「お茶づけ海苔」を食べながら 1995/11/11+1998/01/06+2001/04/08

私が子供の頃からずっと永谷園は「お茶づけ海苔」を作っている。売り上げを伸ばすもクソもないだろう。「さけ茶づけ」とか「たらこ茶づけ」とか新製品を作ったところでそちらが売れれば「お茶づけ海苔」は売れなくなるに違いない。そういう老舗みたいな会社は仕事していてもよりルーチンワーク度が高まっているだろうな、とか思う。

昔ベビースターラーメンのプレゼントの時に手紙を同封したら、2,3行だがちゃんと返事が来たのに永谷園はなしのつぶてであった。まあしかしそれは永谷園に限ったことではない。永谷園の特殊性は他にもある。

ひとつはご存じの絵のカードである。あれを15枚集めるとまた絵のカードが当たるのだが、それは「お茶づけ海苔」を買った時についてくるカードと同じものが4,50枚組になっているだけのものである。よく大きめのポスターのようなものが当たると勘違いしている人がいるが、カードが当たるだけである。そのために15枚もあれを集めるなんて大変過ぎる。それももれなく当たるならまだしも抽選である。私は今までに3度応募して1度外れたことがあるから確かである。そして締め切りがあるが、これが無期限に伸びて行く。もう20年続いていることは確かである。

もう一つはあの歌舞伎か何かからイメージを取ったよこしまのパッケージである。別にあれはおなじみだからデザインはどうでもいいものとは言え、なんでしょうか、「さけ茶づけ」も「たらこ茶づけ」も文字以外は殆ど同じである。通常別の商品が姉妹品のイメージを出すために似たパッケージにすることはあるが、同じにすることはないでしょう。

あとはパッケージに「お買い得」とか「お得用」とか書いてあることである。一体何に較べてお買い得なのであろうか。 1袋サービスとか書いてあるが、 5袋入りの「さけ茶づけ」を見たことがあるか。否である。いつの時代と較べて得になったのか、あるいは何に較べて得なのかはっきりさせて欲しいものである。(95年11月)

しかしまあ、それでも買ってしまうくらいに製品は優れているんだろうが、もう少しどうにかならないのかね。いやもう消費者にコビを売るとかそういう話では全くなくて。もしかしたら狙っているのか。(1998年1月)



時の流れは早いものっていうか、実際は単に時が流れて少しだけ変ったことだが、当時トップページしかなかった永谷園のホームページもそれなりにできあがっている。一種派手な商品パッケージとシックなデザインが奇妙な調和を醸し出している(←大人の言葉遣い)。最近の新しいふりかけのシリーズ「さまさま」はやっぱり自分でさまさま言ってしまうだけのことはあって、シンプルかつ飽きの来ない優れた商品群である。

ところで、つまらない話になるが、商品情報を見ていて何がお得なのか判明してしまった。「お茶づけ海苔」4袋入が110円に対して8袋入が220円で値段はちょうど倍だが、お吸い物が1袋おまけについているからオトク、それ以外の「さけ茶づけ」、「たらこ茶づけ」、「梅干し茶づけ」、「野沢菜茶づけ」については3袋入が120円から130円のところ、6袋入は220円なので1袋あたりの単価にしてオトクである。今年の謎が2010年に合理的に説明されてがっかりするような感じに近いが、そんな謎というほどのこともない、極めて普通の話だった。

(「今年の謎が2010年に説明ってどういう意味」とちょっと不思議に思う注意深い方もいるかと思う。これはキューブリックの有名な映画「 2001年宇宙の旅」で突然狂って乗務員を皆殺しにしようとしたように見えた知能を持ったコンピュータHALについて、「2010年」という映画で、実は狂ったのではなくて理由を持って行動していたということが説明されたことからの連想である。正確で感情のないはずのコンピュータが狂ったから凄いと思って印象深かったのが、単に「コンピュータは正常に動作していた。環境が原因である」というのでは、面白くない。面白くない証拠にどういう理由で正常に動作していたのか忘れてしまったくらいである。単に記憶力が悪いだけだが。いや、現実では機械が狂ったら面白いでは済まず大変なことになるが、あれはお話だから機械が狂った方が面白かったのである。同じ意見の人も多いのではないか。)

話は戻って最近「たらこ茶づけ」はどこでも見掛けないけれども、まだ製品としてはちゃんとあるようで私の探し方が足りないらしい。不徳の致すところである、っていうのはこういうところで使う言葉でしたかしら。(2001年4月)


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