帰命頂礼たる 11月 上旬 編


11月1日(木) 敵地

気が付くと11月。でもここからが胸突き八丁。朝からいつものように小論文指導。これがこのところの日課となっています。 昼休みも放課後も時間が詰まっているので、ここしか空き時間がないので、生徒には申し訳ないけれど、毎日7:30登校。 でもしょうがないのですよ。いい加減放課後の会議だらけがなくなれば、もっと有効に生徒のために使えるのにね。

今日も、とあるクラスで授業アンケートを採ったのですが、最近のそのクラスはけっこう静かに授業を受ける傾向にある。 夏前はけっこう活発で、リアクションもあったクラスなのですが、やはり受験期のせいなのか、こちらが面白いことを 言っても、前みたいにガハハと笑うというよりは、フフッて感じになっていて、ハイテンション教師としては、ちょっとだけ 物足りなく感じていました。

それで、そのアンケートの自由筆記の箇所に「何でもいいから授業の感想書け!」と言ったら、とある男子が

 「先生、最近このクラスはアウェーですよ。」

と書かれてありました(笑)

11月2日(金) あれこれ

本日の朝は、うちのクラスの、とある女子が受験日程の相談に来る。始めの方に滑り止めを受けるつもりだが、そうすると入学手続きが けっこう早くて、第一志望の合否がわかる前にお金を納めねばならない。親はいいよと言ってくれるが、どうしたらいいでしょう?という 相談。うーん、難しい相談。受けたいところは色々あるけれど、日程とか手続き期限を考えると、色々制限が出てくる。ましてや入学金を 待ってくるかどうかということが絡んでくると、頭を悩ます。一緒にあれこれ考えるが、もう一度滑り止めのことを再考してみようという 結論。

そしてその後またまた国語部会の計画手直しなどをしたりして、あれこれ書類作り。忙しいわ。もちろんその他の仕事もあれこれしました。 昼休みも面談ですっかり潰れる。あー、激動の一日だわ。

11月5日(月) 焼き芋大会

忙しい。授業変更しまくり、連続で授業ばかり。3時間目の自分のクラスでは、本来6限目のLHRでやる調査書交付願いの書き方やら、 受験校記入用紙を配ったり大忙し。さすがに大事なことなのでみんな真剣。ひしひしとその緊迫感が感じられました。

でもそんなふうに緊張ばかりしていても始まらない。たまには息抜きも必要。ということで、担任プレゼンツ、シークレットおもてなし! 「焼き芋大会」決行!実はみんなに内緒にしてセッティングしていました。いつものようにだいぶ前から用務員さんにお願いし、芋やお茶を 買いだし、授業変更までして準備をし、みんなに驚いてもらおうと画策。3時間目に芋を持ってきて「今日のLHRでやるぞー!」というと みんな大喜び。特に女子(笑)みんなに芋を配りアルミホイルで巻かせる。

そして5時間目はわざわざ授業変更して空き時間にし、用務員さんと一緒に火おこし炭作りから。まぁさすがに4年連続ともなると手慣れたもので、 スムーズに出来ました。やつらが5限目が終わり来る頃には、そろそろ出来上がり。みんなで炭の中から掘り起こし、芋大会!みんなで おいしくいただきました。相変わらず女子のがっつきぶりはさすがです(笑)男子はそれほど食べませんが、女子の食べっぷりは本当に…(以下略) でもまぁみんな喜んでくれて良かったです。少しは受験勉強の気晴らしになってくれれば…。まっ、こちらも楽しいのだけれどね。 そんな一日でした。

11月6日(火) ハードすぎて

何と本日は1コマの空きもなく埋まってしまった…。地獄。 朝はまず小論文の子の指導。1限目2限目は授業。3限目は教科会議の時間でしたが、今度ある秋季国語部会の準備で、長机調達に校舎内を徘徊。 そして4時間目はまた授業。昼休みは面談と自転車点検。5限目も授業で6時間目は自習監督。放課後は打ち合わせと部活…。久しぶりに 全コマ、フルで働き、放課後には血尿も出ないくらいくたびれまくりました。なんでこんなに忙しいでしょうね。もう最後の方は 向こう岸でおばあちゃんが呼んでいましたよ(爆)

それでも何とか乗り切り、無事生き延びました。しかしまぁこれだけ仕事が詰まると、人間つまらないことを考えるものです。 『あー、このまま授業中に倒れて死んだら『聖職者の鑑』だろうなぁ。』とか『O−TEACHERは死んでもチョークを離さなかった…なんて 格好良い』とか(爆)まっ、妄想教師ですからね(笑)とりあえず以上!

11月7日(水) 間違っている

授業の方はサラッとやる日なのですが、仕事の方はサクッとは終わらない。それでも教材研究したりして、少しは次の教材に取りかかろうと 頑張りました。ここからはちょっとした専門的な話なのですが、指導書の話。先生達はいちおう教科書に付随してくる(といっても買うんですが) 指導書というものを参考にすることが多い。他の教科は知らないが、国語などは、現代文の教材など、けっこう採取されているものが頻繁に 変わるので、その度に勉強し直し、指導書などを参考に、色々と解釈やら内容などを考える。新人の頃ならいざ知らず、ある程度長くやっていると、 指導書なんて参考程度で、自分で色々勉強して、ポイントなども考え、授業を展開している。

私もたまにわからない箇所とか初見の教材などは、指導書を参考にすることが多い。ただし定番もの、例えば現代文なら「羅生門」「山月記」「こころ」「舞姫」 なんてものは、ほぼそらで教えられる。まぁ何度もやっているから。同じように古典なんかも、よほど見知らぬものでない限り、一度は 見たことがあったり教えたことがあるから、文法的な確認とか口語訳の言い回しなどを参考にしたりするくらい。一から十まで指導書に 頼ることはほぼない。まぁそれだけ長くやっている証拠ですが…。

ところが…この前、ある定番の漢文をやっていて、何か書き下し文に違和感を感じる。授業中生徒の口語訳などを聞いていても、何か違う ような気がする。同じ教材を2年前にもやっているので、その時のアンチョコがあるのだが、どうもしっくりこない。で、よくよく教科書を 眺めてみると、返り点も送り仮名も全然違うのだ。道理で違和感を感じたはず。もちろん漢文の訓点なんて、後から日本人が後付けしたものだから、 正解はないのだが、それにしてもあまりに違う付け方に愕然。そしてどう考えても教科書のやつがおかしいのだ。戻って調べてみると、 その教科書会社のやつだけ独自の訓点と解釈をしていて、同じ教材を扱った他の教科書会社はみんな同じようになっている。つまりそこ一社だけが 違う。うーん、これって作った人が独自解釈したらしいのだが、どう考えても違うと思う。

でもこんなケースはよくあって、確認のために指導書で古典の文法事項を確認してみると、明らかに間違って解釈しているものもある。 古典の文法なんてけっこう揺れるものだから、微妙な解釈の差はある。でもどう考えても間違っていて、これは明らかに取り違えだろうというものも、 教科書会社の指導書に載っていたりする。先生の虎の巻がこんなことでいいのか?と思ってしまう。そう考えると、新人の頃、これが 頼りで授業していた私はけっこう間違っていたのかもしれない。そう考えると間違いを教えていたのかもと不安になる。

そういえば生徒が持っていた教科書ガイドなんて、もっと致命的な間違いがゴロゴロ載っていた。これで勉強の予習なんてしているかと思うと ゾッとする。これを頼りにし過ぎると間違った知識を得て、受験の時にやばいのでは?と思ってしまう。まぁそんなことを考えながら 予習していたとさ。

11月8日(木) 弱い男と良いこと

やばっ、喉が痛い…。これはもしかして…。ちょっと自重しないとね。このところオーバーワークですから。といっても授業が減るわけでもなく、 相変わらずガチガチと進めております。第3回試験の結果がやっと出たので、クラスの個人成績表を作ったりと、相変わらずやることはけっこうある。 部活の方も次の大会が近づいてきたので、その段取りなどもしなくてはならず、事務仕事は多し。

この時期に来て、やっぱり受験ストレスというか煮詰まり組というか、真面目な人たちが病んできた。やたらハイテンションになっていたり、 いきなり落ち込んでいたり、何となく落ち着かない。もちろん欠席遅刻は多いのだけれど、またここに来て欠席がドドーンと増えているやつも 出始めてきた。本当に気苦労が絶えない。自分を追いつめても良い結果にならないのだが、どうもこの手のストレスに耐性がないというか 弱いやつが増えたような気がする。特に男子が…。女子はまだけっこう大丈夫なんですが、男子の方が精神的にひ弱で、すぐ「もうダメだ…」的な 発言をよくしているし落ち込んでいる。世間的に男が弱くなったというけれど、何だか先行き不安です。

でもそんな中、嬉しいことも。うちのクラスの女子が、看護希望だったのですが、とある大学の看護科を一般推薦で受けました。そこは かなりの高倍率だったので、可能性はかなり低かったのです。でも一生懸命に頑張っていて、テストで小論文があったのですが、それも だいぶ前から何度も何度も練習して(F川先生の強烈な指導にもめげず)本当に努力していました。で、今日合格発表だったのですが、 もちろん学校があるから見に行けず「先生!HPでも見られるので、放課後一緒に見て下さい!」と言われていたのです。うーん、ショックを 受けて泣かれたら困るなぁと思いつつも、ドキドキしながら見てみると…あったー!もうその後は半狂乱。友達と叫びまくっていました。 まぁ、こういうこともあるから、努力って必要なんですよね。こちらもとても嬉しくなりました。でも受験はまだまだ続きます。

11月9日(金) お疲れ

やっと週末。いよいよ来週に迫った国語部会の準備に頭を悩ます。と言ってもまずは職員に色々連絡することが先決なので、職員にご迷惑を かけます的な説明文書を作る。そして関係部署と一部打ち合わせ。そして次はクラス用の第3回試験の個人成績表の作成。こちらも あれこれ手直し。やることが沢山。

昼休みには長欠気味の子と面談。でも本人とは進路的な話ばかりでしたがね。そして授業はサクッと終わらせ、本日の業務終了。 なんだか疲れが本当に溜まってきた上に、部活の疲れや風邪のせいで身体がギシギシ言う。もう年なのだから少し休ませないとね…。


BACK