鵬程万里たる 12月 上旬 編


12月1日(木) 広報活動の末に

やっと12月。先が見えてきた。と言いつつも、今日もテスト前のハード授業。何とかテスト範囲を終わらせる荒行。まぁそんな時期です。 ノート点検したり、プリント未提出のものを呼び出したり、いつものような試験前業務。放課後はまた勉強会。途中で成績不振者の面倒を見たり、 忙しい時期です。

放課後に、とある中学校へ連絡。実は向こうからテニス部へ体験練習に参加したいとの申し出。どうやらうちの学校を希望し、テニス部に入りたいという子がいるらしい。 聞くとHP等でテニス部の活躍を知り、説明会の時の部活動見学で好印象を持ち、是非一度練習に参加してみたいとの希望があって、顧問を通じて連絡があった。 もちろん大歓迎で日時などを調整しました。今まで地道に部活の活躍をHPで更新したり、大会結果のポスターを作ってあちこちに貼り出したり、中学校回りをした 結果ですかね。こういうことが少しずつつながっていくのでしょう。よかったよかった。

12月2日(金) ノートから

動静表が配られましたが、相変わらず冬休みは年内は部活の大会、年明けは少し楽ですがそれでも練習試合。長期の休みは毎回部活三昧。言っておきますが、私が好きで 入れているわけではなく、生徒が大会に出たいとか、練習試合をしたいというので入れているだけです。顧問だって多少は休みたいです(泣)

テスト前なのでノート点検しているが、チェックしているとなかなか面白いものも見つける。たとえばノートにいたずら書きをしているやつはちょくちょくいる。多分アニメ好きなのか、 何かのキャラクターを描いている。よく知らないがとても上手く描けているなぁと感心するものもある。また小説のあらすじの一場面を絵にしているやつもいて、にんまりする。

また私が授業中に言った雑談というかこぼれ話、小説家のエピソードなどまでメモっているやつがいる。板書だけでなくそういうやつを見るとすごいなぁと思う。 またある生徒はきっちりときれいなノートを取ることに命をかけているらしく、文字の大きさや行間、色使いまで含めて、もう印刷物かというくらいきれいに書いているやつもいる。 色々なのです。そこから何かしら生徒の性格を感じ取り、ノート点検も時間がかかったりしています(笑)

12月5日(月) さかのぼって

今日もフルで4コマ。その上、放課後にはまたまた部活の勉強会。なぜか数学を教えている(笑)まぁ元々理系だったので、うちの子たちが習うくらいの数学の問題は ほぼわかるので。

でもその専門外の数学を教えていて思うのだが、本当に理解していない。ていうか、これを解くためには、まずこれがわかっていないと無理でしょ、そしてそれが出来た上で この計算をしなければダメでしょ…という元の元がわかっていない。これ出来ずしてこの問題は解けないよ…という感じが多々ある。たとえれば因数分解を解くのに、 この公式を知らないとダメでしょ、でもその前にこの二乗とかわかってないとダメでしょ、いやいやその前に九九が間違っていたら解けないでしょ…という感じ。大げさだけど。

いやー、数学の先生も大変だわ。これを教えるのにどこまでさかのぼるのってくらい。化学とかも同様でしょう。また社会系の暗記物も、そもそも覚えられないからこの学力なので、 暗記するということがほとんど出来ない。時間をかけてコツコツやることが出来ないからこの学校に来たわけで、これを一律同じように文科省の指導要領のようにすべて やれなんてどだい無理な話。もう公文式でよくね?(笑)

国語で良かったと思う瞬間。でもまぁ当たり前の言葉も知らないから伝わりづらいけれどね。この前もドラム缶でたき火をしていたとき「先生、これ何のためにやっているんですか?」と 聞かれたので、「暖を取っているんだよ。」と言ったら「だん?」と聞き返されてしまった。もう彼女らには暖を取るという言葉はないんですね。合掌。

12月6日(火) 特になし

テスト前日の3時間。もう自習ですけれど。

放課後にそろそろ事務まとめ。出欠の確認やら成績ファイルの整理とか、提出物のチェックだとか、PTAの文書整理とか…やることはあるんですよね。はい。

12月7日(水) 疲れます

期末考査1日目。一コマだけ監督。

まだ自分の試験がないので事務仕事を消化。明日のPTA会合の資料確認、部活の冬休みの予定精査、3学期の課題の用意。けっこう地味にあった。生徒がいないだけましだが、 なんか疲れます。はい。

ちょっとしたことだが、気遣いというか違和感というか感覚の違いを感じることがある。隣席のH川先生はそのことについていつも文句を言っているのだが(笑)

たとえば今日あったこと。3時間目の試験の時、4階の音楽室でピアノの音が聞こえる。それほどうるさくはないのだけれど、何となく漏れ聞こえる。ほとんどの 子はテストが終わっているのだが、一部の選択科目の子だけ3階の教室で受けている。気になるかならないかのレベル。まだテスト中なのに…と思っていると、どうやら 音楽の追試らしい。それはそれでいいのだけれど、せめて試験が終わってからにしてよ、音が気になる子もいるだろうに…と個人的には思う。ただ気にならない人もいるだろう。 それでH川先生が管理職に言いに行ったのだが、教頭は「これくらいいいんじゃない?」とどこ吹く風。神経質すぎるのではといった対応。でもテストを受けている子たちは 気にならないのかなぁと心配になる。やっている音楽の先生も「こちらも追試ですから。」とあまり気にしていない。このあたりの感覚の差がままある。

そうかと思うと、ある3年生の担任で、クラスは割といいと思うのだが、自分のクラスのことを「全然ダメなやつら」と見下しているというか、面倒臭いと思って 接している先生がいる。仕方なく色々やってやってんだという感じだし、進路指導も適当なところがあり、これまたH川先生の勘に障ることもしばしば。 その先生が2学期の公欠一覧の紙を各教科担当に配布したのだが、そこの最後に一言添えてある。「いつもご迷惑をかけてすいません。」ここまではいい。 ところが「もう少しなので我慢してください。私も我慢しています。」と書き添えてある。えっ?と思った。これ担任としてどうなの?確かに内心では そうかもしれないけれど、これってこんなふうにわざわざ書いてくる神経が…。担任ならポーズでも自分のクラスが大切ですって感じでやらないとダメでしょう。 これで笑わそうとしているのかもしれないけれど、どん引きする人もいるはず。このあたりの無神経さが生徒にも敏感に察せられ嫌われてしまい、なおさら だからうちのクラスは…と余計離反されてしまう。こういう微妙なニュアンスわかりますかね。

もうひとつ話題。相変わらずこだわりどころがずれている校長ネタ。もうすでに3月にある新入生のための説明会のために色々動き出しているのだが、 そこで毎回芸術の選択の希望用紙を出してもらう。事前に合格時に細かい案内をして、入学してからすぐ音楽か美術か書道の授業が始められるように、 教科書もすぐ買えるように、説明会の受付時に希望表を出してもらう。どこの学校でも同じような流れで、そうでなければ振り分けが間に合わないし、 特別な事由(音大に行くとか、芸大受験予定)でない限り、第2希望までで機械的に均等になるように分けてしまう。それが当たり前。

ところが校長は元々音楽の先生だから、教頭に変なことを言い出したらしい。その説明会の時に、芸術の先生たちにひとりひとり説明させ、その場で 生徒保護者に考えてもらい、その上で提出させたいと。どうも授業を見ていい加減に芸術科目を選んでいるのが納得できないらしいのだ。 おいおい、そんなことしたら大混乱になりますよ。ただでさえ説明会は色々連絡があって長引いて困っているし、質問も多い。少しでも簡略化しようと 腐心しているのに、そんなことしたら…それこそ収拾が付かなくなり、芸術の割り振りも上手く出来なくなりますよ、そういう現場の様子を知らないで、 すぐ自分の思い込みだけでこういうことを言い出す。本当に困ったちゃん。こういうことをあちこちで言い出して、どの部署でも右往左往させられていて、 本当にわやなんだけど。とにかく色々大変なんです(笑)

12月8日(木) PTAの

テスト2日目。私の現代文も試験があり、監督もひとつ。

午後からPTA関係の出張。地区のPTA研修会があり、それに保護者と出かけてきました。某大学の会議室を借りてそこで講演会やら報告会。 まぁ自宅から近かったのでいいのですが、面倒だったのは夜の部もあったこと。こういう懇親会というのは全然好きではないので、苦痛でしたが、これも 大人の仕事。何となくやりすごしていました。そんなわけで一切採点できなかった(泣)

12月9日(金) 上の立場

本日もテスト監督をやった後に採点。とりあえず集中してやったので終わる。あとはゆるゆると得点調整でもする予定。それと同時にノートチェックやら 部活のスケジュール調整なども。

昨日のPTA会合で色々と他校の報告があったのですが、それを聞いていて事情が違うと色々あるなぁと感じ入りました。大変な学校はPTAも運営自体が 大変そうだし、進学校あたりは有閑マダムたちの社交場のようで、それぞれ各校の総務部長が苦労していることを知り、我が身を顧みました。

その時に、うちの校長が、会場を貸してくれた大学の学長に挨拶をして色々話し込んでいました。うちの高校はゆくゆく新しいコースを設定する予定なので、高校と大学の連携と言うことで、 付き合いを深くする必要があり、ちょうど関連学部がこの大学にあり、割と近いと言うこともあって、こうして外交努力をしているのです。

ややもすると校長って何の仕事しているの?と思われがちですが、こうやって外部とのパイプ作りであちこち出回っているのだなぁと少し知りました。細かいことに 口出すだけではなく(笑)地元の顔役たちと顔つなぎしたり、近隣の小中学校と連携したり、そういうことを色々しているようでちょっと見直しました(笑) 上の立場の人って大変ですね(笑)


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