悄然たる 12月 上旬 編



12月1日(水) なら先に言えよ!

        以前にも書いたが、本校は創立20周年なため、記念誌を作らなければならない。その原稿打ちと
        いうか、とりまとめの仕事をしている。原稿依頼などはほぼお任せなのだが、記念誌の資料編に
        ついては全くの白紙状態からやらなければならない。資料編というのは、旧職員名簿(何年から
        何年まで在校していて、現在どこの学校にいるか)、現職員名簿及び担当表、分掌の構成表、
        年度別部活動顧問一覧、必修クラブの盛衰(笑)等々。これらを10周年記念誌を作った平成元年
        以降のデータを網羅して載せなければいけないのだ。これは半端な量ではない。まぁ発行は来年
        4月だからまだ間があるが、かなり昔のことなので資料も散逸しているし、当時のことを知って
        いる人もほとんどいないので、大変な作業になりそうなのだ。そこで今から地道に資料集めを
        しておこうとしたのだ。

        その中でもまず旧職員名簿、かつてこの学校にいた先生の名簿作りから取りかかった。そこで
        こういうものは、事務の方にデータがあるだろうと思い、事務長のところへ行った。事務長は
        この20周年記念関係の事務局長でもあり、総まとめ的な立場なのだ。そこで聞いてみると
        「ああ、それなら去年私が出した職員名簿一覧があっただろう。」と言われ、その時配られた
        資料を見せられた。そう言えばこんなもの配られていたなぁ。去年は教務部だったので全然関心が
        なくて、『こんな過去に在校していた職員の名簿なんか作って暇だなぁ。』と思っていたのだ(笑)
        まさか自分が担当する羽目になるとは(-_-;)でもこれがあれば何とか出来そうだ。10周年
        記念誌に載っていた人と重複している人を削除し、現在いる人も除けば名簿ができる!ありがとう、
        事務長!「じゃあ、事務長、この資料借りていきます。記念誌作りに必要なので。」すると
        事務長は怪訝な顔をしていたが、だめだと言われる前に速攻逃げてきたのだ。そして約5時間かけて
        重複箇所をピックアップし、並べ替えをし、旧姓の人とかを中心に氏名を再度確認し、何とか
        完成した。フーッ、俺って仕事が速いなぁ、と自己満足に浸っていた。そして事務長に借りた
        その資料を返しに行った。

          「事務長、お借りした資料返しに来ました。いやー助かりました。これがあったおかげで
           半日で済みましたよ。いやー、一から資料探しするのかと思ってびびっていたんですが
           助かりましたよ。」
          「そのことだけどO−TEACHER、それって実は20周年記念誌の資料編用に作った
           原稿なんだけど...」
          「へっ?だってこれはかなり重複しているし...」
          「いや、面倒臭いからこのままでいいやと思って、だからわざわざ旧職員名簿なんか
           作らなくてもいいよ。これで代用するから。」


12月2日(木) 学習環境の実状

        昨日からストーブの使用が開始された。他の学校ではどうなのかよく知らないが、うちの学校では
        12/1からストーブ(ヒーター)の使用できるようになる。3時間目までつけることができる
        のだ。このところ急に寒くなったからとても待ち遠しかったのだが、ここにきてやっと稼働し
        始めた。しかしこのストーブというのもくせ者である。うちの場合、窓際の一番前についていて
        すごい勢いで温風を出す。ちょうど供託の真横に当たり、生徒の第一列目に直撃するような位置に
        あるのだ。だから後ろの方まで完全に暖めることはけっこう難しい。関が後ろの方のやつは
        「寒いよー、もっと強くしてー。」というが、一方で前の方のやつは上着まで脱いで汗だく状態。
        おまけに直接温風が当たるものだから、こっちも授業をやっていて喉が痛くなってくる。そのせいか
        どうか、風邪を引いて欠席する確率は一列目のやつが多いのは気のせいか?

        また、規則では3時間目までと決まっているので、どんなに暖かくてもなぜか3時間目までつけて
        いて(クラスに必ず一人ぐらい寒がりのやつがいる(笑))またどんなに寒くてもなぜか3時間目が
        終わると消さなければいけない。4時間目以降ぶるぶる震えるほど寒いこともしばしば。それでも
        最近は気温により臨機応変に使用時間を融通しているけど...

        考えてみるとこういう学習環境って、けっこう今までおざなりにされてきている気がする。ストーブ
        だけでなく、汚れるし環境にも悪そうな黒板とチョークの粉、トイレの老朽化、身体大きくて窮屈に
        猫背になりながらノートに書いている生徒、机が全部統一された規格サイズのため...これで
        勉強しろっていうのはけっこうかわいそう。こういう改善も必要ではないかなぁと、ぼーっと考えて
        いた。でも改善してもあまり勉強しそうにもないけど(笑)改善が必要なのは教員・生徒も含めた
        意識の方か(笑)


12月3日(金) ノート点検にて

        期末テストが近いのでノート点検をした。成績というのは、テストの点だけで評価するとけっこう
        大変なことになってしまう。普段授業中、全然聞いていなくてもテストの点だけちゃっかり取れる
        やつもいる。確かに頭がいいかも知れないが、授業中好き勝手にやられてはたまらない。そこで
        提出点とか平常点である程度縛りをかけざるを得ない。でもまぁこっちの方はいい。困るのは普段
        とっても真面目なんだけど全然点数が取れないやつの方。人はいいが勉強がまるでできない、何で
        うちの学校を合格してしまったのか...なんて言えた義理はなく、ほとんど高校全入の時代だから、
        当然こういう子もいる。でもこの両者を同じ物差しで評価すると、この真面目なできない子が
        進級・卒業ができなくなってしまうのだ。そこでこういう子のために、普段から地道にノートを
        取っていることを、評価してあげなくてはいけないのだ(ちなみに昔と違い、授業中ノートを
        取らない子も増えてきている!)

        そういうわけで今日、生徒のノートを集めて点検した。人のことは言えないが、まぁ、本当に汚い字の
        やつも多い。見るのも一苦労。またどういう書き方をしているのか、あっちこっち飛んで書いている
        やつ、びっちり隙間なく書き込んで、3ヶ月分の板書をノート半ページでおさめているやつ(驚)、
        よだれの跡、いたずら書きの跡...もう生徒の授業中の思考や正確までもが判断できるほどの
        珍品の数々(笑)その中で一冊だけ、私に対するメッセージが書き込まれていたノートがあった。たまに
        ノート提出の時に『O−TEACHER、××の話、面白かったよ。』なんて、可愛い女生徒から
        授業の感想が書いてあるときもあって、そういうときは嬉しいが、今回のは、とある男子からの
        メッセージ。

          『O−TEACHERのホームページのURL教えて下さい。色々と検索したんですけど
           見つかりません。』

        こんな教員の裏話ばかりのホームページを見られたら、やっぱりまずいっすよ(笑)


12月4日(土) 仕事の比重

        T先生から相談があった。I先生のことであった。何かと思ったら、昨日I先生がT先生の
        前で愚痴っていたそうである。それは仕事の分担が曖昧で、すべてI先生のところに集まって
        きて、とても大変だと言っていたらしい。確かにI先生は仕事ができる人なので、どうしても
        お任せになりがちなのは事実。しかし担任をやりながら(当然いろいろ大変な生徒を抱えて
        いるのは担任なら誰でもかわりはない)また行事のチーフとかなり加重になっている。まぁ、
        生徒の数も減って教員も目張りしている昨今、仕事量が増えるのはある程度仕方ないが、
        それにしても偏りが激しいのだ。学校というところは公平なようでいて、全然そうではない。
        出来る人に仕事が集中する...というよりも手を抜いてあまり仕事をしない人がいるのも
        事実。たいして仕事をしてない給料泥棒的なお気楽公務員も多いのだ(自戒)で、今までは
        全体の仕事量が、一般の会社に比べるとまだ楽な方だったと思う(友達などの話を聞いて
        比較すると)ところがだんだん人数が減るにつれて分担量が増え、より出来る人に偏りつつ
        ある気がする。あの頑張り屋で不平不満をあまり言わないI先生がこぼすのだから、けっこう
        深刻なような気がする。そういう不公平感を無くして、きちんと仕事量を調整するのが上の人の
        仕事だと思うのだが、得てして上の立場の人に限って、こういう現状が見えていなかったりする。
        私も今年はだいぶ楽をさせてもらっているから、とても心苦しい。それでも楽な人たちから
        比べれば全然働いていると思う。こういうのってどこの分野でもある永遠の課題なのですかね。
        でもとりあえずI先生が倒れる前にお手伝いしましょう...。


12月6日(月) 学校のホームページも難しい

        情報処理室で仕事をしていると、いきなり教頭が入ってきた。「O−TEACHER、ちょっといいか
        なぁ。」ん?もしや...時期が時期だけに転勤の話か!?とひそかな期待をしたが...実は学校の
        ホームページのことだった。どうやら県の方からクレームが来たらしい。実はうちの県、昨年度に
        あった情報教育関係の集まりで、ホームページを開設する場合は県の方にあらかじめデータを提出し
        事前に協議するように、ということになっていた。で、やっと今年出来たのでその伺いを出したら
        あまりにもたくさんの学校が申請してきたので、今年からは書面で提出するだけで良いということに
        なったのだ。まっ、いちいち各学校の担当者を呼んでプレゼンしていたら大変なことになってしまう。
        昨年まではそんなことも見越せなくて出した指示らしいが、朝令暮改でそうなったらしい。知り合いの
        学校に聞くといちいち県になんか報告せず、勝手に開設しているところも多いらしい(笑)というわけで
        私も、うちの学校のホームページは勝手にUPしていたのだ。だから教頭が「県の方から
        ホームページの件で電話があった。」と聞いたとき『やべっ、勝手に先走って開設したのが
        まずかったか?』と思ったのだ。

        ところがそうではなく内容についての話だった。それは著作権・肖像権についてのことだった。
        ひとつは学校の制服を紹介しているページ。学校要覧という学校紹介のパンフレットにも載っている
        写真をそのまま転用したのだが、どうもそれがまずいらしい。その制服を着てモデルになって
        いるのが卒業生なのだ。学校要覧にも載っていてあちこちで回っているからいいかなぁと思って
        いたのだが、どうやらまずいとのクレーム。最近こういう写真を見て個人を特定し、ストーカー
        まがいの被害が出ているらしいのだ。確かに載せるときちょっとまずいかなぁと思っていたのだが、
        やはり色々な危険なケースが考えられる。これはやっぱりあえてはずすべきだろう。そしてもう
        ひとつ、校歌が聴けるようにMIDIで流れるようにしたのだ。これもやはり著作権がらみで色々
        問題があるらしい。なかなか難しいものだ。ただ単に作ったホームページでも、著作権や肖像権など
        色々と難しく、思うようなページの作成は難しい。学校のPR用だから学校の様子や生徒の様子、
        そういう活気があって楽しい様子が分かればと思うのだが、個人が特定されてはだめ、著作権が絡む
        から転用不可(たとえ学校要覧とかに載っていても)校歌すらも。まぁ、そういわれれば仕方ない、
        削除しますか....でも何かどんどんつまらなくなっていくようで..。


12月7日(火) プリンタは正直者

        昨日、家で年賀状の印刷をした。今回新しいプリンタを買ったので試してみたくて仕方がなかった
        のだ。そこで適当に年賀状用画像サンプルを張り込んで、これまたインクジェット紙の年賀状で
        印刷してみた。なっ、なっ、なんという綺麗な出来上がり!ちょっと感動してしまいました。
        あまりの出来の素晴らしさにしばし呆然。昔はカラーで印刷できただけであんなに喜んでいたのに
        この技術の進歩たるや...個人でこんなに綺麗に出来れば印刷屋は困るだろうなぁと、他人事
        ながら心配してしまった。でもあまりに出来が良すぎて、知らない人が見たら、どっかのコンビニで
        頼んだやつだろうと思ってしまうのではないだろうか。だってデザインもかっよすぎるし...
        これでは私が作ったと信じてもらえないかもしれない。自分が作ったとわかってもらうために、
        ワンポイントで手書きのイラストを描いて、その画像を張り込んでみた。その結果は...最低に
        情けなくなってしまいました(笑)まっ、いいか。とりあえずこのサンプル画像そのままの、何の
        ひねりもなくて(^^;)どうせみんなたいして見ないんだし(笑)とりあえずこのホームページの
        アドレスだけはカウンター数稼ぎに載せておきますか(笑)

        と、そんな無駄なことをしながら年賀状の裏面をしこしこ印刷していたのたが、ふとインク残量を見て
        いると、見る見るうちに減っていく!えーっ!ファイン印刷ってこんなにインク喰うの?超綺麗印刷
        モードにして80枚もプリントアウトしていると、ほとんど無くなりつつある。まじーっ?まだもう
        少しあるんだけど、どうやら足りない様子。どうしようと考えている間にインク切れマークが出て
        止まってしまった。うーん、特定の色だけ多く使っているのに何か全部交換するのは悔しい。かと
        言ってわざわざ単色だけ買いに行くのも面倒くさい。えーい、と取りあえずカラーインクを取り出し、
        何度か振って(笑)再びセットしてみたら、何と!インク残量表示が満タンに!へっへっへっ。
        プリンターめ、騙されおったの。新しいインクに替えたと思ったのじゃろう。馬鹿め。元のままじゃ。
        これであと何枚かは何とかなるじゃろう。はっはっはっ。O−TEACHER、お主もなかなか
        悪よのぅ(家老口調(笑))さーてあと5枚ほどセットして、OKっと。テレビでも見てようっと..。
        予想がつきますね(笑)その通りです。プリンターが止まっているので見に来てみたら..無惨、綺麗に
        横線がまだらに入り、特定の色だけ抜け落ち、正月早々陰気な色の年賀状が出来上がって
        しまいました。やはりプリンターは騙せなかった(笑)


12月8日(水) ピンチ!O−TEACHER

        今日から期末テスト。でも今日の話題はまたまた胃部検診。何か何度も書いている気がするが(笑)
        近隣の高校で9時からあるということで、テスト中にも関わらず職免扱いで行って来ました。これが
        すごい順番待ちでけっこう時間がかかったのだ。やることは例年通りでバリウム飲んでぐるぐる回され
        写真を撮られるというやつ。去年これでひっかかって精密検査ということになり、わざわざ死ぬ思いを
        して胃カメラを飲んだけど、結局軽い胃炎だけという結果だった。まっ、やらないよりはやった方が
        いいけど色々面倒臭くて...。で、終わるとバリウムを出すために必ず下剤をくれるのだが、今まで
        ほとんど飲んだことがなかった。いつもお通じはいい方なので(笑)ところが今回は別に深く考えず
        何気なく飲んでおいたのだ。そして学校に戻りテストの採点などをした。

        で、生徒もテストは午前中で終わって帰ったし、採点にも息詰まってきたので、気分転換に
        ジョギングに出ることにした。時々暇なときはジョギングしているので、今日も軽い運動のつもり
        だったのだ。天気も良く、とても気持ちよく、『ああ、もうすぐミレニアムだなぁ。』と訳の分から
        ないことを考えて走っていたのだ。しかし気持ちよかったのは走り始めて10分ぐらいまでだった。
        そう、そこから悪夢は始まった。運動し始めて腸が活発に動き始め、おまけに日頃飲みつけない
        下剤なんかを飲んだもんだから、さぁ大変!急にキュルルーンともよおしてきたのだ!ところが
        走っているコースは畑の真ん中や川沿いの土手で、とてもじゃないがトイレなんてどこにもない。
        もちろんティッシュも持っていない。O−TEACHER最大のピーーンチ!なんとかお腹をかばって
        振動を与えないように内股走り。まるでオカマ走り。お腹はギュルギュル言って超特急状態。
        ジョギングの汗どころか、我慢していて冷や汗タラタラ。近くでトイレを借りようにも
        人家もない。とうとう追いつめられてきて、マジで人目を気にして藪とか探してしまいました(笑)
        でも何とか我慢して学校まで変な走り方で着いた。良かった、人間の尊厳はとりとめた。トイレに
        駆け込もうと、玄関で靴を履き替えていると、ちょうど通りかかった、とある先生が「おっ!
        O−TEACHER、ジョギング?すごい汗だねぇ。頑張ってるねぇ。」どけ、このヤロウ!今は
        それどころじゃないんだ。緊急事態なんだ!と思いながらも、笑顔でお尻を押さえ、走り去る
        私でした。(笑)あー、危なかった(笑)


12月9日(木) ハードディスクは高速回転中

        試験監督をしながら考えた。今この教室で試験を受けている40人の生徒は、すごい勢いで答えを
        考えているんだよなぁと。記憶してきたことを何とか思い出そうと頭をフル回転させているのだろうと。
        もしこの状態をコンピューターにたとえるなら、40台のハードディスクがすごいスピードで
        読み込んでいる状態になるのでは?でも人によって容量に差があって、2GBぐらいのやつもいれば
        13GBぐらいの大容量のやつもいるし、ほとんど勉強してこなくて、全く覚えていない
        30MBクラスのやつもいたりする(笑)また、今日は試験が2科目あるから当然2科目分、覚えて
        こなくてはならない。ハードディスクを分割してあって2つに分けて記憶しているやつはいいけど
        中には1つのやつもいて、地理と世界史がごっちゃになって訳が分からなくなっているやつもいる
        だろう。またそれがデフラグとかかけていないものだから、ところどころしか思い出せなくて、
        断片化したものしかでてこない...(笑)

        またそれをシャーペンという出力装置で解答用紙に必死に書き込んでいく。これにも色々差がある。
        きれいにどんどん書き込んでいくページプリンタみたいなタイプ。ところどころに、まだらに
        なりながらポチポチ書き込んでいくドット印刷タイプ(書き込むときもやたらカリカリ音をさせている)
        ほとんど何も書けず、すぐに排紙してしまっているインク切れのやつ(笑)そんなことつらつら
        試験中考えてしまいましたよ。そんでもって試験が終わるやいなや、頭の中の記憶はきれいに
        フォーマットされてしまうのね(笑)

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