ポーラー・スター 八神純子 昭和54年7月25日 発売
詞:八神純子・三浦徳子 曲:八神純子  編:大村雅朗

 「わが青春のニューミュージック」の1曲目には、この曲を選んでみました。

 八神純子さんの歌と出会ったのは、ご他聞に漏れず私も「みずいろの雨」からでした。よく通るハイトーンの声と「♪降り続くのーーーー」のメロディにKOされました。
 「ポーラー・スター」は私が中学生時代にずいぶんと聴き込んだ歌です。この歌を聴けば、盆踊りの夜に初めて夜通しで遊んだことなどがフラッシュバックします。(極私的な記憶です(^^ゞ)

 この楽曲はイントロからして壮大で、それまでのアルバムの楽曲とは趣を異にしています。ホルンの響きがイイですネ。もちろんトランペットの「チャーンチャーン チャララッチャー」と折り重なるフレーズと、テューバやトロンボーンの低音ブラスの「ジャッ ジャーン」の掛け合いも気持ちよく、ツインリードのディストーションギターのチョーキング、「タンタタ タンタタ」というドラムスのノリも申し分ありません。楽曲の導入部として、これほど魅力的な例はなかなかありません。
 Aメロのバックでは低音が半音ずつ下がっていき、叙情的に流されてしまいそうなメロディをリズミカルにサポートしています。セカンド・アルバムにもこの「ポーラー・スター」は収録されていて、そのクレジットではだれがどの曲を演奏しているのかはわかりませんが、この曲のドラムスは村上“ポンタ”秀一だと思うんですが‥‥。リズムを強調した、変化に富んだプレイが堪能できます。
 そしてサビへと盛り上がっていく弦の駆け上がりフレーズで、緊張感がぐっと高まっていきます。
 サビは「♪ポーラー・スター」の歌詞に対して、1回目は「シ・ド・ラ」、2回目は「ラ・ド・シ」という別のメロディがふられていて、どちらも魅力的な組み立てのメロディです。特に2回目は切ない響きを持っているので、サビが終わりに近付いているようにスムーズに次のフレーズを導入しています。これでもかというハイトーンのファルセットで、だれにも真似のできない歌唱力を充分に活かして間奏に入ります。
 そして間奏の後は再びAメロに戻りますが、ここでのチェロを中心にした低音の弦の合いの手がカッコいい!(アルバムver.の高音の弦はちょっとうるさく感じます。)

 北極星(ポーラー・スター)に「想いを伝えて欲しい」という祈りを捧げる内容の歌詞ですが、ブラス、弦ともに重厚なアレンジで、壮大な曲調にはよく合っています。夏の夜にはピッタリの1曲です。

 八神純子さんはこの後、「Mr. ブルー」や「I'm A Woman」などのハードな曲調に移行し、ヒットから徐々に遠ざかってしまったのが残念でした。聞くところによると、八神さんはご自身の透明感のある声はクセが無さ過ぎて嫌いだそうで‥‥。だから敢えて、その声を武器にしないようなハードな曲調に移行して行ったそうです。

 八神純子さんのシングルにはカップリングに佳作曲が多く、この「ポーラー・スター」のカップリングの「ビューティフル・デイ」ももちろん名曲です。数年前にやっと、突然CD化されて狂喜いたしました。いずれは取り上げてみたい楽曲です。

宿無し 世良公則&ツイスト 昭和53年4月10日 発売
詞:世良公則 曲:世良公則 編:ツイスト

 はっきり言って、「あんたのバラード」はコテコテの浪花節に聞こえてしまって、ちょっと聴くのに恥ずかしくなります。しかしこの2ndシングルは、激しいギターのイントロと唸るベースが、世良公則という稀代のヴォーカリストの魅力を引き立てています。

 イントロのギターはsus4が多用され、ギターを覚え始めの私にも簡単に真似ができ、しょっちゅう弾いていました。思い起こせば、アリスの「涙の誓い」もsus4のカッティングで始まっていましたが、当時は流行っていたのでしょうか。いずれにせよ、ギター初心者にとっては簡単に弾けて気持ちがいいので、ずいぶんお世話になりました。

 詞・曲ともに世良さんのペンによりますが、自分のヴォーカルスタイルを熟知した作品で、職業的作詞・作曲家の作品に引けをとらないものだと思います。そしてヴァースによって微妙にメロディとリズムを崩しながら歌うスタイルは、極めて洋楽的な、特にソウル系のアプローチに近いです。そこに、あの声によるシャウトに近い発声で「オイラは〜宿無し〜 オマエーにーは〜」と来るもんだから、これは堪りません!

 「あんたのバラード」と「性(さが)」は女性、そしてこの「宿無し」と「銃爪」「燃えろいい女」は男性に視点を置いた詞作が行われています。ツイストのバラード曲は女性が主人公である、というのはあまりに偏りすぎていると感じますが、この「宿無し」のカラっとした突き抜けた感じは、男性が主人公であればこそのものだと思います。

 ふとがね金太さんは元々はヴォーカリストで、ツイストを結成してからドラムスに転向したそうです。難しいパターンを叩いているわけではありませんが、パワフルでノリの良いドラミングだと感心します。(「あんたのバラード」ではシンバルを多用し過ぎていました。‥‥ん〜、やっぱり私は「あんたのバラード」が嫌いなんだなぁ‥‥。)

 この歌を聴くと、臨海学校のキャンプファイヤーで音楽の先生が熱唱していたのを思い出します。

思い過ごしも恋のうち サザンオールスターズ 昭和54年7月25日 発売
詞:桑田佳祐 曲:桑田佳祐 編:サザンオールスターズ

 サザンがデビューした時は「なんかおもしろいバンドが出てきたナ」と思いました。世間一般と同じく、私も彼らを「イロモノ」として見ていました。「勝手にシンドバッド」の次が「気分しだいで責めないで」でしたから‥‥(^^ゞ

 おそらく世間は「いとしのエリー」で彼らを見直したのでしょう。しかし私は、どこかスカスカの音で演奏されるバラードにはあまり興味を示しませんでした。それにあまりに路線が変わったので、ちょっとあざといように思えました。

 そんな彼らが次にリリースしたのが、この「思い過ごしも恋のうち」でした。私はこの歌が一発で気に入り、アルバム『10ナンバーズ・カラット』を買いました。これで初期サザンのアレンジやミキシングが確立したと感じられます。

 ピアノによるサビのメロディのイントロが、たまらなく切なくロマンティックです。そして毛ガニ(野沢秀行氏)のコンガとヒロシ(松田弘氏)のハイハットの細かいリズムに乗ったゆったりとしたAメロのメロディ。これが自然で魅力的です。
 ムクちゃん(関口和之氏)のベースは流れるようにメロディアスです。激しいリズム隊とともにノリもバッチリ!

 「♪たまに会ってるようじゃ お互いのことわかりはしないだろ 信じられないね」
とは、何と身近で、迫る歌詞なのでしょう。
 「♪思い過ごしも恋 それでもいい 今のうち」
ん〜、中学生だった私は、深く頷くばかりでした(^o^)

 ごく小さい音ですが、Aメロの2バース目のストリングスが良い響きです。もちろんサビでも大活躍です。
 エキサイターを駆使したギター・ソロもメロディアスで、この歌にドンピシャですネ。

 この歌のもっともキャッチーなのは、2コーラス目の
「♪どいつもこいつも話の中身がどうなれこうなれ気持ちも知れずに」
の早口でしょうか。歌詞カードを見ずにこれが歌えるようになった時の快感には、洋楽の歌詞を覚えたのと同じような達成感(?)がありました(^o^)

パープルモンスーン 上田知華+KARYOBIN 昭和55年5月25日 発売
詞:上田知華 曲:上田知華 編:溝口肇

 これは扇風機のCMソングで、「♪昨日より素敵になれるわ」の部分が印象的に使われていました。

 上田知華+KARYOBINとしてのヒット曲は、この1曲のみだったと記憶しています。「弦楽四重奏を率いてピアノの弾き語りで歌う」という演奏スタイルのコンセプトは、現在でも新鮮さを感じますし、この曲の表現方法としてはハマっていました。
 メンバーには溝口肇さんや金子飛鳥さんも在籍していたというのは、有名な話になってしまいました^^;

 私はメロディやアレンジに耳が向いてしまう傾向がありますが、この歌では「歌詞」にも注目(注耳?)しています。女性への応援歌としては最初の1曲ではないでしょうか。詞・曲ともに上田知華さんの作品で、ソングライターとしての才能が開花し始めた時期でした。


 イントロの最初の音がピチカート。これは当時も現在もなかなかありませんネ。ピアノによるフレーズを次はバイオリンが受けて、チェロの低音が自然に繋がっていきます。この流麗な流れは見事です。

 「♪気分を変えてみたくなるのは 女心の気紛れじゃなく」
のAメロの部分では弦楽隊はピチカート。
 「♪あなた自身が 生まれ変われるハズよ」
でボーカルがクレッシェンドし、弦楽隊も「ジャー」とボウイングでクレッシェンドして入ってきて、「チャチャチャチャチャン チャー」とサビに繋げます。

 サビでは
「♪採り立ての陽射し こぼれる」
の部分では八分音符のスタッカートのボウイング、そして
「♪心の窓を開けてごらん」
からはレガート。そしてまた
「♪昨日より素敵になれるわ」
でスタッカート。ミニマルな編成で、しかもそんなに複雑な演奏をしているわけではないのに、これだけ楽曲を引き立たせるアレンジに感心するばかりです。

 あの頃に、こんな素敵な歌詞とアレンジの楽曲が誕生した奇跡に感謝!

雨にちなんだ歌 various
 雨が降っています。私は雨って好きなんです。

埃っぽかった空気がシットリと落ち着きます。

同じリズムで降り続く雨にも、いろいろなテンポがあります。

午前中に降っていた雨が午後にやんだりすれば、いきなり明るい陽射しが射してきたり。


私が育った町工場の多い下町では、工場(こうば)の機械油にまみれた靴で歩くと、水たまりに虹ができます。私には懐かしい光景です。


 そんな素敵な雨の日を、より楽しめるようにいくつかの歌を選んでみました。定番の
「雨の日と月曜日は」(by カーペンターズ)や
「雨にぬれても」(by B.J.トーマス)ももちろん好きですが、今回はJポップから。山下達郎さんと荒井由実さんの楽曲が多くなってしまいますが、そこはご勘弁を。だって、私は彼らの歌が好きだし、彼らのアルバムには「雨」にちなむ歌が多いので‥‥(^^ゞ

●「やさしさに包まれたなら single ver.」(荒井由実)
●「Bachelor Girl」(大滝詠一)
●「ベルベット・イースター」(荒井由実)
●「そして僕は途方に暮れる」(大沢誉志幸)
●「ポケット・ミュージック」(山下達郎)
●「情けない週末」(佐野元春)
●「RAINY WALK」(山下達郎)
●「Rain Drive」(安藤秀樹)
●「たぶんあなたはむかえに来ない」(荒井由実)
●「十字路」(山下達郎)
●「雨の休日」(八神純子)
●「雨のウェンズデイ」(大滝詠一)
●「Walkin' In The Rain」(尾崎亜美)
●「マーマレイド・グッドバイ」(山下達郎)
●「雨のステイション」(荒井由実)
●「Silver Rain」(PSY・S)
●「ロックンロール・ナイト」(佐野元春)
●「2000トンの雨」(山下達郎)
●「人魚になりたい」(松任谷由実)

 どうぞ通勤・通学のお供に(^o^)/

RIDE ON TIME 山下達郎 昭和55年5月1日 発売
詞:吉田美奈子 曲:山下達郎 編:山下達郎

 数年前、キムタク主演のドラマ『GOOD LUCK!!』の主題歌としてリバイバルしましたが、我々の世代にはmaxellのカセットテープのCM曲としてお馴染みですネ。

 シングルのジャケット写真(画像)にもなっている「夕日を背に、波打ち際でこちらに向かって指鉄砲」の映像と歌がマッチしていてカッコよかったです。このCMに出演しているのがTATSURO氏本人と知って、いろんな意味でちょっと驚き‥‥(^^ゞ 私はコカコーラ'79のCMで先に名前だけは記憶していたので、「山下達郎というのは声のいいシンガー」という認識を持っていましたし。(まだその頃はオリジナル曲は知りませんでしたが)
 このCMは好評だったようで、秋になると溶岩石地帯のシーンでア・カペラで歌うバージョンの「RIDE ON TIME」がTVから流れました。このア・カペラver.の短いものはアルバム『RIDE ON TIME』の同曲のフェイドアウト後に付けられて収録され、長いものは「山下達郎CM全集vol.2」に収録されています。また、リバイバルのマキシ・シングルCDには別バージョンが収録されています。

 さて肝心の「RIDE ON TIME」ですが、この歌のシングルver.とアルバムver.はミキシング違いではなく、全くの別バージョンです。テンポやドラムスのパターン、サックスのオブリガードやソロのフレーズ、ワウを使ったTATSURO氏によるリズムギター、「♪今こそ」の後のアレンジを比べればすぐにわかりますネ。
 シングルver.ではギター以外の全体の音が中央寄りに詰まっていて、力強い音像です。先述したワウ・ギターのカッティング、タッチの強いピアノが心地よいです。

 Aメロはピアノとドラムスだけで勢いよく始まり、リズムギターとベースが入って徐々に音が厚くなっていきます。ブラスと吉田美奈子さんのコーラスが絡み、ピアノのグリッサンドからサビに入り、一気にボルテージが上がります。
 2拍目のブラスのアクセントと、「♪RIDE ON TIME ooh-ooh」というコーラスのノリの良さ! もちろん主旋律の「♪RIDE ON TIME 彷徨う想いなら」の大きく上下に跳ねるメロディ(私は音痴なので、こういうメロディを歌うのが苦手‥‥(^^ゞ)はカッコいいです〜。左チャンネルに聞こえる椎名和夫さん(元ムーンライダース)のギター・リフは、この時期のTATSUROサウンドの要ですネ。

 このシングルにはミュージシャンのクレジットが載っていました。それまでそういうレコードを見たことが無かったので新鮮でした。そこで気になったのが、B面の「RAINY WALK」のメンバーです。細野晴臣や高橋幸宏といえばYMOではありませんか! 演奏もイカしていて、こちらの歌も大変気に入り、私は一気にTATSUROワールドの虜となりました。

ANGEL FISH(c/w てぃーんず ぶるーす) 原田真二 昭和52年10月25日 発売
詞:松本隆 曲:原田真二 編:鈴木茂・瀬尾一三

 原田真二さんのデビュー曲「てぃーんず ぶるーす」のB面です。なぜB面の歌を採り上げるのかというと、単に思い出深いからです(^^ゞ

 原田真二さんのデビューは鮮烈でしたネ。3ヶ月連続で毎月1枚ずつシングルをリリースし、そのどれもがヒットしました。『ザ・ベストテン』に3曲同時にランクインしたのも驚きでした。
(寺尾聰さんも後年「Shadow City」「出航(さすらい)」「ルビーの指環」を連続リリースして『ザ・ベストテン』に3曲同時にランクインしましたが、これらは2〜3ヶ月おきだったと思います。ス、スゴイ‥‥。)

 私も原田真二さんの3曲のデビュー曲は全て聴き、ファンになりました。しかし「てぃーんず ぶるーす」や「シャドー・ボクサー」は好きでしたが、「キャンディ」は苦手‥‥^^; では「何にそんなに惹きつけられたのか」というと、B面の歌がどれも良かったのです。

 で、この「ANGEL FISH」です。
 イントロのシンセの勢い、ストリングスのカッコよさ、ヴォーカルの荒々しさが、A面曲にはない魅力を発散していたのです。
 間奏で聴けるブラスの華々しさは、のちのスペクトラムが出てくるまでは、それまでの日本の歌謡曲やロックにはないものでした。

 シングルの発売は冬でしたが、この爽快さがたまらなくて、私は夏によくこの歌を聴いていました。

 楽器の選択は非常にわかりやすく、左チャンネルで鳴っているアコギのカッティングとピアノ。中央ではイントロのシンセ、Aメロのクラビネット、エンディングのエレピのソロなどのキーボード群、そしてギター・ソロとアルトサックス・ソロ。右チャンネルではエレクトリックギターのリード。
 エンディングのサックス・ソロの前にはドラムスのソロ・フレーズ。林立夫さんによるもので音色のバランスもよく、カッコいいフレーズが目白押しです。
 ブラスとストリングスを加えたこれだけの音が全てオンで鳴っているのに、非常にバランスの良いミキシングがされています。現在でも通用しますネ。

 残念ながら、現在入手可能なベスト盤のCDには収録されていません‥‥。(『FEEL HAPPY』というCDには収録されていましたが、現在は廃盤のようです^^;)
 ※ 30周年記念盤が昨年発売されました。(2008年6月22日追記)

グッド・ラック(c/w キャンディ) 原田真二 昭和52年11月25日 発売
詞:松本隆 曲:原田真二 編:原田真二

 またまた原田真二さんのB面曲です。曲調がどんどん展開していき、変化に富んだ楽曲です。しかし、「シャドー・ボクサー」のように大サビがあったり、「タイムトラベル」のように1番・2番と区切るのを拒絶するような展開ではなく、
A B A B' C D   A B' C D エンディング
というように、エンディング以外はきちんとAメロに戻ってくる構成です。


 不思議なツイン・リードに、フランジャーのかかった懐かしい響きのシンセ・ストリングス、ブラス、ピアノが重なって音が厚くなっていき、期待をもたせるイントロです。

 Aメロの
♪キミの眉の細い線 急に翳り泣きじゃくる
はよいメロディではありませんが、アレンジで聴かせてしまいます。
Bメロの
♪冷たいヤツと恨まないでくれ
 少し愛に疲れただけさ
からは美しいメロディに移ります。

 そして再びAメロに戻り、Bメロ
♪心の中で何かが崩れて
 なぜかひどく寂しくなるよ Ah
からは大きく展開します。

♪キミは席も立たず
 冷めたteaを見てる
 ボクは自動ドアの
 前でうつむいてる
のDメロ部分では、ドラムスはハイハットだけになり、低音のピアノとベースはスタッカートの八分音符で、ずっと同じ音のオクターブを繰り返すだけです。そこにシンセ・ストリングスが4拍ずつ徐々にせりあがって行くオブリガードを被せ、盛り上げていきます。この部分を暗い部屋でヘッドフォンで聴くと、非常に広がりと奥行きを感じさせるアレンジとミキシングなので、私は大好きなのです。
 うーん、私はシンセ・ストリングスの音が好きなのかな。『俺たちの旅』の劇伴でも、「カースケのテーマ」のシンセ・ストリングスの切ない響きに耳を奪われます。

 ピアノとサックスのソロに導かれるエンディングは、全く異なる展開を見せます。サックス隊によるChicagoの「Saturday In The Park」の半音進行のようなフレーズが聞こえます。

 この歌は原田さんご自身が、アレンジとしてクレジットされています。洋楽のセンスを感じさせる奔放なアイディアがふんだんに盛り込まれ、“新しい音楽”の到来を感じさせてくれました。


 この「グッド・ラック」は、現在発売中の『GOLDEN☆BEST 原田真二 OUR SONG』にも収録されていますので、入手可能です(^o^)/

シャドー・ボクサー c/w サン・ライズ 原田真二 昭和52年12月20日 発売
詞:松本隆 曲:原田真二 編:後藤次利/瀬尾一三

 原田真二さんの3枚目のシングルです。今日はA面曲も扱いますヨ(^o^)/

 1枚目「てぃーんず ぶるーす」は鈴木茂さん、2枚目「キャンディ」は原田さんご自身、そしてこの3枚目「シャドー・ボクサー」は後藤次利さんがアレンジしています。
 ベーシストにアレンジされているだけあって、かなり複雑なベース・ラインの楽曲になっています。

 「シャドー・ボクサー」の中央で鳴っているのは、エフェクトされたエレピでしょうか。当時はポリフォニック(3音以上を同時に鳴らせる)のシンセはまだ無かったと思います。

「♪知らなかったサ いつも女は」
からのコンガがリズムに変化をつけていて、単調にならないように工夫されています。

「♪昨日の夢に振り向いてたら」
からの展開は、それまでの日本のロックやフォークでは見られない斬新さです。


 では、B面の「サン・ライズ」です。この歌はベスト盤『GOLDEN☆BEST』で初めてCD化されました。

 A面「シャドー・ボクサー」とは打って変わって、爽やかな青春賛歌とでも言えるような前向きな歌になっています。

 ベースとドラムスだけで始まるなんて、後藤氏は目立ち過ぎ!^^; ハモンドオルガン、アコギ、エレピが入って音像が広がるところにゾクゾクします。

 ストリングスがかなり存在感のあるオブリガード(対旋律)を奏でます。間奏も高音の弦楽隊のあとに、同じ旋律を低音のストリングスが受けるように、徹底的にストリングスを使ったアレンジになっています。

 間奏明けの
「♪今日から世界が広がる
  未来を両手に集めて生きよう」
という前向きな歌詞とメロディ、そしてやりたい放題のアレンジ(←誉め言葉)が一体となって、劇的に盛り上がると思いきや‥‥‥‥

「♪何気なく肩を叩いたら
  笑ってくれよ」
なんて、小さくまとまるエンディングの意外さに驚きます(^o^)

タイム・トラベル 原田真二 昭和53年4月10日 発売
詞:松本隆 曲:原田真二 編:原田真二

 この歌が流行っていた頃、私は中学生になりたてでした(^o^)/

 歌詞の内容は、「スフィンクス」「下弦の月」「北極星」「ピラミッド」「光の船」「クレオパトラ」「マシンガン」「ニューヨーク」「チャールストン」「FBI」「タップダンス」「ハリウッド・クイーン」などの言葉を散りばめて、「時間と空間を超越した幻想」をイメージさせていますが、中学生は貧困なイメージしかなくて幼稚に感じていました^^;
 最後の「♪ここは東京 キミの手の中」に、なぜだかドキッとした覚えがあります。何だか「寂しさ」を感じました。「夢から醒めさせられた寂しさ」だったのでしょうか。
 当時は「サフラン」が何だかわかりませんでした‥‥(^^ゞ 「サフラン色のドア」ってどんなドア? 「下弦の月」って何? 「甘い吐息」って?

 原田真二さんの楽曲のために用意された松本隆さんの詞は、「ボク」「キミ」という1・2人称が印象的でした。それまでの歌でも「♪キミとボクは二人でひとつ」「♪ボクたち男の子 キミたち女の子」というフレーズがありましたが、なぜだか原田さんの楽曲では意識的に使われているように感じたのです(^^ゞ

 原田さんの楽曲は、よく「洋楽テイスト」という表現がされますが、この歌は
  A B C (A'の間奏) B C A C エンディング
という構成で、「『A B C』で『1番』を形成している」と思って聴くと驚いてしまいます。この辺りが、それまでの日本のロック、フォーク、歌謡曲には無かった雰囲気です。

 イントロのピアノとストリングスの美しさは、劇的な展開を見せるこの歌にピッタリです。当時の私はこの歌を、歌詞の通り「日の暮れる頃」に部屋を真っ暗にして聴いたものでしたが、このイントロが流れるとワクワクしました。

 Aメロの前の逆回転シンバルの音が効果的です。これは「♪最後の部屋は 星降り注ぐ時の果て」の前にも現れます。逆回転シンバルは、ビートルズの「Strawberry Fields Forever」を意識したのでしょうか。

 「♪クレオパトラの衣装のキミが」の後の、シンセによる半音進行の四分音符のフレーズが不思議な味わいです。この歌は、バースによって使われる楽器やフレーズに変化を持たせてあって、曲を通して同じ演奏を繰り返している部分が少ないです。手の込んだ意欲的なアレンジです。

 ストリングスの短い間奏があって、
「♪黒い自動車 すれ違いざま マシンガン」
の後のシンセによる「マシンガンの音」を模したノイズ、
「♪古いラジオが奏で出すのはチャールストン」
での「ホンキートンク・ピアノ」のような音によるソロ・フレーズなど、遊び心に溢れた音が次々に飛び出します。

 最後のバースではAメロでもベースが鳴っていて、なかなか雰囲気のあるフレーズを弾いています。

 エンディングのストリングスは存在感のあるフレーズで、
「♪時間旅行のツアーはいかが」
と「♪ウー ウウウー ウー」のボーカルが一体となって盛り上げています。


 カップリングの「ジョイ」は
「♪膝っ小僧 波に濡れたら 海も照れちまう」
の詞に、原田さんらしさが感じられなくて好きではないので割愛します(^^ゞ

Lonely Lonely 門あさ美 昭和55年6月25日 発売
詞:門あさ美 曲:門あさ美 編:松任谷正隆

 「♪涙のLonely lonely melody
  涙のLonely lonely melody
  わがまま女のピリオド」

 「黙っていたら友達になれない‥‥。
 叫ばなければ消え去ってしまう‥‥。
 そんなあなたのさまざまな想い出を分かち合うために、
 たくさんの歌が、今‥‥、ここにある‥‥」

 こんばんは、大石吾郎です。さっそく、今日の1曲目‥‥


 というわけで、ニッポン放送の「コッキーポップ」風に始めてみました(^o^)/ この冒頭の詩(?)を見ると、あの独特の口調の大石さんの声が聞こえてきます。


 「コッキーポップ」は本格的に深夜ラジオを聴き始めた、中学3年生くらいの時の印象が強いです。今日のテーマの門あさ美さんの「Lonely Lonely」は、ちょうど昭和55年の今頃、8月のOPテーマでした。夏の深夜にピッタリな、広がりのある涼しげな音像とリバーヴ感が心地よい佳曲です。
 昭和55年の8月には、それまでのコッキーポップの仲間の「ベスト100」が放送されていました。私は全曲のリストを作っていたのに、宮城の田舎へ行っている間は聞き逃したので、途中で挫折してしまいました‥‥。

 では、「Lonely Lonely」の話。

 せり上がるストリングスだけのイントロで始まり、いきなりサビの「♪涙のLonely lonely melody」で始まる構成は、かなり印象的です。歪んだツインリードのギターの音色が輝いています。

 ウィンド・チャイムに導かれるAメロからはしっとりとしたメロディになり、ベースやシンセだけの演奏になります。Aメロからは密かに転調していますネ。

 「♪私が決めたことだもの 涙見せない 後悔しない」からのBメロからはドラムスが激しくなり、ギターも入ってきます。決意の歌詞とメロディ、そしてアレンジが一体となって力強いです。最後は2拍の変則拍子でストリングスとバンドが「チャッチャッ」と入り、密かに転調してサビになります。

 初めてレコードを聴いた時には、2コーラス目の後のサビの最後の「♪あなたが好き」にドキっとしました(^o^) それまではリードギターのフレーズだったところに、伴奏に突然ブレイクが入って歌詞が付いているのですから。この後のサビの繰り返し〜フェイドアウトは1音上がります。

 門あさ美さんって、それほど採り上げられる機会は多くないと思いますが、根強い人気のある方ですネ。情緒に流されないメロディを書く方でした。

風は南から(from 『逆流』) 長渕剛 昭和54年11月5日 発売
詞:長渕剛 曲:長渕剛 編:瀬尾一三

 あれ? タイトルと画像が合ってない? いえいえ! 今日はアルバムではなく、楽曲の記事ですから。

 剛ファンならご承知の通り、デビュー・アルバムのタイトルはたしかに『風は南から』ですが、「風は南から」という歌はこの2nd.アルバム『逆流』の1曲目なのです。ややこしや〜(^o^)

 私は特に剛ファンではありません(キッパリ)。中学生の頃に好きだったYの影響で、彼女が好きなものなら聴いてみようと、少ない小遣いで『風は南から』『逆流』『乾杯』『Live』の4枚のアルバムを買ってしまったのです(*^o^*) しかも卒業記念のプレゼントで『Live』はYにあげてしまったし‥‥(^^ゞ
 どちらかといえばウェットなフォークソングの世界は苦手なのですが、中にはイイ歌もあったので、けっこう気に入って聴いていました。特にこの『逆流』はよく聴きました。中でもこの「風は南から」は夏の定番です。

 では、感想を。

 ストリングスのイントロが壮大で、涼しげ。木管群に導かれてのアコギのフィンガー・ピッキングと、そこに重なるトライアングル、ウィンドチャイムの金属音、フルートのハーモニーがイイ! エレクトリック・ギターと再びストリングスに導かれてAメロへ。

 Aメロはアコギのアルペジオ(と4分音符のピアノ)による弾き語り。
「♪ボクのウチの屋根は 高く空を切り 窓辺から下に 家並みを見下ろす」
という歌詞が、当時住んでいた町の町並みを思い出させてくれます。

 アコギのストロークで、ベースやドラムスなども入ってきてのBメロ。
「♪今頃キミは まだ深い 深い眠りの中
  このボクの思いヨ キミの町まで吹いてゆけ
  そしてキミの胸に突き刺され 今 風は南から」
という歌詞に自分をなぞらえていました(*^o^*) 実際には、私の家の方が彼女の家の北に位置していたのですが‥‥(^^ゞ
 この後4拍のストリングスが次の4拍ではffで1オクターブ上がりますが、その間を繋ぐ7連符がオーソドックスですが劇的です。

 maj7とm7を主体としたギター・ソロが激しく、盛り上がる間奏。2番のAメロに移ると再びアコギのアルペジオとピアノになりますが、今度は8ビートのベースとリムショットのドラムスが絡みます。

 1番と同じアレンジでBメロ、そしてアウトロ。ギター・ソロで盛り上がって、突然静かに終わるエンディングは余韻を残します。


 この頃の剛の声は伸びがあってイイなぁ‥‥。

 あ、長渕剛さんもポプコン出身ですネ。

SOLID STATE SURVIVOR イエロー・マジック・オーケストラ 昭和54年9月25日 発売
詞: 曲: 編:

 「風は南から」の記事を書いたら、この『逆流』というアルバムが「レコード大賞アルバム賞」というのを受賞したことを思い出しました。
 昭和54年から始まったこの賞ですが、レコード大賞の迷走ぶりが表れていると思います。昭和54('79)年の受賞者はサザン(『TEN・ナンバーズからっと』)とアリス(『栄光への脱出』)とさだまさし(『夢供養』)さん。歌謡曲離れが進む若者に媚びているとしか思えません‥‥。
 で、昭和55('80)年の受賞者が『逆流』の長渕剛さん、『Moonglow』の山下達郎さん、そして『Solid State Survivor』のYMO。受賞のために山下達郎さん、細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんがステージに勢揃いした場面は壮観でした! TVでこんなシーンが見られるとは!! 何やらステージ上で談笑されている4人が、場違いな雰囲気もありましたが‥‥。(ちなみに、この時は長渕剛さんは欠席でした。当時はTVに出演することを拒んでいらっしゃいましたネ。)

 私のYMO体験は、1st.アルバム『Yellow Magic Orchestra』に収録されていた「Fire Cracker」を、中学校の劇のBGMで聞いたのが最初でした。この機械的な音楽は、好奇心旺盛な中学生の私のハートをガッチリ掴みました。選曲したのは同級生のKくんだったそうで、彼とは後に「シナモン&ガーリック」を結成することになります。
 Kくんはモミアゲをカットした、いわゆる「テクノ・カット」をするほどのめり込んでいました。中学校では「テクノ・カット」が禁止になりました。時代だなぁ〜‥‥。

 さて、では『Solid State Survivor』の話です。今日はアルバム全体を語りましょうか。

 YMOの代表曲となっている「Rydeen」「Technopolis」が収録され、わかり易くメロディが明快な楽曲が多いですネ。まだ機材が開発されていなかったためか、ユキヒロは生のドラムスを叩いています。
 ビートルズの「Day Tripper」が収録されているのも、私にとってはポイントが高かったです。ただし、このアレンジはあまり好きではありませんが‥‥^^; この曲でギターを演奏しているのは、シナロケの鮎川誠さんですネ。「Solid State Survivor」にも参加しています。
 LPでのB面1曲目の「Behind The Mask」はエリック・クラプトンがカバーしたことでも(一部で)有名です。
 YMOのLPは、盤面が模様みたいでキレイでした。シーケンサーと同期した演奏だったので、溝が一定だったからですネ。

 この『Solid State Survivor』は77万枚を売り上げ、'80年のアルバムの売り上げ1位なのだそうです。(2位は松山千春さんの『起承転結』74万枚)

●Technopolis
 全体にシンセベースが使われていますが、エレクトリック・ベースのチョッパー音がアクセントとして挿入されています。
 ボコーダーの音が無機的に「T・E・C・H・N・O・P・O・L・I・S Tokio Tokio」というのが、電脳都市東京の未来を予見していたようで面白いです。
 「シーケンサーとコンピューターによる演奏」が売りのYMOでしたが、この楽曲ではほとんどが「手弾き」で、シーケンサーが使われているかのような正確な演奏をする上で、教授の高度な演奏技術が発揮されています。

●Absolute Ego Dance
 「アイヤ、ハ、ハ」という合いの手(?)が沖縄民謡っぽいですが、音階としては普通のメロディです。私はあまりきちんと聴いていません(^^ゞ

●Rydeen
 原宿で竹の子族が踊ってましたネ〜。私はこの曲の女性のステップを教えてもらって踊ったのが、盆踊りとフォークダンス以外での初のダンス体験でした(^^ゞ
 Aメロのメロディはあまり起伏がなく、実はあまり面白くないんですよネ。ところが、アレンジとシンセの音色によってグイグイと惹き込まれる楽曲に仕上がっているところが黄色い魔法です。
 間奏では、当時開発されたばかりのシンセドラムが使われています。この音色が懐かしいです。(映画『ルパン三世vs複製人間』の劇伴でも多用されていました)
 ピッコロのようなオブリガードも、もしかしたら教授の手弾きか?

●Castalia
 教授らしい、しっとりとしたピアノ曲。このエンディングがなんとなく怖く感じていました(^^ゞ
 人間の声のコーラスのような音色は、シンセで演奏されているのでしょうか。だとしたら、ずいぶんと画期的な音色を開発していたのですネ。

●Behind The Mask
 イントロのC→A♭→B♭→Gm/Gという進行がテクノっぽいと感じます。
 フランジャーによって漂うような全音符のコードが、楽曲の浮遊感を演出しています。
 Aメロのベースラインが歌っています。ボコーダーによるヴォーカルも教授?

●Day Tripper
 途中に変拍子が挿入され、テクノ的味付けは成功していると思います。(私はこのアレンジは好きではありませんが←しつこい)
 ユキヒロがヴォーカルをとった最初の歌でしょうか。このB面はヴォーカル曲が多く、YMOの認識が「インストルメンタル(+ゲスト・ヴォーカル)」だったので驚きました。

●Insomnia
 これはあまり聴かない‥‥。タイトルは「不眠症」という意味ですが、この楽曲を聴いていると眠くなってしまいます‥‥。

●Solid State Survivor
 カッコいい! 不思議なコード進行が気に入っています。
 楽曲のアレンジが、続く『増殖』に繋がるものですネ。ユキヒロのヴォーカルが最初は気持ち悪かったのですが、これが病みつきになりました。『音楽殺人』もよく聴きましたネ〜。
 エンディングで「もしもし」と言っているのは晴臣さん? 笑い声はだれ?

増殖 イエロー・マジック・オーケストラ 昭和55年6月5日 発売
詞: 曲: 編:

 5月の家庭訪問の季節。右腕を骨折していた友だちで柔道部員のMが、中学校の柔道場で練習していました。窓から「そんな腕じゃ投げられないだろう〜」と野次を飛ばしていた私を含めた数人に、「ふざけんな! 投げられるゼ。」と啖呵を切ったM。そして私が彼の相手をすることになりました。
 右腕を包帯で吊っているMとは組みにくく、私が攻めあぐねていると、Mは一本背負いを仕掛けてきました。私の体は簡単にフワッと浮き、そのまま投げられてしまいました。‥‥と、そこまでは良かったのですが、Mは片腕のためにバランスを崩し、私の上に倒れこんできました。
 「グギッ‥‥」
 体の中でにぶい音がして、肩に痛みが‥‥。私の左肩が脱臼しました。みんなが心配して私の周りに集まってきて、だれかが私の腕を引っ張ってグリグリやっているうちに、一応外れた肩は元に戻りました。しかし、素人がやった処置です。大事をとって私は接骨院に行きました。

 そして、それから2週間ほど接骨院に通う羽目になりました。


‥‥え? それと『増殖』と、どういう関係があるかって? ちょうどこの接骨院通いの時期にこのアルバムが発売され、このアルバムと肩の痛みの思い出が重なっているという話でした(^^ゞ

 この『増殖』はたしか限定生産のはずだったので、慌てて予約しに行きました。ところが、その後いつまでも販売され続けたので不思議だったのですが、どうやら後に一般販売になったようですネ。

 このアルバムは25cmという、ちょっと変わった規格で発売されました。そのため、画像のジャケットの周囲の赤い部分は段ボール製のケース(?)です。この赤い段ボールケースの裏面には、いろいろとスネークマンショーのネタが書かれています。
 ジャケット写真は晴臣さん、教授、ユキヒロのフィギュアを並べたもので、手作り感がタップリです。今なら画像処理でお手軽につくれるのでしょうが、それではこの味は出ません。12月にメディコム・トイからこのフィギュアがフィギュア化され(?)て発売されますネ。(「vinyl collectible dolls」→「その他」→「Yellow Magic Orchestra 増殖人形3体セット」を見てください。)

 このアルバムの特筆すべき点は、「スネークマンショー」とのコラボレーションですネ。雰囲気を統一させるためか、楽曲も適度に力が抜けています。私もこのアルバムをきっかけに「スネークマンショー」にハマりました。

●jingle“YMO”
●Nice Age
 ユキヒロのヴォーカルがイイですネ。
 「ニュース速報。22番は今日で1週間経ってしまったんですけども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を変えました。」のアナウンスは、元サデスティック・ミカ・バンドのミカさんです。この謎のメッセージの内容は、ポール・マッカートニーの日本での大麻所持による逮捕の隠喩です。「Coming up like a flower」はポールの当時の最新曲「Coming Up」からの引用です。

●‘Snakeman Show’My Company is very famous!, I'm a rich man.
 当時の大平首相を皮肉ったギャグ。大平正芳氏は直後の6月11日に総理大臣在職中に急逝されて驚きました。

●Tighten Up(Japanese Gentlemen Stand Up Please!)
 アーチー・ベル&ドレルズのカバー。晴臣さんのエレキベースが堪能できます。ギターは大村憲司さん。
 ヴォコーダーや打ち込みのパーカッション風の音色が使われていますが、あまりテクノっぽくなく、ストレートにバンド・サウンドが楽しめます。
 咲坂さんというか、小林克也さんのシャウト(?)が全編にフィーチャーされています。(ところどころに桃内さん、というか伊武雅刀さんの声が入っていて、曲の中でギャグを展開しています。)

●‘Snakeman Show’Do you understand, Mr. Ohira?
 英語が全く通じない「大平」に対して、どんどん過激な言葉で日本人をバカにしていくギャグ。「short legs」「yellow monkey」「pigs」などの語が聴き取れ、英語のリスニング力アップに役立ちました(?)。

●Here We Go Again(Tighten Up)
 突然再び「Tighten Up」が始まります。

●‘Snakeman Show’だ〜れ〜? 警察だ!
 このギャグは爆笑して何度も聴きました! 最初は渋かった伊武さんの刑事が、どんどん壊れていきます‥‥。

●Citizens Of Science
 「Solid State Survivor」を彷彿させる、硬質な楽曲。あまり好きではありません‥‥。
 曲中の語りは、作詞者のChris Mosdel氏によるものです。

●‘Snakeman Show’ハヤチヤ・マンペイ
 林家三平師匠は、この後9月にお亡くなりになりました。
 「パンダは何食ってるんだろうネェ? パンだぁ‥‥。」というギャグがありますが、この後7月にカンカンが死亡。このアルバムの「スネークマンショー」で採り上げられた人物(・動物)が次々にお亡くなりになるのが怖かったです‥‥。仲間内では「呪いのレコード」なんて呼んでいました‥‥。

●Multiplies
 Madnessを彷彿させるスカ・ビートの楽曲。イントロのギターのフレーズは『荒野の七人』の引用でしょうか。大村憲司さんのギターがメロディを奏でて大活躍です。

●‘Snakeman Show’イイものもある。だけど悪いものもある。
 中身の無い「イイものもある。だけど悪いものもある。」という評論が延々と繰り返されるギャグ。
 「ボクはYMOが‥‥」と言いかけて小林さんや伊武さんに遮られる声は、桑原茂一さんでしょう。

●The End Of Asia
 レコードにはクレジットがありませんでした。古きよき日本民謡(馬子唄)をモチーフにしたアレンジが新鮮です。
 「あ〜、日本はイイ国だなぁ〜‥‥。」という伊武さんのセリフは、皮肉っぽくてイイですネ。この頃から日本はデタラメな国になり始めていたようです。


 このアルバムが発売される直前の6月2日には『夜のヒットスタジオ』に出演し、日本中が彼らの動向に注目していました。この出演では、別のスタジオにコンピューターなどの巨大な機材を組み上げての演奏でした。
 昭和55('80)年2月にはライヴ・アルバム『公的抑圧』も発売され、YMOはノリにノッて、売れに売れていた時期です。何をやっても影響力がありました。

 この後、『オレたちひょうきん族』に出演して漫才をやったり、メディアへの露出が多くなりました。彼らはあの状況を楽しんでいたのでしょうか。

孤独のメッセージ キャデラックスリム 昭和56年3月21日 発売
詞:葛西隆能 曲:敦賀浩隆 編:キャデラックスリム

 この歌も『コッキーポップ』のOPに使われました。(TV版にも)

 私はキャデラックスリムが出場した「第20回ポピュラーソング・コンテスト」のつま恋本選会のライヴ盤レコードを持っているのですが、この「孤独のメッセージ」と「ShyナBoy」が好きでよく聴いていました。最近はアナログLPが聴けない‥‥。
 この「第20回」には、「孤独のメッセージ」のBメロ(「♪孤独の汗を拭い捨てろ」)と全く同じメロディの歌が収録されていて驚きました。偶然か? 流行りか?

 キャデラックスリムはリード×2、リズムギター、ベース、ドラムスの5人編成です。「孤独のメッセージ」はギターバンドらしいアンサンブルが心地よいです。キーボードやストリングス、ブラス、ラテンパーカッションは使われていません。

 サビから始まりますが、リヴァーヴの効いたコーラスがスケールの大きさを感じさせ、テーマとなっている「都会の孤独」を感じさせます。
 「♪とどかない光 とどかない夢 声にならない叫び」
から入ってくるバンドのアレンジが練られています。本選会ライヴと同じアレンジですから、彼らのオリジナルのアイディアなのでしょう。キメのフレーズはタイトになりきれていませんが、若々しく勢いがあります。
 Aメロ前のツインのリードもよくキマっています。ドラムスはスネアの音が軽い感じですが、タムタムとのバランスはイイです。ミキシングが素晴らしいレコードです。

 Aメロのメロディはヴォーカルの音域に無理なくつくられていて、バンドのアンサンブルともよく調和しています。2本のギターがそれぞれ存在感がありますが、メロディの邪魔にはならずセンスよくまとまっています。
 「♪窓に映る きらめく街の灯り 疲れたオレの顔」というところは、通勤の電車の中で聴いているとドキっとします。

 Bメロは先述した通りのメロディですが、ドラムスのフレーズ感がイイですネ。アレンジが練られています。

 サビのリズム・アレンジでは、ドラムスのスネアが4拍目だけになりますが、ここだけちょっといじり過ぎのように感じます。

 ヴォーカルの葛西さんは音域はそれほど広くありませんが、少しハスキーですが聴きやすい声の持ち主です。


 彼らは第11回世界歌謡祭にも出場していますが、その時にはRupert HolmesやらChristopher Crossやらも出場していたという、何ともレベルの高い大会でした。

人気者で行こう サザンオールスターズ 昭和59年7月7日 発売
詞: 曲: 編:

 私はサザンのアルバムを全曲通して聴くことはあまりありません(^^ゞ 自分のツボの楽曲もあれば、ちょっと外した歌もあるからです。そんな中で、この『人気者で行こう』は珍しく全曲を通して聴きます。(ハラ坊の「シャボン」はちょっと苦手ですが‥‥。)クルマの免許を取ったばかりの頃、この『人気者で行こう』や『Big Wave』『NO DAMAGE』のテープは必ずクルマに積んでありました。

 前作『綺麗』からドラムスにエフェクトがかけられたり、ミキシングも凝ったものになったりと、サザンの音が変わり始めました。初期のバンドとブラスでの表現に区切りをつけ、新たなる平野に一歩踏み出した感のあるアルバムでした。
 アレンジに矢口博康氏、藤井丈司氏を迎え、ニューウェイヴ的味付けのなされたこのアルバム。次作『KAMAKURA』への橋渡し的な役割もありますが、何といってもここに完成されたネオ・サザンの音は、充分に刺激的でした。

 アルバム・ジャケットの訳のわからなさもイイですネ。「ステレオ太陽族」と並んで好きなジャケットです。

 音にも新しい試みがなされていますが、「JAPANEGGAE」「夕方 HOLD ON ME」「祭はラッパッパ」などの歌詞には、これまでの「英語に聞こえる日本語」「古文調や都々逸調の歌詞とロックの融合」といった路線がさらに推し進められています。


●JAPANEGGAE
 「♪愛苦ねば 世も知れず」なんて、どこの言葉なんだか‥‥。さらにサックスと、無国籍なドラムスと、和風(?)なベース‥‥。1曲目にしてインパクトがあり過ぎです。

●よどみ萎え、枯れて舞え
 アルバム中でも1、2を争うほど好きな歌です。シンセ・ドラムを導入し、新しい音作りに挑戦されています。ムクちゃんがチョッパーを披露しています。歌詞は不倫がテーマ?

●ミス・ブランニュー・デイ
 流行に流されるマヌケな人々を嘲笑する歌詞が痛快! 丸井のバーゲンで手に入れたDCブランドを着たヤツが、カラオケ屋でこの歌を歌うというのがシュールなバブルの頃でした(^o^)

●開きっ放しのマッシュルーム
 ロックンロール! オーソドックスな展開の中に新しい感覚が盛り込まれ、パワフルな楽曲に仕上がっています。桑田さんのヴォーカルも絶好調!

●あっという間の夢のTONIGHT
 シンセ・ドラムを採り入れて、ドラムス自体の音もかなりエフェクトされています。カワイイ楽曲です。

●シャボン
 ハラ坊のヴォーカル曲ですが、「私はピアノ」「そんなヒロシに騙されて」よりも聴きません‥‥。

●海
 キーボードとゆったりとしたベースがクローズアップされていて、これまでの路線の中には無かったバリエーションの1曲でしょう。こんなに爽やかでイイのか!?

●夕方 HOLD ON ME
 「You gotta」「I gotta」「I might not」「You may not」が、それぞれ「夕方」「相方」「曖昧な」「有名な」という表記の手書きの歌詞カードに笑いました。ちょっとHな内容も相変わらず(^o^) ブラスがハマった楽曲です。

●女のカッパ
 不思議な味わいの楽曲。しかし「EMANON」ほど複雑な転調はせず、ポップで聴きやすい歌に仕上がっています。

●メリケン情緒は涙のカラー
 サスペンス・タッチのストーリーを持った歌。この路線は『KAMAKURA』の「死体置場でロマンスを」がありますネ。

●なんば君の事務所
 ター坊のギター・インスト。高中かっ!(笑)

●祭はラッパッパ
 ノリノリ! このアルバムで一番好きな歌かな。 「ああもう どうなれこうなれ お後は野となれ山となれったらall night long」の早口がイイ!

●Dear Johnny
 あっという間の13曲。しっとりとした終曲です‥‥。

夏に聴きたい懐かしのニューミュージック various
 このサイトで「ニューミュージック」として扱うのは、そのほとんどが昭和53('78)年〜昭和56('81)年のものです。私が中学生真っ只中の頃に親しんだのが、「ニューミュージック」というジャンルでした。だからこの年代に集中してしまうのです(^^ゞ

 そんな年代の歌の中から、この季節に聴きたい歌を挙げてみたいと思います。
私の知っている中から、私の好みでの選曲ですので悪しからず(^_-)-☆

朝編
●風は南から(長渕剛) アルバム『逆流』
●目覚めた時に(八神純子) c/w みずいろの雨
●きみの朝(岸田智史)
●サゥザンド・ナイツ(原田真二)
●パープル・タウン(八神純子)
●MAD PIERROT(YMO) アルバム『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』
●BEHIND THE MASK(YMO)
●SOLID STATE SURVIVOR(YMO)
●NICE AGE(YMO) アルバム『増殖』
●CUE(YMO)
●ユー・メイ・ドリーム(シーナ&ザ・ロケッツ)
●銀河鉄道999(ゴダイゴ)
●窓辺(八神純子) アルバム『思い出は美しすぎて』
●君は天然色(大滝詠一)
●Yes-No(オフコース)
●涙の誓い(アリス)
●カントリー・ワルツ(長渕剛) アルバム『風は南から』
●待ち合わせの交差点(長渕剛) アルバム『風は南から』
●男は女が必要さ(長渕剛) アルバム『逆流』
●宿無し(世良公則&ツイスト)
●かもめが翔んだ日(渡辺真知子)
●時間よ止まれ(矢沢永吉)

夜編
●海南風(クリスタルキング) コカコーラ プレゼント用レコード
●RIDE ON TIME(山下達郎)
●重いつばさ(岸田智史)
●倭人傳(海援隊) アルバム『倭人傳』
●孤独のメッセージ(キャデラックスリム)
●ANGEL FISH(原田真二) c/w てぃーんず・ぶるーす
●グッド・ラック(原田真二) c/w キャンディ
●サン ライズ(原田真二) c/w シャドー ボクサー
●タイムトラベル(原田真二)
●時の流れに(八神純子) アルバム『思い出は美しすぎて』
●そっと後から(八神純子) アルバム『素顔の私』
●渚(八神純子) アルバム『素顔の私』
●DAWN(八神純子) アルバム『素顔の私』
●ポーラー・スター(八神純子)
●ビューティフルデー(八神純子) c/w ポーラー・スター
●夢想花(円広志)
●パープル・モンスーン(上田知華+KARYOBIN)
●LONELY LONELY(門あさ美)

Big Wave 山下達郎 昭和59年6月20日 発売
詞: 曲: 編:

 今日の午後、早めに仕事を終えて帰宅したのですが、その帰路に携帯プレイヤーから流れてきた「Please Let Me Wonder」がバッチリ ハマっていました。

 昭和59年というとロサンゼルス・オリンピックの年ですネ。私は大学生になり、夏休みにはずいぶんと無茶をしました。そんな想い出が渾然一体となっていて、取ったばかりの免許でクルマを運転していた時にカーステから流れていたのが、このアルバムでした。(他には『A LONG VACATION』『FOOTLOOSE』『No Damage』『人気者で行こう』など)
 このアルバムには、私は「リゾートミュージック」という印象がありません。どちらかというと、「リゾートを夢見ながら徘徊する、都会での生活」というイメージです。日が傾き始めた午後3時ごろ、カーエアコンをガンガンにかけて靖国通りや永代通りを走りながら、フロントグラス越しに見た太陽と影のコントラストの強いビル街。このアルバムにはそんなイメージがあります。

 このアルバムはTATSURO氏によると「企画盤」で、同名映画のサントラ扱いになっています。しかし、アナログLPではA面には「The Theme from BIG WAVE」や「Only With You」「Magic Ways」などのAlan O'Dayとの共作によるオリジナル新曲があり、TATSURO氏がノッていた時期の貴重な作品群が収録されています。
 他は過去の英語詞のカバー曲や、オリジナルの「悲しみのJODY」の英語詞ver.など、たしかに企画盤らしい収録曲も多いですが、「Darlin'」や「Please Let Me Wonder」などの秀逸な新録音のカバー曲も収録されているので油断できません。

 しばらくはヘヴィーローテーションで聴きたくなったアルバムです。

夜明けのマイウェイ パル 昭和54年10月21日 発売
詞:荒木一郎 曲:荒木一郎 編:桜庭伸幸

 緒形拳さんの訃報で、私が真っ先に思い浮かべたのが『ちょっとマイウェイ』というドラマでした。朴訥として頑固なコック長役が印象的で、私が緒方さんの名前を知った最初の作品でした。

 そのドラマの主題歌が、この「夜明けのマイウェイ」でした。歌っていたのはパルというグループでしたネ。

 曲調は明るく、前向きな歌詞です。

「♪悲しみをいくつか 乗り越えてみました
  振り返る私の背中に ただ雨が光ってます
 しっとりとしたAメロ。二分音符のコード弾き主体のピアノと、歌うベース。

「♪でも 夜はもうじき 明けてゆきます
  今までとちがう朝が
  ガラスのような眩しい朝が 芽生え始めています」
 サビは雰囲気がガラっと変わり、リズミックになりますネ。

 クルマが走るアニメの映像に、健気に一所懸命なドラマと歌の雰囲気がよく表現されていました。

REINCARNATION 松任谷由実 昭和58年2月21日 発売
詞:松任谷由実 曲:松任谷由実 編:松任谷正隆

 私は彼女のアルバムは『Delight Slight Light Kiss』までは買いました。就職してお金が自由になるようになって、月にアルバムを20枚とか買っていた時期がありましたので‥‥(^^ゞ で、アナログLPがリリースされなくなったところで買うのをやめてしまったのです。彼女の音楽もちょっとつまらなくなり始めたと感じていた時期でしたので、丁度良い区切りとなってしまいました。

 彼女のつくる歌には好きなモノはたくさんありますが、私がアルバムとして聴くのは『REINCARNATION』と『DA・DI・DA』くらいです。
特にこの『REINCARNATION』はコンセプトが統一され、ちょっとSF的な歌詞と、スケールから外れた進行のコードによるニューウェイヴ的なメロディ、そして大胆で新鮮さを感じるアレンジなどが密接に結びついて、独特の世界を構築しています。ジャケットもそのコンセプトをよく表していますネ。

A−2「オールマイティ」
 「♪恋がシャーベットみたいならイイのに」という歌詞とメロディ、そのあとに続くストリングスのリフ。ギターのカッティングやコーラスの厚さ。私のNo.2

A−3「NIGHT WALKER」
 サビを導く低音のギターのメロディが好きです。最後の転調でちょっと心が晴れやかになります‥‥。

A−4「星空の誘惑」
 疾走感のあるアレンジが、夜のドライヴにはぴったりです。今は無き「五島プラネタリウム」の土曜日最後のプログラムは、この歌がテーマ曲になっていましたネ。
「♪オレンジのトンネルの中は 横顔がネガのようだワ」は超実感! 私のNo.3

A−5「川景色」
 ほのぼの〜。アルバムA面の最後がこの歌で、ほっと一息ついてB面へGO! アナログLPではこんな配慮がありましたよネ〜。

B−1「ESPER」
 ドラムスのエフェクトが心地よいです。シンセの音色も好きです。スケールが感じられるミキシングも素晴らしいです。 私のNo.4

B−2「心のまま」
 「♪Hurry up」のあとのストリングスの「ジャカジャジャジャン」というリフの味わい、そしてサビの切なさとギター。ウマく緩急がつけられた曲順です。

B−4「ハートはもうつぶやかない」
 1曲目の、そしてアルバムのタイトルでもある「輪廻転生」を否定してみせる歌詞が興味深いです。このアルバムにこの歌を収録した、またはこの歌をこの歌詞にした意図は?
 「♪あなたのため 私のため」のあとの「mmmm」のハミングによるコーラスと、「あなた」「わたし」に合わせたドラムスの「ダダダ」というリフがイイ味です。ギターの音色、ベースのリフ、中低音を中心にしたストリングスのアレンジ、そしてアウトロでのシンセのオブリガード(対旋律)など、一見バラバラながら見事なアレンジです。 私のNo.1

倭人傳 海援隊 昭和54年12月1日 発売
詞:武田鉄矢 曲:千葉和臣 編:森一美

 『3年B組金八先生』の第1シリーズ(昭和54年)の主題歌、「贈る言葉」が収録されていて大ヒットしたアルバムです。私の母校でロケされていた『金八先生』には特別な思い入れがあり、もちろんこのアルバムも聴きました。

 でも、今日はアルバム全曲ではなく、表題曲の「倭人傳」です(^^ゞ

 アルバム1曲目を飾り、ロマンティックで雄大な歌詞が印象的です。「♪我は倭国の倭人なり」というフレーズが、失われつつあった日本人のアイデンティティへのメッセージであったように思われます。

 イントロはトレモロのストリングスとティンパニで静かに始まります。そして力強いアコギのストローク! フォーク・グループである海援隊らしさが感じられます。
 Aメロでは低音の「ボーー」というシンセの音、そして高音で同じ音を鳴らし続けるストリングスが高揚感を盛り上げます。高音のキラキラしたストリングスも、遠い海原をイメージさせてくれます。

 Bメロ「♪方舟に帆を揚げて」からのドラムスは、スネアがなかなか複雑な拍に入っています。

 ミドルのトランペットのソロは、「いかにも」の感じです。

 アウトロのコード進行、低音のストリングス群、高音のハーモニー・ヴォーカルが余韻を残してフェイド・アウト。

 夏の夕方にはなかなか似合う歌だと思いますヨ。現在は『桜中学音楽大全集』というCDにも収録されています。

I LOVE YOU オフコース 昭和57年7月1日 発売
詞:小田和正 曲:小田和正 編:オフコース

 取り立ててオフコースのファンというわけではありません。でも彼らの音楽、特に小田和正さんのつくるメロディと詞、そして安定感のある、しかしそれでいてキラっと輝くアイディアが盛り込まれたアレンジは、嫌いではありません。というか、好きな方です(なんだかマドロっこしい表現‥‥。それほどのめり込んでいなかったので‥‥)。

 長く2人で組んできた鈴木康博さんが脱退するのが、このアルバムの直後でした。正確にはこのあとに『NEXT』がありますが、アルバムとして制作したのはこの『I LOVE YOU』が最後でした。

 「♪だれもあなたの代わりになれはしないから」とは、小田さんの鈴木さんへのメッセージだったのでしょうネ。

 アルバムver.はシングルとは異なります。イントロの前に爆発音があり、その中から聞こえてくるアップストロークのギターとストリングス・シンセ。そしてお馴染みの「ドンドドン」のバスドラムとなります。また、アウトロのリフレインのコーラスは、メンバーの声だけによる美しいものになっています。さらに、ミドルのピアノのソロにはJohn Lennon死亡のニュースが挿入されています。

 複雑なテンションを持ったコード進行ですネェ。私のような凡人には思い付きません。

今だから 松任谷由実、小田和正、財津和夫 昭和60年6月1日 発売
詞:松任谷由実、小田和正、財津和夫 曲:松任谷由実、小田和正、財津和夫 編:坂本龍一

 今では「幻の楽曲」となってしまっていますネ。松任谷由実さん・小田和正さん・財津和夫さんのような贅沢なコラボは、なかなか実現しないでしょう。東芝EMIとファンハウスが共同して発売したので(3人とも東芝のエキスプレス・レーベルに所属していたのに、小田さんがファンハウスに移籍してしまったあとでした‥‥)、CD化が困難になっています‥‥。

 作詞・作曲も3人での共同名義になっています。そして演奏陣はこれまた豪華で、
ドラムス‥‥高橋ユキヒロさん
ギター‥‥高中正義さん
ベース‥‥後藤次利さん
の3人の元サディスティック・ミカ・バンドのメンバーと、ユキヒロさんのつながりで
アレンジ、キーボード‥‥坂本龍一さん
が参加しています。

 小田さんっぽいメロディが、無機質な演奏に乗っている妙味。

 そして、この年の夢のようなイベント『ALL TOGETHER NOW』でも、上記のメンバーによるライヴ演奏が行われました。

 あぁ、CD化されないかなぁ‥‥。

カントリーガール 谷山浩子 昭和55年3月21日 発売
詞:谷山浩子 曲:谷山浩子 編:山川恵津子

 中学3年生の頃、ラジオから頻繁に流れてきて馴染みました。谷山浩子さんの声って、明るいのに憂いがあって、この歌にピッタリだと思います。

 平成になってから、懐かしの歌を探してレンタルCDを借りまくってMDにダビングしていたのですが、この「カントリーガール」はなかなか見つかりませんでした‥‥。谷山さんのベスト盤に収録されていたものは別ver.で、聴き慣れたシングルver.にはしばらく出会えませんでした‥‥(T_T)
アコギのスリーフィンガーが大きくフィーチャーされたアレンジは、このシングルver.だけなんですよネ。

 サビの「キュイーン」という音は何でしょう? とてもキャッチーです。

 物語性の強い歌詞で、田舎の女の子と都会の男の出会いと別れ。純朴な魅力の田舎娘、私は好きだなぁ〜。こういう娘さんって、日本ではフィクションの世界にしかいないのでしょうか‥‥。

 アルバムの別ver.は、歌詞が4番まであります。そちらはあまり馴染みが無かったので、大きな勘違いをしていました。
「今すぐ後ろを振り返れ」と言う「ボク」という男が、ずっと彼女のことが好きだった田舎の純朴な少年だと思っていたのですが‥‥。「ボクが書いた あの手紙の言葉を もう一度キミに贈ろう」だってぇ〜〜!? 7日目に彼女を捨てた男!? この4番の歌詞は聞かない方が良かった‥‥。だからやっぱり、私にとってはこの歌はシングルver.で完結しています。

 「田舎の娘と都会の男」というと、ちょっとシチュエーションは異なりますが、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」に似ているなぁ‥‥。
谷山さんと太田さんって、縁があるんですよネ。