暗澹たる 2月 下旬 編
2月22日(月) スキャナーを使う
本日の雑用。それは学校のホームページを作ること。まだまだ完成度30%ってところですか..
その中で学校行事の様子を載せる「学校行事のページ」(べたやなー)を作りかけた。そこに
載せる素材を探して東へ西へ...だいたい学校の行事なんて、入学式、卒業式、修学旅行に
文化祭、体育祭。その他遠足やらマラソン大会と、どこも相場は決まっている。その行事の
写真を探したのだが、これがどこにあるのか分からなくて一苦労。だいたい各行事ごとの主催が
違う。例えば体育祭は体育委員会。文化祭は生徒会。修学旅行は2学年...という具合。
それぞれの行事には記録係(簡単に言えば写真・ビデオ係)がいるのだが、その保存・記録が
一元化されていない。だから体育科へ行っては「体育祭の写真誰が持ってます?」とか、
生徒会室へ行き「文化祭の写真貸してくれない?」と個別に交渉して回収しなければならない
のだ。当然ホームページ用に撮ったものではないから、デジタルものはほとんどないため、
スキャーナーで読み込まなければならない。実は私、今までスキャナーって使ったこと
なかったんです。えっ?今までの写真はどうしたかって?全部デジカメから直接入れてました。
ですからスキャナー初体験ってわけ。
何とかなるだろうと思っていたんだけど、これがまた手こずる。スキャナーは「うぃーん」とか
いって動くんだけど、画像の質の設定が分からない。DTPとか言うんですか?これを適当に
いじっていたら、写真一枚スキャンするのに15分もかかってしまった。おまけに容量が
でかすぎてフロッピィーに保存もできない。どうすりゃいいんだ!ヘルプミーN先生ーっ!
ということでN先生に教えてもらいました。なーんだフォトショップから直接読み込めるのね。
簡単簡単、これなら画像の修正も楽ちんじゃん!設定のやり方も教えてもらった。よしこれで
やっと行事の写真が読み込めるぞ!ついでだ、関係ない画像も読み込んでみよう!
なんて遊んでいると、そこへ通りすがりのT先生。「O−TEACHER、何してんの?」
「いや、学校のホームページ用に行事の写真を取り込んでいるんですよ。」
「なーんだ、それなら総務部に沢山あるのに。」
ガーン!そうだった。PTA会報用に、よく総務部が撮っていたっけ...もっと早く気づけば..
そういえば今度結婚する予定のS先生、スキャナーの仮読み込みデータに、二人の
衣裳合わせの写真、残ってましたよ(笑)
2月23日(火) 悪魔のお誘い
来年度の人事のことで教頭先生に呼び出しを受けた。というか教頭先生が
国語科準備室に来てくれたんだけど...来年の分掌やら学年やら担任やらの話だった。
うちの学校では基本的には校内人事は管理職がやることになっている。ただけっこう
個人の事情を配慮してくれて(と思っているのは俺だけか?)あまり偏った人事では
ないような気がする。しかしそれ以前に転勤がしづらいという状況があるが...
というわけで来年の仕事の話となると、今回の転勤はないということが確定した(泣)
以前から何度も書いているが、うちの学校はこの御時世にコンピューターを扱える人が
極端に少ないので、私に仕事が集中してくる。そのため今年は副担任だったから、なんとか
乗り切れた。ところが教頭は「来年、担任をやってくれないか?」と猫なで声でやって
きた。悲しいことにうちの学校はまだまだ大変な生徒が多い上に、教員の高齢化(笑)も
進み、担任希望者が少ない。そこでわたしのようなつかえない教員にまで悪魔の誘いを
伸ばしてくるのだ。そこで私は今の仕事の現状を話した。別にやってもいいけど、
そうするとコンピューターがらみの仕事ができる人がいなくなる。逆OA化、というか
手作業状態に戻る!例えばコンピューターを使って成績処理していたものが、電卓・
そろばんへ逆戻り。クラス分け・時間割作成も全部カードを使って人海戦術へ...でも
脅しじゃなくて本当にそういうことは全部、私がコンピューターを使って一手に引き受けて
いたのです。もし担任をやれと言われれば、そういう仕事から退かざるを得ないのが、
うちの学校の現状。それは教頭も分かっている。おまけに今年度は、教頭に回ってくる
様々なコンピューターの仕事(例えば、台数調査・研修申込・インターネット関連等々)を
引き受けてあげたのです。だから恩義はあるのだ!わっははは。だから教頭も無理強いは
できない。すごすごと帰っていきました。
個人的には担任をやろうが副担任をやろうが、どちらでもいいのですが、本校の現状を
考えたとき、掛け持ちでは難しい。だからやっぱり副担任をやってコンピューター専従か?
でもそれもどうかと思うけど...早くみんなコンピューターで仕事を覚えて!それが
無理なら、できる人転勤してきて!でないといつまでたっても転勤が...
2月24日(水) おごるなかれ
「で、ありまかすら、本校もここ3年、定員割れしないからと言って、決しておごることなく
謙虚に、受検生に対して、また多くの生徒を送ってくれた中学校に対して、誠実な対応と
抜かりない準備を徹底していただきたい。」
今朝の校長の朝会での一言。いよいよ明日明後日と入学試験。(正式名称「学力検査試験」
通称「学検」)本日はその準備なのだ。いわゆる会場設営というやつ。授業の後、大掃除を
やってその後試験会場作りなのだ。まず受験会場となる教室の設営。机の整頓・受検番号札の
設置・カーテン・ストーブの点検、ロッカーの整理等々。書き出したらきりがない。当然
入試ですから万全の体制を整えるために、それこそ姑が窓のサンの埃をチェックするがごとく
厳しいのだ。悪戯書きは当然のこと、床の染み、窓の曇り、廊下の汚れ、トイレットペーパーの
状態まで、ありとあらゆるところをチェックする。こんなところまではいいのでは?という
ところまでやる。例えば教室内のストーブに「消化上の注意」と書いてある説明書きのところ
まで見えないように紙を貼る。もし試験の時にこの漢字が出てくるといけないからだそうだ。
ホントかよ。と会場設営はえらく大変なのだ。
さてここで私の今日一日の奮闘振り。まず入試問題の受領。県の職員がわざわざ運んでくる。
それを校長とともにありがたく拝領。そしてそのまま金庫へ奉納いやいや封印。わざわざ
金庫へ割り印まで押す。その後大掃除。トイレ・廊下掃除の私は、担当箇所が受検生が通ら
ないのでぼちぼちと(笑)そのあと試験会場の点検。ところがとあるクラスだけ、担任が
まったく要項を読んでいなくて設営が全然できてなかった。こういう全く話を聞いていない
説明を読んでいない..という教員も多いのだ。生徒ばかりではない。そして受付、試験教室、
廊下、トイレ、保健室、体育館(受検生の待機場所)、面接控え室、付添人控え室、と
ありとあらゆるところを点検し掃除し直した。なぜかというと前回の推薦入試の時の最終点検で
懲りているからだ。最終点検というのは、校長・教頭を先頭に我々下々を従えて、最終的に
不備がないかどうか点検して回ることだ。まるで大学病院の医院長先生の御回診状態だと
思ってもらえればいい。それが前回の推薦入試の時は、「窓が汚い。」と言われては窓拭きを
させられ、「机が曲がってる。」と言えば整頓させられ、ふだんなら30分で終わる点検が
何と1時間半もかかったのだ。まるで姑の嫁いじめがごとき細かさだったのだ。
だから我々も前回懲りて、最終点検前に徹底してやっておいたのだ。これなら申し分ない
だろうというぐらいに。そしていよいよ最終点検。校長がまた色々言うかなと思いきや
「うむ。」というだけで次々OKを出していく。よしよし、この分なら...と思っていると
「先生方、ご苦労様でした。十分な準備でした。まぁ、だいたいこれぐらいでいいでしょう。」
と言って終わってしまったのだ。『えっ?だってまだトイレも、保健室もまだ見てないじゃ
ないですか!...』と思ったけど、もちろん言いませんでしたよ。(笑)おごるなかれ.(^^;)

2月25日(木) 入試だ!入試だ!入試だ!
とうとう本番の日。受検生たちはとても緊張して迎えた朝だっただろう。一方それを迎える側は
というと...やっぱり緊張します。高校にとってはひとつのフェスティバルなのです。
なぜかふだんたいして仕事をやらない人まで、朝から張り切っています(^^;)校長なんかじっと
していられないらしく、受付の横に来ては、受検生に説明のプリントを自ら手渡ししていた。(笑)
まぁ、ある意味で入試は高校側の方が試される日でもある。受検生の数や試験の得点が、この
学校はこれだけの価値があるのだという、一つの評価になるからだ。3年前までは万年定員割れ
だった本校も、ここ数年復活の兆しが見え、今年の受検者も実質倍率1.44倍!それだけ人気が
高くなって、魅力のある学校になってきたということか...(本当か?)でもそれが実感として
わかったのは採点をしていた時。今日は国語・社会・理科の3教科だったので、いちおう国語科の
はしくれ(笑)ですから、採点したのですが、けっこうできている。昔なら全然できていなかった
記述式もけっこういけてる。変わったなぁ...
さてそんな中で面白いのは受検生の様子。受検生諸君、入試というのはテストだけではないの
ですよ!朝、校門の前に集まった受検生の間を巡回しながら、『この子はスカートが短いなぁ。』
とか、受付をしながら『挨拶もしないなぁ。』とか、試験中『この子はやたら落ち着かなくそわそわ
しているなぁ』などなど、先生達はよく見ているのです。それが直接合否にはかかわらないですが、
印象が違うことは確か。入試の係りをして本部にいると、逐一色々な先生から注進が入る。
「O−TEACHER、受検番号○○番、試験開始10分で熟睡!おまけにいびき!」
(いるんですよ!)
「女子の○○番、貧乏揺すり」(これぐらいは(笑))
「××中の生徒、廊下でふざけているよ。」(あまり緊張感のない受検生もいる)
「大変大変、昼休み体育館でみんな参考書開いてる!」
(一同)「ええーっ!」
今までそんな受検生来たことなかったもんで(^^;)
2月26日(金) 入試だ!入試だ!入試だ!(PART2)
さて入試2日目は数学・英語の試験の後、午後からグループ面接。何と言ってもこの面接官が
肝心要。うちの学校レベルですとまだまだ学力のみの判断は禁物。やはり人柄重視。勉強は
多少できなくても素直で性格がいい子を取る!ということでうちでは面接重視。だからこそ
面接官の比重が大きいわけです。実はこの面接官を誰にするかというのを決めたのは、何を
隠そう私なのです。そういう係り分担や試験監督などを決めるのは私の仕事なのです。
言い換えれば私がこの学校の未来を決めているのです。わっははは(もちろん、おおげさ)
しかしある意味、その代の学年が良くなるか悪くなるかは、この辺の面接で良い子悪い子
普通の子を見極め、それをきちんと選別(言葉は悪いですが)できる観察眼が要求されるの
です。だからこそその人選には頭を悩ましました。ただ点が厳しい人ばかりだと誰も合格
しなくなってしまうし、逆に甘い人でもふるい分けができない。ある特定の教科ばかりの
先生が偏ってもいけないし、ベテランの先生ばかりでなく、来年度実際に1年生の担任を
持ちそうな若手にも見て欲しいし、男性の目ばかりでなく女性からの視点も欲しい。強面
だけでなくソフトな人も欲しいし、来年度転勤予定でも本当にうちの学校に長くいて、
今までの流れを把握している人...でもその裏では採点や入力もしているし...と
考えるとなかなかうまくいかなくて、はっきり言ってこの人選だけで約3日悩んだ。
『あの人とあの人では点が辛いかなぁ..でもこういう組み合わせだと今ひとつ弱いし..』
だいたい募集定員から考えて、何人ぐらい合格し何人ぐらい不合格になるか、予想がついている。
それをこの面接官の組み合わせだと、こんなふうな判定をするのではないかと、シュミレート
するわけだ。そしてその結果ほぼ予想通りの結果が出た。こういう時、してやった!という
気分になる。やれやれ、おっと入試が一段落ついた。あとは合格判定会議を待つのみ..ふっー。