cooking

大学を出て一人で暮らすようになってから(仕方なく)つくりはじめたくちではあるが、やっていてだんだん面白くなっていった。いわゆる最高の素材、珍しい食べ物を目指すような食通グルメではなく、ありきたりのスーパーで買い物をして、といった極めて庶民的なレヴェル(?)である。

得意料理は、麻婆豆腐、餃子、等中華料理何品か、カレーは市販のルーで作るようなものからインドカレー、タイカレーまでチャレンジする。日本料理も好きで、鰹や昆布からだしを取って、きんぴらゴボウ、切り干し大根、ヒジキの煮物、はたまたタイとタケノコの煮付けなどつくって日本酒を片手に悦に入っているといったこともある。いつか一度、演奏家が得意料理を持ち寄って、お客に酒(日本酒!)を飲ませながら演奏を披露する「居酒屋コンサート(割烹コンサート)」を冗談でもやってみたいと思っている。モーツァルトとぶり大根はいささか珍妙な取り合わせに過ぎるにしても…

西洋料理はやはりつくりやすさからスパゲッティが多い、トマトソースを作ったり、輸入食材店で買ってきたチーズをからませたりと、色々するのも楽しい。

あと、ここ数年、オーストリアに音楽祭で出かけるせいか、オーストリア料理に少々興味がある。オーストリア料理というと、肉食民族の大味な料理と思われがちだが、(確かにそうではあるが)…音楽祭の宿舎に自炊施設があるため、レストラン通いに飽きると、スーパーで食材を買い込んできて、行きの飛行機の機内食でくすねて来た塩こしょうを片手に、自分流の料理を作るといったこともある。

野菜はなかなかに種類豊富である。帰りに買っていきたいくらいだが、帰国の検査のことを考えると面倒ではある。代わりに買うのが、「インスタント食品」例えばインスタントスープ。コンソメとオニオンといった一般的なものから、ニンニクスープ、キノコスープ、キャベツスープといった郷土料理的なものまで種類豊富である。袋を切って中の粉末を鍋にあけ、水を加えて火にかけるだけの手軽さで、なかなかにおいしい。あと日本のカップラーメンのオーストリア版とでもいおうか、インスタントパスタがなかなかに良い。カルボナーラ、ハムとトマト味、ゴルゴンゾーラチーズ味、等々。オーストリア版牛煮込みとでもいうか、ハンガリア風牛肉煮込み「グーラッシュ」の素、それから各種ステーキ用ソースも、日本でお客さんのおもてなしに重宝している。

ソーセージにつける辛子の類も、所謂マスタードから、日本のショウガ、ワサビに似たものまで色々とチューブを買ってくる。向こうの野菜はなかなかにうまい。また驚くほど安い。肉は煮込むといささかアクが多いけれども…


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