アンボセリ国立公園

 

5日目
アンボセリ国立公園のゲートが見えてきた。ここはキリマンジャロ山が最も美しく見えることでも
有名、ただ雲がかかることが多く雄大な姿を見ることが難しいらしい。事実車の走行中に山の
方角は周囲は晴れていてもまったく姿を見せなかった。ロッジに到着したのがかなり遅かった
のでこの日はシャワーを浴びて夕食をするだけで終わった。
ただ、今回宿泊したオル・トウカイ・ロッジは最も良かった。翌日に期待して就寝!!

 

 

 

 

 

6日目

 

早朝サファリ・ゲームの前に庭に出てキリマンジャロの方向を見るが残念ながらかすかに稜線が
判別できる程度であった。昼間は通常でも殆ど見えないので夕方と明日の朝に期待する。
ということでサファリ・ゲームに出発、しばらく走るといきなり道路を「アフリカゾウ」が横断、車は
十分距離をおいて一時停車する。かなりスリルがある。

 

 

サファリカーが群がっているところに寄ると子供の「ライオン」が数頭寝そべっていた。周りを車が
取り囲んでいてもまったく無視しているが、きっと近くで親ライオンが見張っているに違いない。

 

 

満足してロッジに戻る。
すると「ヒヒ」の群れや「サバンナモンキー」の群れをあちこちで見かけた。勿論野生であるが人を
怖がらない。ルールではあるが餌をやる人は誰も居ないのはさすがで、日光の猿が餌をやったため
人の物を獲っていくので大騒ぎになっているのとは大違いである。
今日は午後アンボセリのなかで唯一車から降りることのできる「オブザベーションヒル」に立ち寄ること
になっているのでいつもより早めにサファリ・ゲームに出発予定、それまでの間ロッジの庭を散策

 

 

 

 

 

午後のサファリ・ゲームに出発。

 

 

運のよさに満足し「オブザベーションヒル」へ向かう。

 

 

 

 

 

ここは高さはせいぜい50mちょっとの小高い丘だが、上からの眺望は最高であった。アンボセリの
広大なサバンナが一望できアフリカの大きさを実感する。これでキリマンジャロが見えたら言うことなし
だったがそれは贅沢というものとあきらめる。ところどころに「キリン」が良く食べるアカシアの森が点在
しているが、カランジャさんによれば10年くらい前までは全体にアカシアが茂っていたとのことである。
キリンやゾウの旺盛な食欲も原因ではあるが、温暖化でキリマンジャロの雪解け水が減ってきたことが
大きな影響を及ぼしているとのことで、20年後には砂漠化してしまうのではないかとのことである。
地球温暖化はここにも影響していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイロビに到着、市内のバーベキューレストランでケニア最後の食事をする。
ウェイターが次々と焼きあがった様々な種類の肉を持ってテーブルをまわり、食べたい
肉を頼むシステムで、折角だから普段食べる機会の無いものをということで「ラクダ
ワニ」「ダチョウ」を食べてみた。どれもかなりいける味で、ラクダは脂身の多い羊肉
のような感じ、ワニは鶏のささみのよう、ダチョウはオーソドックスな鶏肉といったところ
である。周囲を見渡すとエリートサラリーマン風、高級官僚風の人が大変多く、きっと
高級な店なのかもしれない。びしっと決めたスーツ姿を見ているとサバンナで見かけた
人びととあまりに違いが大きいのに驚かされる。
隣接しているケニア最後の訪問先の「アフリカン・ヘリテージ・センター」へ立ち寄る。
ここはアフリカの古代出土品や民具、装飾品などが陳列されている博物館と土産物屋が
一緒になったようなところである。残念ながら室内は撮影禁止であった。
すべてが終わり「ジョモ・ケニヤッタ国際空港」に到着した。ここでカランジャさんとマチュさん
来るときは忙しく空港内を見学できなかったがドバイ行きの出発まで3時間近くあったので
免税店を見て周ったが、空港の規模に比べて店の数が大変多かった。サファリ・ツアー
の途中で買ったみやげ物とついつい比較してしまったが、安く買えたことが分かりほっとする。

 

 

 

 

 

 

その後最後のサファリ・ゲームに出かける。「ゾウ」「キリン」「ヌー」「ガゼル
インパラ」などを見てロッジに戻り、荷物をまとめ車に積み込む。衣服は
例によって全部捨てて身軽になる。出発までロッジの庭で一服していると
部屋係が近づいてきて「部屋に置いてある服やサンダルを貰いたいので
一筆書いてくれ」という。「私はMr.ステイーブに衣服他をあげます。署名」
と名刺に書いて渡したら大変喜んでいた。ちょっと日本人の贅沢さを恥ず
かしく思った。もっとも、持っていった衣服は体格の良い子供のお下がり
のダブダブを寝巻きがわりにしていたものではあるが・・・・・・
ナイロビまでは250kmくらいだが途中「地球の裂け目」と呼ばれている
「アフリカ大地溝帯」が良く見える展望台に立ち寄った。ここからの眺めは
本当に素晴らしく7000kmに及ぶ大地溝帯の雄大なスケールを実感した。
地殻変動による陥没で生じたといっても峡谷というイメージとは程遠く広大な
低地が無限に続いているという感じである。

 

 

 

 

 

とはお別れ、本当に親切にしていただいた。

 

 

 

 

 

 

アンボセリの動物
カランジャさんの計らいで空港に早めに着いたため、空いており出国手続きもスムーズに済み
ナイロビを発ち、ドバイ空港で少し買い物をし一路日本に向かう。
大変楽しい旅であった。

旅を終えて

大自然のなかで生きている動物を見るという長年の夢が実現した旅であった。また欧米人ほど優雅に時間を取れた訳では

ないが、サファリゲームが最高のリゾートステイであるという実感を味わえたのは収穫であった。

朝夕のサファリゲーム以外はロッジで好きなように過ごすという毎日は、他のツアーとはまったく異なるものであった。バカンスの

長い欧米の人に大変人気があるのも納得できたが、反面日本人には苦手なのかなとも思ったりした。事実今回日本人の観光客は

たった一組見かけただけであった。しかもエジプト観光と抱き合わせとのことであった。忙しいツアーが向いているのかも???

ところで日本に帰った後NHKテレビでアフリカ特集の報道番組があり1回目がケニアであったのでついつい見てしまったが、アフリカ

諸国のなかでもそこそこ豊かで安定していると思ったケニアでナイロビ郊外には70万人とも言われる人々が住むスラムの実態や

ナイロビに住む人々のうち10%がエイズ患者であるということを知り少なからずショックを受けた。われわれが見てきた快適な気候

のなかの大自然や動物達と贅沢なロッジとはかけ離れており深く考えさせられた。

またニュースでマサイマラで日本人観光客が強盗団に襲われカメラや金品を強奪されたことを伝えていたが、ある程度アフリカに対し

持っていた知識よりはるかに負の面が多いことを思い知らされた。

短期滞在のツアーでは不十分ではあるが、つくずくもっと訪れた国から日本を見るように努めなければと帰国してから思った旅であった。

 

 

 

 

だいぶ日も暮れてきたのでロッジに戻る。今日もキリマンジャロは見えなかったが、明日に期待して就寝。

 

7日目
今日はいよいよケニア最後となる日、歯を磨いているととなりのロッジから
「キリマンジャロが見える!!!」という叫び声が聞こえあわてて外に出て
みるとついに雄大な山がその姿を現していた。庭は観光客で一杯、ここも
日本人は私たちだけである。15分ほどで雲間に隠れてしまったが大いに
満足、本当にラッキーであった。
その他にも「ハイエナ」「デイックデイック」などを見ることができた。「デイック・デイック」は非常に
小型の(30cm位)のレイヨウの一種でとても可愛らしい。「インパラ」「ガゼル」「コンゴニ」などすべて
レイヨウの一種だがこれがウシ科レイヨウ類といわれても鹿そっくりなのが面白い。