<Bienvenue a Tokyo!> 第10弾
東京へようこそ!

 2008年7月、パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)日本公演(神戸と東京)の為に来日中のクリストフ・グランデル(Christophe Grindel)さんにインタビューしました。グランデルさんは、パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)管弦楽団のイングリッシュホルン(コールアングレ cor anglais)奏者。
 国立ルーアン音楽院を経て、パリ国立高等音楽院(CNSM)に学んだグランデルさんは、1981年から85年に掛けてフランス国立管弦楽団で演奏しておられました。コートダジュールの管弦楽団の首席オーボエ奏者を経て、パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)管弦楽団のイングリッシュホルン奏者に就任。オーボエ、オーボエ・ダモーレ、イングリッシュホルンと様々な楽器で、バロックから現代物までの様々な作品を演奏しておられます。
 私がグランデルさんに初めてお会いしたのは、2003年秋のこと。グランデルさんの奥様であるパリ国立オペラ(パリ・オペラ座)管弦楽団首席フルート奏者のカトリーヌ・カンタン(Catherine Cantin)さんと私は、彼女がサイトウキネンフェスティヴァル参加の為に来日された時からの友人です。カンタンさんが、パリ滞在中の私をご自宅に夕食に呼んで下さった時、グランデルさんにお目に掛かったという訳です。
 お2人は素敵な一軒家に、お子様4人と沢山のペットと一緒に住んでいらっしゃいました。犬、猫、鳥、そして、3匹の亀!


<音楽に関する質問>
野瀬百合子(以下Y): パリでお目に掛かってから、もう5年になりますね。パリでは、お宅に呼んで下さって、ありがとうございました。カトリーヌは元気ですか?今回、彼女に会えなくて残念ですが・・・。
クリストフ・グランデル(以下C): 彼女は元気ですよ。講習会で北フランスに行っていましたが、昨日、パリに戻った筈です。講習会は、アンドレ(パリ管首席ホルン奏者のアンドレ・カザレAndre Cazalet)と一緒だったんですよ。
Y: グランデルさんは、今回、パリ・オペラ座来日公演の為においでになりましたが、先生としてのポストもお持ちでいらっしゃいますね。パリでは、演奏活動と教師業を、どのような割合でされているのですか?
C: 2つのコンセルヴァトワールで週に10時間レッスンをしています。私が教えているのは、パリ20区のコンセルヴァトワールと、パリ郊外のバニョレのコンセルヴァトワールです。オーケストラでの活動に比べて、教える時間数はとても少ないのですが、教えるのは楽しいですよ!
Y: 今後の演奏活動について、お聞かせ下さい。
C: 来シーズンのパリ・オペラ座の出し物は、コールアングレの出番の多い物ばかりなんです!ワーグナーの「トリスタンとイルデ」、ラヴェルのト長調のピアノ・コンチェルト、ショスタコーヴィッチの「ムツェンスク郡マクベス夫人」、ヴェルディーの「仮面舞踏会」等々。ですので、帰ったら早速準備に掛かります。
バロックオーボエでのコンサートのオファーも沢山来ているので、そちらの練習もしなくては。これまでにバロックオーボエで2つのプログラムの演奏会をしたのですが、とても評判が良かったんです。
Y: そうなんですか。ところで、次に日本にいらっしゃるご予定は?
C: 日本は、これまでに5回来ていて、大好きな国なのですが、今のところ、次の来日予定はありません。でも、きっとまた来られると信じています。私は、会う人、会う人が敬意を持って接してくれるこの国が大好きです。勿論、聴衆も素晴らしいですし。
Y: 今回が5回目のご来日なんですね!
C: そうです。20年位前にフランス国立管弦楽団の公演で2回来て、15年前には、パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)管弦楽団の公演で来ています。その時の指揮者は、ジョルジュ・プレートル(Georges Pretre)でした。そして、ミッシェル・ルグラン(Michel Legrand)の公演でも来ているんですよ。それは12年前になります。
Y: 近いうちに、ご来日の機会があることを祈っています!
<ホテルについての質問>
Y: 次に、ホテルに関する質問をさせてください。私は、ホテル関係の雑誌にコラムを連載していたことがあるもので、フランス人音楽家の方々のホテルに関する考え方に、大変興味がありますので。
グランデルさんは、年に何日位、ホテルに宿泊されますか?
年に何日くらい、ホテルに宿泊されますか?
C: 仕事での宿泊ですね?おそらく、10日位でしょうか。
Y: ホテルに、どのような要素をお望みですか? 静かさ、心地よさ等の要素があると思いますが。
C: まずは、静かであること。ホテルでゆっくり休めることが何よりです。そして、部屋で練習出来ることが望ましいです。
Y: 今までに宿泊されたホテルの中で、最も気に入っておられるホテルの名前を挙げていただくことが出来ますか?
C: 今回神戸で泊まったポートピアホテルが、とても良かったです。
Y: ところで、日本のホテルの特徴は何でしょうか?
C: お客への対応が丁寧なことでしょうか。そして、その町やその国を知らないお客へのサポートが実に素晴らしいと思います。
ありがとうございます。 
<その他の質問>
Y: ご家族についてお訊きしてよろしいですか?
C: 勿論です。私達には4人の子供達が居ますが、全員、音楽をやっているんですよ。妻は、パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)管弦楽団首席フルート奏者です。
Y: 夏休みは、どうされるんですか?
C: 毎年、太陽を求めて南フランスに行くことにしています。
Y: グランデルさんは、日本文化のどういった部分にご興味を持たれていますか?
C: 特に興味があるのは、音楽と建築です。
Y: 日本料理はお好きですか?
C: 大好きですよ!
Y: では、東京で最もお気に召したレストランは?
C: 渋谷にある小さなレストラン、良かったですヨ。そこの料理人はフランスで勉強したそうですが、その料理は、とてもとても繊細でモダンで、日本の伝統料理とフランス料理が混ざり合ったものでした。
Y: 今回の公演で神戸と東京に滞在されましたが、この演奏旅行中で最も美味しかったお料理は?
C: その渋谷のレストランの牛の頬肉とスズキが美味しかったですね〜!そして、神戸で食べた神戸牛も。
Y: 渋谷のお気に入りのレストランの名前、おわかりでしょうか?
C: カードを持っていますよ!
Y: 喰人!“Cuisine”を捩った名前ですね、きっと。渋谷は家から近いので、一度行ってみたいと思います。
(*お気に入りのレストラン情報は文末に。)
今日は、ありがとうございました。

 パリ国立オペラ(パリ・オペラ座)日本公演にはうかがわなかったのですが、野中貿易で行われたマスタークラスを聴かせていただきました。コールアングレは、とても訴えかけの強い楽器。ラヴェルのト長調のピアノ・コンチェルト、グランデルさんの演奏で聴きたいなぁと思いました。

<クリストフ・グランデルさん お気に入りのレストラン>
渋谷焼處 喰人
http://r.gnavi.co.jp/a827300/
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町26-2 サンルイビル3F
Tel:03-5459-8899

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