改弦易轍たる 10月 中旬 編


10月11日(水) 熱に浮かされて

まだ微熱気味のため、相変わらずテンションが微妙な一日でした。なんとか授業は乗り切って、6限目に全校集会。つまりは服装頭髪検査。 相変わらず2年生は長い…。いつも他学年の倍はかかっている。いちおううちのクラスの赤髪のやつらは、きちんと直してきて無事通過。 日頃からきちんとすればいいのに…。そして私は相も変わらずピアスチェック。穴が空いているやつはいるものの、こんな検査の時には してこないし、普段学校でもめったに見かけません。いちおう校外でしているだけなので、TPOはわきまえている。まっ、全然 OKでしたがね。

というわけでいよいよテスト一週間前に。今日も熱を押しながら空き時間はテスト作り。どうもぼーっとしているせいか、変な問題ばかり 思い付く。たとえば「光源氏は桐壺の更衣の息子ですが、ではローラースケートで歌ったアイドルの所属事務所は?」とか。もちろん 今時の生徒は知りませんよ。「夏目漱石の最後の作品は『明暗』ですが、ではその一作前は?」もうほとんど意味がない問題ばかり。 やっぱ体調が戻ってから作ろっと(爆)

10月12日(木) 班分けと部屋割り

まだ本調子ではありません。しつこい風邪だ。今週中に出さなければいけないということで、無理矢理授業を強奪され、 修学旅行の班別行動時の班決め&ホテルの部屋割りに使われる。テスト前で試験範囲も終わっていないのに(泣)で、30分くらいで 終わるかと思ったら、女子がくじ引きをし始めた。おいおい、そんなの適当に班なんか決めればいいじゃないか。でも女子特有の グループ化を避けるための、本人達同士の決めごとらしい。その点男子はさっさと決まり女子待ち。そしてその後女子のグループと 男子のグループを組み合わせて、ひとつの班を作るのだが、ここでは女子は全然気にしない。うちのクラスの男子なんて眼中にないというわけ(笑) 逆に男子の方が陰の方で「あの女子のグループがよくない?」とか言っている。お前ら、相手にされていないんだよ(爆)

で、この時点でタイムオーバー。結局ホテルの部屋割りにまで行き着かず。なので、昼休みとか使って決めとけと指示。今回は 部屋がツインが多く、二人部屋が多数。多くて4人部屋もあるがほとんど二人。昔は10人雑魚寝なんて当たり前だったんですが、 時代は変わりましたね。で、放課後確認してみると、今度は女子があっさり決まったらしい。ものの10分とかからず2ホテル分 きっちり決まったらしい。ところが男子がまだ。初日のホテルは決まったのだが、二日目以降の方が決まっていないらしい。おいおい、 それこそ適当で良いじゃないか…と思うのは私だけらしく、男子は「いや、やっぱり合う合わないがあるから…」だと。 最近は男子の方が神経質で、ダメらしい…orz。多人数部屋だと落ち着かないという時代もあったけれど、二人部屋だと逆に 人間関係が近すぎて息が詰まると言うことか。難しいなぁ。

10月13日(金) テスト作りで忙しいの!

テスト作りに没頭す。現代文の方は出来たけれども、古典の方が50%くらいしか出来ていなかったので、それに取りかかる。 授業進度がクラスによってだいぶ違うので、試験範囲がなかなか確定しないのが遅れている原因。一番遅いクラスに合わせると、 一教材分違う。ここを無理矢理スピードアップして加えるかどうか悩んでいたのだ。とりあえず出来上がっているところの設問数を 数えてみると…えっ?106問!?すでにオーバーじゃん!加えるどころか減らさねばならないことが 判明。急遽問題減らしに着手(笑)おかげで設問番号が大幅に狂い、なんか一から作っている感じになってしまいました(泣)

もちろん合間に授業はするも、なんか色々バタバタあって、忙しい週末。やれやれ。

10月16日(月) 印刷室右往左往

とは言ってもまだテストまであと3日間ある。とりあえずテストは完成し印刷にかかった。印刷をし始め10枚くらいやると、いきなり 「インク切れ」の表示。仕方なく教務室へ取りに行くとない。このあたりうちの学校は不便なのだが、事務備品は教務管理ではなく事務室 管理になっている。そこで事務室へ行くと「教務室の金庫の上に予備があるはず。」と言われ、とって返してみると空箱のみ。なんだよ!と 思いつつ再び事務室へ。すると「じゃあ、3箱渡すから、印刷室と教務室に置いておいてください。」と言われパシリにされる。まっ、 仕方ないと思い、預かって運ぶ。そしてやっと印刷を始めるが、今度は更紙が切れる…。うーん、こんな時に限って。シクシク。仕方なく 今度は再び更紙を取りに大会議室。重たい紙をえっちらこっちら運んでいくと…使っていた印刷機のところで他の先生が印刷を… 「あっ!ちょうど紙がなかったんだよ。ありがとう、O−TEACHER。」「……」 そんなわけでちょっとした印刷だけで、えらい時間がかかってしまいました。ついていない時はこんなもんですね。

6限目に席替えをしつつ、いじめアンケート。もちろん無記名ですが、毎回集計しつつ、色々あるんだなぁと思う。現在はいじめらしきことは ほとんどないが、小中学時代には色々見てきているらしい。最近ニュースでも話題になるので、まっ、ちょっとそんな話などもする。 そして続けて教科選択についての話。いよいよ本調査の時期。自分の進路を考えて受験に必要な科目を選ぶように指示。そうすると 途端に「決まんねぇー」と騒ぎ出す。いい加減受験科目をどうするかなんて、もっと前から決めていなければ勉強も出来ないはずなのに。 今更悩んでいるやつもいる。うーん、遅すぎです。

10月17日(火) 抽象的思考

今日はほぼ自習状態。テスト前で試験範囲が終わっていると、自習にすることが多い。と言ってもうちの子たちは真面目だから、本当に 黙々と勉強していたり質問に来たりする。これが前の学校だと騒ぎ出して暴れるから、むやみやたらと自習に出来なくて、ギリギリまで 授業したもんですが…。

で、その自習の時間に質問があったのですが、「先生、これ、どういう意味ですか?」と聞かれた。古典の方で「帝が足繁くお通いになり〜」と いう訳について。何がわからないのかと思いきや

   「先生、この『足繁く』ってどういう意味ですか?」

えっ?使わないの?「足繁く」って?生徒に聞いてみると「そんな言葉使わないよね。」とのこと。確かに会話の中にはあまり 出てこないかもしれないが、でもよく見かける言葉でしょ。うーん、私がごく普通に説明で使っている言葉が、生徒にとっては 馴染みのない言葉だったりする。うーん、でもこれくらいの言葉知っていて欲しいなぁ。これじゃあどんどん説明が貧弱になっていきそう。

だいたい国語という教科は「言葉」を扱う科目だから、こういうケースがよくある。色々説明していると「えっ?それどういうこと? もっとわかりやすく説明してくださいよ。」と言われる。自分ではかなり具体的に詳しく説明しているつもりでも、生徒にとっては 難しいらしい。でももちろん具体的な説明も必要なのだが、生徒にはもっと「抽象的」な感覚も養って欲しいと思っている。 具体化することは簡単だが、物事を抽象的に捉えることこそ、勉強ではないかと思うのだ。そのトレーニングが不十分で、常に 狭い範囲での具体性しか理解できないようでは、困ると思うのだが…。わからなければ自分で調べて、そしてもっと思考を上位に 上げる努力をして欲しいと思った。なんてたまには真面目な話。

10月18日(水) 国語教師冥利と授業計画

ちょっと涼しくなってきたかな。そんな秋空の一日。今日も半分自習半分まとめ授業という日。自習している間に、色々な生徒が 質問してくるのだが、おバカな子に限って「先生、どこ出るの?」とストレートな質問に来たりする(笑)そんな直球打ち返せないんですけれど。 で、賢い子だと「ここの部分ですが、こういう説明の仕方で合ってますか?」と言ってくる。それならば「その説明だと△△のことが わかりづらいから、本文中の言葉を使うと、よりわかりやすい説明になるよ。」などと答えられる。まっ、質問でその人の理解度が わかるという寸法です。

現代文はまた3年ぶりに夏目漱石の「こころ」をやったのですが、相変わらず奥が深い。説明しつつも、この時の心情は?ひとつとっても 様々な答えが生徒から返ってくるし、リアクションも良い。驚いたのは「先生、漱石って面白いね。興味があったから、漱石の他の小説も 読んでみたよ。そして漱石が批判していた(?)自然主義文学というのも知らなかったんで、国語便覧に載っていた作家の本、何冊か買っちゃった。 テスト前なのに…。」だと。うーん、こういう生徒が一人でも出ると、国語教師冥利に尽きます。もちろん言わないだけであって、 自分なりに読んでいる子も沢山いるとは思いますが、授業がきっかけで関心を持ってくれるとは嬉しい限り。でも勉強もしてくれ(笑)

もうテストが出来上がっているからとのんびりしているわけではありません。今年から年5回試験になり、それも後付で年間行事に入れたため、 試験の間隔が変になっています。つまり12月の2週目に修学旅行が入っているのですが、第4回試験がその前なのです。まぁ修学旅行明け すぐなんてお互い無理ですが。なので、この第3回試験が終わってから、ほぼ1ヶ月後にまたテストという日程。ありえません。というのも 修学旅行というのは、300人以上の団体旅行のため、2年以上前から日程が決まっているためこういうことも起こるんですけれどね。

だから第3回試験が終わって、テスト返却して、2週間くらいすると、次のテスト1週間前になるという強行軍。生徒も呆然です。 私の方もそれにあわせて授業計画を練らねばならず、けっこう頭を悩ませています。特に現代文は週2時間ですから、教材選びが難しい。 時間数に合わせて年間計画を立てていたものの、やはり予定通りに進まず積み残したものもあるので。また古典の方も早いクラスと 遅いクラスで3時間も差が開いてしまったため、約1週間分の誤差があります。だからどの教材をどこまでやるか本当に悩む。 空き時間にそれを考えつつ、次にやるべきところを教材研究。でもやりながら『あの(遅れている)クラスは、ここまで行き着くのか? →クラスによって試験範囲が全然違うかも→と言うことは同じ科目で同じ担当者なのにテスト問題を2つ作る!?→ただでさえ インターバルがないのに手間は倍になる!?』なんてことを考えつつやっていました。やれやれ、頭が痛い。

10月19日(木) 平穏な日々

今日はやばいくらいにのほほんとした一日。いちおう2、3年生は今日から試験。私も1時間目は3年生の試験監督。いちおう監督しながら 次の教材について考えたりしているうちに終わる。あとはぼちぼち事務仕事をこなすくらい。あと国語科の窓から落ちたチャーミーグリーンを 拾いに行ったくらい(笑)平穏な日々。

 「なぁ、英語の本文に出てきたバーミアンって地名だって知ってた?」
 「えっ?っていう意味じゃないの?」

合掌。

10月20日(金) コーヒー研修

本日テスト2日目。1限目に私の古典のテストがある。いちおう質問を受け付けるために、巡回していたら、とある生徒から質問。 「先生、ここの部分送り仮名抜けていませんか?」よく見ると漢文を書き下し文にする問題。確かにそこに送り仮名がないと、 変な書き下し文になってしまう。やべっ、ということで再び回って訂正。うーん、あとで手書きで入れたところはミスがあるなぁ。 2時間目は試験監督。1年生のクラスへ行く。そのクラスには私が顧問をしているテニス部の子が数人いるのだが、私が入っていくと 『ああっ!』という顔をして、ヒソヒソ話している。なんだよ、なんか文句があるのか?どうやら日頃コートでジャージ姿の私としか あまり会っていないから、スーツ姿で真面目に試験監督に来たのに違和感があるらしい。っつうか、これが本当の姿なんだよ!

そしてその後すぐ採点に取りかかるが、今回問題数が100もあるため遅々として進まず。そうしているうちに13時になり、おつとめ。 何かというと2学年のPTA研修会に参加しなければならないのだ。まぁ保護者活動の一環で、色々あって、よくPTAで様々な 研修会が催される。なんかビーズでアクセサリィ作りとか、何か食べに行ったりとか、文化研修というか保護者サークルのような感じ。 だいたい2学年の保護者で年1回何かを企画してやるっているのだが、ほとんど先生達はノータッチだった。しかし今年は学年委員長の お母さんがパワフルで「是非先生達も!」と押し切られ、いやいや参加することになった。それは…「コーヒー教室」! 2時間ほどコーヒーのおいしい飲み方とか入れ方、お菓子など共にみんなでおしゃべり研修しようというものなのだ。

もちろん先生達ははなっから腰が引けている。このテストで忙しいさなか、私だって採点したい。テストがない人は授業もないし帰りたい。 しかし「ならば夜の部に保護者に付き合う?」と言われると、2時間くらいは我慢しますよ。でもN倉先生やS井先生なんて、朝から 「2分くらい顔を出せばいいんでしょ?」とか言っているし…。まぁ私はコーヒー好きだからいいんですけれどね。

というわけで1時から調理室にて、約50人の保護者が集まり文化研修。ネスレの人が来て、色々レクチャーしてくれるというもの。 まず軽く15分くらいコーヒーの歴史についてのビデオ視聴。眠っ。その後保護者とグループになって、マシュマロコーヒーの試飲。 そしてコーヒーに合うお菓子作りの実演。保護者の料理好きの人はメモなんて取っていましたが、私はボーッと見ているだけ。 料理は多少するけどお菓子作りは…。その後3種類のコーヒーのティスティング大会。どれがどんな味で、どれか当てるというもの。 うーん、なんか何度も飲んでいるうちにわからなくなる。とはいっても全てインスタントコーヒーで、もちろんネスレのもの。 ちょっとしたCMがらみでした。その後コーヒーQ&Aなどをやり、無事終了。約2時間半のお付き合いでした。まぁそれでも変な パッチワーク研修に付き合うよりはマシでしたが(笑)というわけで、こういうのも先生の仕事なんですね。やれやれ。あー、採点しなきゃ!

 


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