躊躇ない 7月 中旬 編
7月12日(月) かけ持ち君
本日から答案返却。早い話がテスト返し。そんでもっていよいよ成績をつける作業が本格的に
なってきた。今日は自分が副担任をやっているクラスの担任の先生がお休みだったので、かわりに
朝のホームルームへ行ったのだ。ところがそのホームルームへ行く前に色々なメモ・伝言を
ことづかったのだ。先生たちは成績をつけるために、以前書いたように提出物なども点数に加える
ため、その回収やらをこの答案返却の期間にやることが多い。うちの生徒はずぼらなやつが多く、
提出物を期日まで出していないやつも時々いて、その伝言メモがここ数日飛び交うのだ。で、
今朝各教科の先生に渡されたメモは全部で4種類。それがまたそろいもそろってだぶっているのだ。
「国語漢字テキスト未提出W君、Sさん、T君、本日中」「音楽プリント未提出Sさん、T君」
「体育スポーツテスト追実施、放課後トレーニング室まで。K君、T君」「物理課題プリント
本日13:00まで提出のこと。Tへ」「情報活用追試、13:30より。T君、Sさん。」もう大変である。
T君なんて5個もかけ持ちである。本当にかけ持ち君である。こんなにいちどきにこなせるわけは
ないのである。こんなふうになる前にもっと早くやっていればいいのに...と言ってもこういう
タイプって事前にちゃんとやれるタイプではないのですよね。ま、自業自得ですね。でもその連絡を
するこっちもえらい大変です。やれやれ。
7月13日(火) ならそう書け
本日も答案返却。解答の簡単な解説をして、配点や平均点を伝える。そして赤点者には補習の
連絡と全体には夏休みの宿題の連絡等々。けっこう忙しい。で、その中で生徒に答案を返すとき、
もし採点ミス等があれば申し出るように言うのだが、毎回絡んでくるやつがいる。点数にこだわって
少しでも良い点が欲しいというと聞こえは良いが、ある意味、何でもいちゃもんをつけて隙あらば
点数をかすめ取ろうという、ハイエナ君もいたりする。
「O−TEACHER、ここあっているのに×がついているんですけど。」
これなんかは当然こちらのミスだから何の問題もなく訂正してあげる(私の場合、よくつけ間違い、
合計点が違うなど頻繁にあるので(^^;))
「先生、これ授業中『・・・・』って説明したじゃないですか!ノートにもそう書いてあるよ!」
うーん、こういう場合は結構困る。確かにそう説明したけど模範解答とはちょっと違うってケース。
でも、そう板書したし、こういう場合も意外と早く折れて○をつける場合が多い。ところがだんだん
理不尽なケースが出てくる。
「ここのところ、何で×なの?」
「だって説明が違うじゃないか。」
「だってここ、『・・・・』っていう意味で俺は書いたんですよ。だから本当は正解でしょ?」
「ならそう書け!これじゃ○にはできん。」
「じゃ間を取って部分点の△!」
なんてこと言ってくるやつもいる。それならそう書いてこいよ。わかっててもそう書かなければ当然
×でしょ。そして極めつけは(うちの学校の場合あまりいないけど)問題自体に文句を付けてくるやつ。
「O−TEACHER、この問題ってあまり意味がない問題ですよ。」とか
「こんなの出したって無駄だって。」
できなかったからってそりゃないでしょ。
7月14日(水) 分担して入力しましょう
通知票につく成績というのは、各教科で出した成績を一度コンピューターに入力し、それを元に
学年順位等をつけ出来上がる。こう書くと何か簡単そうなんだけど、コンピューター君は偉いから
良いんだけど、それを扱う人間の方に多々問題がある。私は今年も副担任なので2学年の
成績集計をしなければいけないのだが、これがまたなかなか予定通りには行かない。まず小票と
呼ばれる各教科から出てくる、個人の点数や欠席の数が記入された帳票があるのだが、これが
16:00までに提出ということになっているのだが、なかなか集まりゃしないのだ。生徒には
あれほど時間厳守とか5分前行動だとか、下手すると時間に遅れるやつは人非人とまで怒るくせに、
そういう人に限って小票提出時間を守らない。「やあやあ、ちょっと忙しくてさぁ。」こっちだって
そのために仕事をストップしてるんだぞー!
そしてやっとその集まった小票をコンピューターに入力する段になると(そうそう、うちの学校では
古いソフトを使っていて、副担任が学年ごとに集計するシステムになっているのです。えっ?前に
書いた新しい成績処理ソフトはって?(^^;)教務部の都合により今学期は稼働できず(怒))で、
各教科から出る成績・欠時状況・担任から出るクラス出席状況を入力するわけですが、これが
1クラス40人×教科数(約13)×成績入力項目(2)×出欠入力項目(5)=5200回分の
入力があるのです。これを今日の午後4時に出されて(遅れるやつ多数)明日までに集計し終わって
いなければならない。それもソフトが古いから分割入力できない。端末は一台...。地獄です。
だからみんなで分担しながら交代でやらないと、終わらないし間に合わないのです。と・こ・ろ・が!
手伝わねぇー奴がいるんだよ!これが!自分の仕事だろ!やれよ!始めはコンピューターの近くに
いるんだけど、ふと気がつくといない。てめぇー逃げるなー!全くこういう無責任な教員がいるから
マスコミにもたたかれるんだ。だいたいはみんな頑張っているのに、一部の不良教員のせいで
みんなが同一視されてしまう...悲しい。あれ?これって女子高生がみんなコギャルっていう
のと同じ?
7月15日(木) 地獄の釜
蒸し暑い。不快指数90%を越えほとんど地獄のように暑い(って地獄へ行ったことないけど)
曇天と28度の気温とこの湿度...カビ以外は嬉しくないような一日だった。なのに!こんな日に
限って防災訓練!いや、別に普段の時なら良い。一応地震発生とかの放送が入って、机の下に
隠れるフリとかして(笑)そして必ず理科実験室か家庭科室から火災が発生することになって
(リアル性を持たすなら、男子トイレとかの方が...(笑))そして一斉にグランドへ整然と
喋りながらダラダラ移動して消防署の人に講評で怒られ、そんでもって起震車体験乗車とか消化器の
体験とかして、だいたい小一時間で終わるのが常なのです。
ところが!昨日から今日にかけて雨天でグランド使えず。そのため避難訓練は行われず体育館で
防災ビデオの視聴と消防署の人のありがたーいお話。これがマジで辛かった。学校というところは
官庁の中で唯一冷房のない施設。体育館で全校生徒がぎゅうぎゅうにつめこまれ、おまけにビデオを
見るために暗幕を張り巡らす...暑く暗くじっと我慢して息を詰めて見ている。これを地獄と呼ばず
何と言おう。地獄の90分だった。黙っていても汗が流れてくる。テストが終わってもとっとと
夏休みに入れない公立の悲しさ。はぁー。
7月16日(金) 乱用するな
最近高校生に覚醒剤やシンナーが再び流行している。テレビや新聞で報道しているのも対岸の
火事ではなく本当に深刻な問題だ。そこでここ数年前から警察のその件の担当の人を呼び、
この夏休みに入る前の時期に「薬物乱用防止教室」というものをやっている。昨日と連続で暑い
体育館での70分の話は辛い..と思ったのだが、今日来た担当の人はけっこう話がうまかった。
リアルな覚醒剤売買の取り締まりの様子とか、少年院にいる子からの手紙の朗読とか、極めつけは
実物のシンナーや覚醒剤、大麻を持ってきて生徒に回して見せたこと。生徒の方も真剣に聞いて
いたし実物を見てあれこれ話していた。とてもためになる話でした。特に最後の方に言っていた
「薬物を本来の目的以外に、『乱用』することは絶対に許されない。そんな弱い人間にはなって
欲しくない。」という言葉。確かに。
それだけで学校が終わればいいのですが、なんとこの後は大清掃!暑い体育館で茹だった後に
またまた大掃除...これは効く。私の清掃監督担当箇所の生徒もダラダラでした。色々指示を
出してもなかなか動こうとしない。こっちだって暑いんだから早くやって終わらせればいいのに、
少し掃いちゃあ、ぐでぇー、少し拭いちゃあ、ぐでぇ...こっちまでやる気がなくなりそうでした。
「じゃあ、このゴミ、焼却炉まで持ってて。」
「えーーっ、面倒臭いー。だって遠いよ先生。」
「文句ばっかり言っていないで、とっとと持ってけ。やれやれこれでやっと終わりか。あちぃー、
おい、S、うちわであおいでくれ。」
「えーっ!O−TEACHER、さっきも言ってたじゃないですか、生徒も薬も本来の目的以外
では使わないようにって。これは生徒の『乱用』ですよ!」
「....はい。」
7月19日(月) 多忙な夏休みイブ
ひゃっほー!この開放感!やっと1学期が終わった。明日から夏休み〜たらりらら〜。いくら
世間様から後ろ指をさされようとも、こんな長い夏休みがあるのは先生ぐらい。もちろんぜーんぶ
夏休みというわけではないが、それでもけっこう融通が利いてしっかりと遊べる、いやいや研修が
できるのです(笑)しかしそうは問屋が卸さない...ここぞとばかり会議が目白押し。だって
明日から休みなもんで、何でもかんでも今日会議をして終わらせておこうとするからすごい
会議の数。多分予定されていたものだけでも9つぐらい。そんでもってみんなあっちこっちに
関わっているから、出席者がなかなか集まらなくて予定通り進めず、会議が遅れがち。最後の方の
会議なんて一体どうなることやら。
私もそのうち3つぐらいの会議をてきとーにこなし(私だけでなくみんなもう頭の中は
サマー・モード全開って感じ(笑))そして9月2日にある課題テストも作っちゃって、ほぼ
1学期の業務終了...って思っていたら、いきなり業者との折衝が入ってきた。以前にも
書いたが、例の情報処理室に入れるコンピューターの見積もりができたので検討してくれとのこと。
予算90万でコンピューター4台プリンター2台LAN・ソフトという無謀な要求も、事務長が
予算の方で折れてくれたので何とかまとまりつつある。そして業者の持ってきた見積もりもほぼ
こちらの予定通りでホッと一安心。これで心おきなく夏休みが...と思ったら
「O−TEACHER、でこのコンピューターの搬入設置なんですけど、2学期から使える
ようにというご要望だったので、夏休み中に行いたいと思います。つきましては先生に
御立ち会いの上、設備の確認、使い方のご説明を夏休み中にびっしりとやりたいと
思いますので、よろしくお願いいたします。」
まじ?