最遊記本編におけるカップリング考察
2007.1改訂
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●三蔵&悟空

考察も何も歴然たる事実であり初期設定そのままですので考察の必要なし。この二人の絆を否定する方は言っちゃ何だがちょっと変です。

●悟浄&八戒

前述のふたりを差し引くとこのふたりしか残らないので、順当と言えば順当な感じです。このふたりの障害といえば親友という初期設定でしょう。親友…嫌な言葉です。彼らの間には真の、絶対的な、一点の曇りもない友情が成立している恐れがあります。どちらかがどちらか以外の相手と恋愛沙汰を起こした時にあたたかく見守る第三者というポジションに陥りやすいのです。しかしこのふたりの同居話、実はストーリーにまったく関係ありません。女好き夜遊び好きな悟浄が男と住むのも不思議であるし、八戒も八戒で同居の理由にゴミの収集日をあげるなどおふざけがすぎます。金がないのでとりあえず、が同居の真相だとしても原作には年期の入ったツーカー会話が目白押しで、このカップリング推奨者は大変幸せ者です。受攻は、まあ見た目は八戒受かもしれません。精神的には例えどんな体勢になっていたとしても八戒攻です。

●三蔵&悟浄

このふたり仲が悪いです。寄ると触ると殺人一歩手前な喧嘩ばかりしています。悟浄と悟空の方が喧嘩の回数は多いけれども、彼らの場合は陰性の喧嘩。陰性…素晴らしい響きです。普段仲の悪い者同士のカップルはまさに王道と言えましょう。単行本7巻、金閣・銀閣シリーズにおいて八戒と悟空、三蔵と悟浄が二手に分かれますが、あきらかに話の主導権は瓢箪の外にいる三蔵と悟浄にあります。とにかくぽんぽん喋ってくれ殺し合ってくれ悪態をつきながらも悟浄が三蔵をかばってくれるのでテンポ良く妄想できます。それ以降は悟浄に一方的に絡む三蔵と、三蔵にマジギレる悟浄が増え、ますます仲が悪くなっている、かもしれませんし仲良くなっているかもしれません。何にせよ濃い何かがあるのは間違いありません。このカップリング推奨者は大人の恋愛を知った方が多いようです。八戒相手だとシリアスにすぎるという方には大人同士の軽く割り切った恋がちょうどいい甘さなのです。早い話が身体めあてです。受攻は、まあどっちでもいいんじゃないでしょうか。

●三蔵&八戒

三蔵一行の中で堂々と美形キャラの称号を受けるふたりがくっつく妄想は極々真っ当でありまさに王道といえましょう。だがしかし本編において三蔵と八戒の関係を伺わせる描写が不自然に薄くないでしょうか。ツーショットが多いわりに隙がないのです。仲を深める常套手段「相手をかばってケガをする」ことも彼らの場合は少なめです。ふたりとも理詰めで物事を判断するタイプで、身体をはった愛情表現は疲れるので嫌いなのです。要するに似たもの同士です。この描写の薄さがかえって妄想を深めないでもないです。三蔵がシリアスに語ろうと思ったら相手は馬鹿猿やエロ河童では辛いです。シリアスに語らずして三蔵の見せ場は成立しません。ジープでは必ず隣りに座り、静かな夜を好み、雨に弱いトラウマすら共有しているふたり。もしこのふたりの間に愛が存在するとして、悟空や悟浄がちゃかしたりどっちかがどっちかを寝取ったりしたら、この哀しいくらいまじめなカップルを守るために私は愛する悟浄すら殴ってしまいそうです。受攻はこれこそどっちでもありです。

●悟空&八戒

考えようによってはこれ以上淫猥かつアブノーマルなカップルはいないのではないでしょうか。保父が子供とやっちゃったら犯罪です。八戒が悟空を愛し時には尊敬し畏怖し甘やかしていることは明白として、悟空のほうはなんの下心もなく優しいお兄さんに懐いているように思えます。そこが怖いのです。悟空がその気になったときに八戒が拒むとは考えられません。開発の余地ありすぎなので長続きしそうです。ひょっとしたら最遊記中一番強力なカップルかもしれません。

●悟空&悟浄

いいこと教えてやろうか?でなだれ込むパターンはあり得ます。スキンシップが高じてつい、という恋なしのHなら片鱗はいくらでも転がっています。ただ悟浄が飼い主にも保父にも無断で敷居を越えるとは少々考えにくく、逆も今の悟空が素面のままでは難しい気がします。酔うか取り憑かれるか涌くか。ただコンビという点で言えば、個人的にはどの組み合わせよりも推奨したいです。最も安定した家族愛が成立しそうです。受攻は悟浄が手練れであるが故に攻にまわるか、手練れであるが故に受にまわるかのどっちかです。

●悟空&紅孩児

正直申し上げて私にとってはまったくどうでもよい爽やかカップルです。互いに互いを認め合い「面白い」とか「強ぇ」とか「早くこないかな」とか挙げ句の果てには「何発はいった」とか「思いっきりヤろうぜ」などとはしたないまでの求愛っぷり、好奇心も探求心も旺盛なふたりなので技を磨き和気藹々と仲を深めて頂きたいものです。なんとなくですが、双方「おまえになら抱かれてもいい」と自ら受にまわりたがる気がしなくもないです。

●独角&悟浄

兄弟というだけで妄想するに充分すぎる王道カップルです。惜しむらくは本命の敵なのになかなか会わないことですが、会わないなら会わないで事あるごとに互いの思い出に耽っているようなのでよしとしましょう。いずれ兄弟対決という涙涙妄想妄想のビッグイベントが待ちかまえていますので、これから宗派替えしても間に合います。受攻は順当にいけば独攻でしょうね。「やめっ…兄貴!」どうよ。アブないね。

●紅孩児&独角

独角の気持ちはもういいというほど聞いたのでいいとして問題は紅です。彼は畏れながら申し上げますが、かなり自分のことでいっぱいいっぱいの方で、本来なら部下などもつべき器ではなかったのです。不覚にももれなく部下達全員に自由行動を許してしまっているところから見て、独角が迫った時に決然として拒絶できるような肝っ玉があるとはとても思えません。ほぼ歴然たる事実と見てよいでしょう。紅攻だったらちょっと驚きますが独角に少しでも従者の自覚が残っていれば攻ポジを譲る可能性もあります。

●八戒&八百鼡

八百鼡の男性観は至極普通です。見た目が良く自分に優しい男には軒並みぽ〜っといくちょろい女なので八戒さえその気になれば貴女もあの時運命を感じていたはずだとかなんとか適当にぬかしてイくとこまでいっちゃうでしょう。何の障害もありません。悟浄のエサにくれてやるのではないかという一抹の不安を除けば見た目は似たもの同士のお似合いカップル、彼らならペアルックも可です。これで受にまわるような八戒ならいっそちょん切ったほうがいいでしょうね。