豹変する 9月 中旬 編



9月10日(水) 記録係は大忙し

        本日は体育祭でした。疲れました。何と言っても...通勤が(笑)先日書いたとおり車を
        ぶつけられたため、ただいま修理中なので本日は電車通勤。これが疲れの1。普段車通勤に
        慣れきった身体にバス電車通勤は辛い。都心とは逆方向のためラッシュにあうことはないが
        それでも大変。うちからバス停まで徒歩10分。バス15分。電車12分。そして再びバス
        30分。ちなみに帰りは乗り継ぎが悪く倍かかりました。サラリーマンやOLさんたちの
        偉さを感じました。

        そんなへろへろな通勤で疲れ切った身体に、体育祭という身体摩滅型行事はおぢさんには
        堪えます。私の係は記録係。これって一瞬楽そうだけどそうでもない。例えば他の係は、
        一部の人を除けば、自分の担当する時間帯だけやれば、後はけっこう楽していられるし、
        競技を楽しんだり、自分のクラスの生徒の応援などもできる。しかし記録係に休みはない。
        開会式の選手宣誓や体育委員長の挨拶から、もちろん各種の種目の様子や応援席の様子、
        そして閉会式の表彰まで。写真を撮りまくり...これは総務部関係のお仕事。この写真を
        PTA作成の広報の素材として使うため。でもそれだけではないのだ。もうひとつ、
        デジタルビデオカメラでも撮り続けなければならないのだ。というかこちらのほうが
        大事なんだけど。これは教務部的お仕事。様々な行事の様子をビデオに録っておいて、
        体験入学の時に見せる学校紹介ビデオの素材として使うため。以前作成したものは
        5年以上前のもので、行事も変わってきているし、何より制服が変わったのだ(笑)だから
        そろそろ学校紹介ビデオも作り替えなければならない。(実はこれも私の仕事だったりして)
        それを作るからと言ってAdobe Premierなんか買ってもらってしまったりもしているので、
        そろそろ素材をため込んで本気で追い込まれつつあるのです(笑)そしてとどめにもうひとつ。
        このホームページ用にデジカメで何枚かパチリ。私用にも活用(笑)いやー大変でした。

        でも今年の体育祭は面白かった。ここ数年、体育科と体育委員会が知恵を絞り、みんなが
        楽しめる種目が増えてきた。例えば女子の障害パン食いレース。途中グルグルバットで
        5回転してからパン食い競争をするのだが、これがけっこうみんなよたよたして大受け。
        その他、飴食いレース。よくある白い粉の中に飴があって、それを女子が二人三脚で走って
        きて、手を使わず顔をつっこんで飴をくわえて走るというあれ。飴を探していると、
        本人たちはふーふーいいながら粉を飛ばそうとするが、担任が上から頭を押さえ、見事に
        鈴木その子状態。これも笑わせてもらいました(その後、顔を洗いに行った女子たちの、
        見事なまでの眉がないすっぴんに驚き!(笑))その他、腰に紙風船をつけて新聞紙の
        バットで割り合うというものまで(こんな感じ↓)

腰風船の競技

        だんだん芸能人運動会並の種目まで登場。そのうち女だらけの水上運動会にまでなるので
        しょうか?そしたら端の方で小さく、わけのわからない新人歌手が歌っていたりして(笑)

綱引き 棒引き 棒倒し

        でももちろん、定番の綱引き、棒引きや棒倒し、クラス対抗リレー、担任仮装(お見せしたいが
        あまりにあまりなもので(笑))など色々ありで、生徒の生き生きした顔と、若人の若さ
        あふれる躍動ぶりが印象的でした(オヤジ的定番言い回し)
        でも本当に日がな一日、炎天下であちこちの所へかけずり回り、撮影尽くしでマジ疲れました。
        この疲労は2日後ぐらいに来るでしょう...。


9月13日(月) 気まずい二人

        未だ電車通勤。車の修理にまだ数日掛かるということで今日も電車でGO!大変です。車なら
        1時間弱で着くものが、バス・電車だと約1時間30分。乗り継ぎが悪いと2時間弱!
        疲労困憊です。着いたときにはへろへろでもう授業なんかできません。

        そんなわけでK駅から学校までのバスを待っていたときの話。バス停でバスを待つというのは
        とても暇だ。本でも読んでいればいいのだろうが、なんとなく落ち着かないのであちこち
        きょろきょろしている。そして当然学校方面へのバスだから生徒も並ぶ。いつも授業で教えて
        いる見慣れた生徒も多い。それにしてもどうして生徒と先生というのは、一歩学校から出ると
        あんなによそよそしいのだろう。まぁ、それでこっちは嬉しいのだが、かえって校内と
        同じように「O−TEACHERーーっ!」とか駅前バス停で言われたら、それこそ恥ずかしい。
        お互い他人のようなフリをしていて、全然知らない人だもんねー、ってのがいいのだ。

        ところが校外と校内の区別をわきまえない、表裏のないやつがたまにいるから困ってしまう。
        おとなしく下を向いてバスを待っているのに、だいぶ後ろの方から「あれーーーーっ!?
        O−TEACHERだ!先生どうしたんですかーー?先生ってバス通勤でしたっけーー!」
        と言いながら歩み寄ってくる。もう赤面ものである。回りの人たちは『何?これが先生か?』
        っていう目で見ている。やめてくれーって感じ。先生という職業は今や日陰者なのだ。世間の
        人は先生という仕事にあまり好意的ではない今日この頃なのだ。だからってそんな目で
        見ないでくれ。おまけにそのバス停に並んでいる人たちは『おたくの生徒なんだろ!少しは
        マナーについても注意しろよ。よく割り込み乗車する生徒もいるんだから。』と言わん
        ばかりの冷たい視線。仕方なくその場で注意せざるを得ない。「みんなちゃんとしているん
        だから、きちんと並びなさい。」生徒の方もいきなり注意されシュンとしている。朝から何とも
        気まずい雰囲気でした。やれやれ。
 


9月14日(火) 漢検の人集め

        年に3回ほど漢字検定試験というものがある。文部省後援できちんとした資格試験なのだ。
        これが20名以上集まると、わざわざ公開会場に行かなくても、学校内で実施できるのだ。
        学校によっては全校規模で実施したり、またこの漢字検定の資格があると、就職や進学の時に
        いろいろと有利になるということがあり、最近特に人気のある資格試験なのだ。小学生レベルの
        級から社会人どころか漢字おたくレベルまで幅広く、実は私も密かに2級なんか持っていたりする。

        しかしうちの学校では、国語科の先生が中心となって呼びかけているのだが、ひまひとつ
        希望者が集まらない。というか、はじめから全然集まらなければやらないだけなのだが、少しは
        来るのだ。それも真面目な子たちばかりで、是非とも受けたいという子ばかり。20名以上なら
        校内で開設できるのだが、中途半端な10人前後。そんなわけで毎回、何とか会場校になろうと
        必死に受検生集めをしなければならない目に遭うのだ。当然のことながら私が漢字検定の係(笑)
        でも受検料が2000円から4000円と結構お高い。いや、資格が取れるのだからそんなに
        高いわけではないのだが、うちの生徒の場合、あまり合格率も高くないので、嫌がるやつを
        無理強いするのもはばかられる。それでも20名を集めなければいけないというジレンマ。

        そして今日、申し込みぎりぎりのタイムリミットということで、受検生集め捕獲大ローラー作戦が
        実行された(笑)まず国語科の先生、何人かでめぼしい生徒をピックアップ。そして手当たり
        次第にあたり、追い込みをかける。「この資格持ってるといいぞー。」「就職に有利だぞ。」
        「漢字の小テスト、いつもいい点だよなぁ。」とよいしょ、おだて、なだめ、すかし、
        脅し(笑)いろいろな手を駆使して人数確保に奔走する。最後には「この漢字検定受けて
        くれたら、小テストの評価に 加算するぞ。」とまで言って。いやー、大変だー。でもその
        かいあって無事24名GET!申込用紙を速達で送り、何とかセーフ。いつもながら綱渡りの
        漢検の申し込みでした。


9月16日(木) 除草作業だよ、全員集合!

        どうしてあるのかわからない行事の一つに除草作業がある。まぁ、普段使っている学校の周辺への
        ボランティア活動や体験的学習や、その他いろいろと意味があるのだろうが、無惨に引きちぎって
        きちんと片づけないと、かえって草むしりする前よりも汚くなる。除草剤とか使った方が早いのは
        わかっているけど、環境に配慮して良しとしよう。

        今回私は、副担任をやっているクラスのエリアについた。生徒と一緒に草むしりぃー、炎天下の中、
        草むしりぃー、雑草たくましい草むしりぃ〜...と歌いたくなるぐらいたくさん生えていました。
        でもこういう行事をやると本当に生徒の性格がわかる。普段授業中はお調子者としてムードメーカの
        やつが、意外と口だけで何もやらなかったり、いつもはおとなしい目立たないやつだけど、こういう
        ときに率先して黙々とやっていたりする。友達同士で喋るばかりの者、友達のところまで手伝って
        いる者、最後まで残って片づけをする者。普段見えてこない本当の姿がひょいと顔を出す瞬間。
        人間の評価は決して勉強ではないと考えさせられる時間でした。また私なんかはこの副担任の
        クラスは、週2時間しか授業に出ていないため、なかなか仲良くなれなかったけど、こういう
        共同作業をすると途端に仲良くなれる(馴れ馴れしくなる?)あっ!?そのための行事だったのか(笑)

        こうやってひとつひとつ行事をこなして2学期は進むのです。雑草にも秋の気配か虫の声


9月17日(金) ある日の授業のひとコマ

        とあるこのホームページの愛読者からメールをもらった。

          >日記のコーナーにはあまり授業の様子が出てきませんが
          >O−TEACHERは普段授業をやっているんですか?

        やっています、もちろん(笑)ということで、今日は授業の様子を書きます。先生だということを
        証明するために(笑)

        今、3年生の現代文の授業で、小林秀雄の「考えるヒント」の「お月見」という話を教えている。
        内容は、ある若いサラリーマンたちがたまたま宴会をやっていたときがお月見の日だった。ある人が
        月に気付くと、みんな言わず語らずのうち月を眺め、誰も月のことしか言わなくなった。しかし
        その場に一緒にいたスイス人が一変した座の雰囲気に驚き、なぜ日本人たちが急に月を
        見始めたのか理解できなかった。そのエピソードから小林秀雄は、日本人独特の自然の感じ方の
        質について、比較文化論的に説明しているという随筆。

        さてその授業でのこと。お月見だけでなく、季節感を感じさせる日本独特の行事はどういうものが
        あるか?と質問した。するとお正月とか、花見とか、予定通りの答えが返ってきた。一部クリスマスと
        いうのも出ましたが(笑)そしてその次に「自分が日本人だと感じる瞬間は?」という質問には、
        爆笑回答が続出。

          「みそ汁の出汁を入れ忘れたのに気付いたとき。」
          「畳の上で昼寝をしていて、顔にその跡がついたのを他人に指摘されたとき(和室大好き!くん)」
          「外出から帰って、蒸れた靴下の臭いをかいだとき。(?)」
          「自分が母親似だといろいろな人に言われるとき。」
          「うちの家族は電化製品はみんなSONY製でなければダメだと思っている。」
          「お父さんが外車を買ったけど、左ハンドルに慣れなくて2度も車を自宅の車庫でこすったとき。」
          「最近カラオケで、私の声って意外と演歌にあうと気付いたとき。」

        まだまだ沢山あったけどけっこう楽しかった。でも本当に実感するのはこの子たちが海外へ行った
        ときでしょう。私もそうでしたから。まっ、こんな珍回答(?)が聞けるのも国語ならではですね。


9月18日(土) コンピューター授業の将来性

        校内のコンピューター関係の仕事をしていると、様々な関係文書が郵送されてくる。
        現在行われているコンピューターを使った、色々な実践例などが載っている
        国語の授業にコンピューターを取り入れた、面白い授業の様子が出ていた。それを
        見ながら『面白そうだなぁ。うちでもやってみようかなぁ。』と、ぼーっと考えて
        いた。そして実際にやるとしたら、こうしてこうして、などと指導案らしきものを
        考えていると、

         「O−TEACHER、ちょっといいかな?尋ねたいことがあるんだけど...」

        情報処理室で考え込んでいた私に声をかけてきたのは、K先生である。またか...
        実はこのK先生、コンピューターがちょっとトラブルと、すぐ私に助けを求める
        のだ。別にそんなに忙しいときでもなければ、愛想良く相談に乗るのだが、ここの
        ところのべつくまなく聞きに来るのだ。それもワープロの罫線の消し方とか、
        表計算の式のコピーの仕方とか、プリンターの紙が詰まったとか、ちょっと
        マニュアルでも見ればわかりそうなものがほとんどなのだ。でもそれも面倒臭い
        らしくすぐ聞きに来る。言葉だけは丁寧に「ちょっと尋ねたいんだけど...」と
        言うもので、個人的には「お尋ね者」と呼んでいる。まぁ、仕方ない、お助けに
        参りましょうと、ほとんど出張サポート係と成り果ててしまうのである。

        まぁ、そこまではいつものことだからしょうがない。ところが私が必死にトラブルを
        直していると、その後ろでお茶を飲みながらいう言い草に呆れてしまった。

         「いやー、毎回ありがとうね、O−TEACHER。コンピューターっていうのも
          すぐ壊れちまうから面倒だよね。でもこれからの教員は、コンピューターぐらい
          できないとどうしようもないしねぇ。生徒も少なくなってきたから教師も
          リストラされちゃうよ。そうだなぁ、でもワープロぐらいできてもどうしようも
          ないか。これからはやっぱり、あれだよ、インターネットを使った新しいタイプの
          授業をやれなきゃ。なっ、O−TEACHER、そう思うだろ?
          インターネットで生徒に外国のエロ画像があるホームページを見せて、スラングを
          覚えさせるなんてどうだろう?ブロンドなんて単語、すぐ覚えるぞ。ギャハハハ。
          ところでO−TEACHER、インターネットとホームページってどう違うの?」

        まだまだこういう人が結構多いんです、学校には。私の苦労もわかっていただけます?

         「S先生、原因が分かりましたよ。」
         「おっ、早いねぇ。さすがコンピューターの達人O−TEACHERだ。で、何で
          このフロッピィ保存できないの?」
         「ライトプロテクトがかかっていましたよ。」
         「えっ?ウィルス対策で?」
         「.....」

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