかった…。最後の段落を残し、まだ中途だったのだ。「あれ?なんで?」と 問いかけると「先生、前回、無駄話炸裂させていて、ほとんど進んでいないですよ。」とのこと。トホホ。これじゃあ授業評価も 最悪ですな。

というわけで教科会議で授業評価の件について話し合われる。例の「予定通り(シラバス)進んでいるか?」とか「わかりやすい 説明ですか?」「黒板は読みやすいですか?」のようなものを生徒にやらせるということについて。どうもやる方向は決まって いるのですが、それを各教科へ下ろして、その内容について検討させたいらしい。でも元々全体で何のためにやるのか、その結果がどういう 取り扱われ方をするのか、そういう説明がないので、何とも話し合いようもない。でもどうやらこれも問題教員をあぶり出すための ものらしいし、こうやって教科で話し合わせるということは「現場で決めたんだから」という既成事実を作るための罠でもあるらしい。 ただ小学校あたりはすでに学校評価は父兄間で始まっており、時代の流れではあるんですけれどね。 O−TEACHER的シラバスとしては「今日の授業はうけましたか?」「今日のギャグは滑りませんでしたか?」など(笑)

6限目はLHRでまたまた席替え&進路調査。特に何もなく今日も一日無事終了。


10月25日(火) 学年会議は踊る

ふるふると火曜日です(意味なし)なんか「情報A」のアシスタント、けっこう大変です。そろそろ内容がExcelに入ってきたのですが、 よくわからず手を挙げる者が増えてきました。Wordはワープロですから、中学でもやって来たやつが多く、そんなにわかっていない 者は少なかったのですが、さすがに表計算ソフトはつまずく者も多くなってきました。おまけに進みがけっこう早いし…。私もあちこち 手を挙げる者たちのところへ回り、色々教える。でもほとんどが説明が早過ぎて聞き漏らした者か、もしくはフリーズした者です。 その度に駆けつけて、けっこう忙しいです。

途中クラスの編集委員が「先生、生徒会誌に載せるクラスのページで、アンケートを作ったので、印刷してください。」と来る。 こういうのはうちの学校の場合、割と女子が細々とイラストなどを載せて、面白おかしくカラフルに作るのが普通なのだが、 今年我がクラスはなぜかむさい男子2名(笑)そのため、アンケート内容も「クラスはどうですか?」という、何とも答えようが ないような項目がありました。こんなんで大丈夫なのか?と不安になりましたが、まぁお任せしましょう。

放課後学年会議あり。議題は来年度の文理コースのクラス数のこと。まぁ色々ありますが係の原案通りでいくことになり、今後の 予定などが確認されました。私は係なので、これからまたまた忙しくなると思われますが、これも仕事ですから覚悟しております。 それで終わりかと思いきや、夏休み前にあった面談のことについて話がありました。ようは来年度の年間行事を決める際、今年の ままの日程で良いのかどうかということ。確かに予定では4日間で40人を終わらすというのは無理な話。一日10人も詰め込める わけもないし、親の都合とか聞いていると、中には10日間にわたってやった人もいます。だからもう少し授業確保ばかり 叫ばないで、余裕が欲しいという担任サイドからの意見がありました。ここまではまぁいいんですよ。ところがN先生から 「面談の時、部活が大変で勉強がおろそかになるという話が出たんですよ。私は何事も一生懸命になることは大事です、なんていう 話をしたんですが、他の先生方はどういう答え方をしました?中にはやはり学生の本分は勉強です、とか言った先生もいたと 思うんですけれども。あんまり担任によって180度言うことが違うとあれなんで、参考までに、こういう親からの問いかけに なんて答えたか教えて下さい。」なんて発言がありました。おいおい、これはかなり深くて広い問題で、これを取り上げると 会議が長引くぞ、ここは司会の私が適当にまとめて…と思ったら、すかさず話し好きのS先生が「いや、私は文武両道と 言うのは簡単だけれども、身体は一つだから、その時やれることは一つだと思うんですよ。だから…」と話を広げてしまった。 やばいっ。そこへまた他の先生も参入して、泥沼の教育論へ発展してしまう雰囲気。ここはやばいと思い、必死で消火活動(笑) なんとか10分程度でおさめ、「またいつかの機会に意見を交換しましょう。」とまとめる。幸いだったのは論客のTT先生が いなかったこと。本当にこの学年は議論好きが多い。もう放っておくと果てしなく脱線しエンドレスになる。もう司会も大変です。 そんなかんなで放課後が一番疲れるO−TEACERでした。


10月26日(水) 自分を知りたくない

この前生徒から誕生日を聞かれた。おっ?これはプレゼントか?と思ったら、そうではなく(泣)誕生日占いをしていたから だった。なんでも誕生日占いの本があって、それを見て色々性格がどうだとかはしゃいでいたらしい。で、私の誕生日だと どういうふうに出ているか聞いてみた。すると

 ※長所…瞬発力がある、生産的 ※短所…せっかち。知ったかぶり、喧嘩っぱやい
 [アドバイス]いつでも状況を把握できているとは限りません。誤りも認めましょう。
 次から次へと手を出してはいけません。謙虚に振る舞うことが大事です。何かを
 始めたいという欲求が強いのでしょう、思い付いたら行動に移すタイミングが早す
 ぎます。アイディアが浮かんだらもう止められません。理屈で説明できない話や
 超常現象、奇跡などには大きな疑いを持っています。物事を哲学的に分析すること
 が好きで、それを喜んで聞いてくれる相手は大歓迎!自分の考えが相手に影響する
 のが嬉しいのです。そんな人が先生になったり親になったりするのは当然のことで
 しょう。

ということらしいです。まぁ当たっているかどうかはよくわかりませんね。だいたい誕生日占いなんて、同じ誕生日なら 全員こんな性格になるなんてあり得ないし、なんだか誰にでも合うように書いてあるのが、こういうものの常ですからね。

だいたい私はこういうものをほとんど信じないたちです。というよりあまり関心がないという方が 正しいかもしれません。本当に女子高生たちはこういうものが好きで、やれ当たっているとか、やれ××君との 相性がバッチリだとか、幸せな生き物だと思います(笑)まぁ個人的には良い運勢なら信じようかなと いう消極的な立場ですから、べつにどうでもいいんですが、それよりもこういうものによって「自分」を 知ろうという行為自体に興味があります。

どうして人間って、そんなに「自分」はどういう人かって知りたがるのでしょうか。そんなに自己分析して、 何か面白いのでしょうか。どんな性格か、どんな心理か、どういう人と合うか、どんな運命か…。 私も心理学は大好きですが、それとこのことはちょっと違うような気がします。「自分」なんて結局のところ、 そんなに解明できないものだと思っているし、深層心理も掘り下げていけばいくほど、深みにはまるような 気がします。そんなにみんな「自己」を知りたいのですかね。そんなに「自分探し」をしたいのでしょうか。 私は別に「わけのわからない自分」が好きだし、その方が面白いと思っています。変な時に変な行動したり、 変なこと言ったり…そういう意外性のある「自分」が飛び出してきたりするのが、けっこう好きだったりします。 それにそんな計れるほど浅い自分だと思ってもいないし、底が見えたらつまらないだろうしね。「知らない自分」が いる方が、楽しいと思うんですけれどね。変ですか?


10月27日(木) 面談マニュアル

朝、会議室の机の上を見ると、とある模試業者から 進路指導の手引き的な小冊子が置いてあった。だいたい学校というところは、参考書とか問題集とか模試とか、様々なものが 売り込まれてくる。で、うちはとある模試業者の模試を定期的に行っているのだが、そこは模試のデータ分析だけでなく、先生方に 少しでもサービスしようということで、色々な冊子が送られてくる。その一冊でした。

普段は見もせずに捨ててしまう。だって内容があまりにも画一的で、通り一辺倒のことしか書いていないので、読むだけ無駄というか 資源の無駄遣いだとさえ思える。しかし朝ちょっと時間があったので読んでみたが、けっこう突っ込みどころが満載だということに 気付いた。ちょうどこの時期は進路決定の大事な時期のため、今まさに私らがやっているコース選択の話とか面談のことについて アドバイスが載っている。何だかハウツーものというかマニュアルみたいな内容で。で、その中に面談のやり方が載っていたのだが、 これがけっこう面白い。いちいち生徒と先生の会話文を載せ、ポイントの 箇所で、「イライラして誘導している」とか「納得していないのに話を進めている」との指摘がなされている。そして「どうしたらいいんでしょうか?」と 生徒が言ったら、すかさず「生徒がSOSを発している」と書いてある。本当か!?「ここで揺さぶりをかける」「最初に戻ってしまっているので、再度本音を聞き出す」など、 まるで警察の尋問みたいなマニュアルになっているのです。最後には「生徒の話を良く聞きましょう」とか書いてあって、なんか笑えてきたのですが。

常々思うのですが、こういう面談の技術って、一朝一夕に身に付くものではないと思うんですよ。教員も長くやっていてベテランになると、 こういう面談の中で、生徒の言いたいことが読み取れたり、何に悩んでいるか聞き出せたりするものだと思うのです。つまりは ある程度の「経験」が物を言う場面でもあります。生徒も面談も生き物ですから、こういうマニュアル通り行くはずがないし、ひとつの ケースとして読み飛ばすだけなら、別にどうということはないのですが、こういうのを真に受けて『そうか、こういうふうに言えば 生徒の本音が聞き出せるのだな。』と考えてしまう若手教員がいる方が怖いと思うのですが、いかがでしょうか。まさにマニュアル世代教員が こういうのを信奉しているのでしょうかね。そんなことを考えながら斜め読みしていました。

するとその会議室で同じように読んでいた、某大ベテランの先生が「ほぉー、これはいいねぇ。今度この通りやってみようかな。」と 言っていました…(-_-)

放課後職員会議あり。例の授業評価についての説明が、管理職からありましたが、まだたたき台もよく決まっていない様子。 誰が、いつ、どんな形で、ということがかなり曖昧な様子なので、何とも言いようがありません。やれやれ。


10月28日(金) 恐喝集会

今日の放課後に理系選択者説明会がありました。これは来年度のコース選択で文理の希望を採ったのですが、理系が異様に多すぎて、 それを文系に移動させるための、いわば「脅し集会」でした(爆)希望者が2.5クラス分いて、 でも理系クラスは2クラスと決まっているので、どうしても0.5減らさねばならないのです。確かに生徒の希望はあるけれど、 まず物理的に教室内に人数が入りません。その上学校では勝手にクラス数を増やせません。そして先生の人数も決まっていますから、 勝手にコマ数を増やして分割してやることも出来ません。というわけで必然的に、各クラス40人前後になるように調整せねば ならないのです。

で、放課後、小体育館に理系希望者を集め、文系へ替わっても良い者は申し出てくれと言う説明を行いました。まずはチーフの私から。 全般的な概況説明をして、いよいよ脅しトーク(笑)今の成績では理系の数学や理科の教科に付いていくのは大変だ、2、3年生で 落ちこぼれているやつは沢山いる、テストが7科目から10科目に増える、看護系ならば文系でもいける、国語が嫌いだから理系というのは 安易すぎる、等々、まずは私から軽くジャブ。

続いて数学のTT先生が、数学のテストは80分でやっているぞ、数学Vの問題は黒板2回使って解いている、一問解くのに30分かかるやつもある など、数学の怖さを披露。続いて理科のN倉先生から、理系の大学は金がかかる、経済的なことも考えろ、理系の大学生は 遊べない、実験で夜遅くまでかかり、その後レポートの嵐、バイト・合コンなんてしている暇ないぞと、とどめ(爆)

こうまで言われてやっぱり理系が良いというのは、余程の覚悟か、どうしても行きたいところがあるものだけでしょう。さっそく終わるやいなや 揺れ動く者多数。「先生、やっぱり替えた方がいいかなぁ。」「先生、看護の大学って文系でも行ける?」等々、目論見通り。

でも大変なのはこれから。様々な生徒の相談を受け付ける係なので、多分恐ろしいことになりそう。やれやれです。


10月31日(月) 進路を熱く語る

今日のLHRの時間は本当にやることがなかった。朝から『何しようかなぁ…』とひたすら悩んでいた。やることがあるときは本当に 2つも3つもあって時間が足りないのだが、こういう時に限って何もない。席替えも来週だし…。というわけで、仕方なくお話しを ばっちりしました。それは「進路を考える」ということ。1年生といえども自分の進路を考えても早くはないでしょう。そこで コース選択に絡めて、色々話してみました。例えば、適性=コースではないとか、文理に分けられない中間的な分野や進路について。 やりたいこと(理想)とできること(現実)について。将来やりたいものがなくても、とりあえず進むということ。そして昨年の 我がクラスの進路状況の詳細について。まぁ色々話しました。けっこう生徒は真剣に聞いていました。最後のフリートークで、 やりたいことが見つからないという不安を話してくるやつとか、英語はやっておいた方がいいですか?という質問やら、いつから 勉強を始めればいいんですか?(爆)とか、色々相談したいことがあるようです。みんなそれなりに悩んでいたり不安があったりするんですね。 「先生、親抜きで個人面談やってくださいよ。」と数人から言われてしまいました。なんかこれ、墓穴を掘りましたか?(笑) かえって仕事を増やしたようですが、まぁ相談にはいつでも乗りますよと答えておきました。そんなLHRでした。


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