暗澹たる 2月 中旬 編
2月10日(水) マラソン大会なんて
みなさんも嫌だったでしょう?マラソン大会。どうしてこんな行事があるのだと、本気で恨んだ
ものですが...何を隠そう私も走るの大っ嫌い。自分の高校時代にもあったけど、ほとんど
ドベの方。だいたい小学校時代でブービー賞を取って以来マラソン大会には恨みこそあれ、いい
思い出は一つもない。高校時代は部活動の先輩に「30位以内に入らなければしごき。」と脅され
他の友達はみんな入ったのだが、私だけ全然かすりもしないで、私のせいで地獄のしごきがあった。
(何て理不尽な!)だからマラソン大会なんて大嫌いっ。体力強化ならふだん体育の授業でも
やっているし、部活動(硬式テニス部)にも入ってたから全然必要ないのだ。そりゃ持久力は
ないかもしれなかったけど瞬発力はある方だった。なのにマラソンが遅いだけでダメ人間になった
ような雰囲気だった。どうしてマラソンなんかがこの世にあるのか...そう学生時代は思って
いた。こういうことで運動やスポーツが嫌いになった人も少なからずいるはずだ。
そして教員になってやっとわかった。なぜマラソン大会があるのか。学校の行事には文化祭や
体育祭と並んで「体育的行事」というものをやらなければいけないことになっていたのだ。
そういうきまりがあるらしい(詳しくは知らないけど)その「体育的行事」というものとして
体育祭やマラソン大会、学校によっては伝統的に長距離歩行(長い距離を一昼夜かけて歩くとか)
などが行われていたのだ。でもこれらはほとんどが学校の裁量で決められるのだ。だからマラソン
大会のない学校もあるのだ!どう思います?ずるいよね!うちの学校なんかマラソン大会+
強歩大会(25キロ歩くやつ)と2つも「体育的行事」がある!頭より身体を鍛えろっていう
ことですか?大変だね、高校生も...確かに達成感もあるけど倍以上に疲労感も...まっ、
これも思い出(笑)ということで頑張ってくれ!というかお疲れさま。
2月12日(金) ゲームの話
何を隠そう(隠してないか?)私はゲーマーです(笑)その出会いはファミコンであった。昔から
ゲームセンターが好きで、よくなけなしの小遣いを持ってゼビウスをやりにいっていた。それが
大学生の頃だった。スペースインベーダーにはたいしてはまらなかったが、ゼビウスははまった。
隠しソルとか1UPとか色々と情報を集めたものだ。それが何とファミコンというもので
100円を払わずに無制限にできると聞いて心躍った。その頃家庭教師に行っていた小学生の家に
まだあまり出回っていない任天堂のファミコンとゼビウスのカセットを見つけたときは、神に感謝
したものだ(もちろん、子どもに勉強させておいてやりまくりました(^^;))
それ以降ドラクエに出会い、RPGに目覚め、ディスクシステム(笑)、スーパーファミコン、
セガサターン、プレイステーションと進化していった。(ちなみに64とドリキャスは持ってません)
そしてそれ以来RPGのO−TEACHERとして、校内の生徒の中では密かに
「ゲーマー・ティーチャー」としてマニアの支持を集めていた。時たま授業が早く終わると、その手の
生徒がスルスルと寄ってきて「あれ、どうやるんですか?」という質問を浴びせてくることも、
ままある。以前はよく攻略本を買ってきて隅から隅までやり尽くしていたものだが、最近
このインターネットのおかげで、あちこちのゲーム関係の掲示板で素早い情報が載るようになり、
非常に重宝している。文明の利器よ、ありがとう(笑)
そんなわけで早く「幻想水滸伝2」を終わらせないと、封もとかずに置いてある「FF[」が...
2月15日(月) 犯人を捜せ!
学校のコンピューターがインターネットに接続してから、色々な人にホームページを見せて
欲しいと頼まれることが多くなった。たいてい何かの雑誌とかに書いてあるアドレスを持って
きて「O−TEACHER、これどうやったら見られるの?」というパターンである。まぁ、
そこはインターネット普及のため手間を惜しまず協力して(というより少しでもコンピューターに
ふれてもらい、コンピューターがらみの仕事が私に集中しないようにという、遠大な作戦の一環
だが....)ホームページを閲覧させることが多い。たいてい、申し訳なさそうに(仕事と
いうよりも趣味関係が多いため)来るのだが、その実、その人の新たな嗜好がわかって
『へーっ...』と思うことが多い。
そんな時、何気なく履歴のところを見るとやたらアドレスが増えている。あれ?こんなアドレス、
全然知らない。ははーん、誰か私に断りもなく見ているな...(いや、別に断んなくても
いいのだけれど、あまり電話代がかかると、以前のように私一人が責められるので(^^;))
というわけで犯人探しが始まった。まず時間帯チェック!水曜日の午後4時に集中?こんな
時間に見ている人..放課後仕事があまりない暇な奴だな...よし、ここはその肝心の
ホームページを見てみよう。えーっと、何々健康関係のホームページ...それと他の高校の
ホームページか...それからコンピューター販売している会社のホームページ..うーん、
一人ではないのかな?複数犯か?それからなんだこりゃ、お笑いのページ?何々、レストランの
検索ページ...まっ、まっ、まさか!でも念のため...
「T先生、水曜の午後4時頃、このコンピューター誰が使ってたか覚えています?」
「えっ?だって受験生の名前の入力するんだって言って、O−TEACHERがずっと
使ってたんじゃないんですか?」
やっぱり。
2月16日(火) 志願変更の意味
昨日から3日間志願変更期間である。志願変更?と言っても一般の人にはなーんにもわからない
ので説明します。県立高校は一度、志望校に入学願書を出してきます。そして一度全て
出そろった時点で、新聞等に受験倍率が発表される。例えばうちの学校の場合だと、今年は
約1.5倍だった。そしてその後3日間、その倍率を見ながら一度だけ志願校を変更できるという
ものなのだ。1.5倍というのは15人受けて10人しか受からない。5人落ちる。自信が
ない生徒は、志望校のランクを落としてもう少し下の学校へチェンジできるというものなのだ。
だから生徒にとっても保護者・中学校の先生にとっても、この志願変更の期間というのは意外と
重要。その受験生の推移を見ながら対応しないと大変なことになる。ここが倍率が低そうだという
ことで、そこへ入学願書を志願変更して再提出してみたら、他の受験生も同じ事を考えていて
ふたを開けてみたらすごい高倍率になっていた...何てこともあり得るのだ。このへんの読みが
難しい。
しかしこれと反対に高校側もビクビクなのである。例えばうちの学校、例年倍率は1.2倍ぐらい。
ぼちぼちといったところであまり志願変更もない。というか昔はいつも定員が割れていたもので
これでも十分なぐらいですが...ところが今年は1.5倍!...ということは県全体を見ても
割と高め。受験生が警戒して他の高校へ志願し直す可能性が大。うちから流出する一方となるのだ。
そうすると1.5倍が1.4倍、1.3倍...となると最終的に定員が割れて0.9倍とか
いうことになる可能性も出てくるのだ。そうなると定員に満たなかった学校は2次募集と言って
またまた入試を3月中旬に行わなければいけないことになるのだ。以前うちの学校はずーっと
やっていたが、これがまたすごく大変なのだ。どこにも受からなかったろくでもない生徒は集まって
くるし、おまけに時間がない。3月中旬に試験をしてすぐ採点合格発表、クラス編成と、時間割作成と
すべて4月に間に合わせなければならないのだ。殺人的なスケジュールになるのだ!昔は春休みとは
言っても、連日夜遅くまで仕事をしたものだ。
だから高倍率と言っても全然うかうかしていられない。2次募集の恐怖が予想されるからだ。現に
とある県立高校は始め2.2倍あったが、受験生に警戒され志願変更後は0.8倍になっていた。
定員割れ→2次募集となっている。うちの学校もそれほどいい学校でもないのにこの高倍率、
怖すぎる。だから志願変更の受付の仕事をしているのだが(受験生がここの学校をやめて、
他の学校を受けますという書類を提出しに来る。)ある意味、来て欲しくない。どうせ出ていく
一方なんだから。
「すいません、志願変更に来ました。」(ギク!)
「ではこちらの方に名前を書いてください。書類をお預かりします。...」
(こいつ、どこの高校に変える気だ?M高校?高望みしやがって...)
「これが新しい入学願書です。」
「へっ?」
というように、うちより大分いい学校の倍率を見て、自信を喪失して下の方の学校へ志願変更する
受験生もいるのです...いらっしゃーーい!
2月17日(水) コンピューター化による仕事の分担偏りの法則
本日で志願変更が完了した。いちおうこれで受験者数が確定した。ここからがまた忙しい。
受検生名簿を作り、受検番号を決定し、願書や受検票にナンバーリングをし、はたまた入試細目の
細かい手直しをし...とやることが山ほどある。とてもじゃないが授業と平行してやるなんて
難しいのだ。今年は手が空いているので何とかこなしているが、もし授業があったら..と思うと
ぞっとする。その受検番号確定作業なのだが、まず男女別に並び替えて、次に中学校番号順に
並び替えて、そして五十音順に並び替えるという手順。こうやって書くと何でもないようだが、
それはデータベースソフトを使えばの話。実はうちの学校、つい数年前までは手作業でやっていた。
100名以上もの生徒を手作業で並び替えるなんて大変なのだ。当然人間のやることだから
ミスが出てくる。「高木さん」と「高橋さん」が、受検番号が逆だったりしたこともあるらしい。
その点、データーベースソフトを使えば並べ替えなんて簡単!それこそクリック一つでできてしまう。
でもそのソフトを使える人がいない!他の人が楽になるということは、特定の人が大変になると
いうことなのだ。
「O−TEACHER、男女別の名簿出して。」
「中学校別の名簿も。」
「推薦入試にあって、今回は出願していない中学の一覧も。」
「受検番号と受検する部屋の対応表が欲しい。」
「面接するときの部屋とテストを受ける部屋の区別表をプリントアウトして。」
「面接の順番を均等にならしたタイムスケジュール表作って!」
こうして私に仕事が偏っていくのであった。もう転勤したって知らないからね!
2月18日(木) 内申書の読み方
さて入試業務の第2弾として、調査書受理及び受検票発行が今日あった。これは中学校の先生方が
調査書(いわゆる内申書)を提出しに来て、それと引き換えに受検票を手渡すのだ。そこで
はじめてうちの学校を受ける受検生の成績やら日頃の行動の記録が分かるのだ。うちみたいな
底辺校の場合、あまり成績のところは重視しない。それよりも先生の書くいわゆる「所見」と
いう、生徒の行動の記録の箇所である。確かに担任の先生の私見ではあるが、どういう生徒か?と
いうことを知る上で大切なのだ。最近情報公開で、こういう調査書とか指導要録を公開しろと
喧しいが、普通だいたいは生徒の不利になることは書かない。だから公開してもたいしたことが
書いてないというのが本当。ちなみに私の高校時代の指導要録には「基本的な生活がきちんとして
いて、何事にも好奇心旺盛である。」と書いてあった。これでは別に誰でもいいではないか、
というコメントである。
それで受検生の調査書を見て感じることがある。そういう人畜無害なコメントでは何も分から
ないということだ。そしてその所見をそのまま鵜呑みにしてはいけないということだ。「明るく
活発な生徒である。」という所見は「うるさくて落ち着きがない生徒である。」と読み替えて
「おとなしくて寡黙な性格である。」という所見は「暗くてあんまり意志表示しない生徒」と
いうことである。このあたりの落としどころを読み違えなければ、ほぼ間違いない。経験上、
入学してきた生徒を見ていると、書いてあるコメント−10ぐらいが実態に等しい。えっ?
何でそんなことがわかるかって?そりゃあ、私たちだって大学の推薦書や専門学校の調査書
なんかで同じことしていますから(^^;)
2月19日(金) データベースというもの
毎度同じネタですいません。またまた入試の作業の話です。受検生のデータを扱うのに、
データベースソフトとして、Microsoftの「アクセス97」を使っている。昔、学校現場では
あまりちゃんとしたデータベースソフトがなかったので、ロータス(表計算ソフト)を代用したり
DOS版の「桐」というソフトを使っていた。でも色々な人に聞くと「アクセスは使いやすい!」と
言うので、こちらを使うようになった。ところがいまいちなじめなくて、あまり機能を使いきって
いるとは言い難い。マニュアル片手に奮闘している。『ここをこういうふうにしたいんだけど
それにはどうすればいいか?』マニュアルには知りたいことが書いていないし、ましてやヘルプに
聞いても余計難しい言葉が出てきて尚更分からなくなる。もっともっと簡単なデータベースソフトは
ないものか...?
そこでふと思い立ったのが「筆まめ」である。あれって年賀状ソフトだけど、けっこうちゃんとした
データを蓄えられるようになっている。名前や住所のデータはもちろんだが、受検生の生年月日や
郵便番号一括変換や、検索・並び替え・抽出...と必要な機能はそろっている。ラベル作りも
簡単だ。何より入力しやすいのが一番嬉しい。これなら他の人に入力作業を任せてもけっこう
いけるのではないか?来年から受検生のデータ処理は「筆まめ」でやろうかな。葉書の裏に「合格
おめでとう!」と3D文字にして、桜咲くのイラストなんか貼り込んだやつを合格通知書にしたり
して(^^;)やっぱ、だめかな?