第9弾 高校野球県予選

       実はうちの学校の野球部、弱小なんです(^^;)私がこの学校に転勤してから、勝ったという
       話は聞いてません。少なくとも7年ぐらいはすべて1回戦負け。おそらく10年ほど
       遡っても。毎年毎年9人集めて出ることが精一杯の野球部。ところが今回はなんと1回戦突破!
       これだけでも歴史的な快挙!ところがところが、なんと2回戦も勝ってしまったのです!
       私は仕事の都合で1回戦は応援に行けなかったけど、2回戦以降は時間を見つけて応援に
       行きました。いやー、燃えました。というわけでそんな様子をちょびっとレポート。



野球01 1回戦は何と8−1の7回コールド勝ち!
勝っただけでも10年ぶりぐらい
なのに
ましてやコールド勝ちなんて...。
すごすぎる。というわけで2回戦の様子から。

野球02

       こんな感じで2回戦。実はこの球場、私の家から激近なのです(^^;)なもんで朝の第1試合で
       9時開始も楽々間に合う。しかし初回から大ピンチ!2点を取られて厳しいスタート。
野球03
    で、応援団は有志のみ。せっかくの日曜日だけど、今まで野球応援なんて
    したことのない学校。だから生徒も20人ぐらい。あとは父兄と
    OBのみの寂しい応援。

野球05

いきなりのピンチにみんな不安そう。頑張ってという
声がかかる。応援団も固唾をのんでしまう。
日頃から負け慣れているだけに、逆に選手の方は
あまり動揺がない様子(笑)
野球08
しかしいきなり逆転!3点を取る!今までこんな集中打
見たことない(笑)でもなぜかこの写真は空振りして
いるところ(^^)
3回を終わったところで3−2と逆転に成功。
野球09
うちのエースは2年のサウスポー。どんなピンチになっても
動じず、淡々と投げていた。しかし4回裏に1点入れられ
3−3の同点。しかし1アウト満塁のピンチも守りきる。
野球11
                         応援団といっても20人足らず。それでも
                         頑張って校旗を振ってくれました。
野球12
7回に勝ち越して4−3。しかし9回裏1アウト満塁。
一打サヨナラ負けの大ピンチ。途中エースが負傷するも
気力で投げきり、最後は2者連続三振。それも最後の
打者の時はツースリー。でも見事三振に切ってゲームセット。
喜びよりも緊張感の解けた安堵感の応援団でした。
でも4−3で見事勝利。2つも勝つなんて誰が予想した?
よくやったぞ!野球部!


そしていよいよ前人未踏の3回戦!それも県営球場で地元テレビの
中継あり。こりゃあ行くっきゃあないでしょう(笑)今回は午後の1時40分からの
第3試合。応援団も50人に膨れ上がり大声援だったのだ。しかしさすがに
ここまで来るとシード校と当たる。力の差は歴然。でも精一杯頑張って
欲しかった。臆することなく頑張って欲しかった。

野球3-01
当然相手はブラバンありのチアリーダーありの大応援。
でもうちのエースは相変わらず淡々と投げきっている!
野球3-02

いきなり初回2ランホームランを打たれる!やはり力の差がありすぎるのか?やはり初回から応援団は暗くなってしまった。



野球3-05

                 ところがなんとなんと!2回の表、うちにも奇跡の
                 2ランホームランが出てしまった!すごすぎる!
                 信じられない!あっという間に2−2の同点で
                 いきなり活気づく応援団。これ以降とっても声が
                 出るようになりました。
野球3-07

見よ!この大盛り上がりの応援団を。
有志で来ていた教員も我を忘れて
おおはしゃぎ(^^;)しかしこの後
集中打を浴び2−9。頑張れーっ!
野球3-09

しかし善戦むなしく8回コールド負け。
(7点差以上ついた時点で)でもよくやったぞ野球部!
拍手はいつまでも鳴り止みませんでした。






しかし今回のことでつくづく感じたことがある。それは愛校心。
ちょっと堅苦しいかもしれないけど、そうとしかいいようがない。
うちの学校みたいに県下でも最低ランクの困難校は、どうしても
生徒自身にひがみというか劣等感意識を持った子たちが多い。
だから学校誇りをに持つどころか、外で校名を言えなかったりする
ことも多いらしい。でも今回の野球部の頑張りは、やればできる
自分たちの代わりに頑張ってくれた、そういう気持ちを他の子たちに
感じさせてくれた。特に2回戦では超進学校に勝ったときは、
生徒たちは「あのT高校に勝ったんだよ。」と口々に言っていた。
よほど学力の差が引け目になっていたのだろう。そう痛感した。
でも勝った後の校歌が流れたシーンでは、勝利の余韻とともに
応援団全員で大声で歌っていた。日頃いくら言っても卒業式や
終業式では歌わないに...。途中の応援の様子は、見る人が見れば
全然まとまっていなくて、格好悪くて、口でトランペットの真似をしたり
どちらかというと野蛮な(笑)応援だったかもしれない。でもそんな
野性味あふれるパワーがまとまったとき、相手校のブラバンに全然
負けていない、素晴らしい一体感が生まれた。「どうせうちの学校
なんか...」「どうせ馬鹿だからさ」といつも卑下していた彼らの
顔が自信に満ちあふれていたのは決して見間違いではない。そんな
素晴らしい瞬間だった。応援には、かつてのOBや以前いた教員も
多数来ていた。やはりみんな元自分の学校の快進撃が嬉しいのだ。
その頑張りが誇りなのだ。そんな一体感が気持ちを高揚させてくれた。
「愛校心」とは言い難いが、自分の学校名を連呼して声を嗄らしている
生徒を見ていて、胸が熱くなった。そして野球部の短くて、でも
とても暑い夏が終わった。

index