戒驕戒躁たる 9月 下旬 編


9月21日(木) 自己分析

学校に来て仕事を始めてみて、今日が仕事の特異日だと気づいた。授業は4コマあるし、成績処理はしなければならないし、 学校のHPは更新しなければならないし…。とは言っても当社比ですから、最高に忙しい日の70%くらいだとは思いますが。

こういうことがよくある。来てみて今日は大変だということが。つまり先を見越していなかった計画性のなさが露見したと いうことだ。でも本来はけっこう計画的な方だと自負している。大変な仕事は結構前から考えてコツコツやるタイプだと思う。 つまり今回は見くびっていたのだ。成績処理なんて当日でパパッと出来る、HPもアップするだけだと。しかしよくよく 考えてみると成績を入力するだけでなく、出欠の確認やらクラスの部活や委員会も入力せねばならない。学校のHPも 実は写真加工が終わっていなかった…という読みの甘さがこの忙しさを招いている。つまりは細かいところまで見通せて いなかった読みの甘さが起因なのだ。授業だってそう。だいたいで済ませていると、細かいところを生徒から質問を受けたり、 自分の予習が不十分で、しどろもどろでやることもままある。ツメが甘いのだろう。

概して私の人生はそうだと思う。自分では計画的に、色々レアケースやイレギュラーに対応しているつもりなのだが、 予定通りいったためしがない。結局想定の範囲が狭いのだ。先見の明もないし。だからいつもそういうトラブルに あたふたする。今日みたいに学校に来るまで、今日の忙しさが想像できずてんてこ舞いになる。

しかしだからといって悲観しているわけでもなくがっかりしているわけでもない。そういう事実を客観的に把握しているだけだ。 気をつけていてもまた同じことを繰り返すだけなので、それに対応するリカバリー力が付いただけだ。またもっと言うと 私以上に想定するのが弱い人もけっこういる。つまりは危機管理能力の差なのかも。でもまぁこういう仕事なんで、 実害がさほど出ないのが救いですがね。

というわけで、久々にこんなに長く書いているのも、現実逃避ということです(爆)放課後教科会議があり、1、2年の前期の成績が 吟味された。まぁいつものごとく何の問題もないのだが。そしてその後入力しようとしたら教務室のコンピュータが千客万来。 本日締めにしたためにこういうラッシュは予想できたはずだが…。まっ、明日でもいいけれどね。

9月22日(金) 長く書くのは大変

そんなわけで昨日からの引き続き仕事。自分の成績処理は終わったが、まだ他教科の先生達が入力を終えていないので、その後の 作業が滞る。一覧表が出来上がるのは来週かも。そして学校のHPの更新作業に取りかかる。先日の体育祭の様子をアップしたいのだが、 実は素材があまりなくて困っている。当日記録係をやっていたので、各競技の結果をまとめたりしていて、ほとんど写真を 撮る時間がなかったのだ。合間を見て自分のクラスの写真は少し撮ったが、それくらい。だからいざ写真を選別しようと思っても 2年生のものばかり、それも自分のクラス中心…うーん、これではまずいなぁ。他の先生が撮っているとは思うけれども、みんな前期末で 忙しいし…とりあえずいくつか適当に載せてお茶を濁そう。

そして次に教材研究。そろそろストックがなくなりつつあるので、慌てて予習。漢文パートなんですが、あまり素養がないもので 前後関係を把握するのに時間がかかる。ストーリー自体は知っているのだが、細かい事績や人間関係が把握し切れていないので、それを あちこち調べて時間がかかる。うーん、先生っぽい。

昼休みテニス部の3年生のひとりが「先生、AOで大学受かりました!」と報告に来ました。えっ?まだ9月なのに?大学の青田刈りは ここまで進んでいるのですね。うーん、喜ばしいことだがなんとも…。

今日授業をしていて、ある部分の説明をしていて、みんなあまりわかっていないなぁというところがあった。こういう仕事だから 伝達効率はとても大事。自分が説明したことがどれくらい他人に伝わっているのか、と。まぁそのためにテストなんていけずなことを しなければならないのだが(笑)でもそうしているうちに、自分と他人との違いにも詳しくなる。うすうすは感じていたが、 価値観の違いが浮き彫りになることがある。たとえば、正しく伝わらなかった場合の多くは、基本的な価値観が相違していたためだ、 ということもある。たとえば国語の文章でノンフィクションを読む意義というのは、自分とは違う価値観に触れることにある。 違うものに触れることで自分を確かめ、修正し、自分を築く。ところが、小説などのフィクションを主に読む人というのは、 自分に似た価値観、自分が好きな価値観を探して読んでいる。だから、違う価値観に出会うと、「これは違う」「これは自分には合わない」と 拒否してしまう傾向がある。読書離れも問題だが、偏った読書も問題ありだと思う。まっ、こんなご託を並べているが 結局は伝達技術が未熟だということだろう。そのうち粛正されるかもしれない(爆)

9月25日(月) 指導力不足とクラスレク

先日の新聞に指導力不足教員についての記事が載っていた。明らかにトンデモ教員の事例なども載っていた。しかしまぁ問題はそこだけでなく、 システム自体に問題があったり、児童・生徒の躾というか家庭に問題があるケースもけっこうあるんですがね。まぁそれはおいといて、 その指導力不足と判定する基準についていくつか項目が書いてあった。質問するといきなり切れるとか、生徒の目を見ないで授業するとか…。 その中で一番気になったのは…

「授業中に無駄な話をする!」

やばいです。リストラ対象です(笑)

今日のLHR、久々に何もすることがなかった。なので「好きにしていいよ。」というと、何だかクラスレクをやりたいと言い出す。ただし 体育館もグランドも抽選ではずれているので、教室で何かやるしかない。すると「なんでもバスケットやろう!」と言い出し、なんやかんやと 結局やり出す。高2にもなってフルーツバスケットなんて…と思ったが、けっこう楽しんでやっている。男女の仲が微妙なクラスだが、 けっこう和気藹々とやっていた。3回鬼になると罰ゲームだが、とある男子がげんこつ腕立て10回とか、廊下本気ダッシュとか、体力系で 女子のウケを取っていた。その他「SAY!!!!」の物真似とか「競馬実況」の真似とか、マニアックなものもありましたが、まぁ 楽しんでいました。とある男子が罰ゲームで困っていると、見かねたチーフの男子が、すぐ助け船を出して「なんでもバスケット!」と 言って、すぐ場を和ませたり、女子が鬼になるとスルーしたりと、なんか優しい雰囲気でした。うーん、みんな大人なのね。見ていて ちょっと嬉しい気持ちになりました。

9月26日(火) 気をつけないと

うちは二学期制なので、ただいま学期末、というか前期末です。今頃なぜか成績処理の慌ただしさ。いちおう小票は出たので、それを元に一覧票を 点検していたら…ミス発見。ある生徒のところに美術と音楽の成績が入っている。確認してみたら、もうひとりの子のところに音楽の 成績が入っていない。すぐ教科担当者に言って訂正入力をしてもらった。でもこんなのは全然OK。よくある誤入力ですから、きちんと 確認すればミスは見つかる。しかしたまによくわからないものもある。中間期末と80点以上取っているのに、成績はなぜ50点。 まぁテストだけでつけているわけではないし、その他の課題や小テスト、平常点がありますからね。でもひょっとして付け間違いじゃ? なんて危惧もある。逆のケースもあってあまり点数がよろしくないのに、意外と高得点が付いていたり…。まぁ教科の裁量ですから あれなんですが、いちおう確認したりすることもある。説明を受ければ納得するケースばかりですが、たまに本当にうっかりやって しまっている先生がなきにしもあらずなんで、点検は欠かせません。特にいつもミスしがちな人がいるので…。

その後自分のクラス用に文系での学年順位を出したり、第1回試験との比較表を作ったり、まぁ色々工夫して処理をしていました。 もちろん授業もしっかりとやっていますよ、当然。他の担任の先生達も忙しく所見を書いていたり、3年生は指定校推薦の書類を 提出しに来たりと、なんとなく忙しい一日でした。

9月27日(水) クーラー話と事務仕事

昨日の部活の室内トレーニングの後遺症で、少しだけ筋肉痛。うーん、腕を上げると痛い。板書が辛いです。やっぱり生徒と同じメニューなんて もう限界ですね。いつまでも若いなんて思っていないけれど、少しは体力維持しなきゃというのが、すでに年寄りの冷や水なんでしょうか。

朝の打ち合わせで、クーラー設置のアンケートが配られる。これがまぁ色々経緯がある。元々普通の公立高校にはクーラーなんてものは あまりない。でもご存じの通り学校というのは極暑である。風通しが悪い上に、生徒が40人以上も入れば、教室内は軽く35度を超える。 嘘のようだが教室内で熱中症で倒れる生徒まで出るのだ。そんな劣悪な学習環境を改善しようとしても、如何せん財政難。クーラー設置なんて 無理…と思っていたら、県の方が保護者負担なら良いという、なんともいい加減なことを言い出した。それで県下のいくつかの高校が 今年からやり始めた。羨ましいなぁと思っていたら、うちのPTAの方からもそういう話が出たのだ。もちろんこの設置には色々 問題点もある。維持費は保護者負担、10年リースで、準備室や研究室には入らない等々。それでも入らないよりは入った方がどんだけ 嬉しいか。

で、その下準備としてPTA会長から、生徒自身に「クーラー入れたいですか?」というアンケートを採りたいという申し出があり、 朝会で総務部経由で提案されたのだ。まぁアンケートだけならほとんどスルーかなと思いきや、噛みつく人が出た。だいたいこういう ものは教育行政の範疇なのに、とかアンケートの文言があれだとか、いきなり手続きも経ず唐突だ、職員会議を経てからしろ!という ことを言い出す人が出たのだ。確かに唐突すぎるきらいはあった。おまけに総務部長の説明だと、PTAも一枚岩でないらしく、 まだきちんとした意思統一せず、一部で先行して実行しているらしい。個人的には全然OKなのだが、なんか聞いているとちょっと強引かなぁと 言う気もする。確かに手続きを踏んだ方が良いと思うのだが、どうも拙速に進めている感じもする。一部の人が「手続き、手続き!」と 連呼するのもちょっとだけわかる。学校というところは、けっこう有耶無耶で何でも適当に通してしまおうとする傾向がある。 それが生徒のためになり良いことなら良いのだが、けっこうこれってどうなの?的なものもスルーさせてしまうところがあるので、 まぁそれも必要なときもあります。ただやたら手続きばかりにこだわっていて、結局なかなか実現しないことも沢山あって 難しいところ。結局職員会議にかけてからとなりました。個人的には『よし、日記のネタが出来た!』と思っただけですが(爆)

事務室に呼ばれました。何かと思いきや「しょむ2」というソフトの操作についての5分間レクチャー。もう思いっきりベタなネーミングですが、 そういう事務関係のソフトがきました。これは教員にかかわる様々な事務的な紙ベースのものを、すべてこのコンピュータで、それも 教員自身がやるようにというものなのです。具体的には給料の口座振り込みとか出張旅費の計算とか、 通勤経路の変更とか…。今まで事務の人がやっていてくれたことを、教員本人が、このコンピュータでやれということらしいのです。 もうあり得ないくらい大変です。というのも財政悪化の折、事務職員も人員削減、そしてその仕事も効率化し、自分でやらせようという ことらしいのです。確かにネット上で、県のサーバに直接アクセスすれば、色々と手間が省けるでしょう。でもそれを教員自身に やらせるのってどうなんでしょう。会社で言えば、経理の部分を自分でやれっていうことですよね?その分事務職員は減らされるらしい。 で、そのサーバにアクセスできるコンピュータは、セキュリティの問題もあるので、事務室に県から支給されたノートパソコン一台のみ 使用可能。こんなんで50人以上いる教員が色々できるんでしょうか?もちろん長蛇の列になることはないにしても、かえって停滞して しまうのではないでしょうか。

それよりも何よりも、そういうことをいちいちやっている暇なんて、教員にはないんですが…。ここが一番重要なところですよ。先生方は みんな日々寸暇を惜しんで仕事をして、昼休みだって5分で食事して、会議したり生徒呼び出したりあれこれやっているのに、自分の 給料管理や出張の旅費管理までやれなんて、無謀すぎます。で、多分いざやろうとすればお役所ですから土日は出来なかったり平日だって 5時には使えなくなるんでしょう(多分)今日だって、このソフトの使い方をレクチャーしてくれた事務の人だって、わざわざ私のために 5分以上時間を取ってくれています。もちろん全員集めてやれればいいのですが、みんな忙しいし、何より一人ずつパスワード設定 しなければならないので、個々にやるしかないのです。事務の人も大変です。もうあり得ない状況です。事務効率化といえば聞こえはいいが、 実態は逆に教員の雑務を増やし、かえって授業や生徒に時間を割けない状況を作っているだけです。それをさせないために学校事務が あるんだと思っていたのですがねぇ…。言っても詮無いですが。というわけで自分で設定して、説明受けて終わりました。やれやれ。

放課後学年会議。前期の成績会議です。成績の方は特に問題なし。うちのクラスもぼちぼちでホッ。そしてその後修学旅行関係の話。 いよいよ本格的に動き出す時期になってきたので、参加承諾書の件やコース別体験の話、そして部屋割り、役割分担など 色々ありました。さて今年はどんな面白ネタになるでしょうね。

9月28日(木) 今時の親

朝のSHRに行くと、うちのクラスの女子二人が会話していた。その内容は…

「昨日何時に帰ってきた?」
「うちは11時30分頃かな。」
「うちは12時過ぎていたよ。」

おや、夜遊びか?と思っていると、

「やっぱりカレーが作ってあったよ。」
「うちもー!まったく母親としてしょうがないよね。」

どうやら母親の夜遊びだったようである(笑)すると私に気づいた二人が話しかけてきた。

「先生、聞いてくださいよ。うちのお母さんとY貴のお母さん、 昨日ライヴに行って遅かったんですよ。SMAPの!」

SMAPですか。お母さん方若いですね。多分お母さん方はほぼ私と同じ年代。まぁそれもありかと(笑) ジャニオタもありでしょう。でもお母さん、うちわ、ペンライトまでは良いと思いますが、 自らハッピとか作っていくのはどうかと(笑) なんかお互いSMAPファンとして、PTA交流しているそうな。娘達は静観していますが(爆)まっ、私もライヴ好きだから気持ちはわかりますけれどね。

授業の方はハイテンションで4コマ乗り切り、放課後成績会議。いちおう前期末なので成績報告。まぁ問題ある生徒もいて、色々 説明がありました。また一部成績評価などについても質問等あり。私も常々疑問に思っていることなので、その答弁を聞いていましたが、 わかったようなわからないような。またいくつかの審議事項がありました。もちろん内容は書けませんが、相変わらずああだこうだ 言い出す人もいて、収拾がつかなくなりそうになりましたが、いちおう収束。なんかだんだん混乱していくように感じるのは私だけ?

9月29日(金) 前期終了

普通終業式の日って、大掃除やったり、式やったりで終わりですよね?うちはなぜか4時間しっかり授業がありました。そして 5時間目に終業式。毎回校長の話が色々ネタとして取り上げているのですが、今回はごくまとも。まとまっていて、しかも短い! 正味10分。これには生徒も満足(笑)前校長が長くてまとまりがない話でしたから、それに比べて全然OKです。

そして6限目にLHR。ここで軽く席替えをして、その後いよいよ通知票返却。クラス的には成績も良く、遅刻なども少ないので あまり文句はないので、けっこう褒めておきました。でも当然のことながら思ったような成績が取れないやつもいて、なんか 通知票配布後、クラスがどよーんとしていました(^^;)まっ、それでも明日から秋休み。お互いリフレッシュして後期にまた 頑張りましょう。そういうわけで、やっぱ区切りなのか、とりあえずなんかグデっと疲れ切って無事前期終了しました。お疲れ様>俺。


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