呆然の 12月 上旬 編

12月1日(火) 融通をきかそう

           だから学校もお役所だっていうーの!何をそんなに憤っているかというと、ストーブのこと。今時、
     学校の暖房器具というとヒーター型ストーブ(だるまストーブなんてもう古い!)これが設置されて
     いる。うちはふつーの公立高校だから、冷暖房完備なんてことは当然ない。以前にもクーラーを求めて
     彷徨う夏のある一日も書きましたね。昨日何かもとても寒くてぶるぶる震えながらの授業。生徒も
     手がかじかんで、まともにシャーペンも持てないくらい...中には授業中軍手をする奴も。そんな
     寒さの教室だから、本当は注意しなきゃいけないのだが大目に見ている、女子のあの格好。それは
     スカートの下に体操服のジャージをはいている姿。これが見事にみっともない。でも寒さには勝てない。
     いずれ子供を産む身、冷やしちゃいけない。中には腰に巻く膝掛け(?)ショール?ストール?
     (言葉がよくわからん)なんかで防寒対策。そんなに寒いんならストーブをつければいいのに..
     と当然思うのだが、そこが学校。11月中はまだ使用不可。ストーブ使用は12月から、それも
     3時間目まで、と規則で決まっている。何なんだこれは?寒さをしのぐためストーブがあるのに、まだ
     使えない。やっと今日から使えるのだ。どんなにこの日を生徒とともに待ち望んだことか...
     I LOVE ストーブ!ところが今日はポカポカの小春日和。ストーブは必要ない...はずなのに
     何故かどの教室でも点けている。別に暖かかったら点けなくてもいいはずなんだけど、待ちこがれていた
     せいかみんな点けてる。おかげで熱くて頭がぼーっとして、全然授業にならない。生徒に「熱いから
     ストーブ消すぞ!」と言うと「O−TEACHER、点けててください。そうしないと他の先生が
     『このクラスは偉いな。ストーブなしでも大丈夫だな。』とか言って、寒くてもストーブ点けてくれなく
     なるから。だからいつもストーブ点けてるクラスっていうイメージにしておきたいんです!」オイオイ!
     たかがストーブされどストーブ。去年なんか寒くて雪が降ってきたのに、「規則だから3時間目で
     ストーブを消すぞーっ!」って言ってた先生もいました。少しは融通をきかそうぜ、学校。寒けりゃ
     点ける。暖かかったら点けない。こんな当たり前のこともできないなんて...(ちなみにうちの
     学校にはストーブ罰則があって、3時間目以降勝手に点けていたりすると、罰則として翌日どんなに
     寒くても一日使用禁止なのだ!みんなで連帯責任ってわけ。お前らはいいけど、授業をやる俺は
     寒ーい!)


12月3日(木) でもやせない

     昨日一日勝手にリフレッシュ休暇を取りました。と言うわけでもないのですが、今日一日本当に忙し
     かった。先生という仕事はなかなか予定通りに仕事が行かないもので、と言うよりいきなり突発的な
     仕事が良く入る。今日の忙しさは殺人的だったちゅーの!(パイレーツ流行語大賞おめでとう!)
     まず1〜3時間目までフルで授業、4時間目学年集会、昼休み校舎巡回(トイレで吸い殻が見つかった
     ため...これが突発的仕事)、5時間目は会議、清掃監督、職員会議、明日の小テスト作り
     (期末テストはまだ手つかず)おかげでお昼用のコンビニ弁当を食べたのは3時半過ぎ...死ぬ。
     確かに普通のサラリーマンに比べればまだまだだと思うけど、なかなか予定が立たなくて困る。
     今日もさっさと期末テストを作ろうと思っていたけど、どんどんずれ込む。もう一週間前から作ろうと
     (珍しく)思っていたのに全然できない。このままでは本当にピンチだ!こんなに飯を喰う間も惜しんで
     働いているのに...でもやせないのは何故?それにこんなに忙しくしているのに、つい顔は
     にやけがちなので「いいねぇO−TEACHERは暇そうで...のんきな顔していて。」
     これは地顔だーっ!

リース


12月4日(金) 何の略語だ?

     もう卒業も間近。期末テストも間近。試験範囲も終わってる。ということで、一般常識に関する
     言葉について授業でやった。普段使っている漢字のテキストに時事に関する言葉や略語が載っている
     ところがある。そこについて学習した。最近の時事言葉は、例えば「インフォームド・コンセント」
     とか「セクハラ」なんてものから「リストラ」なんて言葉まで解説してある。何か本当に時代を感じ
     させる。生徒に「セクハラ」ってどういう意味だ?と聞くと「親父が触ってくることでしょう?」
     うーん、ちょっと近いけど違うなぁ。「あれだよ、あれ、パンツとか売るヤツ。」それは「ブルセラ!」
     当然流行の「光ファイバー」とかと並んで「インターネット」とか「電子メール」とかも出ていた。
     そこは得意分野なので嬉々として説明してしまった。「O−TEACHER、ネットサーフィンって何?」
     よくぞ聞いてくれました、と説明しようとすると「エロいページを次から次へと見ることだよ、
     ねぇ先生。」うっ、ほぼあたっているかも...

     そのあとお決まりのOPEC(石油輸出国機構)とかIMF(国際通貨基金)とかWHO(世界保健機構)
     などをやったが、生徒はダレ気味。そこでもっと日常的なものもアドリブでやった。「じゃあ、CDって
     何の略だ?」「コンパクトディスクーっ!」「そう、じゃあMDは?」「ミュージックディスクーっ!」
     「違ーう!ミニディスクだよーん。じゃあ、OAは?OLは?DVDは?CD−ROMは?PSは?
      SSは?DCは?FFは?DQは?」何てことをやっていました。

       「みんなが普段持っているPHSは何の略だ?」
       「えーっ?ポケット.....うーん」
       「パーソナル・ハンディホン・システム!(あってるのかなぁ)じゃあこれはわかるでしょう。
        GTOは?」
       「知ってるーっ!グレート・ティーチャー・オニヅカ!」
       「違うーっ!グレート・ティーチャー・O−TEACHER!!」
        (シーン...さっ、寒い!)


12月5日(土) 長かったが勉強になった(すごいちゅうねん!開放講座パート6)

      今日で開放講座も最終回。みなさん、暑い夏から全7回ご苦労様。無事修了証書ももらい立派な
      コンピューターの達人...なんてね。というわけで今回は卒業課題として、題して「一太郎で作る
      記念カード」!今までの講座で何とかワープロの初歩の初歩ができるようになったので、今回は
      みなさんに葉書を持参していただき、年末も近いことだし、自分の画像やイラストを貼り込んで
      年賀状やクリスマスカードを作ってみようという壮大な企画。実は私この企画当初から温めて
      いたのです。しかし、受講者の上達度を見ているとちょっと無理かなと思っていた。しかしこのまま
      だだセンタリングや罫線だけやっても全然楽しくないはず。そこで意を決して決行!そのために
      わざわざA4プリント全4ページのマニュアルを作成!これを作るのがまた一苦労。自分ではわかって
      いても、人にわかってもらうためのマニュアルとなると大変。よく世間でマニュアルが難しすぎると
      怒る人がいるが、自分で作ってみるとその大変さがよくわかる。自分では何気なくサッサとやっている
      ことを、いちいち「メニューバー」→「文書スタイル」→「左クリック」→「書式設定」→
      「用紙設定」→「枠の右側についている下向き黒三角をクリック(これはプルダウンメニューを出す
      ための説明(^^;))」→「ハガキ 単票 縦方向」と、いちいち書かなくてはいけない。これが
      本当に面倒くさかった。たかが画像の挿入とイラストの貼り込みなのだが、簡単にカット&ペーストと
      言えないところが辛い。ここは初心者のためにいかに簡単な言葉を使うかに腐心した。それなのに..
      みんなどんどん手を挙げて聞いてくる。「あのー、このマニュアルのここに書いてありますけど...」
      「あら?本当だわ。」あんなに苦労したのにあまり見てくれてないのね...でも、出来上がった
      自分の顔写真入り特製記念カードをカラープリンターで印刷してあげると、皆さんとっても喜んでくれた。
      「うわーっ、いいわー。O−TEACHER、これで年賀状できるわねぇ。」「そうですねぇ。」
      「じゃあ、先生作ってよ。」オイオイ、作り方教えたでしょ(笑)でも最後に皆さんに感想を
      メッセージボードに書き込んでもらったら、みんな楽しかったと出ていた。これからもパソコンを
      続けたいと言ってくれた。ちょっと嬉しい。コンピューターを買いたいとも書いてあった。(業者さん、
      安い手数料で仲介しまっせ(笑))その中に、自分のホームページを作り、猫の写真館を作りたいと
      いう人もいた。いつかそうなるといいですね。その時は是非リンクさせて下さい。

      今回の開放講座、わざわざ休みの日までボランティアで出勤したけど、とても楽しかった。こんなに
      みんな一生懸命やってくれると教えがいがあるのだ。(本校の生徒、聞いてる?)だからこちらも
      頑張ってしまう。忘れかけていた初心者時代の何気ないつまづきも思い出してきた。勉強にもなった。
      みんな40代以上がほとんどで、中には70代の方もいて、その探求心と向上心には脱帽した。
      いつまでもこんな意欲を持って、何かやりたいことを持ち続けていたいものだと強く思った。だから
      今回の開放講座、私の方が教えられたような気がする。来年も話が来たら引き受けようと思った。


12月7日(月) でっ、でっ、データが飛んだ!

      また不幸な出来事が生じた。だ・か・ら、あれほどバックアップを取れと言ってたじゃ
      ないか(>俺)この土壇場に来て悲しいデータ昇天が起こってしまった。明日から期末テストなんで
      そろそろ教科の成績処理の準備をしようとフロッピィを読み込んでいた。じ、時間がかかりすぎている..
      もしや...「フロッピィが壊れています」ガーン!やばいっ!これは学年の成績全てが入っている
      フロッピィだ!自分のデータだけならまだしも、他の先生のデータも消滅してしまった。どうしよう..
      こうなりゃこっそりと作り直すしかない...でも1、2学期のデータってどこにあるかなぁ..

        「あっ!I先生、あのつかぬ事伺いますけど、1学期と2学期中間までの成績データって
         教務手帳(個人の成績手帳のようなもの)に転記してありますよね?」
        「いや、ないよ。だってO−TEACHERが『コンピューターでやるから僕に任せておいて
         下さい。』って言ってたじゃない。だから俺、全然持ってないよ。」
           (何て馬鹿野郎の俺なんだ!そんなことペラペラ言いやがって!!!)
        「ははっ..そうですよね..」
        「また期末も頼むよ。」「はっ、はい...」

      相当やばい。まさか2学期の成績を期末テストの点だけで付けるわけにもいかないし、どうしよう!
      自分の受け持ち生徒ならてきとーに(オイオイ)名前と顔を思い浮かべてそれなりの点を付けられるけど
      教えていない生徒までは...そっ、そうだ!確か机の引き出しに、以前、生徒の成績を入力するために
      転記してもらったやつが入っていたはずだ!そうだそうだ、確かあったはずだ!と思って机を
      調べてみると...やってしまった。何を思ったか、先週『そろそろ年末だからゴミでも片づけるか』と
      いらなそうなプリント全部捨てたんだっけ...バカバカ!どうしてこういう時に余計なことしちゃうんだ!
      でも待てよ、あのゴミの入った袋、まだその辺にあったんじゃないかなぁ、あっ!あるある!と、
      ゴミ袋の袋を開けてガサガサ探していた。あったー!1学期の成績入力で使ったプリントだー!
      本当は大切な個人データのため、ちゃんとシュレッダーにかけなければいけないのだけど、今回は
      いつもの横着のため、助かったー!ゴミ袋をあさりながらホッとしていた。

        「あっ、あのー、O−TEACHER、あのー、ノート出しに来たんですけど、何かお取り込み中
         みたいなんで、まっ、また来ます。失礼しまーす!」

      まっ、待ってくれ!別にゴミ袋をあさっていたわけじゃ...

天使



12月8日(火) いかに早く採点を終わらすか

      本日から期末テスト。私の担当科目は何と今日の初日!なもんで、速攻採点すればあとの3日間は
      遊んで暮らせるという嬉しい日程。以前にも書いたが、採点なんて楽しいと思ったのは、始めて教員に
      なった時ぐらい。それ以降は苦痛でしかない。まぁテスト受ける方がよっぽど苦痛だろうけど、
      それでも汚い走り書きの答案を読むのは相当大変。どんなに急いでも国語の場合、「説明せよ」の
      記述式問題がかなりあるから時間がかかるのだ。そこで私が教員経験13年で編み出した(?)究極の
      速攻採点術!こうすればあなたも早く採点ができるの術!一挙公開!...なんてただの手抜きの
      やり方か?別に私だけが特別やっているわけではなく、どの先生も多かれ少なかれやっていると思う
      やり方。それは「名前を見る」方式!(生徒諸君、かるーいジョークだよ(^^;))採点している時、正解か
      不正解か悩むような、見極めがたい答えを書く奴が時々いる。そういう時は、誰の答案か確認するのだ。
      『なるほど、こいつならわかって書いているな。じゃあ部分点でもつけとくか。』『ううーん、こいつかぁ。
      こいつは授業中もちゃんと聞いていなかったし、あんまりわかってないで適当に書いたのだろう。じゃあ
      このぐらい点か..』などと、かなり主観的に採点するのだ。そうすると早く採点できるか...というと
      実は全然ダメなのだ。かえって一人一人考えて時間がかかってしまう。やはり機械的にやるのが一番。
      その他、赤ボールペンや青ボールペンなど、色々、色を変えてみたら...解答用紙を早くめくれるように
      ちょっと端を折ってみたら...そうだ!親指サックを付けると早くめくれる...BGMをユーロビートに
      してみる(これはちょっと効果アリ)...といろいろ試してみている間にさっさと採点した方が早いって!


12月9日(水) いろいろな注意

      昔だったら、テストというとそれなりの緊張感やプレッシャーがあったものだが、これはうちの学校だけ
      かもしれないが、あんまりテスト前だからと言って勉強しているふうもない。テスト前で部活動が
      なくなるから(テスト一週間前から勉強させるために原則禁止)帰ってやるかというと、日頃遊びに
      行けないので、ここぞとばかり遊ぶ予定を立てている。だもんで朝の連絡事項に「帰って勉強する
      ように。」なんてことが当たり前のように伝えられる。その上、テストの真っ最中にもかかわらず、
      ポケベルが鳴ったり携帯の呼び出し音がなったりと、静かにテストも受けられない。困った御時世に
      なったものだ。だからテストの注意事項として「携帯・PHSは持ってこない(一応、校則では禁止に
      なっている)万が一持ってきてしまったものは電源を切っておくこと!テスト中は間違っても使わない!」
      オイオイ、車の中での注意みたいだぜ。そして極めつけ、「テスト中はテストに集中すること!
      ウォークマン、漫画、化粧など絶対厳禁!」こんなことわざわざ言わなきゃならないなんて、
      どう思います?今時の先生は大変ですよ。

女子高生1


12月10日(木) テストの時ぐらい...

      昨日も書いたが、最近の高校生は中間テストだろうが期末テストだろうが全然へいちゃらである。
      (もちろん大学入試も就職試験もかるーいノリ!)裏表がないと言えば聞こえはいいが、テスト中も
      いつもと同じ生活様式。平気で遅刻してくる。

      テストが始まりすでに20分経過。ガラガラ(ドアの開く音)
       「(全然悪びれず)遅刻しましたーっ」
       「何分だと思ってるんだ。もうあと30分しかないぞ。」
       「別にいいですぅ、どうせできないしぃ。きゃははは。」
       「オホン、他の者の迷惑になるから早く席について始めなさい。」
       「はーい、あっK子、昨日はごめんね、クラブ行っていたから携帯つながんなくてぇ..」
       「早く席について始めなさい!」
       「はーぁぃ、何かちょーうるさいって感じぃー。」

      こんな奴に限って、そこそこいい点を取ってしまうんで頭にくる!



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