野中 勝
釣りロマン(1)鮭釣り
日本では沖での鮭釣りを除き、採卵のための捕獲以外に鮭を取ることはできませ
んが、「調査」の名目で北海道では鮭釣りができる川がありました。ところが、今
年初めて本州で鮭を釣ることができたのです。石川県の手取川です。釣り師として
は、この機会を逃すわけには行きません。しかし参加資格は抽選によるため、往復
はがきをだしましたが、昔からくじ運の悪い私のこと、やはり外れてしまいました。
一人1通の規定を守った私が甘かったのかもしれませんが、釣り仲間は2通だして
2通ともあたり、その1通を譲ってもらい、ちゃっかり参加しました。
一般的に鮭は繁殖のために生まれ故郷の川に帰ってきますが、川に遡上した鮭は
エサを食べないと聞いていました。しかし、川にのぼりはじめたばかりのころはま
だエサを食べるそうで、そこをねらって釣るのです。手取川は、河口から1kmくら
いのところに漁協のやながあり、それ以上は遡上できません。釣り場はやなの下500m
くらいのところから下流で、一日50名の限定です。釣りは自然が相手、「絶対」は
ありえませんが、それでも情報は大切なので、前日に下見をして、よく釣れていた
ポイントにはいることにしました。
釣り方はルアーで、9ft6inのシーバスロッドにPEライン2号を巻いたスピ
ニングリール、フロロカーボンライン5号をリーダーとして、タコベイト付きスプー
ンをキャストしました。時々、水面に鮭が顔を出します。底すれすれにルアーを引
いていると、突然「ガツン」と衝撃、竿が満月になり、リールから糸がじりじりと
出て行きます。たしかに重い、でもスピードはありません。ゆっくり寄せてタモに
収まったのは70cmを越えるメスの鮭でした。今回のルールでは、オスは2匹ま
で持ち帰りできますが、メスはすべて漁協に提供しなければなりません。記念写真
を撮って釣りを再開しました。
私たちが入ったポイントは、水深の浅い瀬から深みへ落ちる「かけあがり」の辺
りで、鮭がかたまっていたようです。結局私針外れで3回逃げられたものの、メス
の鮭を3匹、オスを2匹釣ることができ、7時から始めた釣りを、10時に終了し
なければなりませんでした。
後日、新聞で他の人の釣果を見る機会がありましたが、私の結果はかなり良い方
に属したと思われます。来年も是非参加したいと思っていますが、くじ運の悪さは
どうしようもないので、他人に名前を借りて、当選確率の向上を図ってみるつもり
です。1年に一度しかないチャンス、まさに釣りロマンですね。
釣りロマン(2)ワカサギ釣り
ワカサギという魚は、鮭と同じように本来は海の魚で、産卵のために川に遡上す
る性質があります。そのワカサギの卵を池や湖に放流し、孵化・成長した魚を釣る
ようになりました。
放流されたワカサギは池や湖に順応し、自然に繁殖するようにもなりましたが、
本来のワカサギの姿は、阿寒湖や霞ヶ浦、三方五湖などで見られます。
ワカサギは、氷に穴を開けて釣る「穴釣り」のイメージがありますが、地球温暖
化の今日、長野県の諏訪湖ですら凍らなくなってしまい、ボート釣りがほとんどと
なってしまいました。
この付近では、犬山市の入鹿池、岐阜県の伊自良湖などが有名ですが、私は入鹿
池の常連として20年以上通っています。
「小さくて、引きが弱いし、簡単に釣れてつまらない。」と言う人もいますが、
道具を工夫して敏感な竿を作り、他人よりたくさん釣ろうとすると、それなりに難
しいものです。
ワカサギは数を釣る釣り、私のワカサギ釣りの標準釣果は1時間100匹、最高
は6時間で約930匹。釣っている時のリズムで大体の数が分かるようになりまし
た。たくさん釣るコツは、他人が釣れない時に自分だけ釣ることです。
ワカサギは群れて行動する魚と言われていて、その群れをうまくつかむことは当
然ですが、群れから離れて単独行動しているやつが必ずいます。それを釣ることが
できれば、他人よりたくさん釣ることができます。
ワカサギの中にも、元気なやつとおとなしいやつがいて、元気なやつは活発にエ
サを食い、誰でも釣ることができますが、おとなしいやつはこっそりとエサを取っ
ていきます。そのこっそりエサを食うやつを釣ることができれば、他人よりたくさ
ん釣ることができます。
それでは具体的にどのように釣ったらいいのか。まず、仕掛けから紹介します。
小さなワカサギに合わせた小さな針が7本付いた仕掛けが標準です。「がまかつ社
細地袖2号」がベストで、これ以外は現在のところ考えられません。ただ、市販の
仕掛けには2.5号のオモリがついていますが、これをより小さな1号に替えるこ
とが大切。1号の方が2.5号よりはるかに軽く、ワカサギのアタリを殺さないか
らです。
エサはアカムシ、ユスリカの幼虫ですが、水分が多く小さいので、指でつまむと
潰れやすく、大根の輪切りの上にアカムシを載せ、エサには手を触れずに針で直接
刺すようにします。初めての人にはこれが難しい。エサ付けに苦労しているうちに、
7本の針がからんでしまい、釣りになりません。
私の竿はグラスファイバーの素材を自分で削って、ごく敏感な穂先に仕上げてい
るので、1匹が1gもない小さなワカサギがアカムシの先を舐めただけでも、竿先
が震えるようになっています。ですから、こっそりエサをただ取りされることはあ
りません。
先に書いた「単独行動してるやつ」は、底近くをあまり動かずにいるので、一番
下の針が底をするように調整します。そしてもう1本竿を準備し、これは群れで行
動するワカサギを釣るために、中層から上層を探るようにします。
釣りのノウハウ本によると、「ワカサギはアタリがあってもすぐには上げず、何
匹か針にかかってからあげなさい。」と書かれていますが、この方法ではエサを取
られることが多く、むしろエサ付けに時間がかかって効率の悪い釣りとなります。
1匹ずつでもいいから、エサを取られることなく、ワカサギを釣るようにした方が、
結局は数を稼げます。
今年は入鹿池が浚渫工事で釣りができず、少し寂しい想いをしていますが、滋賀
県の余呉湖は雪が積もるころには好調になると思うので、年が明けてから一度行っ
てみようかと思っています。これからは極寒期の釣りとなるので、よほどの釣り好
きでないと無理かな?
「家の中でゴロゴロ」が大嫌いな私は、雪で高速道路が通行止めになっても出か
けてしまいます。もちろんそのための装備は十分していますが。
「氷点下の自然の中で、小さなワカサギと対話する。」やはり釣りロマンですね。
2001年1月11日「ワカサギ釣り」結果報告
犬山市の入鹿池、なんとかボートが出せるようになったとのことで、1月9日朝
から釣りに行きました。結果は目標(100匹/時間)には届かなかったものの、
7時間強で667匹でした。
他の釣り人は、常連で200〜300くらいと思います。その倍以上釣るために
は、経験と研究、そして忍耐です。
でも、初心者でも100匹くらいは釣れるんじゃないかな?よかったら一度チャ
レンジしてみてください。
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