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裕君は自分の思う通りに手や足を動かしたり、会話することは出来ません。
気候や調子によってけいれんが起こることもしばしばです。
でも毎日をとてもアクティブに過ごし、色々な経験をしている裕君。
私が見たこともないような世界もたくさん知っています。
彼がどんな日々を過ごしてきて、今どう生活しているのか。
私たちと過ごした日々を通して、少しだけ紹介したいと思います。

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裕くんの
障がいについて

 


太君には脳性麻痺という障害があります。
何らかの原因で脳の中で運動を担っている細胞が壊れると、その細胞は再生することができません。
けがをした時に、皮膚が切れても、時間が経つと皮膚は再生して傷が治りますね。
しかし、脳の傷は治りません。

 
の範囲や重さによって、身体の運動が障害される程度も違って来ます。
裕太君は脳性麻痺の中でも重い方で、全身の運動障害を持っています。
自分で座ることが難しく、歩くことができないので、車椅子を使って移動しています。
手をつかうことはできるのですが、細かい指の動作が難しいため、着替え、食事や排泄の介助が必要です。

とばを話すには、口の筋肉をうまく動かさなくてはいけないのですが、 裕太君は運動障害のために、話ができません。
相手とのコミュニケーションは、質問形式でとっています。
質問をして、裕太君はそれにイエスかノーで答えるか、 いくつかの答えの選択肢をだして、裕太君にどれか選んでもらいます。
皆さんも、気軽に話しかけて下さい。
そして慣れたら、裕太君といろいろな話をしてみて下さい。

脳性麻痺の原因としては次のようなものがあります。
● 胎児の時に、脳がうまく形成されなかった場合
● 出産時に、赤ちゃんの脳に出血して脳細胞が壊される
  あるいは、お産が長引いて、赤ちゃんの脳への酸素が不足する場合
● 生まれて来てからは、事故による頭のけがや、脳炎などの感染の場合


裕太君はお産の時の酸素不足で脳性麻痺になりました。

た、脳に傷があるため、裕太君はてんかん発作を起こすことがあります。
手足が細かく震えて、ぴくぴくして、発作の間は意識もうすれています。
毎日、てんかんを抑える薬をのんでいますが、今のところ、発作をゼロにすることはできていません。
もっとたくさん薬をのめば、発作はなくなるかもしれないのですが、 副作用のために、一日中眠くて、生活を楽しむことができなくなるので、薬の量はほどほどにしてあります。
発作の時は、あわてないで静かに、終わるまでつきあってあげて下さい。

文:梅村こども診療所 梅村浄先生

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