酩酊の 4月 下旬 編



4月20日(火) 校外学習の企画

          学年会議で校外学習のことが話し合われた。校外学習とは簡単にいえば遠足なのだが、昔と
          違って、バスでみんなでどっかへ行くというのは最近減ってきている。まず生徒が減ったので
          バス代が高くつくし、ただどこかへ行くというだけでは教育活動としてふさわしくないとか
          いろいろあって、なんかお題目がないとやりづらいのである。例えば進路にむけた工場見学
          とか、体験学習の一環として飯ごう炊飯とか、自然学習としてのハイキングとか...色々と
          名目が必要なのである。1年の時はクラス活動を活発にするための宿泊研修や
          レクリェーションをやることが多いけど、2年生の校外学習はちと難しい。特にうちの学校の
          場合、毎年定番の・・・というものがなく、その年その年で考えているのである。ただ業者が
          持ってきたプランに乗るだけでは面白くないし...ということで今年は上野駅を起点に
          班別行動で東京散策となった。なぜ上野駅かというと、修学旅行の集合場所でもあり、その
          リハーサルも兼ねているのである。

          そこで内容の検討となったのだ。ただ生徒を好き勝手に歩かせると何をしでかすかわから
          ないし、どんな事故が起こるかもわからない。そこでチェックポイントを置いて、そこを
          通るようにしたらどうかということになった。しかしそれではただ歩くだけで面白くない。
          何か面白い企画はないか?ということになった。そこで私の出番(笑)題して「クラス対抗
          お買い物王選手権!!」各クラス6班に分かれるということなので、まず各班に軍資金
          1000円を渡す。そこでそれぞれにある品物を買ってくるように指示する。各クラスの
          A班は「くだらない物」それを買ってくる。B班は「担任に似合う物」C班は「クラスの
          イメージシンボル(キャラクター・オブジェ・置物・守り神等)」D班は「クラスのみんな
          で使えるあったらいい物」E班は「珍しいお菓子(ただし日持ちのする物)」F班は「
          『2』のつく物(2学年だから)」というふうに設定し、軍資金1000円以内で買ってくる。
          これを後日学年集会で発表説明し「くだならい物王」とかを決定し、得点の高かったクラスを
          またまた表彰してはどうか...という意見を出した。これがけっこう学年会議でうけて
          しまった(笑)どうやら係りの先生が前向きに検討し始めてしまった。いいのだろうか?
          この結果は5月下旬に明らかになる!


4月21日(水) 熱血しかけた自分

          今年度ソフトテニス部の顧問になりました。(ちなみに去年まではアニメ部(笑))確かに
          中学・高校時代は軟式テニス部でしたが(O−TEACHERの隠された過去@)教員になって
          からは硬式テニス部一本槍。県大会でベスト8まで行ったこともあり、前任校では熱血
          運動系顧問だったのです。ところが、今の学校に来てからは硬式テニス部はないし、部活動
          そのものが沈滞気味で、ここ5年ほど運動系部活から遠ざかっていました。ところが今年から
          女子ソフトテニス部顧問(男子はない!)となり、久々の運動系顧問。でも部員は3人
         (新入部員の1年が4人入ってきた!)いつも負けてる弱小仲良し部活。私が副担任をやっている
          T先生が正顧問。私はサブ顧問ということなのです。そして今日はそのブロック大会があった
          のです。

          近隣のK高校に集まり、約10数校が個人戦を戦いました。(団体戦は金曜日)とにかく
          今までは、出ると1ゲームも取れずすぐ負けるというパターンだったようで...というか
          部員不足で満足に練習も出来ず、仲良しグループがちまちま練習しているという様子だった
          ようです。T先生によれば「今日も1回戦ですぐ負けるでしょうから午前中で終わりますよ。
          さっさと帰って午後はフリーということで...ヒッヒッヒッ」と目論んでいました。
          案の定3年生のペアは速攻負けましたが、ところが2年生と1年生で組んだペアと1年生
          同士のペアが、意外にうまい!というか一年生が中学時代にならした選手だということが
          わかった。だもんで1回戦負けだろうと思っていたらあにはからんや、強豪チームを破って
          2回戦に残ってしまった。心の中で『ええーっ!』と思っていたが、試合が始まると以前の
          熱血顧問の血が甦ってきてしまった。途中興奮して応援し、コートチェンジの時に色々
          アドバイスしてしまった。昔の試合の勘とか試合の組立とか、技術的なこととかが色々
          思い出してきてとても熱くなってしまったのだ。結局2回戦で全部負けてしまったのだ
          けれども、妙に興奮してとても悔しい気持ちになっている自分がそこにいた。金曜日には
          団体戦だが何とか一矢を報いたいと考えてしまった。あれ?こんな熱血野郎だったっけ?
          結局終わったのは夕方でした。やれやれ。


4月22日(木) 青春していた自分

          何もネタがないので昔の話を書きます。昨日も書いたけど前任校にいたときは熱血部活動顧問
          だった。というか硬式テニスにはまりだしていたのだと思う。生徒が一生懸命やっているのを
          見ると、つい手助けしたくなる。それが高じると日曜も練習、夏休みも練習、盆暮れ正月も
          練習、果ては朝練まで。でもこれは若い頃だから出来た。でも今となっては一日頑張ると
          疲れはとれないは、次の日の授業に支障が出るわで、とても以前のように生徒と一緒に、熱血
          出来なくなった。それでも昔は本気に勝つことや技術向上に情熱を燃やしていた。良い悪いは
          べつにあれだけ熱くなれる自分がいたことに、素直に感心してしまう。今日の放課後に
          それこそ3年ぶりぐらいに運動系部活動に参加して、そんなことを思い出した。そして色々
          アドバイスしたくなっている自分を見つけた。まだ青春は終わっていないのかなぁ?


4月23日(金) 純真な喜び

          今日も女子ソフトテニス部のブロック大会の引率でした。本日は団体戦でした。以前にも書いた
          ように、うちの部活はあまり盛んではありません。今日びの高校生はかったるい部活をやるよりは
          アルバイトに精を出している子が多く、どの部活動も部員集めに四苦八苦しています。特に
          団体スポーツほどそうです。ソフトテニス(昔でいう軟式テニス)もその例外に漏れず、昨年度
          までは3人だったそうです(今年から顧問なもんでよく知らないのですが)ソフトテニスは
          ダブルスでやるものなので、したがって1ペアしか出来ずあと一人は出られない。個人戦のみ
          出場していたようです。それも万年1回戦負け。団体に至っては3ペアで勝負するものですから
          ここ7年ぐらい出てないそうです。ところが今年新入部員が4人入ってきて何とか団体に
          出られたのです。またその入ってきた1年生がそこそこうまい!うちの学校としてはそれこそ
          7年ぶりの団体戦というわけです。

          そしていよいよ試合。いくつかのブロックに分かれて総当たり戦。うちの学校はCブロックに入り
          4校総当たりでした。この間の個人戦を見て何となくわかったのですが、やはりうちの学校は
          負け癖がついているというか、執着心がないというか、まぁ今まで何年もす・べ・て1回戦負け
          でしたから、試合で負けてもケロッとしている。まぁ仲良し部活でただ楽しくテニスが出来れば
          いいかという感じでした。ところが一年生がやる気満々。先輩に対して「もっと練習やりま
          しょうよ。」とか「先輩、絶対勝ちましょう!」とか言うもんだから、2・3年生もあおられ
          気味で、何か一生懸命になりつつなっていました。例年なら、さっさと引退してバイトでも探すか
          って感じだったのが、何となく活気づいてきたのです。そこへ持ってきて久々の団体戦。
          実力的に見てもうちの学校が最弱で、私の予想としては3ペアとも負け続け、3試合やって
          ひとつも勝てないのでは?出来れば9試合のうち1つぐらい勝てれば、それも1年生のペアなら
          可能性が...と思っていました。1試合目はそこそこみんな頑張ったのですが、結局0−3で
          負け。やっぱり。でもみんないつもの通り「仕方ないよね、弱いから。」と言って全然悔しそうな
          雰囲気なし。続く第2試合は優勝候補の強豪校。下手すると1ポイントも取れないのではと
          危惧していました。ところが結果は0−3で完敗だったけれど、1年生ペアがすごく粘って
          何と1セット取ってくれたのです。でも優勝候補だから仕方ないと思っていたところ、みんな
          とても悔しがっていました。1年生は何も知らないから怖いもの知らずで「今度あそことやったら
          絶対勝とう」とか言ってましたが、上級生たちは1年生の頑張りに発奮したようでした。
          そして最後の3試合目。うちよりちょっと強い学校との試合。まず1ペア目。1年生ペア。これが
          すごい粘りを見せてくれた。ファイナルセットまでいって、マッチポイントを2度も握られながら
          頑張って勝ってしまったのだ!次の2試合目の3年2年のペアが刺激されたらしい。今までに
          見せたことがないような闘志を見せ何と勝ってしまった!3試合目も、どう見ても相手の方が
          実力が上なのに勢いで勝ってしまった。結果は3−0で勝ち。何と団体戦初勝利!!多分7年ぶり
          いやいや過去の結果は知らないがそれ以上振りだろう。みんな抱き合って喜んでいた。確かに
          わが校としては快挙の1勝なのだ。Cブロック4校中3位。でも価値ある1勝だった。途端に
          みんなの意識が変わり、試合後も「もっとうまくなりたい。」「次はあの学校にも勝ちたい。」と
          欲が出てきていた。もう頑張れベアーズ状態でした(笑)でもその純真な喜びをみていると
          是非またこういう喜びを共にしたいと思った一日でした。

テニス01


4月26日(月) ピンポイント攻撃

          うちの学校では希望者には漢字検定試験を実施している。漢字検定とは最近かなりの人が
          受けるようになった資格試験の一種である。7級(小学1年レベル)から1級(旧字まで含む)
          までと、かなりレベルが違うのだが、最近これを持っていると色々と有利なのだ。例えば
          就職時の履歴書の資格の欄に書けるし、大学などでは合否の点数優遇措置などをやっている
          ところも多い。だからうちの学校でも実施して、少しでも生徒のためになるようにと
          やっているのだ。そんでもって私はその係なのだ。だいたい高校生レベルは2級から3級と
          いった程度で(ちなみに私は2級持っています)ちよっと勉強すればそこそこ取れるものなのだ。
          年3回あるのだが、人数が20人以上集まると学校を会場として実施できるのだ。

          ところがこの人数集めが大変なのである。なかなか20人集まらないのだ。もし集まらなければ
          個人で書店などで申し込み、外の会場で受けることになる。それよりも学校で放課後受けた方が
          楽に決まっている。そんななかで、是非とも受けたいと希望する子は毎回4〜5人は必ず
          いるのだ。当然国語の教師たる私も、毎回受けたらどうかと呼びかけているのだが、なかなか
          それ以上集まらない。すごーく受けたい子は仕方なく校外で受けざるを得なくなる。それは
          とても可哀想なので、何とか20人集めに奔走しているのだ。でも今日び漢字検定なんか
          受けて資格を取ろうという子は少ない。英検ならまだしも漢字検定なんて...それもうちの
          場合できなくて合格率も低いし(笑)そこでここんとこ授業で毎回呼びかけているのだ。

            「漢字検定受けたい者はいないか?いいぞー!進路にも有利だし...」
            (シーーン)
            「たった2000円で一生の資格が取れるんだぞー」
            (シーーン)
            「なぁ頼むよ。20人集まらないと会場にならないんだ。」
            「O−TEACHER!」
            「おおっ!S夫、受けてくれるか?」
            「それ受けたら国語の成績上げてくれますか?」
            「・・・・・」

          てなわけで締め切りがいちおう金曜日だったんだけど、その時点で4人。これは今回は無理だと
          思っていたら、何と今日一日で、S先生が17人も集めてくれた!すっ、すっ、すごい!
          あんなに授業中何度も呼びかけて集まらなかったのに、どうして?と尋ねてみたら一言。
          「ピンポイント攻撃ですよ。」一人ずつ呼んで個別に口説いたそうです。さすが!


4月27日(火) 検査のプロ

          生徒と闘うという激務のため教師は身体がボロボロの人が多い。ちょっと健康の話をすると
          お互い病気自慢になってしまう(笑)そんな状況から、教員も健康診断が実施されているのだが
          今年からより細かくなった。というかある年齢以上はいろいろ検査項目が増えたせいでもある(悲)
          胃部検診と尿検査の話は以前にも書いたが(書いたよね?)今回はX線撮影(レントゲン)と
          心電図検査と血液検査。2時間目の始まり頃検診車が来て、生徒共々教員もやるのである。
          秘かに『しめしめ、だいぶ時間がかかりそうだ。この分だと2時間目の授業は自習になるな。』と
          悪魔の心がささやいていたのだが、けっこう係の人は手慣れていてテキパキ準備していた。
          まず最初に血液検査。私は身体が弱いもので(笑)何度も医者に行き、血液検査をしているので
          血管が出にくいというのがわかっているため、その旨を看護婦さんらしき人に告げる。すると
          その看護婦さんが「大丈夫、大丈夫、グッと握って気合いを入れれば(血管が)浮いてくるから」
          おいおい、そんな精神論で血管が出るのか?案の定いろいろ触診するが見つからず「仕方ないわ
          ね、手首からいきましょう。」だからはじめからそうしてくれっていうの!ところがあまり細い
          注射針を持ってきていなかったらしく、細い手首の血管を突き抜けてしまうのではないかとちょっと
          不安になっていた。しかしそこは検査のプロ!すぱっと一発で....いかなかったのです。射した
          まま探り針されてしまいました。でもそんなに痛くなかったです。でも看護婦さんは得意顔。
          おいおい。その後、心電図で胸にひゃっとするジェルを塗られ思わず「おおうっ」と声を出して
          しまい、レントゲンでは「息を止めて」と言われ、ついでに目まで閉じて思わず口まで突きだして
          しまいました。それにしても血液検査があるから飲食をしないようにと言われていたのに
          教員は話を聞いていないからみんな全然守っていない。やれやれ。
        


4月28日(水) 乙女心の身体測定

          学校では毎年身体測定がある。中にはスポーツテストとかと一緒にやるとこもある。この身体測定
          なかなか大変である。身長、体重、座高、胸囲、視力、聴力・・・スポーツテストをあわせると
          持久走、50M、ボール投げ、懸垂、踏み台昇降、反復横跳び、背筋力、上体反らし等々。沢山
          あるのだ。うちの学校では今年から、スポーツ関係は体育の授業の中でやることになり、身長と
          体重と座高、視力、聴力だけをやることになった。そして私は女子の座高の測定係となった。
          ところがこの身体測定、女子にとってはすごいことらしい。以前に担任をやっていたとき、
          うっかりして身体測定が明後日だということを連絡し忘れた時があった。するとクラスの女子が
          泣きながら文句を言ってきた。もっと早く連絡してくれと。何もそんなに泣きながら抗議すること
          でもないではないか、だって身体測定は明後日ですよ?でもその女の子のいうことには、
          体重測定があるから、3日前からほとんど絶食状態に入らなければならない、ということらしい
          のだ。さすがにその時は唖然としたが、当時これが女の心理かと思ったものだ。

          さて今日の身体測定だが、体育館に座高、体重、身長と並んで計測するようになっていた。座高と
          身長は、すぐそばにいる記録係が記入しやすいように大きな声で「82.5!」とか
          「164.2!」と言っているが、何故か体重の係のところだけは耳打ちしている(笑)
          やれやれ体重係も大変だなと思っていたら、座高の係の私も大変だった。生徒が出してくる
          記録用紙にはしっかりと、体重が書き込まれた欄にバンドエイドが貼ってあり、他の人が見られ
          ないようにガードしてある子もいる。そういえば前任校でも胸囲の欄とかにまで貼ってあったなぁ。
          でもそんなことしたって担任の先生は、進路用に調査書を書くとき、身体の状態の欄に体重も
          胸囲も書かなくてはいけないのに...どうせわかっちゃう事なのに...でもやっぱり乙女心
          なのね。でもそれよりもポニーテールとお団子結び!それじゃあ座高測定台に頭が付かなくて
          正確に計れないぞー!ちなみにふだんいくら注意してもなかなか脱がないルーズソックスは
          その重量のため体重測定の時はみんな進んで脱いでました(笑)


4月30日(金) 何が何だかコンピューター委員会

          放課後、第1回のコンピューター委員会があった。ところがこれが何が何だか全然わから
          なかった。というのもこの委員会の趣旨というか目的がはっきりしないからだ。そもそも
          コンピューター関係の仕事についてどこが管轄かわからず、昨年度は私がだいぶ教頭に
          頼まれてやっていたのだが、今年はそういう仕事を一元化するということで発足したのだが、
          どんな仕事があってどこまでやればいいのか実ははっきりしないのだ。言い出しっぺの
          校長は転勤しちゃったし(笑)内々で教頭から打診され、想定される仕事内容と委員会の
          目的をあげたレジュメを作ったのだが、みなさん今ひとつわからない。というか詳しく
          ない人も結構いるもんで。各教科や分掌の代表で構成されているのだが、素人さんも
          多い。また詳しい人はその委員会の仕事内容について先走って、ああだこうだ言い出す...
          そんなわけでなかなか会議が進まない。しまいには何を話し合っているんだかわからなくなる
          始末。とりあえず今日のところは、たたき台としてあげた仕事内容を各教科・分掌に
          持ち帰ってもらい、付け足すこと、必要ないことを考えてもらい、仕事の内容を精選すると
          いうこと。その上で役割分担をしようということになった。たったこれだけで1時間も
          会議してしまった。おまけにこの委員会の副委員長まで仰せつかってしまった。やれやれ。
          でもひとつだけ良いことがあった。それは、コンピューター準備室(私が勝手に
          「情報処理室」と命名!)に新しいコンピューターを4台ほど入れることになったのだが、
          その機種選定をほとんど一任されたのだ!さあーて私の欲しかった最新機種を選ぼうかなー。
          うきうき。(一部ではO−TEACHERのおもちゃといわれているが(笑))

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