哀惜の 5月 下旬 編



5月20日(木) 何のための除草か?

        恒例の除草作業がやってきた。しかもPカン。今回私は2年4組と一緒にグランドに降りる
        スロープの脇が担当だった。しかしこの場所、ほとんどというか全く人が通らない。意味のない
        場所なのだ。当然生徒も気づいていて「なんでこんなとこやるんですか?」の声多数。確かに。
        人の手でやっても根が残ってまた生えてくるし、そんなことなら除草剤を使えば手っ取り早くて
        いやいや、それは環境に悪いのだ。土を守るためにも除草剤でなく人の手で...畜生、
        なかなか抜けないなぁ!と説明してるんだか、怒ってるんだかわからなくなってしまった(笑)
        確かに害のない除草剤や野焼きでもすれば簡単に終わるのに...ついこの間、国語の授業で
        自然についての文章「木は生きている」なんてのをやったばかりなのに、かえってこれこそ
        自然破壊?生徒と一緒に何のための除草作業かなぁ、と喋りながらやっていました。すると
        ある生徒が一言。

         「O−TEACHER、この無駄な除草作業って、生徒に世の中には無駄なこととか
          理不尽なことが沢山あるって、教えるためにやってんの?」

        うーん、案外当たってたりして。


5月21日(金) 授業の残滓または評価

        先日、ノート提出の話をしたが、その余談。今日もまだ性懲りもなく(笑)ノート提出をしてくる
        やつがいて、確認するのにえらく手間取ってしまった。でも一人一人見ていると、まさに性格が
        現れている。几帳面に一行の空きもなく詰めてくるやつ、黒板に書いた説明のための図まで書いて
        くるやつ(下手な絵をそのまま(笑))、そうかと思うと本当に走り書きで全然読めない、というか
        象形文字なやつ、てきとーに端折って書いているやつ、と色々いる。以前私のした無駄話の
        あらすじを書いている奴もいたが(笑)

        でもこのノート点検をして、それぞれのノートをを注意深く見ていると、そいつの授業での
        様子がかいま見えてくるのだ。たまにノートの端の方に落書きを書いている奴がいる。教科書に
        載っている、作者の顔写真を模写していたやつがいた。これが妙にうまい。また何か知らないけど
        ロボット(?)かエヴァもどきが成功に描かれたりしていたノートもあった。そんなのを見ると
        感心すると同時に『ああ、この時俺はつまらない授業をやっていたんだなぁ。』とちょっと
        反省してしまう。悪戯書きが多いほどつまらない授業という、生徒からの無言の評価なのかも
        しれない。昔、ノートの端にパラパラ漫画が書いてあり楽しませてもらったこともあったが(笑)

        そして極めつけは、ノートに不可思議な染みの後。そう...授業中熟睡して垂らした涎の跡。
        まさに授業の残滓ですね、K君!


5月24日(月) 校正日

        中間テスト第1日目。といってもなんの変哲もなく、スラッと監督をやって直帰できるかと考えて
        いたら、仕事が舞い込んできた。まず3年生の現代文のテスト問題の確認。今回はS先生に作って
        もらったのですが、その確認作業。いちおう実際に試しでやってみると結構ミスがある。「えーっと
        傍線部aについて、と...あれ?aがない!」とか「傍線部1について説明せよ、か...と
        解答欄がない!」等々。けっこうミスがあるものなのです。印刷する前で良かった。それから総務部で
        作る学校要覧(学校案内みたいなやつで外部にPRように配るもの)の校正。これが細かい数値が
        いっぱいあって大変だった。在籍数、進学者数、担当教科、学校の歴史など。15ページぐらいに
        わたってびっちりあるデータを、元原稿を頼りにちまちま確認。で、1カ所だけミス発見。UがVに
        なってたというだけ。こんなの気付く人いるのかねってぐらいのもの(私が気付いたが(笑))
        そして3つ目は、成績データの照合。中間の成績を入れる都合上、以前のデータを大雑把に
        確認した。これだけでまた小一時間。やれやれ。

        というわけで今日はやたらめったら校正をする日だった。しかし何よりもこのホームページの
        誤字脱字の多さを校正しなければならないのだが....


5月25日(火) リフレッシュと休養

        テスト2日目。生徒はテストを終え午前中で下校。先生たちは...ということで本日の午後、
        教員の親睦のレクリェーションが催されたらしい(すいません、野暮用で欠席しました)今回は
        国語科主催ということなので、ソフトボール大会後にある親睦会のために、出られない私は
        買い出しを買って出ました(うまい!)近くのスーパーでジュースやら諸々を買い出しに出たのですが
        学校の近くなため、生徒に会いました。すると生徒は私の姿を見つけると「あーー!さぼってこんな
        ところで買い物してるー」「違う!これはちょっと用があって...お前たちこそまだテスト中
        なんだから帰って勉強しろ!」などと会話してしまいました。いやーこれも仕事のひとつですかねぇー
        ところが後で聞いた話だと、昨年までのこの教員親睦レクリェーション大会、参加人数は3、4人
        ぐらい!?リフレッシュより休養ということですか...忙しい先生には休養が必要です。はい。


5月26日(水) 校外学習の打ち合わせ

        明後日いよいよ校外学習。そんでもって今日は職員の事前の打ち合わせ。簡単にいうと遠足だが
        今年は企画担当のI先生の資料作成&段取りは並々ならぬものがあった。すごい量の資料作りと
        綿密な計画なのだ。今回の2学年の企画は「東京散策」!各クラスで5、6人で班を作り、各班
        ごとに例えば「浅草ドンジャカコース」とか「お台場ぶらぶらコース」とか全部で40種類の
        コースを設定した。そしてそれぞれのコースにチェックポイントが記されており、そこで
        チェックとなる記念写真(使い捨てカメラ配布)と行ってきたという証拠のもの(例えば
        入場券の半券とか)を持ち帰るというもの。それぞれ全て違うコース設定をしてあり、各班ごとに
        上野駅の集合場所から各コースを回り、チェックとなる写真などを撮り、また3時まで上野に
        戻って来るというものなのだ。ただし自分たちで回るためのルート(交通手段や料金)を事前に
        調べ計画を立てた。自分たちで考え、計画を立てる。当日も臨機応変に対処する。計画力、
        資料活用力、行動力、もちろん色々な風物にふれるという体験。色々なことが要求されるが
        とても楽しいグループ行動になりそうなのだ。地図や各コース設定、チェックポイントの確認、
        各見学場所の資料、交通手段の確認などこちらの準備も大変だったのだ。ってもI先生の独壇場
        だったんですが(笑)そして当日各コースに配置されているチェックポイント(例えば歴史博物館
        とかの入場料とか)で、かかる経費として一人につき2000円ずつ渡す。もちろん移動のための
        交通費も含む。こんな感じのものです。

計画表1計画表2

        そしてそのための打ち合わせを本日したのですが、問題になったのは当日の職員の行動。いちおう
        上野に本部を置いて、何かあったときのために交替で職員が詰めているということになったの
        ですが、だいたい40もの班を全てついていって監督することは無理、だから基本的には生徒は
        フリーで、緊急の時だけ担任の携帯に連絡するということになった。だから職員も本部詰めの
        時間帯以外は基本的にフリーなのだ。すると教員も各自で自由に行動していいことになった。
        (いちおう名目は巡回指導(笑))J先生は小石川植物園を巡って文学散歩、H先生は風鈴を
        売っている下町巡り、T先生はマッサージに行く!?とみんな有効に使おうとしている。さて私は
        どうしようかと考え中である。秋葉原巡りか(笑)それともアメ横散策か?今からとても楽しみ
        なのだ。


5月27日(木) 採点の裏技&難しさ

        中間テスト最終日。やっと自分の現代文のテストがあった。でやっと採点できるわけである。
        明後日にはもう授業があるので今日中に採点しなければならない。国語ということで当然書かせる
        問題が多いのであるが、そういう問題は答えがいろいろで採点に苦慮することが多い。採点を
        簡単にしたいなら、そりゃ記号問題ばかり作れば楽だが、そうなると当たっていた場合は点数が
        高くなるが、見事なくらい勘がはずれていると(笑)見るも無惨な点数になってしまう(^^;)
        だから書き問題だと部分点という裏技が使えて、「うーん、正解じゃないけどだいたい言いたい
        ことはわかるから、4点中の部分点として2点やるか!」というふうに得点調整できるわけである。
        これが国語で満点取ることの難しさであり、0点取らなくて済むところでもある。でもちゃんと
        言えば書き問題でもきちんと書けば、当然○はもらえるわけで、特に出題者の意図を正確に
        読めればできるものである。だから達人の生徒(?)ともなると「O−TEACHER、今回の
        テスト、作るのは先生?それともS先生?」と聞いてくる。明らかに出題者による傾向と対策を
        練っているのである。ここまでくればそうそう悪い点は取らない。

        さてその採点だがけっこうとまどってしまった。なぜなら今回は始めて教える学年のの生徒たち
        だということもある。だいたい以前教えたことのある学年の生徒だと「こいつは頭がいい」とか
        「この子は今ひとつとんちんかん(笑)」とか事前のデータがある。だからテストの解答を読んだ
        ときも『これはわかって書いているな。』とか『近いけど適当に書いたものだな。』とか類推
        できるわけである。でも今回はまっさらな状態で採点したものだから、『これは本当にわかって
        書いているのか?』ということが読めないのだ。だから当然客観的なやり方で(基本的にはいつも
        そうですけど)採点した。

        例えば「傍線部1は主人公がどういう状態でいることを表していますか、簡潔に説明せよ。」と
        あったら、どういう状態?と聞かれているのだから、当然答え方は「〜な状態。」と答えるのが
        正しい。ところが最近の生徒は語尾がはっきりしない解答を書くやつがとっても多い。

         「主人公は困っている。」「主人公は困惑している。」

        こんなのは内容的にはあっているけど文末が言葉足らずなので部分点で4点−1点で3点。

         「主人公は困っているかも。」「困った困った。」

        こうなると本来×なのだが、まぁ1点ぐらいやるか...と妥協してしまう(優しい>俺)

         「大変なことになっている。」

        ってどういうことだー!とこんな解答を延々200枚以上採点し続けるのである。やれやれ。
        平均点が悪いのは教え方の問題だけではないような気が...乱れる日本語を守る最後の砦たる
        O−TEACHERの採点に終わりはない(笑)


5月28日(金) 校外学習顛末記

        校外学習「東京散策」が実行された。詳しくは後日、生徒自身の撮影による面白スナップを
        別ページにて公開予定、乞うご期待。さて今回の校外学習でつくづく感じたのが、生徒の社会性と
        いうか自立性のなさである。今回集合は上野駅の新幹線改札口に9時半集合だった。これは冬に
        行くスキー修学旅行の集合の演習を兼ねているのである。ところがこれがなかなかちゃんと
        集まれないのだ。もちろん遅刻するやつはいる。普段学校へ行くときと同じ感覚で電車に乗るから
        時間帯が違うと混み方が違ってすぐ乗れなかったり、本数が違ったり、もっと言えば家を出て
        自宅から駅へ行くバスの時間だって違う。当然その辺を考えて余裕を持って早めに家を出れば
        いいのに、そういうふうに考えない。だから当然遅刻してしまう。また友情が厚いと言えば
        それまでだが、待ち合わせして遅れた友達をずーっと地元の駅で待っていて、結局その
        グループ全員が遅刻をしてしまう。臨機応変に来いよ!そしてとどめは電車の乗り換えとかが
        よくわからないやつまでいると言うことだ。確かに普段自転車通学のやつは乗り慣れていない
        のはわかるが、快速と普通を間違えて遅れたり、広い上野駅で集合場所がわからなければ人に
        聞くなり、もっといろいろな面で臨機応変に対処できないものか?何かその辺が全然子供で
        社会性というか自立心というか、生活力の不足を感じる。だから遅刻するやつも予想よりも
        多かった。

        それでも何とか各班ごとに出発させた。先生達も交代で本部詰め以外はおのおの東京散策を
        楽しんだ。私はまず秋葉原まで行き(笑)最近とても欲しくなっているMOドライヴを物色して
        その後ゲームのソフトを見たりアメ横を冷やかしたりして、本部詰めの時間まで戻ってきた。
        何と本部は上野のマクドナルド!業者よ、もっと他に場所はなかったんかい?そこで1時間ほど
        S先生とぼーっとしていた。そして交代でまたフリー時間ができたので、あらかじめ
        インターネットで出演者まで調べておいた、今回私のメインの散策場所「鈴本演芸場」へ
        行ったのだ!東京の街に親しむというサブテーマにふさわしい、落語の殿堂へGO!(笑)
        実は私、落語意外と好きなんです。昼の部2500円也で12時20分から本当は4時30分
        まであるのですが、解散時間が3時なので渋々途中で切り上げてきました。いやー笑った笑った。
        けっこう入っていて飲み食いしながら大笑いしてきました。いやーやっぱり落語っていいなぁ。

        そして3時に生徒が続々と集まってきて無事解散。多少アクシデントはあったようだが、まずは
        大きな事故もなく無事終了。生徒も楽しんだようだった。良かった良かった。I先生ご苦労様。
        あーあ、これで明日学校がなければ...。


5月29日(土) 初めてのヘルプコール

        本日は学校で何もネタがないので(笑)別の話。実はこの間からコンピューターが調子が悪かった
        のだ。というか特に不正な処理をしたわけでもないのに、ある日パソコンを起動させてみると
        スタートボタンを押して出てくるメニューのところで、もっと下層がある場合に出る「▲」ボタン
        (正しくはこの▲を右90度回転したもの)が文字化けして、半角数字の6とかになってしまって
        いたのだ。それだけでなくブラウザを立ち上げると右上の最小化とか閉じるボタンも文字化けして
        半角数字の0とか8とかになっていたのだ。『あれー?』と思ったが、別にどのソフトにも異常は
        なく普通に使える。インターネットもできる。ただ一部の部分が文字化けしているだけなのだ。
        別に何か怪しげなソフトをインストールしたわけでもないのに...と悩んでいた。どのソフトを
        立ち上げても同じようなところだけ文字化けしているので、これはソフトの問題ではなくシステムの
        問題だと(Windows、お前か!)予想された。こうなると素人の私にはお手上げ。そのソフトだけに
        起こる不具合ならさっさとアンインストールしちゃうのだが、こうなると...初期化か?と
        一瞬怖い未来を描いてしまった。『そうか!もしかしたら変なウィルスではないか?変な画像
        ばっかりダウンロードしているから、HAPPYやらメリッサやらが紛れ込んで、システムを破壊
        しようとしているのでは?』と思ってウィルスチェックをするが検索されず。(ありがとう!
        ウィルスバスター98)でもよーく考えてみれば、ちょっと見た目が悪いだけで、閉じるボタン
        とかも使えるし、別に実害ないし、まっいいか、といつものように楽天的に考えていた。しかし
        やっぱり困った事態が発生した。ラジオボタンまで文字化けしてしまうのだ!ラジオボタンって
        男・女を選ぶときにチェックを入れる、こんなやつ。これでは懸賞ページに
        応募できないではないか!やっぱ再インストールじゃあー!でもハードディスクのお宝データは
        どうするー!バックアップが取れないぞー!と困っていたのだ。

        そこでハタと思いついたのはインフォメーションセンター。実は一度モデムの調子が悪いときに
        電話したことがあるのだが、えらいつながりづらく、スーパー待たされ、そんであっちこっち
        たらい回しにされたあげく、すごーく対応が悪くて、おまけに問題も解決できず、いやーな印象が
        あったのだ。だからあまり乗り気ではなかった。というより、これを機会に、バックアップ用に
        MOドライヴ買っちゃおうかなーっていう気の方が強かったんだけど(笑)でもとりあえず、
        ダメ元で電話してみた。すると混んでいるので、症状だけ聞いて後で技術担当の方から折り返し
        電話するとのこと。そこでコンピューターを前に、この日記などを更新しながら1時間ほど待つと
        電話がかかってきた。女の人なのだがすごく機械的な声で、再度状況を確認された。でどうやら
        その説明で、こちらの技量を類推していたらしい。というのは、「では私のいうとおりの操作を
        してみて下さい。」というやいなや、すごいてきぱきと指示を出していった。いきなりDOS
        モードにさせられ、コマンドを打ってSaftyモードにして、いろいろな操作を指示された。あれ、
        初心者じゃ全くわからないと思う。こちらがある程度できるとわかったからの指示内容だったのだ。
        でいろいろ操作させられ、結局検索して探し出したttfcacheというファイルを削除して再起動させ
        たら、見事直ったのだ!すごーい!さすがサポートセンター!確かに電話の向こう側で指示を出し
        ながら、カタカタとすごいスピードでキーボードを打つ音が聞こえる。本当に感心してしまった。
        「その他、お困りのところはありませんか?」じゃあついでにモデムのことなんですが..それも
        素早い対応で問題解決してくれた。これがプロか!「その他にお聞きになりたいことは
        ありませんか?」「じゃあ、年齢と電話番号を...」「ありがとうございました。」
        ツーツーツー..。

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